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三章 奏歌くんとの三年目
27.奏歌くんの誕生日のために
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奏歌くんのお誕生日に私は一念発起していた。
去年も今年も奏歌くんは私のお誕生日にスペシャルディナーを作ってくれた。去年は手巻き寿司とサーモンのマリネのサラダ、今年はチーズフォンデュ。どちらも忘れられない味になっている。
小学校二年生と小学校三年生の奏歌くんにできたのだ。
私にだってできるのではないだろうか。
今年の奏歌くんの特別ディナーショーは私のお手製の晩御飯でと気合を入れて、やっちゃんの部屋を訪ねた。
訪ねることは言っていたがやっちゃんは奏歌くんも茉優ちゃんもいないことに驚いていた。
やっちゃんの部屋はマンションの二階で階段で上がれる場所にある。角部屋で配管の問題で部屋が少し狭いために安く買えたのだと言っていた。
マンションを持っているやっちゃんも私と同じ自分の家持ちなのだと勇んで訪ねたやっちゃんの部屋はリビングと寝室があるだけの小ぢんまりとした場所だった。
「えーっと、お邪魔します」
「かなくんは?」
「奏歌くんに内緒で教えてほしいことがあるのよ!」
詰め寄るとやっちゃんは居心地が悪そうにじりじりと下がっていく。
「二人きりっていうのは……」
「やっちゃんと私は親友じゃないの?」
「あぁ、あんた、そういう感じだから男運が悪かったんだな」
妙な納得のされ方をしてしまった。
解せない。
私がむっとしている間に、やっちゃんは茉優ちゃんに連絡をして部屋に来てもらっていた。茉優ちゃんはやっちゃんの部屋に来慣れているのか、リュックサックを背負ってすぐにやって来た。
「お部屋で遊んでるだけで良いの?」
「うん、茉優ちゃん、頼む」
どうして茉優ちゃんを呼ばなければいけないか分からない私に、茉優ちゃんが丁寧に教えてくれる。
「妙齢の男女が二人きりだと良くないって安彦さんは考えてくれる、紳士なんです」
やっちゃんは紳士だった!
これは奏歌くんも紳士になる可能性が高いということだ。
「何を教えてほしいんだ?」
「パーティーの料理とケーキの作り方」
「料理って具体的には?」
問いかけられて私は言葉に詰まってしまった。
具体的な料理の名前など出て来ない。奏歌くんが一緒にいてくれたら、色んなお料理の名前を次々教えてくれるのだろうが、私一人では思い付く料理がない。
「て、手巻き寿司とか!」
「まぁ、その辺が初心者には妥当だろうな」
去年奏歌くんが私の誕生日に準備してくれた手巻き寿司を口に出すとやっちゃんは納得してくれた。
「基本的に刺身を買って、ご飯を炊いて、海苔を用意しておくだけ」
「奏歌くんはサーモンのマリネのサラダも作ってくれたし、卵焼きも、キュウリも、沢庵も、山芋と梅肉も、用意してくれたよ」
「キュウリと沢庵は切るだけだ。山芋はかぶれることがあるから手袋をつけて皮を剥いて切るだけで、梅肉は梅干の種を取って潰すだけ」
説明してくれるが、それだけでもハードルが高い気がしてくる。
「切るだけって、どう切るの?」
「いや、どう切るのって、普通に」
「大きさとか、形とか」
「手巻き寿司で巻けるくらいの大きさと形だよ」
手巻き寿司で巻けるくらいの大きさと形と言われてもピンとこない私のために、やっちゃんは冷蔵庫からキュウリを取り出して切ってくれた。短冊切りという細長い形に切られたキュウリを示されて、私も切ってみる。
「キュウリが転がって手から逃げちゃう!」
「押さえるんだよ」
「手が切れる!」
「手は猫の手!」
糠床に漬けるために野菜を大きめに切ることはできていたが、私は小さく切るのは初めてで悪戦苦闘した。なんとか切ってみたが不揃いで大きさもまちまちだ。
「た、食べられるから、問題ない」
「そうね!」
いつも私には厳しめのやっちゃんがフォローに入るくらい私の包丁さばきは酷いものだった。それでも投げ出さずにやっちゃんは私に教えてくれる。
「だし巻き卵は難易度が高いから、スクランブルエッグっぽいのにしよう」
「奏歌くんはだし巻き卵を切ってくれたよ?」
「味は同じ!」
卵に塩とお砂糖で味付けをして出汁を入れて、片栗粉を少し入れるのが篠田家のコツなのだと奏歌くんは言っていた。指示通りに卵液を作ってフライパンの上で崩しながら焼いていく。
「私、卵を焼いてる……」
「スクランブルエッグだけどな!」
巻けば同じだと言われたので焼いてみたが、焦がさずに焼くのは難しかった。あまり小さな塊になってしまわないようにやっちゃんが止めてくれて、お皿の上に置く。
これで卵の問題も解決した。
「イクラ! 去年はやっちゃんと美歌さんがイクラをひと瓶くれたよね」
「あぁ、誕生日だって聞いたからな。かなくんもイクラは好きだし」
「嬉しかったぁ。ありがとう。イクラは買えばいい?」
「買って冷蔵庫に入れておけばいい。長期保存するつもりなら、冷凍庫」
細かく教えてくれるやっちゃんの姿に奏歌くんが重なる。
こんな風に小さな頃から教えてもらっていたから、奏歌くんも色んなお料理について説明ができるようになったのだろうか。私の知らない奏歌くんの成長過程の一部に触れたようで少し嬉しくなった。
最後はケーキの作り方だった。
山芋の切り方も練習しておきたかったが「あんたの包丁さばきだったら、手の方が切れる」と山芋は諦めさせられたのだ。山芋を梅肉と巻いたのは美味しかっただけに残念だった。同じくアボカドをサーモンと巻く案についても却下された。
「自分のできる範囲でしてくれ」
ワーキャットだから傷の治りは早いのだけれど、怪我をしたら奏歌くんが悲しむと言われてしまうと仕方がない。
ケーキはやっちゃんがレシピを調べて簡単なものを教えてくれた。
クリームチーズとヨーグルトと卵と小麦粉とお砂糖を混ぜて、トースターで焼く、ベイクドチーズケーキだ。トースターはうちにもあるので作ることができる。
最後に上にお砂糖をかけてもう一度焼くと、上にお砂糖の膜ができてカリカリになる。
「おいしい! 海瑠さんが作ったんですか?」
「やっちゃんに教えてもらってね」
「奏歌くん、喜ぶと思いますよ」
茉優ちゃんのおやつに味見してもらって褒められて、私は上機嫌だった。
実践で作り上げたものを全部やっちゃんにつきっきりで見てもらって、メモしていく。キュウリの切り方、沢庵の切り方、イクラの保存の仕方、お刺身の新鮮なものの見極め方。スクランブルエッグは味付けを卵一個につきどれだけのお塩とお砂糖とお出汁を入れるかを細かくメモしていく。
最後にケーキの分量は特に詳しく書いていたのだが、私はそのときになってやっちゃんにごく初歩的な質問をしていた。
「ベイクドチーズケーキを入れて焼くお皿は、どれでも良いの?」
「そこからか……」
なぜかやっちゃんに頭を抱えられてしまった。
「みっちゃんの家には耐熱皿がないのか?」
「分からない……どのお皿が耐熱皿なの?」
「えぇっと……」
説明は難しいようでやっちゃんが困っている。そこに茉優ちゃんが立ち上がった。
「安彦さん、お店で教えてあげたらどうかな?」
「そうだな、それが一番簡単だろうな」
やっちゃんに車を出してもらって私は食器や家具の売っているお店に連れて来られていた。茉優ちゃんとやっちゃんに導かれて、耐熱皿のコーナーに行く。ガラスの容器が多いけれど、陶器の容器もある。
可愛い陶器のお鍋のようなお皿には、ココット皿と書いてあった。蓋もあってカラフルで水色と薄紫のパステルカラーがある。
「これが欲しい。買ってきていい?」
二人に断ってから私は水色と薄紫のココット皿をレジに持って行った。
これで準備は万端だ。
「やっちゃん、茉優ちゃん、本当にありがとうございました」
深々と頭を下げると、やっちゃんがしみじみと呟く。
「みっちゃんが料理がしたいなんて言うとはな」
奏歌くんと出会う前ならば料理の仕方どころか、食べることにすら私は興味がなかった。それが今はやっちゃんに習ってまで奏歌くんとの特別なディナーを作りたいと思っている。
「誕生日当日は、篠田家にお邪魔します」
よろしくお願いしますと頭を下げると、茉優ちゃんがにこにこしている。
「奏歌くんのお誕生日、一緒に祝いましょうね」
「うん、よろしくね」
お誕生日プレゼントは奏歌くんのための特別なディナーショー。ディナーは手巻き寿司で、それも私が作るのだ。
その上にケーキまで作ったら奏歌くんはどんな顔をするだろう。
想像するだけで私はうきうきとしていた。
去年も今年も奏歌くんは私のお誕生日にスペシャルディナーを作ってくれた。去年は手巻き寿司とサーモンのマリネのサラダ、今年はチーズフォンデュ。どちらも忘れられない味になっている。
小学校二年生と小学校三年生の奏歌くんにできたのだ。
私にだってできるのではないだろうか。
今年の奏歌くんの特別ディナーショーは私のお手製の晩御飯でと気合を入れて、やっちゃんの部屋を訪ねた。
訪ねることは言っていたがやっちゃんは奏歌くんも茉優ちゃんもいないことに驚いていた。
やっちゃんの部屋はマンションの二階で階段で上がれる場所にある。角部屋で配管の問題で部屋が少し狭いために安く買えたのだと言っていた。
マンションを持っているやっちゃんも私と同じ自分の家持ちなのだと勇んで訪ねたやっちゃんの部屋はリビングと寝室があるだけの小ぢんまりとした場所だった。
「えーっと、お邪魔します」
「かなくんは?」
「奏歌くんに内緒で教えてほしいことがあるのよ!」
詰め寄るとやっちゃんは居心地が悪そうにじりじりと下がっていく。
「二人きりっていうのは……」
「やっちゃんと私は親友じゃないの?」
「あぁ、あんた、そういう感じだから男運が悪かったんだな」
妙な納得のされ方をしてしまった。
解せない。
私がむっとしている間に、やっちゃんは茉優ちゃんに連絡をして部屋に来てもらっていた。茉優ちゃんはやっちゃんの部屋に来慣れているのか、リュックサックを背負ってすぐにやって来た。
「お部屋で遊んでるだけで良いの?」
「うん、茉優ちゃん、頼む」
どうして茉優ちゃんを呼ばなければいけないか分からない私に、茉優ちゃんが丁寧に教えてくれる。
「妙齢の男女が二人きりだと良くないって安彦さんは考えてくれる、紳士なんです」
やっちゃんは紳士だった!
これは奏歌くんも紳士になる可能性が高いということだ。
「何を教えてほしいんだ?」
「パーティーの料理とケーキの作り方」
「料理って具体的には?」
問いかけられて私は言葉に詰まってしまった。
具体的な料理の名前など出て来ない。奏歌くんが一緒にいてくれたら、色んなお料理の名前を次々教えてくれるのだろうが、私一人では思い付く料理がない。
「て、手巻き寿司とか!」
「まぁ、その辺が初心者には妥当だろうな」
去年奏歌くんが私の誕生日に準備してくれた手巻き寿司を口に出すとやっちゃんは納得してくれた。
「基本的に刺身を買って、ご飯を炊いて、海苔を用意しておくだけ」
「奏歌くんはサーモンのマリネのサラダも作ってくれたし、卵焼きも、キュウリも、沢庵も、山芋と梅肉も、用意してくれたよ」
「キュウリと沢庵は切るだけだ。山芋はかぶれることがあるから手袋をつけて皮を剥いて切るだけで、梅肉は梅干の種を取って潰すだけ」
説明してくれるが、それだけでもハードルが高い気がしてくる。
「切るだけって、どう切るの?」
「いや、どう切るのって、普通に」
「大きさとか、形とか」
「手巻き寿司で巻けるくらいの大きさと形だよ」
手巻き寿司で巻けるくらいの大きさと形と言われてもピンとこない私のために、やっちゃんは冷蔵庫からキュウリを取り出して切ってくれた。短冊切りという細長い形に切られたキュウリを示されて、私も切ってみる。
「キュウリが転がって手から逃げちゃう!」
「押さえるんだよ」
「手が切れる!」
「手は猫の手!」
糠床に漬けるために野菜を大きめに切ることはできていたが、私は小さく切るのは初めてで悪戦苦闘した。なんとか切ってみたが不揃いで大きさもまちまちだ。
「た、食べられるから、問題ない」
「そうね!」
いつも私には厳しめのやっちゃんがフォローに入るくらい私の包丁さばきは酷いものだった。それでも投げ出さずにやっちゃんは私に教えてくれる。
「だし巻き卵は難易度が高いから、スクランブルエッグっぽいのにしよう」
「奏歌くんはだし巻き卵を切ってくれたよ?」
「味は同じ!」
卵に塩とお砂糖で味付けをして出汁を入れて、片栗粉を少し入れるのが篠田家のコツなのだと奏歌くんは言っていた。指示通りに卵液を作ってフライパンの上で崩しながら焼いていく。
「私、卵を焼いてる……」
「スクランブルエッグだけどな!」
巻けば同じだと言われたので焼いてみたが、焦がさずに焼くのは難しかった。あまり小さな塊になってしまわないようにやっちゃんが止めてくれて、お皿の上に置く。
これで卵の問題も解決した。
「イクラ! 去年はやっちゃんと美歌さんがイクラをひと瓶くれたよね」
「あぁ、誕生日だって聞いたからな。かなくんもイクラは好きだし」
「嬉しかったぁ。ありがとう。イクラは買えばいい?」
「買って冷蔵庫に入れておけばいい。長期保存するつもりなら、冷凍庫」
細かく教えてくれるやっちゃんの姿に奏歌くんが重なる。
こんな風に小さな頃から教えてもらっていたから、奏歌くんも色んなお料理について説明ができるようになったのだろうか。私の知らない奏歌くんの成長過程の一部に触れたようで少し嬉しくなった。
最後はケーキの作り方だった。
山芋の切り方も練習しておきたかったが「あんたの包丁さばきだったら、手の方が切れる」と山芋は諦めさせられたのだ。山芋を梅肉と巻いたのは美味しかっただけに残念だった。同じくアボカドをサーモンと巻く案についても却下された。
「自分のできる範囲でしてくれ」
ワーキャットだから傷の治りは早いのだけれど、怪我をしたら奏歌くんが悲しむと言われてしまうと仕方がない。
ケーキはやっちゃんがレシピを調べて簡単なものを教えてくれた。
クリームチーズとヨーグルトと卵と小麦粉とお砂糖を混ぜて、トースターで焼く、ベイクドチーズケーキだ。トースターはうちにもあるので作ることができる。
最後に上にお砂糖をかけてもう一度焼くと、上にお砂糖の膜ができてカリカリになる。
「おいしい! 海瑠さんが作ったんですか?」
「やっちゃんに教えてもらってね」
「奏歌くん、喜ぶと思いますよ」
茉優ちゃんのおやつに味見してもらって褒められて、私は上機嫌だった。
実践で作り上げたものを全部やっちゃんにつきっきりで見てもらって、メモしていく。キュウリの切り方、沢庵の切り方、イクラの保存の仕方、お刺身の新鮮なものの見極め方。スクランブルエッグは味付けを卵一個につきどれだけのお塩とお砂糖とお出汁を入れるかを細かくメモしていく。
最後にケーキの分量は特に詳しく書いていたのだが、私はそのときになってやっちゃんにごく初歩的な質問をしていた。
「ベイクドチーズケーキを入れて焼くお皿は、どれでも良いの?」
「そこからか……」
なぜかやっちゃんに頭を抱えられてしまった。
「みっちゃんの家には耐熱皿がないのか?」
「分からない……どのお皿が耐熱皿なの?」
「えぇっと……」
説明は難しいようでやっちゃんが困っている。そこに茉優ちゃんが立ち上がった。
「安彦さん、お店で教えてあげたらどうかな?」
「そうだな、それが一番簡単だろうな」
やっちゃんに車を出してもらって私は食器や家具の売っているお店に連れて来られていた。茉優ちゃんとやっちゃんに導かれて、耐熱皿のコーナーに行く。ガラスの容器が多いけれど、陶器の容器もある。
可愛い陶器のお鍋のようなお皿には、ココット皿と書いてあった。蓋もあってカラフルで水色と薄紫のパステルカラーがある。
「これが欲しい。買ってきていい?」
二人に断ってから私は水色と薄紫のココット皿をレジに持って行った。
これで準備は万端だ。
「やっちゃん、茉優ちゃん、本当にありがとうございました」
深々と頭を下げると、やっちゃんがしみじみと呟く。
「みっちゃんが料理がしたいなんて言うとはな」
奏歌くんと出会う前ならば料理の仕方どころか、食べることにすら私は興味がなかった。それが今はやっちゃんに習ってまで奏歌くんとの特別なディナーを作りたいと思っている。
「誕生日当日は、篠田家にお邪魔します」
よろしくお願いしますと頭を下げると、茉優ちゃんがにこにこしている。
「奏歌くんのお誕生日、一緒に祝いましょうね」
「うん、よろしくね」
お誕生日プレゼントは奏歌くんのための特別なディナーショー。ディナーは手巻き寿司で、それも私が作るのだ。
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