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八章 奏歌くんとの八年目
10.百合のスイーツ解禁
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奏歌くんの試験の終わったお休みに、私は百合との約束を果たす計画を立てていた。いつもタルトを買っている果物がぎっしり詰まっていたり、栗や南瓜やサツマイモのタルトの売っているお店にイートインスペースがあるのだ。気付いてはいたが、一人で行く気にもなれず、奏歌くんとタルトを食べるならばお家に買って帰った方が早いのでイートインスペースには入ったことがなかった。
百合は親友でも私の部屋には上がって欲しくないと思ってしまう。どうしても縄張り意識の強い私は、心許した相手以外を自分の部屋に入れたくないのだ。
奏歌くんならば鍵も渡しているし、いつ来てくれても嬉しいのだが、他の相手が一緒だと思うと抵抗がある。やっちゃんも一度しか私の部屋には上がったことがないし、茉優ちゃんも片手で数えられるくらいしか部屋に来たことはない。
奏歌くんが同席してくれているのならば、やっちゃんや茉優ちゃんは家族のようなものなのでギリギリ我慢できたが、百合はやはり無理なようだ。
外であのタルトを一緒に食べるとなると、イートインスペースに行くしかない。
「奏歌くん、百合とあのタルトのお店に行きたいの」
「いいよ、行こう」
快く了承してくれた奏歌くんに、私は百合に連絡を取った。お昼ご飯を食べ終わった頃に百合が車で迎えに来る。インターフォンが鳴ると、私と奏歌くんはエレベーターでマンションのエントランスに降りていた。
マンションの前に車を停めている百合に挨拶をする。
「今日はよろしく、百合」
「こちらこそ、美味しいタルトを二個は食べるわよ!」
「約束通り奢るから」
私と百合が話していると、奏歌くんが百合に頭を下げる。
「車で海瑠さんをいつも送り迎えしてくれてありがとうございます。今日は僕もよろしくお願いします」
「ダーリンったら! 大人みたいに挨拶されちゃった! 相変わらず男前ね」
奏歌くんを褒められて私も悪い気はしていなかった。
百合の車に乗ってタルトのお店の近くの駐車場まで行く。駐車場で車が停まると、奏歌くんが車のドアを開けて私に手を差し伸べてくれた。
「エスコートしてくれるの!?」
「海瑠さんは僕の大事なひとだからね」
中学生なのにこんなに男前でいいのだろうか。ドキドキしながら奏歌くんの手を取って車から降りる私を、百合がにやにやして見ている。奏歌くんよりもずっと身長の高い私がエスコートされるのはおかしく見えるのだろう。そんなことは私と奏歌くんの間では何の問題にもならなかった。
二人で手を繋いでお店までの道を歩く。百合がそれを見ながら付いてくる。
「ダーリンって、大人なのね」
「僕はまだ中学生だよ?」
「海瑠が手を繋いでほしいから繋いであげてるんでしょう? やっぱり、男前だわ」
私が奏歌くんと手を繋ぎたいことが百合にはバレていた。手を繋いで堂々と歩けるのも今年までかもしれない。まだ可愛さの残る奏歌くんも少しずつだが大人っぽくなってきている。大人の男性になれば、劇団の規則の恋愛禁止に引っかかってしまう。
今は可愛い奏歌くんと保護者の私と言う形で手を繋げるが、そのうちに繋げなくなってしまう。
「奏歌くんと手が繋げなくなる日が来るんだわ」
落ち込んでいると、奏歌くんがそっと耳打ちする。
「二人きりのときはいつでも繋げるよ」
奏歌くんの囁きに私はほっと胸を撫で下ろす。これからも奏歌くんは二人きりのときには手を繋いでくれる。
タルトのお店にはお客さんの列ができていた。有名店のようなので、イートインは混んでいるようだ。店の外まで続く列に並ぶと奏歌くんが私と手を放した。一抹の寂しさが胸を過る。
「秋公演の間中我慢してたから、今日はお昼ご飯抜いて来ちゃった! 絶対に二個は食べるからね!」
「百合さん、そんなにダイエットしてたんだ」
「衣装がきつかったのよ! ウエストを細く見せるためのデザインでね」
秋公演の苦労を語る百合に奏歌くんは同情的だった。
イートインスペースに入る列は長いように見えて、ちょうどお客さんが入れ替わる時間だったようで、すぐに中に入れた。三人の席に座ってメニューを見る。
「苺のタルトにしようかな、それとも胡桃のタルト……柑橘類のタルトも捨てがたいわ。苺のタルトはチーズケーキと、カスタードと、ティラミス風があるの!? あぁ、お茶のタルトもある」
大いに悩む百合の横で、奏歌くんも悩んでいた。
「お茶のタルトも食べたいけど、苺のチーズケーキも食べたいなぁ」
「私が苺のチーズケーキを頼むから、奏歌くんがお茶のタルトにしたら? シェアしよ」
私が提案すると奏歌くんのハニーブラウンのお目目がぱぁっと輝く。
「海瑠さんと半分ずつにしようね」
私と奏歌くんはそれで決まったが、百合がなかなか決まらない。百合が悩んでいる間に私と奏歌くんは飲み物を決めていた。
「カフェオレにしてみようか?」
「お店で飲むときくらいいいんじゃないかな」
そんなに頻繁に飲むわけではないし、お店に来たときくらいはカフェオレを頼んでも良いのではないだろうか。奏歌くんの意見に賛成すると百合ががばっとメニューから顔を上げた。
「決めたわ! 胡桃のタルトと、苺のカスタードタルトにする!」
「飲み物は?」
「海瑠とダーリンはどうなったの?」
「カフェオレにしたよ」
「それじゃあ、それにする!」
タルトが決まったので店員さんを呼んで奏歌くんがてきぱきと注文してくれる。
「お茶のタルトと、苺のチーズケーキのタルトと、胡桃のタルトと、苺のカスタードのタルトで、飲み物はみんなカフェオレでお願いします」
「お砂糖はいりますか?」
問いかけられて奏歌くんが私と百合を見る。私は飲み物にお砂糖を入れて飲んだことがないので首を振って、百合もふるふると首を振っている。
「お砂糖はいりません」
「畏まりました、オーダーを繰り返させていただきます」
店員さんが確認してケーキを準備しに行く。
ショーケースから取り出すだけなので、ケーキはすぐに運ばれてきた。運ばれてきたケーキを奏歌くんが手際よく指示する。
「お茶のタルトはここで、苺のチーズケーキはそっちで、胡桃のタルトと苺のカスタードのタルトはこっちで」
何も言わなくてもタルトが私の前に運ばれて来る幸せ。百合も奏歌くんをじっと見つめている。
「さすがダーリン、頼りになるわ」
初めてのお店には入るのも警戒してしまうし、中でも落ち着かないのだが、奏歌くんに全部してもらっていると、全然怖くなくて寛げるから不思議だ。
カフェオレが運ばれてきてから私は苺のチーズケーキタルトにフォークを入れた。一口食べると上の新鮮な苺と下のチーズケーキ部分とバターの香りのするタルトのハーモニーがたまらない。
「海瑠さん、こっちもどうぞ」
「奏歌くんも、こっちどうぞ」
それぞれお皿を差し出して食べ合って、「美味しい」と感動していると、百合が二つのタルトを交互に食べて恍惚と天井を仰ぎ見ている。
「これを求めていたのよ……あぁ、私の細胞が喜んでいる」
「そこまで飢えてたの!?」
「どれだけ我慢したと思ってるのよ! 海瑠は能天気にお弁当食べて! あぁ、ダーリンのお弁当! 羨ましい!」
声が大きくなった百合に周囲から視線が集まっているのが分かる。
「あれ、もしかして、劇団の……」
「トップスターカップルじゃない?」
「二人揃ってるとか尊い! 二人でデートなのね!」
周囲で見ているひとたちには、奏歌くんの存在は私たちについてきた親戚の子どものようで、私と百合がデートをしているように感じられているようだ。私は奏歌くんとのデートに百合が加わっている形なのだが、百合がいるからカモフラージュになっているようだ。
中学一年生に見えないくらい奏歌くんが華奢で可愛いのもよかったようだ。
男性との噂は困るが、私と百合がお出かけしていたという話ならばどれだけ流れても構わない。トップスターの男役と女役は夫婦のように仲良くあれというのが劇団の方針だから、私と百合の仲がいいという噂はいい方向にしか捉えられない。
「二個なんてペロリだったわ……もう一個頼んでおけばよかった」
「百合、それはさすがに食べ過ぎよ。二個でも多いのに」
食べ終わった百合がカフェオレを飲みながら呟くのに私は呆れてしまった。奏歌くんもカフェオレを吹いて冷ましながら飲んでいる。
お店で飲むカフェオレもコンビニのカフェオレと違いが分からなかったが、とても美味しく感じられた。
百合は親友でも私の部屋には上がって欲しくないと思ってしまう。どうしても縄張り意識の強い私は、心許した相手以外を自分の部屋に入れたくないのだ。
奏歌くんならば鍵も渡しているし、いつ来てくれても嬉しいのだが、他の相手が一緒だと思うと抵抗がある。やっちゃんも一度しか私の部屋には上がったことがないし、茉優ちゃんも片手で数えられるくらいしか部屋に来たことはない。
奏歌くんが同席してくれているのならば、やっちゃんや茉優ちゃんは家族のようなものなのでギリギリ我慢できたが、百合はやはり無理なようだ。
外であのタルトを一緒に食べるとなると、イートインスペースに行くしかない。
「奏歌くん、百合とあのタルトのお店に行きたいの」
「いいよ、行こう」
快く了承してくれた奏歌くんに、私は百合に連絡を取った。お昼ご飯を食べ終わった頃に百合が車で迎えに来る。インターフォンが鳴ると、私と奏歌くんはエレベーターでマンションのエントランスに降りていた。
マンションの前に車を停めている百合に挨拶をする。
「今日はよろしく、百合」
「こちらこそ、美味しいタルトを二個は食べるわよ!」
「約束通り奢るから」
私と百合が話していると、奏歌くんが百合に頭を下げる。
「車で海瑠さんをいつも送り迎えしてくれてありがとうございます。今日は僕もよろしくお願いします」
「ダーリンったら! 大人みたいに挨拶されちゃった! 相変わらず男前ね」
奏歌くんを褒められて私も悪い気はしていなかった。
百合の車に乗ってタルトのお店の近くの駐車場まで行く。駐車場で車が停まると、奏歌くんが車のドアを開けて私に手を差し伸べてくれた。
「エスコートしてくれるの!?」
「海瑠さんは僕の大事なひとだからね」
中学生なのにこんなに男前でいいのだろうか。ドキドキしながら奏歌くんの手を取って車から降りる私を、百合がにやにやして見ている。奏歌くんよりもずっと身長の高い私がエスコートされるのはおかしく見えるのだろう。そんなことは私と奏歌くんの間では何の問題にもならなかった。
二人で手を繋いでお店までの道を歩く。百合がそれを見ながら付いてくる。
「ダーリンって、大人なのね」
「僕はまだ中学生だよ?」
「海瑠が手を繋いでほしいから繋いであげてるんでしょう? やっぱり、男前だわ」
私が奏歌くんと手を繋ぎたいことが百合にはバレていた。手を繋いで堂々と歩けるのも今年までかもしれない。まだ可愛さの残る奏歌くんも少しずつだが大人っぽくなってきている。大人の男性になれば、劇団の規則の恋愛禁止に引っかかってしまう。
今は可愛い奏歌くんと保護者の私と言う形で手を繋げるが、そのうちに繋げなくなってしまう。
「奏歌くんと手が繋げなくなる日が来るんだわ」
落ち込んでいると、奏歌くんがそっと耳打ちする。
「二人きりのときはいつでも繋げるよ」
奏歌くんの囁きに私はほっと胸を撫で下ろす。これからも奏歌くんは二人きりのときには手を繋いでくれる。
タルトのお店にはお客さんの列ができていた。有名店のようなので、イートインは混んでいるようだ。店の外まで続く列に並ぶと奏歌くんが私と手を放した。一抹の寂しさが胸を過る。
「秋公演の間中我慢してたから、今日はお昼ご飯抜いて来ちゃった! 絶対に二個は食べるからね!」
「百合さん、そんなにダイエットしてたんだ」
「衣装がきつかったのよ! ウエストを細く見せるためのデザインでね」
秋公演の苦労を語る百合に奏歌くんは同情的だった。
イートインスペースに入る列は長いように見えて、ちょうどお客さんが入れ替わる時間だったようで、すぐに中に入れた。三人の席に座ってメニューを見る。
「苺のタルトにしようかな、それとも胡桃のタルト……柑橘類のタルトも捨てがたいわ。苺のタルトはチーズケーキと、カスタードと、ティラミス風があるの!? あぁ、お茶のタルトもある」
大いに悩む百合の横で、奏歌くんも悩んでいた。
「お茶のタルトも食べたいけど、苺のチーズケーキも食べたいなぁ」
「私が苺のチーズケーキを頼むから、奏歌くんがお茶のタルトにしたら? シェアしよ」
私が提案すると奏歌くんのハニーブラウンのお目目がぱぁっと輝く。
「海瑠さんと半分ずつにしようね」
私と奏歌くんはそれで決まったが、百合がなかなか決まらない。百合が悩んでいる間に私と奏歌くんは飲み物を決めていた。
「カフェオレにしてみようか?」
「お店で飲むときくらいいいんじゃないかな」
そんなに頻繁に飲むわけではないし、お店に来たときくらいはカフェオレを頼んでも良いのではないだろうか。奏歌くんの意見に賛成すると百合ががばっとメニューから顔を上げた。
「決めたわ! 胡桃のタルトと、苺のカスタードタルトにする!」
「飲み物は?」
「海瑠とダーリンはどうなったの?」
「カフェオレにしたよ」
「それじゃあ、それにする!」
タルトが決まったので店員さんを呼んで奏歌くんがてきぱきと注文してくれる。
「お茶のタルトと、苺のチーズケーキのタルトと、胡桃のタルトと、苺のカスタードのタルトで、飲み物はみんなカフェオレでお願いします」
「お砂糖はいりますか?」
問いかけられて奏歌くんが私と百合を見る。私は飲み物にお砂糖を入れて飲んだことがないので首を振って、百合もふるふると首を振っている。
「お砂糖はいりません」
「畏まりました、オーダーを繰り返させていただきます」
店員さんが確認してケーキを準備しに行く。
ショーケースから取り出すだけなので、ケーキはすぐに運ばれてきた。運ばれてきたケーキを奏歌くんが手際よく指示する。
「お茶のタルトはここで、苺のチーズケーキはそっちで、胡桃のタルトと苺のカスタードのタルトはこっちで」
何も言わなくてもタルトが私の前に運ばれて来る幸せ。百合も奏歌くんをじっと見つめている。
「さすがダーリン、頼りになるわ」
初めてのお店には入るのも警戒してしまうし、中でも落ち着かないのだが、奏歌くんに全部してもらっていると、全然怖くなくて寛げるから不思議だ。
カフェオレが運ばれてきてから私は苺のチーズケーキタルトにフォークを入れた。一口食べると上の新鮮な苺と下のチーズケーキ部分とバターの香りのするタルトのハーモニーがたまらない。
「海瑠さん、こっちもどうぞ」
「奏歌くんも、こっちどうぞ」
それぞれお皿を差し出して食べ合って、「美味しい」と感動していると、百合が二つのタルトを交互に食べて恍惚と天井を仰ぎ見ている。
「これを求めていたのよ……あぁ、私の細胞が喜んでいる」
「そこまで飢えてたの!?」
「どれだけ我慢したと思ってるのよ! 海瑠は能天気にお弁当食べて! あぁ、ダーリンのお弁当! 羨ましい!」
声が大きくなった百合に周囲から視線が集まっているのが分かる。
「あれ、もしかして、劇団の……」
「トップスターカップルじゃない?」
「二人揃ってるとか尊い! 二人でデートなのね!」
周囲で見ているひとたちには、奏歌くんの存在は私たちについてきた親戚の子どものようで、私と百合がデートをしているように感じられているようだ。私は奏歌くんとのデートに百合が加わっている形なのだが、百合がいるからカモフラージュになっているようだ。
中学一年生に見えないくらい奏歌くんが華奢で可愛いのもよかったようだ。
男性との噂は困るが、私と百合がお出かけしていたという話ならばどれだけ流れても構わない。トップスターの男役と女役は夫婦のように仲良くあれというのが劇団の方針だから、私と百合の仲がいいという噂はいい方向にしか捉えられない。
「二個なんてペロリだったわ……もう一個頼んでおけばよかった」
「百合、それはさすがに食べ過ぎよ。二個でも多いのに」
食べ終わった百合がカフェオレを飲みながら呟くのに私は呆れてしまった。奏歌くんもカフェオレを吹いて冷ましながら飲んでいる。
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