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七章 奏歌くんとの七年目
18.二人きりになれないクリスマス
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奏歌くんとのクリスマス。
のはずだったのだが、なぜか私の部屋でさくらが両手にクッキーを持ってさくさくと良い音を立てて食べている。
クリスマスの特別公演はクリスマスイブのマチネで行われて、その後に篠田家に行って夕飯とケーキをご馳走になり、奏歌くんと一緒にマンションに戻って次の日は二人でクリスマスを過ごすのが例年のことになっていた。
そこに海香が突然連絡を入れて来たのだ。
『さくらを、今日一日預かってくれない? あんた、今日休みでしょう?』
預かってほしい理由を聞いたら、茉優ちゃんの件で美歌さんから相談を受けたので何かあったときのために知り合いの弁護士や法律に詳しいひとたちに協力を求めるためだと言えば、私もさくらを預からないわけにはいかない。
2歳なのでまだオムツを付けているさくらはお尻をぷっくりさせた可愛いワンピースとカボチャパンツ姿で現れた。
「レギンスを履かせたいんだけど、嫌がるのよ。部屋、寒くないようにしてね」
「海瑠さんが寒がりだから、部屋はいつも暖かくしてるよ」
「奏歌くん、いつもありがとうね」
海香は私よりも奏歌くんに信頼を寄せているようだ。私のこれまでの人生を鑑みれば、それも仕方のないことだろう。
奏歌くんに抱っこされたさくらは上機嫌で海香に「ばいばい」をして私の部屋に上がって来た。持ってきた積み木でさくらが遊んでいる間に、奏歌くんは百合に上げるために私に教えてくれたクッキーを作って焼いていた。クッキーの焼けるいい匂いがしてくると、さくらがそわそわとしだす。
焼けたクッキーの粗熱を取っている間にも、ちゃっかりと椅子に座って手を合わせて「いただきます」のポーズをとっているさくらに、奏歌くんが止めに入る。
「あれはおやつだからね」
「たらきまつ!」
「まだ食べないよ。お昼ご飯も食べなきゃいけないし」
「たらきまつ! ちょーあい!」
あまりに欲しがるので一つ握らせたら、もう一つの手を差し出して必死に言って来る。
「ちょーあい! くっちー、ちょーあい!」
仕方がないので両手に持たせると、やっと納得して食べ始めたというわけだ。
奏歌くんとの朝がさくらのせいでバタバタになってしまって、私たちは朝ご飯も食べていないことを思い出した。私が忘れるのはいつものことだが、奏歌くんまで忘れてしまうのは珍しい。
ご飯を早炊きにして、奏歌くんがお味噌汁を作る。お惣菜のアジの南蛮漬けを出してきて私がお皿に盛ると、奏歌くんはそこに糠漬けも切って添えた。
朝ご飯を食べている間中、さくらは落ち着かずに自分も食卓の椅子に座っていた。
「さくらちゃんは朝ごはん食べたでしょう?」
「たらきまつ!」
「それじゃ、おにぎりだけね?」
「ちょーあい!」
仕方なく奏歌くんが小さなおにぎりを握って、小さな器にお味噌汁を少しだけ入れてさくらには満足してもらった。お腹がいっぱいになると眠くなったのか、さくらの頭がぐらぐらしてくる。組み立て式のベビーベッドに寝かせると、さくらは健やかに眠っていた。
遅い朝ご飯を食べたので私たちもお昼は遅めでいいと考えてはいたが、さくらがいるといつ用意ができるか分からない。奏歌くんがさくらが寝ている間にお野菜を切って何か作っている。
「大根、蓮根、人参、椎茸、牛蒡、鶏肉……何を作ってるの?」
「筑前煮だよ」
「え!?」
冷凍のお惣菜で何度も筑前煮を食べたことがあるけれど、それが作れるものだなんて考えたことがなかった。当然、やっちゃんや美歌さんのお惣菜には筑前煮は入っていたけれど、大人が作る難しい料理というイメージしかなかったのだ。それを小学校六年生の奏歌くんが作っているのが信じられない。
「柔らかく煮たら、さくらちゃんも食べられると思うから、作ってみてるんだ。小学校の調理実習で作ったことがあるし、やっちゃんと母さんの手伝いもしてるから、作れるよ」
頼もしい言葉に私はときめいてしまった。
筑前煮が出来上がる頃にはさくらは起き出していた。持ってきた大きなレゴブロックで遊びだす。奏歌くんが飛行機や独楽を作ると、興奮して声を上げて手を叩いていた。
「ひこーち!」
「こっちは独楽だよ」
「ぐるぐる、ちて!」
回してとお願いされてレゴブロックで作った独楽を奏歌くんが回す。くるくると回ってソファの脚にぶつかって独楽は分解されてしまった。
「こあえたー! びえー!」
壊れたのが悲しかったのか泣き出すさくらに、奏歌くんが新しく独楽を作る。駒を回しては壊れて、壊れてはまた作る。単純な遊びだがさくらはとても気に入ったようだった。
「かーたくん、かーたくん!」
「はいはい、独楽を作る?」
「ん!」
奏歌くんの名前が言えるようになっているさくら。私はと自分を指さすと首を傾げている。
「海瑠さんだよ、さくらちゃん」
「かーたくん、ぐるぐる!」
「うん、作ろうね」
レゴブロックで独楽を作ることもできない私にはさくらは興味がないようだった。こんなところまで奏歌くんはかっこよくさくらを魅了している。
お昼ご飯には残っていたお味噌汁とご飯に、筑前煮を添えて、奏歌くんが魚を焼いてくれて食べた。さくらのためには魚を解さなければいけなかったけれど、それも奏歌くんが率先してやってくれていた。
「奏歌くん、かっこいい……本当にできる男って感じ」
「そうかな?」
奏歌くんにうっとりとしていると、さくらが早く食べさせろと大きな口を開けて奏歌くんの手を引っ張る。奏歌くんを奪われているようで正直ちょっと面白くなかったけれど、食べ終わってお昼寝をしている間は私が奏歌くんを独占した。
ソファに座った奏歌くんの膝の上に猫の姿になって頭を乗せる。たくさん撫でてもらって、「クリスマスの特別公演、すごく素敵だったよ」と褒めてもらって、私は大満足だった。
おやつを食べているときに、海香はさくらを迎えに来た。美歌さんも一緒で、さくらは大急ぎで握っていたクッキーを口の中に詰め込んで、美歌さんに抱っこを求めていた。
「茉優ちゃんのお祖父さんが現れてもすぐに対処できるようには準備しておきましたから」
「茉優ちゃんを引き取るときにお世話になった児童相談所のひとにも相談してきたのよ」
美歌さんと海香は来るかもしれない危機に対してきっちりと対応していた。
さくらを抱っこした美歌さんを見て、これでやっと奏歌くんとの二人きりのクリスマスが過ごせるかと思った私だが、現実はそんなに甘くなかった。
「奏歌、ちょっと早いけど、帰るわよ」
「え? 夜まで良いって言ったでしょう?」
「茉優ちゃんのこともあるし、あまり家を何度も空けたくないのよ」
夜に奏歌くんを迎えに来るとなると、やっちゃんが来ていない限りは、篠田家には茉優ちゃん一人が取り残されることになる。インターフォンを鳴らして誰かが来ても出ないように教えていても、玄関先で騒がれたら茉優ちゃんも怖い思いをするだろう。
茉優ちゃんのことを考えると奏歌くんが今帰るのが一番いいのだと分かっていても、私は寂しさで奏歌くんの手を握り締めて放せない。奏歌くんも納得していない様子に、助け舟を出してくれたのは海香だった。
「さくらのこと預かってくれて助かったし、今日は私が奏歌くんを送るわ。美歌さんの家にさくらを受け取りに行かなきゃいけないし」
当然のようにさくらはこれから美歌さんの家に行くようだった。
奏歌くんと引き離されることがなくなって、私はホッと息を吐く。
「海瑠さんを年末年始にはうちに招待していいでしょう?」
「それはもちろんいいわよ」
「やった! 母さん、ありがとう」
さくらちゃんを抱いて部屋から出て行く美歌さんの背中に問いかけて答えを貰った奏歌くんは嬉しそうにしている。
「晩ご飯を食べ終わった頃に迎えに来るからね」
海香も一度家に戻って、私と奏歌くんは二人きりになった。
のはずだったのだが、なぜか私の部屋でさくらが両手にクッキーを持ってさくさくと良い音を立てて食べている。
クリスマスの特別公演はクリスマスイブのマチネで行われて、その後に篠田家に行って夕飯とケーキをご馳走になり、奏歌くんと一緒にマンションに戻って次の日は二人でクリスマスを過ごすのが例年のことになっていた。
そこに海香が突然連絡を入れて来たのだ。
『さくらを、今日一日預かってくれない? あんた、今日休みでしょう?』
預かってほしい理由を聞いたら、茉優ちゃんの件で美歌さんから相談を受けたので何かあったときのために知り合いの弁護士や法律に詳しいひとたちに協力を求めるためだと言えば、私もさくらを預からないわけにはいかない。
2歳なのでまだオムツを付けているさくらはお尻をぷっくりさせた可愛いワンピースとカボチャパンツ姿で現れた。
「レギンスを履かせたいんだけど、嫌がるのよ。部屋、寒くないようにしてね」
「海瑠さんが寒がりだから、部屋はいつも暖かくしてるよ」
「奏歌くん、いつもありがとうね」
海香は私よりも奏歌くんに信頼を寄せているようだ。私のこれまでの人生を鑑みれば、それも仕方のないことだろう。
奏歌くんに抱っこされたさくらは上機嫌で海香に「ばいばい」をして私の部屋に上がって来た。持ってきた積み木でさくらが遊んでいる間に、奏歌くんは百合に上げるために私に教えてくれたクッキーを作って焼いていた。クッキーの焼けるいい匂いがしてくると、さくらがそわそわとしだす。
焼けたクッキーの粗熱を取っている間にも、ちゃっかりと椅子に座って手を合わせて「いただきます」のポーズをとっているさくらに、奏歌くんが止めに入る。
「あれはおやつだからね」
「たらきまつ!」
「まだ食べないよ。お昼ご飯も食べなきゃいけないし」
「たらきまつ! ちょーあい!」
あまりに欲しがるので一つ握らせたら、もう一つの手を差し出して必死に言って来る。
「ちょーあい! くっちー、ちょーあい!」
仕方がないので両手に持たせると、やっと納得して食べ始めたというわけだ。
奏歌くんとの朝がさくらのせいでバタバタになってしまって、私たちは朝ご飯も食べていないことを思い出した。私が忘れるのはいつものことだが、奏歌くんまで忘れてしまうのは珍しい。
ご飯を早炊きにして、奏歌くんがお味噌汁を作る。お惣菜のアジの南蛮漬けを出してきて私がお皿に盛ると、奏歌くんはそこに糠漬けも切って添えた。
朝ご飯を食べている間中、さくらは落ち着かずに自分も食卓の椅子に座っていた。
「さくらちゃんは朝ごはん食べたでしょう?」
「たらきまつ!」
「それじゃ、おにぎりだけね?」
「ちょーあい!」
仕方なく奏歌くんが小さなおにぎりを握って、小さな器にお味噌汁を少しだけ入れてさくらには満足してもらった。お腹がいっぱいになると眠くなったのか、さくらの頭がぐらぐらしてくる。組み立て式のベビーベッドに寝かせると、さくらは健やかに眠っていた。
遅い朝ご飯を食べたので私たちもお昼は遅めでいいと考えてはいたが、さくらがいるといつ用意ができるか分からない。奏歌くんがさくらが寝ている間にお野菜を切って何か作っている。
「大根、蓮根、人参、椎茸、牛蒡、鶏肉……何を作ってるの?」
「筑前煮だよ」
「え!?」
冷凍のお惣菜で何度も筑前煮を食べたことがあるけれど、それが作れるものだなんて考えたことがなかった。当然、やっちゃんや美歌さんのお惣菜には筑前煮は入っていたけれど、大人が作る難しい料理というイメージしかなかったのだ。それを小学校六年生の奏歌くんが作っているのが信じられない。
「柔らかく煮たら、さくらちゃんも食べられると思うから、作ってみてるんだ。小学校の調理実習で作ったことがあるし、やっちゃんと母さんの手伝いもしてるから、作れるよ」
頼もしい言葉に私はときめいてしまった。
筑前煮が出来上がる頃にはさくらは起き出していた。持ってきた大きなレゴブロックで遊びだす。奏歌くんが飛行機や独楽を作ると、興奮して声を上げて手を叩いていた。
「ひこーち!」
「こっちは独楽だよ」
「ぐるぐる、ちて!」
回してとお願いされてレゴブロックで作った独楽を奏歌くんが回す。くるくると回ってソファの脚にぶつかって独楽は分解されてしまった。
「こあえたー! びえー!」
壊れたのが悲しかったのか泣き出すさくらに、奏歌くんが新しく独楽を作る。駒を回しては壊れて、壊れてはまた作る。単純な遊びだがさくらはとても気に入ったようだった。
「かーたくん、かーたくん!」
「はいはい、独楽を作る?」
「ん!」
奏歌くんの名前が言えるようになっているさくら。私はと自分を指さすと首を傾げている。
「海瑠さんだよ、さくらちゃん」
「かーたくん、ぐるぐる!」
「うん、作ろうね」
レゴブロックで独楽を作ることもできない私にはさくらは興味がないようだった。こんなところまで奏歌くんはかっこよくさくらを魅了している。
お昼ご飯には残っていたお味噌汁とご飯に、筑前煮を添えて、奏歌くんが魚を焼いてくれて食べた。さくらのためには魚を解さなければいけなかったけれど、それも奏歌くんが率先してやってくれていた。
「奏歌くん、かっこいい……本当にできる男って感じ」
「そうかな?」
奏歌くんにうっとりとしていると、さくらが早く食べさせろと大きな口を開けて奏歌くんの手を引っ張る。奏歌くんを奪われているようで正直ちょっと面白くなかったけれど、食べ終わってお昼寝をしている間は私が奏歌くんを独占した。
ソファに座った奏歌くんの膝の上に猫の姿になって頭を乗せる。たくさん撫でてもらって、「クリスマスの特別公演、すごく素敵だったよ」と褒めてもらって、私は大満足だった。
おやつを食べているときに、海香はさくらを迎えに来た。美歌さんも一緒で、さくらは大急ぎで握っていたクッキーを口の中に詰め込んで、美歌さんに抱っこを求めていた。
「茉優ちゃんのお祖父さんが現れてもすぐに対処できるようには準備しておきましたから」
「茉優ちゃんを引き取るときにお世話になった児童相談所のひとにも相談してきたのよ」
美歌さんと海香は来るかもしれない危機に対してきっちりと対応していた。
さくらを抱っこした美歌さんを見て、これでやっと奏歌くんとの二人きりのクリスマスが過ごせるかと思った私だが、現実はそんなに甘くなかった。
「奏歌、ちょっと早いけど、帰るわよ」
「え? 夜まで良いって言ったでしょう?」
「茉優ちゃんのこともあるし、あまり家を何度も空けたくないのよ」
夜に奏歌くんを迎えに来るとなると、やっちゃんが来ていない限りは、篠田家には茉優ちゃん一人が取り残されることになる。インターフォンを鳴らして誰かが来ても出ないように教えていても、玄関先で騒がれたら茉優ちゃんも怖い思いをするだろう。
茉優ちゃんのことを考えると奏歌くんが今帰るのが一番いいのだと分かっていても、私は寂しさで奏歌くんの手を握り締めて放せない。奏歌くんも納得していない様子に、助け舟を出してくれたのは海香だった。
「さくらのこと預かってくれて助かったし、今日は私が奏歌くんを送るわ。美歌さんの家にさくらを受け取りに行かなきゃいけないし」
当然のようにさくらはこれから美歌さんの家に行くようだった。
奏歌くんと引き離されることがなくなって、私はホッと息を吐く。
「海瑠さんを年末年始にはうちに招待していいでしょう?」
「それはもちろんいいわよ」
「やった! 母さん、ありがとう」
さくらちゃんを抱いて部屋から出て行く美歌さんの背中に問いかけて答えを貰った奏歌くんは嬉しそうにしている。
「晩ご飯を食べ終わった頃に迎えに来るからね」
海香も一度家に戻って、私と奏歌くんは二人きりになった。
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