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九章 奏歌くんとの九年目
28.奏歌くんの変化
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奏歌くんの変化について誰に相談すればいいのか分からなくて、私は百合に話してみることにした。稽古や劇場への行き帰りを百合は送ってくれている。車の運転ができない私にとっては、百合が送り迎えをしてくれていることは本当にありがたいと思っている。
帰りの車の中で私は百合に聞く。
「この前まで、奏歌くんお風呂の用意してくれて、『海瑠さん、疲れたでしょう。先にお風呂に入ってきたらいいよ』って言って、私がお風呂に入っている間に晩ご飯の用意をしてくれてたの」
「なにそれ!? ダーリンどれだけ男前なの!? 私もそんな男前が欲しい!」
物凄く羨ましがっている百合は置いておいて、私はため息をついてしまう。
「それが、この前の奏歌くんのお誕生日のコンサートには、お風呂に入ろうかなって言ったら、急に帰るって言っちゃったのよ」
奏歌くんが急に帰ってしまったことは、私にとってはショックだったが、百合はにやにやと笑っていた。
「ダーリンも大人になったのね」
「どういうこと!? 自分がいるときに私がお風呂に入るようなことが嫌になったの!?」
大人になったから、私のようないい年した大人が自分を放ってお風呂に入るのが許せなくなってしまったのだろうか。そんなことだったら、どれだけ汗だくになっても奏歌くんの前ではお風呂に入らないようにした方がいいのだろうか。
真面目に考えていると、百合がため息をつく。
「湯上りの姿とか、パジャマ姿とかに大人として反応しちゃうようになっちゃったのよ」
「大人として反応するってどういうこと? だらしない大人の私は嫌になったってこと?」
「そうじゃないわよ。ダーリンも健全な男の子として発達してるってことよ」
健全な男の子として発達してる?
よく意味は分からないが奏歌くんが大人になりかけていることは何となく私も理解していた。具体的にはよく分からないが、奏歌くんに変化が起きているのだ。
「ダーリンの前では着替えたり、隙のある姿を見せたりしちゃダメよ? ダーリンの方に気を遣わせちゃうからね」
「わ、分かった」
理由はよく分からないが、そっちの方が奏歌くんが助かるのならば、私は百合の言葉に従うことにした。奏歌くんに余計な負担をかけないのは、私の大人としての最低限の礼儀であると理解していた。
納得はしていないが理解はして部屋に戻ると奏歌くんの姿があった。リビングのテーブルで勉強している。
「奏歌くん、ただいま」
「お帰りなさい、海瑠さん」
参考書から顔を上げて挨拶をしてくれる奏歌くんに、汗は多少かいていたが、私は手を洗って汗拭きシートで顔を拭くだけにしておいた。奏歌くんの正面に座ると、冷蔵庫からアイスティーを出してグラスに注いでくれる。からからと氷の音が響いていた。
冷たいアイスティーを飲むと、喉が乾いていたことに気付いて、私はぐびぐびと一気に全部飲んでしまった。飲み終わってグラスを置いた私に、奏歌くんがお代わりを注いでくれる。
「夏休みになったの、気付いてた?」
「あ、そうか。奏歌くん、もう夏休みなんだね」
早い時間に帰って来たけれど奏歌くんがいることに驚きもしなかったが、奏歌くんは夏休みで朝から私の部屋に来ていたようだった。奏歌くんに指摘されて私は奏歌くんがもう夏休みに入っていることに気付いた。
「今週、茉優ちゃんとやっちゃんがイギリスに行くから、見送りに行こうね」
「もうそんな時期か」
茉優ちゃんとやっちゃんは今年の夏と、来年の夏休みにイギリスに下見に行って、住む場所や暮らす街を決めて来るのだと言っていた。将来に向かって歩き出している茉優ちゃんとやっちゃんが少し羨ましいような気がする。
奏歌くんと私は下見に行くつもりはなかったし、劇団を退団後にどこに行くかはっきりと決めていなかったが、最初に行くのが茉優ちゃんとやっちゃんの住んでいる街でもいいかもしれないというのは話し合っていた。
「茉優ちゃんとやっちゃんにとっては、もう見えてる未来の話なんだね」
「僕たちにも見えてる未来だよ。三年なんてあっという間だよ」
奏歌くんは三年後には18歳になる。奏歌くんの高校の卒業の前の時期に、私はクリスマスの特別公演で退団を発表することになるだろう。
18歳になった奏歌くんを想像するだけで幸せな気分になれるが、やっちゃんが羨ましいのは隠せない。
「私も奏歌くんと早く一緒に……でも、退団しちゃうと劇団と離れるのか。それは寂しいなぁ」
早く奏歌くんと旅立ちたい気持ちと、退団すると劇団からも百合からも離れなければいけないことはつらい。劇団を離れるようになった後は、百合も美鳥さんもバラバラになってしまうだろう。劇団に残る決断をしようとしている真月さんとも、私がこの国を離れるとなると気軽には会えなくなる。
劇団で築き上げてきた私と百合と美鳥さんと真月さんがバラバラになってしまうのも、三年後になる。
「海瑠さんが退団してから、日本を出るまでは準備も必要だろうね」
「準備って何をすればいいんだろう」
「この部屋をどうするかとかも決めないといけないでしょう?」
マンションのこの部屋は私が買っているので、長期で離れることになると売らなければいけなくなるかもしれない。
「この部屋を売っちゃうのか……。奏歌くんとの思い出がいっぱいなのに」
「持っててもいいとは思うけど、長期間使わないと傷んじゃうからね。貸すとしたら、家具の処理もして、部屋を空っぽにして、改装してからじゃないといけないでしょう」
「奏歌くん、詳しいのね」
全然知識のない私に話す奏歌くんに驚いていると、奏歌くんは照れた表情になった。
「やっちゃんが自分の部屋をどうするか悩んでるっていうのを聞いちゃって。早めに売りに出して、僕の家に住んじゃおうかって話になってる」
元々家具も持ち物も少ないやっちゃんは開けようと思えば部屋を空っぽにするのは簡単だと言っていたようだ。篠田家は広くて、家を出るまでやっちゃんが使っていた部屋がそのまま残っているから、やっちゃんはすぐにでも戻って来れる状態のようだった。
「やっちゃんと茉優ちゃんが一つ屋根の下……いいわね」
「海瑠さん、その言い方……」
「え?」
何がいけなかったのかと驚く私に、奏歌くんがじっと私を見つめてくる。
「海瑠さんと僕も、今、同じ部屋に二人きりなんだよ」
「奏歌くん?」
「海瑠さんは無防備に、僕の隣りに座ってるし」
立ち上がった奏歌くんが私の方に迫ってくる。両肩を掴まれて、座ったままで私は奏歌くんの顔をじっと見上げてしまった。これから何が起きるのか分からないけれど、真剣な表情の奏歌くんにドキドキしてしまう。
奏歌くんの顔が近付いて来て、私はそっと目を閉じた。奏歌くんが躊躇うように「くっ!」と息を漏らし、私の頬に軽く唇の当たる感触がした。
「もう! 海瑠さんは隙だらけなんだよ!」
普段は滅多に声を荒げることのない奏歌くんの叫びが聞こえて、私は驚いて目を開けてしまった。頬に残る唇の感触に、そっとそこに手を当てる。
「ごめんなさい、無理やりキスして。帰るね」
「待って。奏歌くん、帰らないで」
「このまま一緒にいると、僕、海瑠さんの望まないことをしちゃうかもしれないから」
望まないこととは何だろう。
「頬にキス、私は嬉しいよ。奏歌くんが好きだから。奏歌くんになら何をされてもいい」
本当に心からそう言ったつもりなのに、私を振り払って奏歌くんは勉強道具をリュックサックに詰め始めた。
「海瑠さんのそういうところだよ」
「奏歌くん、帰らないで。もう来ないなんて言わないで」
縋り付く私に奏歌くんがため息をついて、リュックサックに荷物を入れる手を止めた。
「もうちょっと、海瑠さんは危機感を持って。僕だって男なんだからね」
奏歌くんの言葉に私は頷きながらも、よく分からない気分になってしまう。私よりも背が低くて華奢で可愛くてまだあどけなさの抜けない奏歌くんが、自分のことを「男」だと言っている。重大なことのはずなのに、私のポンコツの頭では内容が上手く理解できない。
「もう部屋に来ないなんて言わないで」
「うん、また来る。また明日。やっちゃんと茉優ちゃんの見送りにも行こうね」
約束はしてくれたが、私は部屋に取り残されて呆然としていた。頬には奏歌くんの唇の感触が残っていて、片手でそこを押さえながら、頭は奏歌くんのことでいっぱいだった。
帰りの車の中で私は百合に聞く。
「この前まで、奏歌くんお風呂の用意してくれて、『海瑠さん、疲れたでしょう。先にお風呂に入ってきたらいいよ』って言って、私がお風呂に入っている間に晩ご飯の用意をしてくれてたの」
「なにそれ!? ダーリンどれだけ男前なの!? 私もそんな男前が欲しい!」
物凄く羨ましがっている百合は置いておいて、私はため息をついてしまう。
「それが、この前の奏歌くんのお誕生日のコンサートには、お風呂に入ろうかなって言ったら、急に帰るって言っちゃったのよ」
奏歌くんが急に帰ってしまったことは、私にとってはショックだったが、百合はにやにやと笑っていた。
「ダーリンも大人になったのね」
「どういうこと!? 自分がいるときに私がお風呂に入るようなことが嫌になったの!?」
大人になったから、私のようないい年した大人が自分を放ってお風呂に入るのが許せなくなってしまったのだろうか。そんなことだったら、どれだけ汗だくになっても奏歌くんの前ではお風呂に入らないようにした方がいいのだろうか。
真面目に考えていると、百合がため息をつく。
「湯上りの姿とか、パジャマ姿とかに大人として反応しちゃうようになっちゃったのよ」
「大人として反応するってどういうこと? だらしない大人の私は嫌になったってこと?」
「そうじゃないわよ。ダーリンも健全な男の子として発達してるってことよ」
健全な男の子として発達してる?
よく意味は分からないが奏歌くんが大人になりかけていることは何となく私も理解していた。具体的にはよく分からないが、奏歌くんに変化が起きているのだ。
「ダーリンの前では着替えたり、隙のある姿を見せたりしちゃダメよ? ダーリンの方に気を遣わせちゃうからね」
「わ、分かった」
理由はよく分からないが、そっちの方が奏歌くんが助かるのならば、私は百合の言葉に従うことにした。奏歌くんに余計な負担をかけないのは、私の大人としての最低限の礼儀であると理解していた。
納得はしていないが理解はして部屋に戻ると奏歌くんの姿があった。リビングのテーブルで勉強している。
「奏歌くん、ただいま」
「お帰りなさい、海瑠さん」
参考書から顔を上げて挨拶をしてくれる奏歌くんに、汗は多少かいていたが、私は手を洗って汗拭きシートで顔を拭くだけにしておいた。奏歌くんの正面に座ると、冷蔵庫からアイスティーを出してグラスに注いでくれる。からからと氷の音が響いていた。
冷たいアイスティーを飲むと、喉が乾いていたことに気付いて、私はぐびぐびと一気に全部飲んでしまった。飲み終わってグラスを置いた私に、奏歌くんがお代わりを注いでくれる。
「夏休みになったの、気付いてた?」
「あ、そうか。奏歌くん、もう夏休みなんだね」
早い時間に帰って来たけれど奏歌くんがいることに驚きもしなかったが、奏歌くんは夏休みで朝から私の部屋に来ていたようだった。奏歌くんに指摘されて私は奏歌くんがもう夏休みに入っていることに気付いた。
「今週、茉優ちゃんとやっちゃんがイギリスに行くから、見送りに行こうね」
「もうそんな時期か」
茉優ちゃんとやっちゃんは今年の夏と、来年の夏休みにイギリスに下見に行って、住む場所や暮らす街を決めて来るのだと言っていた。将来に向かって歩き出している茉優ちゃんとやっちゃんが少し羨ましいような気がする。
奏歌くんと私は下見に行くつもりはなかったし、劇団を退団後にどこに行くかはっきりと決めていなかったが、最初に行くのが茉優ちゃんとやっちゃんの住んでいる街でもいいかもしれないというのは話し合っていた。
「茉優ちゃんとやっちゃんにとっては、もう見えてる未来の話なんだね」
「僕たちにも見えてる未来だよ。三年なんてあっという間だよ」
奏歌くんは三年後には18歳になる。奏歌くんの高校の卒業の前の時期に、私はクリスマスの特別公演で退団を発表することになるだろう。
18歳になった奏歌くんを想像するだけで幸せな気分になれるが、やっちゃんが羨ましいのは隠せない。
「私も奏歌くんと早く一緒に……でも、退団しちゃうと劇団と離れるのか。それは寂しいなぁ」
早く奏歌くんと旅立ちたい気持ちと、退団すると劇団からも百合からも離れなければいけないことはつらい。劇団を離れるようになった後は、百合も美鳥さんもバラバラになってしまうだろう。劇団に残る決断をしようとしている真月さんとも、私がこの国を離れるとなると気軽には会えなくなる。
劇団で築き上げてきた私と百合と美鳥さんと真月さんがバラバラになってしまうのも、三年後になる。
「海瑠さんが退団してから、日本を出るまでは準備も必要だろうね」
「準備って何をすればいいんだろう」
「この部屋をどうするかとかも決めないといけないでしょう?」
マンションのこの部屋は私が買っているので、長期で離れることになると売らなければいけなくなるかもしれない。
「この部屋を売っちゃうのか……。奏歌くんとの思い出がいっぱいなのに」
「持っててもいいとは思うけど、長期間使わないと傷んじゃうからね。貸すとしたら、家具の処理もして、部屋を空っぽにして、改装してからじゃないといけないでしょう」
「奏歌くん、詳しいのね」
全然知識のない私に話す奏歌くんに驚いていると、奏歌くんは照れた表情になった。
「やっちゃんが自分の部屋をどうするか悩んでるっていうのを聞いちゃって。早めに売りに出して、僕の家に住んじゃおうかって話になってる」
元々家具も持ち物も少ないやっちゃんは開けようと思えば部屋を空っぽにするのは簡単だと言っていたようだ。篠田家は広くて、家を出るまでやっちゃんが使っていた部屋がそのまま残っているから、やっちゃんはすぐにでも戻って来れる状態のようだった。
「やっちゃんと茉優ちゃんが一つ屋根の下……いいわね」
「海瑠さん、その言い方……」
「え?」
何がいけなかったのかと驚く私に、奏歌くんがじっと私を見つめてくる。
「海瑠さんと僕も、今、同じ部屋に二人きりなんだよ」
「奏歌くん?」
「海瑠さんは無防備に、僕の隣りに座ってるし」
立ち上がった奏歌くんが私の方に迫ってくる。両肩を掴まれて、座ったままで私は奏歌くんの顔をじっと見上げてしまった。これから何が起きるのか分からないけれど、真剣な表情の奏歌くんにドキドキしてしまう。
奏歌くんの顔が近付いて来て、私はそっと目を閉じた。奏歌くんが躊躇うように「くっ!」と息を漏らし、私の頬に軽く唇の当たる感触がした。
「もう! 海瑠さんは隙だらけなんだよ!」
普段は滅多に声を荒げることのない奏歌くんの叫びが聞こえて、私は驚いて目を開けてしまった。頬に残る唇の感触に、そっとそこに手を当てる。
「ごめんなさい、無理やりキスして。帰るね」
「待って。奏歌くん、帰らないで」
「このまま一緒にいると、僕、海瑠さんの望まないことをしちゃうかもしれないから」
望まないこととは何だろう。
「頬にキス、私は嬉しいよ。奏歌くんが好きだから。奏歌くんになら何をされてもいい」
本当に心からそう言ったつもりなのに、私を振り払って奏歌くんは勉強道具をリュックサックに詰め始めた。
「海瑠さんのそういうところだよ」
「奏歌くん、帰らないで。もう来ないなんて言わないで」
縋り付く私に奏歌くんがため息をついて、リュックサックに荷物を入れる手を止めた。
「もうちょっと、海瑠さんは危機感を持って。僕だって男なんだからね」
奏歌くんの言葉に私は頷きながらも、よく分からない気分になってしまう。私よりも背が低くて華奢で可愛くてまだあどけなさの抜けない奏歌くんが、自分のことを「男」だと言っている。重大なことのはずなのに、私のポンコツの頭では内容が上手く理解できない。
「もう部屋に来ないなんて言わないで」
「うん、また来る。また明日。やっちゃんと茉優ちゃんの見送りにも行こうね」
約束はしてくれたが、私は部屋に取り残されて呆然としていた。頬には奏歌くんの唇の感触が残っていて、片手でそこを押さえながら、頭は奏歌くんのことでいっぱいだった。
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