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五章 奏歌くんとの五年目
12.真里さんとの対決
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「サツマイモのモンブランタルト!? どういうこと!? 奏歌くん、モンブランは栗じゃないの!?」
茉優ちゃんの好きなモンブランタルトをお誕生日に持って行こうとお店に行ったら、サツマイモのモンブランタルトなるものがあった。綺麗な黄色いサツマイモの色で、外側のタルト生地はサツマイモの皮を模した赤茶色で、縁には綺麗にクリームが飾られている。
「海瑠さん、モンブランって白い山って意味なんだ」
「モンブランは白い山!? お菓子の名前じゃないの?」
「サツマイモでもモンブラン風に潰してクリーム状にしたら、モンブランなのかもしれない」
真剣な面持ちで言う奏歌くんに私はショーケースの中のサツマイモのモンブランを見つめる。ものすごく美味しそうである。
奏歌くんと出会うまで食に関心がなかった私が、今はケーキを見て美味しそうと思って食べたい気持ちになる。これは本当に大きな変化だった。
「栗じゃなくても良いと思う?」
「僕、これは美味しい予感がしてるんだ」
「だよね? 私も美味しいと思う」
栗のモンブランでなくても茉優ちゃんは満足してくれるか分からない。しかし赤茶色のタルト生地に黄色のクリームがたっぷり乗った、縁にクリームの飾られたサツマイモのモンブランタルトを見ていると、これを食べたくてたまらなくなってしまう。
思い切って私はそれを買うことにした。
ホールで買って篠田家で待っている茉優ちゃんの元に持って行く。茉優ちゃんのお誕生日で、やっちゃんもちょうどよく仕事が休みだった。美歌さんは仕事なので美歌さんの分は残しておくことにする。
「茉優ちゃん、お誕生日おめでとう!」
ワンホールのサツマイモのモンブランタルトを持って篠田家に上がると、沙紀ちゃんも来ていた。
「茉優ちゃんにお招きいただいたんです。受験でストレスが溜まってたからありがたいです」
にこにこと嬉しそうな沙紀ちゃん。
沙紀ちゃんを呼ぶように指示したのは美歌さんに違いない。
お稲荷さんの加護を受ける沙紀ちゃんは真里さんが来ても追い払える位置にあった。本人は意識していないが、悪意を持って近付こうとする相手をお稲荷さんが加護で退けるようなのだ。
茉優ちゃんの誕生日という大事な日を真里さんに邪魔されたくない気持ちは私にもあった。
「茉優ちゃん、モンブランタルトなんだけど、栗じゃないんだ。良いかな?」
奏歌くんが茉優ちゃんに聞いている。
タルトの箱を開いて茉優ちゃんは表情を輝かせた。
「美味しそう! 私、スイートポテトも大好きなの!」
良かった。
茉優ちゃんはサツマイモのモンブランタルトでも嬉しそうだった。
やっちゃんに紅茶を淹れてもらって、蠟燭を立てて、私がハッピーバースデーの歌を歌う。
歌い終わると茉優ちゃんは一気に蝋燭を吹き消した。
「茉優ちゃんももう12歳か」
感慨深くやっちゃんが呟く。
小学三年生の夏に保護されてきた茉優ちゃん。その当時は痣だらけで痩せて汚れて、とても可哀想な姿だった。それが今は自分の考えもはっきりと口に出して、やっちゃんに血をあげることもできる女の子に育っている。
「茉優ちゃん、これ、細やかな誕生日プレゼント」
「わぁ! すごく上手」
沙紀ちゃんから茉優ちゃんに手渡されたのは、額に入った鉛筆画だった。かなり写実的に奏歌くんと茉優ちゃんと美歌さんとやっちゃんの四人を描いている。
やっちゃんの隣りに描かれている茉優ちゃんは明るく微笑んでいた。その笑顔よりも今日の茉優ちゃんの表情は輝いている。
サツマイモのモンブランタルトはスイートポテトを滑らかにしたような食感で、物凄く美味しかった。あっという間に食べてしまって寛いでいると、やっちゃんから茉優ちゃんにプレゼントが渡された。
上がガラス張りになっている木のジュエリーボックスだ。
「そういう年頃かと思って……。中身はちょっとずつ、クリスマスや誕生日にプレゼントするよ」
「ありがとう! ……あ、何か入ってる」
ジュエリーボックスの引き出しを開けてみた茉優ちゃんが驚きに目を丸くする。ビジューで作った花の髪飾りが中に入っていた。
「綺麗……」
「茉優ちゃんの髪も伸びて来たからな」
小学校三年生のときの茉優ちゃんは髪が短かった。それはお風呂で自分で洗えないし、臭くなるからと引き取られた親戚に無理やり短く刈られていたのだ。
それが今は少し癖のある髪が胸くらいまで伸びている。シンプルな黒いゴムで括っていた髪を解いて茉優ちゃんがビジューで作った花の髪飾りを横に結んだ髪につける。
「可愛いよ、茉優ちゃん」
「ありがとう、沙紀お姉ちゃん」
嬉しそうな顔のままに茉優ちゃんの誕生日は終わることができた。
帰り際に沙紀ちゃんが自転車を押しながら私と並んで歩いていると、「ぎゃっ!」という声が聞こえた。
篠田家に近寄ろうとしている真里さんが慌てて逃げていくのが見える。
「あ、あのひと!」
「奏歌くんのお父さんだよ……良いひとではないんだけど」
「まぁ、そういうのありますよね」
逃げていく真里さんを見ながら、私は近いうちに真里さんが篠田家に来るのではないかと美歌さんに警戒するように連絡を入れておいた。
茉優ちゃんの誕生日の数日後、真里さんが篠田家にやってきた。
奏歌くんを迎えに来ていた私は、茉優ちゃんを庇いながら、奏歌くんに「絶対に家に入れちゃダメ!」と言って、美歌さんに連絡を入れた。
大急ぎで帰ってきてくれた美歌さんが玄関の前で真里さんと言い争っているのが家の中にまで聞こえてくる。
「私は私の人生を歩むことにしたのよ。もうあなたは私とは関係ない」
「何を言っているんだか。奏歌の父親は僕だよ? 養育費も払ってるよ?」
「お金だけ払って、育児には全く参加しない、子どもを危険な海外に連れ出して放置する。そんなのを親とは言わない」
毅然とした態度で対応する美歌さんに、真里さんがどんな表情をしているのかはドア越しなので分からない。しがみ付く茉優ちゃんを抱き締めて、奏歌くんも引き寄せて、私は家の中でじっとしていた。
長い沈黙の後に、真里さんの声が聞こえた。
「そうか、分かった。美歌さんも出会ったんだ」
さくらのことは誰も真里さんに言っていないはずだが、美歌さんが急に手の平を返すようなことをしたのに、真里さんは気付いたようだった。
「それだったら、どうなの?」
「運命のひとができたから、僕がいらなくなった。そうなんでしょう? なんて薄情なんだろうね」
責める口調の真里さんに奏歌くんが私の腕をすり抜けた。ドアを開けて裸足で玄関の外に出る。
「父さんは母さんに誠実じゃなかった! 僕は知ってるよ。父さんのアトリエにやっちゃんの写真があったのを。父さんが好きなのはやっちゃんで、手に入れられないから母さんに手を出しただけなんでしょう」
奏歌くんの言葉に真里さんが手を振り上げる。
奏歌くんが叩かれる!
急いで奏歌くんを抱き寄せた私の肩に真里さんの手が当たった。
「僕は誰も愛さない。運命が来たとしても、餌としか思わない。僕は一人でも生きていける!」
ヒステリックに叫ぶ真里さんに美歌さんが冷ややかに告げる。
「それなら帰って。私たちはあなたとは考えが違うの」
息を切らせた真里さんが取り乱しているのは分かるが、私は真里さんが不思議と怖くはなかった。子どもがおもちゃを取り上げられて駄々を捏ねて泣いているようにしか見えない。
「僕は、運命になんか振り回されない」
「そんなことを言って、運命を誰よりも渇望しているくせに」
「煩い! もういらない! 僕の思い通りにならない美歌さんも奏歌も、いらない」
自分勝手に罵って去っていく真里さんに、ドアの中で震えていた茉優ちゃんが出てきて美歌さんに抱き付く。美歌さんは茉優ちゃんの髪を撫でて宥めていた。
「大丈夫よ。もう行ったから」
「美歌お母さん……これで終わるとは思えない」
一時的に感情的になっているのかもしれないが、真里さんはまた仕掛けてくるだろう。そのときにまた奏歌くんと茉優ちゃんを守れるか分からない。
自棄になった真里さんがやっちゃんを狙わないとも限らない。
まだ心配事は続いていた。
茉優ちゃんの好きなモンブランタルトをお誕生日に持って行こうとお店に行ったら、サツマイモのモンブランタルトなるものがあった。綺麗な黄色いサツマイモの色で、外側のタルト生地はサツマイモの皮を模した赤茶色で、縁には綺麗にクリームが飾られている。
「海瑠さん、モンブランって白い山って意味なんだ」
「モンブランは白い山!? お菓子の名前じゃないの?」
「サツマイモでもモンブラン風に潰してクリーム状にしたら、モンブランなのかもしれない」
真剣な面持ちで言う奏歌くんに私はショーケースの中のサツマイモのモンブランを見つめる。ものすごく美味しそうである。
奏歌くんと出会うまで食に関心がなかった私が、今はケーキを見て美味しそうと思って食べたい気持ちになる。これは本当に大きな変化だった。
「栗じゃなくても良いと思う?」
「僕、これは美味しい予感がしてるんだ」
「だよね? 私も美味しいと思う」
栗のモンブランでなくても茉優ちゃんは満足してくれるか分からない。しかし赤茶色のタルト生地に黄色のクリームがたっぷり乗った、縁にクリームの飾られたサツマイモのモンブランタルトを見ていると、これを食べたくてたまらなくなってしまう。
思い切って私はそれを買うことにした。
ホールで買って篠田家で待っている茉優ちゃんの元に持って行く。茉優ちゃんのお誕生日で、やっちゃんもちょうどよく仕事が休みだった。美歌さんは仕事なので美歌さんの分は残しておくことにする。
「茉優ちゃん、お誕生日おめでとう!」
ワンホールのサツマイモのモンブランタルトを持って篠田家に上がると、沙紀ちゃんも来ていた。
「茉優ちゃんにお招きいただいたんです。受験でストレスが溜まってたからありがたいです」
にこにこと嬉しそうな沙紀ちゃん。
沙紀ちゃんを呼ぶように指示したのは美歌さんに違いない。
お稲荷さんの加護を受ける沙紀ちゃんは真里さんが来ても追い払える位置にあった。本人は意識していないが、悪意を持って近付こうとする相手をお稲荷さんが加護で退けるようなのだ。
茉優ちゃんの誕生日という大事な日を真里さんに邪魔されたくない気持ちは私にもあった。
「茉優ちゃん、モンブランタルトなんだけど、栗じゃないんだ。良いかな?」
奏歌くんが茉優ちゃんに聞いている。
タルトの箱を開いて茉優ちゃんは表情を輝かせた。
「美味しそう! 私、スイートポテトも大好きなの!」
良かった。
茉優ちゃんはサツマイモのモンブランタルトでも嬉しそうだった。
やっちゃんに紅茶を淹れてもらって、蠟燭を立てて、私がハッピーバースデーの歌を歌う。
歌い終わると茉優ちゃんは一気に蝋燭を吹き消した。
「茉優ちゃんももう12歳か」
感慨深くやっちゃんが呟く。
小学三年生の夏に保護されてきた茉優ちゃん。その当時は痣だらけで痩せて汚れて、とても可哀想な姿だった。それが今は自分の考えもはっきりと口に出して、やっちゃんに血をあげることもできる女の子に育っている。
「茉優ちゃん、これ、細やかな誕生日プレゼント」
「わぁ! すごく上手」
沙紀ちゃんから茉優ちゃんに手渡されたのは、額に入った鉛筆画だった。かなり写実的に奏歌くんと茉優ちゃんと美歌さんとやっちゃんの四人を描いている。
やっちゃんの隣りに描かれている茉優ちゃんは明るく微笑んでいた。その笑顔よりも今日の茉優ちゃんの表情は輝いている。
サツマイモのモンブランタルトはスイートポテトを滑らかにしたような食感で、物凄く美味しかった。あっという間に食べてしまって寛いでいると、やっちゃんから茉優ちゃんにプレゼントが渡された。
上がガラス張りになっている木のジュエリーボックスだ。
「そういう年頃かと思って……。中身はちょっとずつ、クリスマスや誕生日にプレゼントするよ」
「ありがとう! ……あ、何か入ってる」
ジュエリーボックスの引き出しを開けてみた茉優ちゃんが驚きに目を丸くする。ビジューで作った花の髪飾りが中に入っていた。
「綺麗……」
「茉優ちゃんの髪も伸びて来たからな」
小学校三年生のときの茉優ちゃんは髪が短かった。それはお風呂で自分で洗えないし、臭くなるからと引き取られた親戚に無理やり短く刈られていたのだ。
それが今は少し癖のある髪が胸くらいまで伸びている。シンプルな黒いゴムで括っていた髪を解いて茉優ちゃんがビジューで作った花の髪飾りを横に結んだ髪につける。
「可愛いよ、茉優ちゃん」
「ありがとう、沙紀お姉ちゃん」
嬉しそうな顔のままに茉優ちゃんの誕生日は終わることができた。
帰り際に沙紀ちゃんが自転車を押しながら私と並んで歩いていると、「ぎゃっ!」という声が聞こえた。
篠田家に近寄ろうとしている真里さんが慌てて逃げていくのが見える。
「あ、あのひと!」
「奏歌くんのお父さんだよ……良いひとではないんだけど」
「まぁ、そういうのありますよね」
逃げていく真里さんを見ながら、私は近いうちに真里さんが篠田家に来るのではないかと美歌さんに警戒するように連絡を入れておいた。
茉優ちゃんの誕生日の数日後、真里さんが篠田家にやってきた。
奏歌くんを迎えに来ていた私は、茉優ちゃんを庇いながら、奏歌くんに「絶対に家に入れちゃダメ!」と言って、美歌さんに連絡を入れた。
大急ぎで帰ってきてくれた美歌さんが玄関の前で真里さんと言い争っているのが家の中にまで聞こえてくる。
「私は私の人生を歩むことにしたのよ。もうあなたは私とは関係ない」
「何を言っているんだか。奏歌の父親は僕だよ? 養育費も払ってるよ?」
「お金だけ払って、育児には全く参加しない、子どもを危険な海外に連れ出して放置する。そんなのを親とは言わない」
毅然とした態度で対応する美歌さんに、真里さんがどんな表情をしているのかはドア越しなので分からない。しがみ付く茉優ちゃんを抱き締めて、奏歌くんも引き寄せて、私は家の中でじっとしていた。
長い沈黙の後に、真里さんの声が聞こえた。
「そうか、分かった。美歌さんも出会ったんだ」
さくらのことは誰も真里さんに言っていないはずだが、美歌さんが急に手の平を返すようなことをしたのに、真里さんは気付いたようだった。
「それだったら、どうなの?」
「運命のひとができたから、僕がいらなくなった。そうなんでしょう? なんて薄情なんだろうね」
責める口調の真里さんに奏歌くんが私の腕をすり抜けた。ドアを開けて裸足で玄関の外に出る。
「父さんは母さんに誠実じゃなかった! 僕は知ってるよ。父さんのアトリエにやっちゃんの写真があったのを。父さんが好きなのはやっちゃんで、手に入れられないから母さんに手を出しただけなんでしょう」
奏歌くんの言葉に真里さんが手を振り上げる。
奏歌くんが叩かれる!
急いで奏歌くんを抱き寄せた私の肩に真里さんの手が当たった。
「僕は誰も愛さない。運命が来たとしても、餌としか思わない。僕は一人でも生きていける!」
ヒステリックに叫ぶ真里さんに美歌さんが冷ややかに告げる。
「それなら帰って。私たちはあなたとは考えが違うの」
息を切らせた真里さんが取り乱しているのは分かるが、私は真里さんが不思議と怖くはなかった。子どもがおもちゃを取り上げられて駄々を捏ねて泣いているようにしか見えない。
「僕は、運命になんか振り回されない」
「そんなことを言って、運命を誰よりも渇望しているくせに」
「煩い! もういらない! 僕の思い通りにならない美歌さんも奏歌も、いらない」
自分勝手に罵って去っていく真里さんに、ドアの中で震えていた茉優ちゃんが出てきて美歌さんに抱き付く。美歌さんは茉優ちゃんの髪を撫でて宥めていた。
「大丈夫よ。もう行ったから」
「美歌お母さん……これで終わるとは思えない」
一時的に感情的になっているのかもしれないが、真里さんはまた仕掛けてくるだろう。そのときにまた奏歌くんと茉優ちゃんを守れるか分からない。
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