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五章 奏歌くんとの五年目
11.さくらの保育園入園
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奏歌くんの通っていた保育園にさくらも通うことになった。職場復帰していた宙夢さんもさくらが簡単に子猫になることがなくなって、保育園に通わせられるということでとても安心していた。
「海香さんは自宅仕事だけど、仕事中にさくらの面倒は見られないし」
そこから先はなんとなく分かる気がする。
私ほどではないが海香も家事は得意な方ではない。家で仕事をしているのに自分のこと以外でさくらの面倒まで見ていたら、仕事どころではなくなるのだろう。
「私が自宅仕事だから保育園に通わせるのは難しいかもしれないって言われてたけど、一歳未満の子は比較的保育園に預かってもらいやすいから、さくらが一歳になる前にどうしても預かってほしかったのよね」
一歳未満の乳児を預かる際には保育園に補助金が出るので、保育園側も一歳未満の乳児は積極的に預かりたがるのだという。定員ぎりぎりだったがさくらは保育園に通えることになった。
最初は慣らし保育で午前中だけだが、それでも海香の負担はかなり軽くなったようだった。
「一か月……これで一か月頑張れば、夕方の六時まで預かってもらえる」
「さくらちゃんも保育園っ子になるんだ」
「奏歌くんの後輩になるわね」
私と一緒に海香の家に来てベビーベッドに張り付いている奏歌くんと美歌さん。この母子はさくらに夢中のようだった。
美歌さんは運命のひとなので仕方がないが、奏歌くんまでさくらに夢中なのはちょっと面白くない。
「海瑠さんと似てる……可愛いなぁ」
さくらは私と似ているらしい。私に似ていて、私よりも奏歌くんに年が近いとなると、姪であろうとも、美歌さんの運命のひとであろうとも、嫉妬心がわき上がってくる。
「奏歌くん、マンションに帰ろう」
「海瑠、まだ話は終わってないのよ。美歌さんにも聞いてもらいたいし」
「もう帰りたいー」
駄々を捏ねる私に奏歌くんが歩み寄って手を繋いで隣りの椅子に座った。さくらは美歌さんが抱っこしているので、奏歌くんとは引き離されている。これならば少し落ち着いて話が聞けそうだ。
「私や宙夢さんが忙しいときに、美歌さんや海瑠に預けに行くのやお迎えを頼みたいのよ」
「僕は定時で上がれることが多いんですが、それでも困った患者さんも来ますからね」
薬局の薬剤師の宙夢さんには、時々閉まる間際に長々と説明を求める困った患者さんが来ることがあるらしい。そういうときには、六時までにお迎えに行けないこともある。
保育園のお迎えについては奏歌くんで覚えていたので、私もできないわけではなかった。
「私も忙しいですけど、困ったときには助けに行きますよ」
「ありがとうございます。僕も海香さんも家族が助けてもらえる場所にいないから」
海香に両親がいないことは私も同じなので分かっているが、宙夢さんの方もご両親は離れた場所に住んでいるという。犬の獣人同士の夫婦なので、一か所に留まると老いないことに気付かれて人間でないことが発覚してしまうのだ。
住居を転々としているご両親に小さな頃は付いて行っていたが、大学に入って一人暮らしを初めてからは付いて行かなくなったという宙夢さん。
「僕の両親もさくらには会いたがってるんですが、ずっと近くに住んで助けてもらうというわけにはいかないんですよ」
27歳の宙夢さんのご両親にしては若すぎると言われる容貌であることも宙夢さんがご両親を頼れない理由のようだった。
「海瑠さん、僕も一緒にお迎えに行くよ」
「奏歌くんの保育園だもんね」
さくらに嫉妬してしまうところはあるけれど、姪として可愛くないわけではないので、協力したい気持ちはある。奏歌くんに背中を押されて私も協力することにした。
保育園の方に顔を見せて、誰がお迎えに行くことがあるかを伝えておかなければいけないということで私は美歌さんとさくらの保育所の説明会に行った。美歌さんも私も卒園児である奏歌くんの関係者なので、当時から働いている保育士や職員の方からは懐かしく声をかけられた。
「篠田さんのお知り合いだったんですね」
「そうなんです。高校のときの先輩のお子さんで」
「私の姉の子どもです」
美歌さんと私が保育士の先生と話すと、目を細められる。
「奏歌くんが卒園前に、保育園でミュージカルごっこをしてたんですよ。それが今も引き継がれてて、瀬川さんのファンの職員もいて、ミュージカルの曲をみんなでホールで歌ったりしてます」
そんな可愛いことを奏歌くんがしていたなんて私は知らなかった。
さくらが生まれなくて、この保育所にまた来ることがなければ、奏歌くんが私とのミュージカルごっこを保育所でもしてくれていて、それが今も引き継がれているなんて聞くこともなかった。
大人げなく嫉妬してしまうこともあるさくらだが、生まれて来てくれて良かったと現金に感謝してしまった。
「保護者の中にも瀬川さんの劇団のファンの方がいらっしゃるんですよ」
「そうなんですか!?」
こんなに身近にファンがいたなんて。
有難くて私は保育士の先生を拝んでしまいそうだった。
お迎えに来たら保育園で付けている布オムツから紙オムツに履き替えさせて、着替えをして、汚れ物を受け取って持ち帰る。預けるときには汚れ物の籠の中にビニール袋をセッティングして、エプロンとお手拭きを籠の別の場所に入れて、今日の体温と朝食の内容と時間を書いて担任の先生にも声をかけて行く。
6歳児だった奏歌くんのお迎えとはかなり違っていたが、美歌さんは懐かしそうだった。
「奏歌も四か月からここに預けたんですよ。赤ちゃんの奏歌の可愛かったこと」
目を細めている美歌さんに私も海香と宙夢さんに代わる代わる抱っこされているさくらを見て、小さい頃の奏歌くんを想像してうっとりしてしまった。
赤ん坊だった頃の奏歌くんは可愛かったことだろう。
海香と宙夢さんも担任の先生と挨拶をして、さくらは無事に保育園に通えることとなった。
保育園での説明会が終わると、私は美歌さんの車に乗せてもらって奏歌くんを篠田家に迎えに行く。小学校から帰っていた奏歌くんは、篠田家で茉優ちゃんと遊んでいた。
「海瑠さん、はい、これ!」
篠田家に上がらせてもらうと、奏歌くんが立体的な薔薇の折り紙をくれる。
「茉優ちゃんに折り方を習ってたんだ」
「綺麗。青い薔薇だわ」
「海瑠さん、僕に青い薔薇のプリザーブドフラワーをくれたから、僕も青い薔薇を上げたかったんだ」
とても緻密にできているそれは、かなり練習したのであろう、何度も折り直した痕があった。大事に青い薔薇の花を持って私は奏歌くんと茉優ちゃんにお礼を言う。
「奏歌くん、ありがとう。茉優ちゃんも奏歌くんに教えてくれてありがとう」
「どういたしまして」
「海瑠さん、私、すごく感謝してるの」
いつもはあまり喋らないでやっちゃんの後ろに隠れている茉優ちゃんが、今日は珍しく自己主張をしている。
「フランスでのこと、海瑠さんがいなかったら、安彦さんについていけなかったし、色んな場面で、海瑠さんは安彦さんと私のこと応援してくれる。私、安彦さんが大好きなの」
頬を染めて言う茉優ちゃんはまだ小学校六年生だったが乙女だった。
マンションに奏歌くんと帰っておやつを食べていると、奏歌くんがそっと囁く。
「さくらちゃんのこと気になるのはね、海瑠さんも小さい頃あんな風だったのかなって思って」
「え?」
「僕、海瑠さんとすごく年が離れているでしょう? 海瑠さんの小さい頃を僕は知らない。でも、さくらちゃんは海瑠さんに似てるから、あんな風だったのかと思うことで、ちょっと満足してるんだ」
私と奏歌くんの年の差は18歳。これはどうやっても縮めることができない。出会ったときには奏歌くんは6歳で私は24歳だった。もっと早くに出会っていてもこういう関係になれたかどうかは分からないから、出会った時期は適切だったと思えるのだが、それでも奏歌くんは小さな頃の私に触れ合えなかったことを気にしていたようなのだ。
それがさくらの存在で埋められる。
「私の小さい頃か……」
「うん、可愛いよね」
小さい頃と思い出そうとするが、乳児の頃の記憶など全くない。
奏歌くんと一緒に私のアルバムを見てみると、確かにさくらとそっくりの乳児の写真が並んでいた。
「さくらちゃんも歌って踊る子に育つのかな」
期待に目を煌めかせる奏歌くんに、なんとなく私は予感していた。
さくらは私と外見は似ているけれど、性格は全く違うような気がする。私の歌で大笑いして眠らなかったのも、私はすごく引っかかっていた。
何より、さくらはワーキャットとしての能力が非常に高い。
どんな子に桜が育つのか分からないけれど、私とは全く違う子に育つだろう。それだけは間違いない気がしていた。
「海香さんは自宅仕事だけど、仕事中にさくらの面倒は見られないし」
そこから先はなんとなく分かる気がする。
私ほどではないが海香も家事は得意な方ではない。家で仕事をしているのに自分のこと以外でさくらの面倒まで見ていたら、仕事どころではなくなるのだろう。
「私が自宅仕事だから保育園に通わせるのは難しいかもしれないって言われてたけど、一歳未満の子は比較的保育園に預かってもらいやすいから、さくらが一歳になる前にどうしても預かってほしかったのよね」
一歳未満の乳児を預かる際には保育園に補助金が出るので、保育園側も一歳未満の乳児は積極的に預かりたがるのだという。定員ぎりぎりだったがさくらは保育園に通えることになった。
最初は慣らし保育で午前中だけだが、それでも海香の負担はかなり軽くなったようだった。
「一か月……これで一か月頑張れば、夕方の六時まで預かってもらえる」
「さくらちゃんも保育園っ子になるんだ」
「奏歌くんの後輩になるわね」
私と一緒に海香の家に来てベビーベッドに張り付いている奏歌くんと美歌さん。この母子はさくらに夢中のようだった。
美歌さんは運命のひとなので仕方がないが、奏歌くんまでさくらに夢中なのはちょっと面白くない。
「海瑠さんと似てる……可愛いなぁ」
さくらは私と似ているらしい。私に似ていて、私よりも奏歌くんに年が近いとなると、姪であろうとも、美歌さんの運命のひとであろうとも、嫉妬心がわき上がってくる。
「奏歌くん、マンションに帰ろう」
「海瑠、まだ話は終わってないのよ。美歌さんにも聞いてもらいたいし」
「もう帰りたいー」
駄々を捏ねる私に奏歌くんが歩み寄って手を繋いで隣りの椅子に座った。さくらは美歌さんが抱っこしているので、奏歌くんとは引き離されている。これならば少し落ち着いて話が聞けそうだ。
「私や宙夢さんが忙しいときに、美歌さんや海瑠に預けに行くのやお迎えを頼みたいのよ」
「僕は定時で上がれることが多いんですが、それでも困った患者さんも来ますからね」
薬局の薬剤師の宙夢さんには、時々閉まる間際に長々と説明を求める困った患者さんが来ることがあるらしい。そういうときには、六時までにお迎えに行けないこともある。
保育園のお迎えについては奏歌くんで覚えていたので、私もできないわけではなかった。
「私も忙しいですけど、困ったときには助けに行きますよ」
「ありがとうございます。僕も海香さんも家族が助けてもらえる場所にいないから」
海香に両親がいないことは私も同じなので分かっているが、宙夢さんの方もご両親は離れた場所に住んでいるという。犬の獣人同士の夫婦なので、一か所に留まると老いないことに気付かれて人間でないことが発覚してしまうのだ。
住居を転々としているご両親に小さな頃は付いて行っていたが、大学に入って一人暮らしを初めてからは付いて行かなくなったという宙夢さん。
「僕の両親もさくらには会いたがってるんですが、ずっと近くに住んで助けてもらうというわけにはいかないんですよ」
27歳の宙夢さんのご両親にしては若すぎると言われる容貌であることも宙夢さんがご両親を頼れない理由のようだった。
「海瑠さん、僕も一緒にお迎えに行くよ」
「奏歌くんの保育園だもんね」
さくらに嫉妬してしまうところはあるけれど、姪として可愛くないわけではないので、協力したい気持ちはある。奏歌くんに背中を押されて私も協力することにした。
保育園の方に顔を見せて、誰がお迎えに行くことがあるかを伝えておかなければいけないということで私は美歌さんとさくらの保育所の説明会に行った。美歌さんも私も卒園児である奏歌くんの関係者なので、当時から働いている保育士や職員の方からは懐かしく声をかけられた。
「篠田さんのお知り合いだったんですね」
「そうなんです。高校のときの先輩のお子さんで」
「私の姉の子どもです」
美歌さんと私が保育士の先生と話すと、目を細められる。
「奏歌くんが卒園前に、保育園でミュージカルごっこをしてたんですよ。それが今も引き継がれてて、瀬川さんのファンの職員もいて、ミュージカルの曲をみんなでホールで歌ったりしてます」
そんな可愛いことを奏歌くんがしていたなんて私は知らなかった。
さくらが生まれなくて、この保育所にまた来ることがなければ、奏歌くんが私とのミュージカルごっこを保育所でもしてくれていて、それが今も引き継がれているなんて聞くこともなかった。
大人げなく嫉妬してしまうこともあるさくらだが、生まれて来てくれて良かったと現金に感謝してしまった。
「保護者の中にも瀬川さんの劇団のファンの方がいらっしゃるんですよ」
「そうなんですか!?」
こんなに身近にファンがいたなんて。
有難くて私は保育士の先生を拝んでしまいそうだった。
お迎えに来たら保育園で付けている布オムツから紙オムツに履き替えさせて、着替えをして、汚れ物を受け取って持ち帰る。預けるときには汚れ物の籠の中にビニール袋をセッティングして、エプロンとお手拭きを籠の別の場所に入れて、今日の体温と朝食の内容と時間を書いて担任の先生にも声をかけて行く。
6歳児だった奏歌くんのお迎えとはかなり違っていたが、美歌さんは懐かしそうだった。
「奏歌も四か月からここに預けたんですよ。赤ちゃんの奏歌の可愛かったこと」
目を細めている美歌さんに私も海香と宙夢さんに代わる代わる抱っこされているさくらを見て、小さい頃の奏歌くんを想像してうっとりしてしまった。
赤ん坊だった頃の奏歌くんは可愛かったことだろう。
海香と宙夢さんも担任の先生と挨拶をして、さくらは無事に保育園に通えることとなった。
保育園での説明会が終わると、私は美歌さんの車に乗せてもらって奏歌くんを篠田家に迎えに行く。小学校から帰っていた奏歌くんは、篠田家で茉優ちゃんと遊んでいた。
「海瑠さん、はい、これ!」
篠田家に上がらせてもらうと、奏歌くんが立体的な薔薇の折り紙をくれる。
「茉優ちゃんに折り方を習ってたんだ」
「綺麗。青い薔薇だわ」
「海瑠さん、僕に青い薔薇のプリザーブドフラワーをくれたから、僕も青い薔薇を上げたかったんだ」
とても緻密にできているそれは、かなり練習したのであろう、何度も折り直した痕があった。大事に青い薔薇の花を持って私は奏歌くんと茉優ちゃんにお礼を言う。
「奏歌くん、ありがとう。茉優ちゃんも奏歌くんに教えてくれてありがとう」
「どういたしまして」
「海瑠さん、私、すごく感謝してるの」
いつもはあまり喋らないでやっちゃんの後ろに隠れている茉優ちゃんが、今日は珍しく自己主張をしている。
「フランスでのこと、海瑠さんがいなかったら、安彦さんについていけなかったし、色んな場面で、海瑠さんは安彦さんと私のこと応援してくれる。私、安彦さんが大好きなの」
頬を染めて言う茉優ちゃんはまだ小学校六年生だったが乙女だった。
マンションに奏歌くんと帰っておやつを食べていると、奏歌くんがそっと囁く。
「さくらちゃんのこと気になるのはね、海瑠さんも小さい頃あんな風だったのかなって思って」
「え?」
「僕、海瑠さんとすごく年が離れているでしょう? 海瑠さんの小さい頃を僕は知らない。でも、さくらちゃんは海瑠さんに似てるから、あんな風だったのかと思うことで、ちょっと満足してるんだ」
私と奏歌くんの年の差は18歳。これはどうやっても縮めることができない。出会ったときには奏歌くんは6歳で私は24歳だった。もっと早くに出会っていてもこういう関係になれたかどうかは分からないから、出会った時期は適切だったと思えるのだが、それでも奏歌くんは小さな頃の私に触れ合えなかったことを気にしていたようなのだ。
それがさくらの存在で埋められる。
「私の小さい頃か……」
「うん、可愛いよね」
小さい頃と思い出そうとするが、乳児の頃の記憶など全くない。
奏歌くんと一緒に私のアルバムを見てみると、確かにさくらとそっくりの乳児の写真が並んでいた。
「さくらちゃんも歌って踊る子に育つのかな」
期待に目を煌めかせる奏歌くんに、なんとなく私は予感していた。
さくらは私と外見は似ているけれど、性格は全く違うような気がする。私の歌で大笑いして眠らなかったのも、私はすごく引っかかっていた。
何より、さくらはワーキャットとしての能力が非常に高い。
どんな子に桜が育つのか分からないけれど、私とは全く違う子に育つだろう。それだけは間違いない気がしていた。
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