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六章 奏歌くんとの六年目
7.劇団の過渡期
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車折神社では奏歌くんは私がトップスターになれるようにお祈りをしてくれた。その結果ではないが、私は劇団からまだ正式に発表されていないがトップスターになることが決まったようだった。
正式に劇団から発表があったのは全国ツアー組が長期休暇を終えて、劇団に残った組が秋の公演を始める頃だった。
「私、喜咲は次のクリスマスの特別公演を以って、トップスターの座を降りさせていただきます。次の劇団のトップスターには瀬川海瑠さんと劇団関係者と話し合って決めさせていただきました」
その頃には私の方にも劇団から正式な依頼が来ていた。
男役のトップスターになれる。
ずっと二番手かもしれないと思っていたのが、トップスターの座を勝ち取ることができた。
「女役のトップスターはこのまま、私、河本百合が務めることとなります」
劇団の記者会見ではっきりと告げた喜咲さんと百合。
ぼーっと座っていた私は百合に脇腹を肘で突かれてしまった。
「海瑠、ご挨拶」
「あ、はい。来年の春ということでまだ実感がわいていませんが、劇団トップスター男役として頑張っていきたいと思います」
頑張っていきたいと思います。
なんだか小学生の感想文のような言葉しか出てこなかったが、私は胸がいっぱいだった。
ずっと私には劇団しかないと思っていた。
奏歌くんと出会って少しは家事もできるようになったけれど、私にとって舞台は一番に違いなかった。舞台で生きて舞台で死にたい。
ワーキャットなので長くは劇団にもいられないだろうという思いはあったが、トップスターに上り詰めたのだからできるだけ長い期間務めたい。
百合はもう六年女役のトップスターを務めているが、私もそんなに長く務められるだろうか。今までの先輩や喜咲さんも一年か二年で交代していた。
「もう一つ、私から発表があります。この度、劇団のOG科が設立されます」
OG科についても、私は事前に劇団関係者から話を聞いていた。いわゆる劇団を退団する年齢になった役者たちが、劇団の年長者として劇に出演してくれるという卒業生たちの科なのだ。
「私を含め、数名の今年劇団を退団する予定だった役者たちがそこに所属して、劇団を支えていくことになりました」
喜咲さんは退団しない。
OG科に所属して、劇団の年上の役をやってくれる。他にも劇団を退団した中からOG科に戻って来て所属してくれる役者や今年劇団を退団する予定だったがOG科に残ってくれる役者もいるという。
トップスターの座は退いたが劇団を支え、ゆくゆくはOG科の役者が主演での劇もやりたいと計画されていること。それは劇団にとっても大きな転機になるだろう。
これまでは劇団を退団するという選択肢しかなかったが、OG科に入って劇団を続けるという選択肢が出てくる。OG科は恋愛禁止などの規則もなく、結婚しても続けられる役者をというコンセプトだった。
「喜咲さんが残ってくれてすごく嬉しい」
「私も、OG科を立ち上げられて良かったです」
恋愛禁止の厳しい規則に耐えられず辞めていく役者や、結婚を考えて辞めていく役者たちを止めることはできない。お客様に夢を与える立場として結婚や恋愛が劇団員に禁じられるのは、女性としての若い時期を過ごすにあたってつらいひとたちもいたに違いない。OG科ではそのような規則がなくなるので、早いうちにOG科に移る役者も出てくるかもしれない。
あくまでもOG科で、劇団の本体の客演のような形になって、出番は減るけれど、役者を辞めたくないのに恋愛沙汰でスキャンダルになって辞めて行った役者たちもいたことに、喜咲さんは胸を痛めていたのだ。
新しいOG科の設立も劇団の一大ニュースとなった。
劇団は変化の時期にある。
これをいい流れにしていけるかは、トップスターとして劇団を引っ張っていく百合と私の活躍が大事になって来る。
取材陣の中にはやっちゃんもいて、写真を撮ってメモをしていたので、このことはすぐに奏歌くんにも伝わるだろう。その日のうちに劇団のサイトのニュースには載っていた。
翌日は休みで奏歌くんを迎えに行くと、自転車を用意して待っていた。
「海瑠さんのマンションに自転車で行ってみたいんだ」
奏歌くんは自転車で私のマンションに行くことを考えていた。
「危なくないかな?」
「交通規制はちゃんと守るよ」
自転車でマンションに行くのに成功すれば、奏歌くんは学校から帰ったら自転車で私のマンションに来て、合鍵を持っているので部屋で待っていることができる。
「美歌さんとやっちゃんは良いって言ったの?」
「説得した。僕、海瑠さんのマンションで待っておきたいんだ」
移動にさえ大人の手を借りなくていいようになれば、奏歌くんはいつでも自由に私の部屋に来られる。奏歌くんのための部屋もあるし、私がいないときでも奏歌くんは私の部屋で勉強して、お茶を飲んで帰って行けばいい。
「分かった。私はどうすればいい?」
「海瑠さんって、自転車に乗れるのかな?」
聞かれて私は考える。
私は自転車に乗れるのだろうか。
一応、舞台で自転車に乗る役もやったので、自転車というもの自体には乗ることが可能なのだが、実際の交通規制を守って乗れるかに関しては自信がない。
「一人では難しいかもしれないわ」
「海瑠さん、練習しよう。僕と一緒に」
その日は私の部屋に行くことはやめて、自転車を売っているお店に行くことにした。自転車にも色々な種類があって、盗難登録や保険もあるようだった。
奏歌くんが選んでくれたのは、いわゆるママチャリと呼ばれる前に大きな籠が付いた自転車だった。
「これだったらスーパーにお買い物に行っても、僕の家に来ても、荷物を持って帰れるからね」
私が奏歌くんを迎えに来て、奏歌くんと一緒に自転車で部屋に戻る。それは魅力的な考えだった。作ってもらったお惣菜もこの籠ならばたっぷりと入れられるだろう。
「この自転車買います」
鍵を取り付けてもらったり、チェーンの鍵を買ったり、盗難登録をしたり、保険に入ったりして、私は自転車を買った。自転車でお店に来ていた奏歌くんと二人で自転車に乗って移動する。
自転車に乗る凛々しい奏歌くんの動きをよく見ておく。
「あれが歩行者と自転車が通っていい歩道のマークだけど、ひとが多いときには自転車は降りて押すんだよ」
「分かった」
青い標識に白で歩くひとと自転車のマークがついているのを確認して、歩道を自転車で走り出す。舞台の上を走ったのとは全く違う、でこぼことした道にお尻が痛くなりそうだった。
「もっと僕が大きくなったら、車を運転して海瑠さんを送り届けてあげられるんだけど」
「ううん、自転車の乗り方を教えてくれるだけでも奏歌くんはとっても格好いい」
自転車に乗れるようになったのが嬉しくて私は稽古場にも自転車で行こうかと考えていた。自転車で稽古場に行くトップスターは珍しいかもしれない。これまでの先輩や喜咲さん、百合もみんな車を運転して来ていた。
私は車を運転できない。免許は持っているはずなのだが、交通規制がどうだったかほとんど覚えていない。車の運転だけは奏歌くんもしてくれるなと言うのだから、自転車に乗るしかない。
自転車に乗れるようになったのも私の大きな進歩だった。
劇団始まって以来の自転車で稽古場に通うトップスター。
日除けの手袋と帽子とサングラスは必須だったが、前代未聞と言われても、私は自転車で稽古場に通うことを辞めなかった。
奏歌くんは、私の部屋に自転車で来て、奏歌くんの部屋で宿題をしたり、DVDを見たりして過ごして私が帰ったら迎えてくれる。
「お帰りなさい、海瑠さん」
ただいまと言えることがこんなに嬉しいなんて奏歌くんが教えてくれた。
正式に劇団から発表があったのは全国ツアー組が長期休暇を終えて、劇団に残った組が秋の公演を始める頃だった。
「私、喜咲は次のクリスマスの特別公演を以って、トップスターの座を降りさせていただきます。次の劇団のトップスターには瀬川海瑠さんと劇団関係者と話し合って決めさせていただきました」
その頃には私の方にも劇団から正式な依頼が来ていた。
男役のトップスターになれる。
ずっと二番手かもしれないと思っていたのが、トップスターの座を勝ち取ることができた。
「女役のトップスターはこのまま、私、河本百合が務めることとなります」
劇団の記者会見ではっきりと告げた喜咲さんと百合。
ぼーっと座っていた私は百合に脇腹を肘で突かれてしまった。
「海瑠、ご挨拶」
「あ、はい。来年の春ということでまだ実感がわいていませんが、劇団トップスター男役として頑張っていきたいと思います」
頑張っていきたいと思います。
なんだか小学生の感想文のような言葉しか出てこなかったが、私は胸がいっぱいだった。
ずっと私には劇団しかないと思っていた。
奏歌くんと出会って少しは家事もできるようになったけれど、私にとって舞台は一番に違いなかった。舞台で生きて舞台で死にたい。
ワーキャットなので長くは劇団にもいられないだろうという思いはあったが、トップスターに上り詰めたのだからできるだけ長い期間務めたい。
百合はもう六年女役のトップスターを務めているが、私もそんなに長く務められるだろうか。今までの先輩や喜咲さんも一年か二年で交代していた。
「もう一つ、私から発表があります。この度、劇団のOG科が設立されます」
OG科についても、私は事前に劇団関係者から話を聞いていた。いわゆる劇団を退団する年齢になった役者たちが、劇団の年長者として劇に出演してくれるという卒業生たちの科なのだ。
「私を含め、数名の今年劇団を退団する予定だった役者たちがそこに所属して、劇団を支えていくことになりました」
喜咲さんは退団しない。
OG科に所属して、劇団の年上の役をやってくれる。他にも劇団を退団した中からOG科に戻って来て所属してくれる役者や今年劇団を退団する予定だったがOG科に残ってくれる役者もいるという。
トップスターの座は退いたが劇団を支え、ゆくゆくはOG科の役者が主演での劇もやりたいと計画されていること。それは劇団にとっても大きな転機になるだろう。
これまでは劇団を退団するという選択肢しかなかったが、OG科に入って劇団を続けるという選択肢が出てくる。OG科は恋愛禁止などの規則もなく、結婚しても続けられる役者をというコンセプトだった。
「喜咲さんが残ってくれてすごく嬉しい」
「私も、OG科を立ち上げられて良かったです」
恋愛禁止の厳しい規則に耐えられず辞めていく役者や、結婚を考えて辞めていく役者たちを止めることはできない。お客様に夢を与える立場として結婚や恋愛が劇団員に禁じられるのは、女性としての若い時期を過ごすにあたってつらいひとたちもいたに違いない。OG科ではそのような規則がなくなるので、早いうちにOG科に移る役者も出てくるかもしれない。
あくまでもOG科で、劇団の本体の客演のような形になって、出番は減るけれど、役者を辞めたくないのに恋愛沙汰でスキャンダルになって辞めて行った役者たちもいたことに、喜咲さんは胸を痛めていたのだ。
新しいOG科の設立も劇団の一大ニュースとなった。
劇団は変化の時期にある。
これをいい流れにしていけるかは、トップスターとして劇団を引っ張っていく百合と私の活躍が大事になって来る。
取材陣の中にはやっちゃんもいて、写真を撮ってメモをしていたので、このことはすぐに奏歌くんにも伝わるだろう。その日のうちに劇団のサイトのニュースには載っていた。
翌日は休みで奏歌くんを迎えに行くと、自転車を用意して待っていた。
「海瑠さんのマンションに自転車で行ってみたいんだ」
奏歌くんは自転車で私のマンションに行くことを考えていた。
「危なくないかな?」
「交通規制はちゃんと守るよ」
自転車でマンションに行くのに成功すれば、奏歌くんは学校から帰ったら自転車で私のマンションに来て、合鍵を持っているので部屋で待っていることができる。
「美歌さんとやっちゃんは良いって言ったの?」
「説得した。僕、海瑠さんのマンションで待っておきたいんだ」
移動にさえ大人の手を借りなくていいようになれば、奏歌くんはいつでも自由に私の部屋に来られる。奏歌くんのための部屋もあるし、私がいないときでも奏歌くんは私の部屋で勉強して、お茶を飲んで帰って行けばいい。
「分かった。私はどうすればいい?」
「海瑠さんって、自転車に乗れるのかな?」
聞かれて私は考える。
私は自転車に乗れるのだろうか。
一応、舞台で自転車に乗る役もやったので、自転車というもの自体には乗ることが可能なのだが、実際の交通規制を守って乗れるかに関しては自信がない。
「一人では難しいかもしれないわ」
「海瑠さん、練習しよう。僕と一緒に」
その日は私の部屋に行くことはやめて、自転車を売っているお店に行くことにした。自転車にも色々な種類があって、盗難登録や保険もあるようだった。
奏歌くんが選んでくれたのは、いわゆるママチャリと呼ばれる前に大きな籠が付いた自転車だった。
「これだったらスーパーにお買い物に行っても、僕の家に来ても、荷物を持って帰れるからね」
私が奏歌くんを迎えに来て、奏歌くんと一緒に自転車で部屋に戻る。それは魅力的な考えだった。作ってもらったお惣菜もこの籠ならばたっぷりと入れられるだろう。
「この自転車買います」
鍵を取り付けてもらったり、チェーンの鍵を買ったり、盗難登録をしたり、保険に入ったりして、私は自転車を買った。自転車でお店に来ていた奏歌くんと二人で自転車に乗って移動する。
自転車に乗る凛々しい奏歌くんの動きをよく見ておく。
「あれが歩行者と自転車が通っていい歩道のマークだけど、ひとが多いときには自転車は降りて押すんだよ」
「分かった」
青い標識に白で歩くひとと自転車のマークがついているのを確認して、歩道を自転車で走り出す。舞台の上を走ったのとは全く違う、でこぼことした道にお尻が痛くなりそうだった。
「もっと僕が大きくなったら、車を運転して海瑠さんを送り届けてあげられるんだけど」
「ううん、自転車の乗り方を教えてくれるだけでも奏歌くんはとっても格好いい」
自転車に乗れるようになったのが嬉しくて私は稽古場にも自転車で行こうかと考えていた。自転車で稽古場に行くトップスターは珍しいかもしれない。これまでの先輩や喜咲さん、百合もみんな車を運転して来ていた。
私は車を運転できない。免許は持っているはずなのだが、交通規制がどうだったかほとんど覚えていない。車の運転だけは奏歌くんもしてくれるなと言うのだから、自転車に乗るしかない。
自転車に乗れるようになったのも私の大きな進歩だった。
劇団始まって以来の自転車で稽古場に通うトップスター。
日除けの手袋と帽子とサングラスは必須だったが、前代未聞と言われても、私は自転車で稽古場に通うことを辞めなかった。
奏歌くんは、私の部屋に自転車で来て、奏歌くんの部屋で宿題をしたり、DVDを見たりして過ごして私が帰ったら迎えてくれる。
「お帰りなさい、海瑠さん」
ただいまと言えることがこんなに嬉しいなんて奏歌くんが教えてくれた。
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