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三章 奏歌くんとの三年目
13.やっちゃんと茉優ちゃんのお部屋訪問
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着物を着ると奏歌くんが褒めてくれるのだが、今回は私にもご褒美があった。奏歌くんが着物を着てくれるのだ。
「中古の着物ショップを探して、奏歌のサイズに合うものを買ったんですよ。奏歌も最初は乗り気じゃなかったけど、海瑠さんとお揃いで神社にお参りに行けるって言ったら、やっと納得してくれて」
美歌さんは本当は茉優ちゃんに着物を着せたかったらしいのだ。
ハーフ成人式、また「十歳のお祝い」として、去年の秋に十歳になった茉優ちゃんは小学校でお祝いをするのだという。
「ハーフ成人式、そういうのがあるんですね」
「最近はそういうのをやるみたいで」
それで茉優ちゃんに着物を着させようとしたら、物凄く遠慮して買わせてくれなかった。奏歌くんが買うのならば一緒に買うかもしれないと奏歌くんも中古の着物ショップに連れて行ったのだという。
「ってことは、茉優ちゃんも?」
「もちろん」
先に着物に着替えていた私は茉優ちゃんの着付けを手伝って、美歌さんが奏歌くんの着付けをすることになった。青い着物の茉優ちゃんはとても似合っていて可愛い。
奏歌くんは雪模様の着物を着ていた。
子ども用の半幅の帯を結ぶと茉優ちゃんの着付けも終わり。青の花柄の着物に鮮やかなミントグリーンに水色の模様の帯がとてもよく似合う。
「やっちゃん、褒めて! ほら、早く」
着物を着ると走ってやっちゃんに見せに行く茉優ちゃんに、私はやっちゃんにサインを送る。やっちゃんも着物を着ていて、大きくなったら奏歌くんもあんな風になるのかとつい見てしまう。
「茉優ちゃん、可愛いよ。よく似合ってる」
「嬉しい……安彦さんもかっこいいです」
草履が不安定なのでやっちゃんが茉優ちゃんの手を引いて神社までの道を連れて行く。神社の狛犬ではなく狐の石像の間を二人は仲睦まじく歩いて行く。私は奏歌くんと手を繋いで歩きながら、それを見つめていた。
「あの二人、何気に良い感じじゃない?」
「やっちゃんと茉優ちゃんのおうえんもしないと!」
奏歌くんと二人で私たちはやっちゃんと茉優ちゃんの仲を応援することにしたのだった。
冬休みの間に遊びに来てもらおうと、私はやっちゃんと茉優ちゃんを誘った。初めは遠慮していた茉優ちゃんだったが、奏歌くんに誘われて来る気になったようだった。
「俺は茉優ちゃんとかなくんの保護者として、みっちゃんの部屋を拝見させてもらおうかな」
小姑のようなことを言うやっちゃんに、何も疚しいことはないと思いつつも、ちょっとだけ奏歌くんの部屋を作ったのは早すぎるとか言われないか心配だった。
「奏歌くんの部屋のことはやっちゃんに内緒にしようね」
「もう知ってるよ?」
「ふぁ!?」
小姑に知られていました。
実際にまだ文句は言われていないけれど、見てみたら文句を言うかもしれない。
警戒しつつお正月の二日にやっちゃんもまだ仕事が休みだったので茉優ちゃんと奏歌くんを連れて私の部屋を見に来てもらうことにした。マンションを見上げて茉優ちゃんは驚いている。
「これ、高級マンション?」
「海瑠さんのへやは、一番上だよ」
「一番上!?」
既に驚いている茉優ちゃん。余所行きのワインレッドのワンピースを着て来てくれているのが可愛い。
奏歌くんに導かれて、茉優ちゃんとやっちゃんはエレベーターに乗った。出迎えに出ていた私も乗り込む。
最上階の玄関を潜ると、階が丸ごと私の部屋になっていることに茉優ちゃんもやっちゃんも驚いていた。
「ケーキを届けたときに、他の部屋がないなとは思っていたけど……この階全部がみっちゃんの部屋なんて」
「すごい……」
驚く二人に奏歌くんがリビングを案内する。
「これが鳥かごのソファ。ここでDVDを見たり、お茶をしたりするんだ」
鳥籠のように横と天井に木の柵のあるソファに、茉優ちゃんは座ってみる。やっちゃんは立ち尽くしていた。
「もしかして、あれ、ハンモック? あっちはテント?」
「そうだよ、海瑠さんとハンモックでよくお昼ねするんだ」
「ハンモックとか普通家に置くか?」
ぽろりと出たやっちゃんの言葉に奏歌くんの視線が鋭くなる。
「やっちゃんのじょうしきでものを考えないで! ハンモックがあるお家だってあるよ!」
恐る恐るだが茉優ちゃんは興味があるようで鳥籠のハンギングチェアにも座って見ていた。ハンモックは気になってもなかなか使えないようだ。
「ハンモック、座るだけでも楽しいよ?」
ソファ代わりに座ることもできると私が座ると、ちょこんと隣りに茉優ちゃんが座って来る。
「安彦さん、楽しい……」
ちらちらとやっちゃんのことを見ているので私は立ち上がって、やっちゃんに茉優ちゃんの隣りを譲った。
「ほら、座ってみなよ」
「あ、あぁ」
ぎこちなくやっちゃんが茉優ちゃんの隣りに座る。茉優ちゃんの白い頬がぽぅと赤くなって、嬉しそうに微笑んだ。
茉優ちゃんも私の部屋を楽しんでくれているようで私はホッとした。
奏歌くんの部屋を見せたときには若干やっちゃんの視線が痛かったような気がするけれど、それも気にしないことにする。
「奏歌くんの机と椅子? ベッドも奏歌くんの?」
「そうだよ。いしょうケースの中身もぼくのだよ」
奏歌くんはいつでも私の部屋に泊まれるようにしているのだと誇らしげに茉優ちゃんに紹介していた。
テーブルも椅子が四脚あって良かった。やっちゃんが作って来てくれたお弁当でみんなでお昼ご飯にする。重箱に詰められたおかずとおにぎりを、奏歌くんが取り箸で私の分も取り分けてくれた。
「かなくんにさせてるの!?」
「やっちゃんも、ひとのこと言えないんじゃない?」
「茉優ちゃんは、まだ子どもだからね?」
しっかりと茉優ちゃんもやっちゃんに取り分けてもらっている。奏歌くんが取り分けられるのだから茉優ちゃんも取り分けられるはずだが、そこはやっちゃんに甘えているのだろう。
茉優ちゃんがやっちゃんに甘えているのに、私が奏歌くんに甘えていけないはずがない。
10歳の女の子と対抗してしまうのも、やっちゃんの態度がちょっと気になるからだった。
「やっちゃんって、私のことなんだと思ってるの?」
単刀直入に聞くと、返事が返って来た。
「金持ちで、かなくんに湯水のように金を注いで、引き留めようとしてる……」
「そんなわけないでしょ! やっちゃん、じょうだんでもそういうこと言わないで! 海瑠さんにあやまって!」
激怒する奏歌くんなんて初めて見る。
「かなくんのために家具を買ったり、部屋を作ったり、まるで囲うみたいなんだよ」
言い訳をするやっちゃんにすっと奏歌くんの表情が消えた。
絶対零度の声で奏歌くんがやっちゃんに言う。
「おじさん、そういうことを言うなら、かえってください」
「えぇ!? ちょっと、かなくん、なんで敬語!? しかも、俺をおじさんって……やっちゃんでしょ?」
「ぼくは海瑠さんのことをひどく言うおじさんとは、お話したくありません。母さんにむかえにきてもらうから、かえってください」
冷たく言う奏歌くんの様子に、茉優ちゃんがしょんぼりとして箸を置いてしまう。
「喧嘩しないで……」
可愛い叔父と甥の喧嘩でも、暴力を受けていた過去のある茉優ちゃんにとってはつらいもののようだった。茉優ちゃんにまで言われて、やっちゃんが渋々私に謝って来る。
「ご、ごめん、みっちゃん」
「私は奏歌くんが大好きで、暮らしやすいように考えてるだけで囲おうなんて、人聞きの悪いこと言わないでよね」
「は、はい。もう言いません」
ちゃんと謝ってくれたのでやっちゃんのことは許すとするが、囲おうというのは魅力的だと少し心が動いたのは内緒にしておく。
ずっと奏歌くんが私の部屋にいてくれて、どこにも行かない。出かけるときはいつも私と一緒で、私しか見ない生活。
そんなことができれば良いのに。
奏歌くんがもう少し大きくなったら、私と暮らして、私の専属マネージャーになってくれないだろうか。
公私ともにずっと一緒にいてくれないだろうか。
やっちゃんは自分の言葉がきっかけで私が未来を考えるようになるとは思いもしないだろう。
やっちゃんと茉優ちゃんの訪問は無事に終わった。
「中古の着物ショップを探して、奏歌のサイズに合うものを買ったんですよ。奏歌も最初は乗り気じゃなかったけど、海瑠さんとお揃いで神社にお参りに行けるって言ったら、やっと納得してくれて」
美歌さんは本当は茉優ちゃんに着物を着せたかったらしいのだ。
ハーフ成人式、また「十歳のお祝い」として、去年の秋に十歳になった茉優ちゃんは小学校でお祝いをするのだという。
「ハーフ成人式、そういうのがあるんですね」
「最近はそういうのをやるみたいで」
それで茉優ちゃんに着物を着させようとしたら、物凄く遠慮して買わせてくれなかった。奏歌くんが買うのならば一緒に買うかもしれないと奏歌くんも中古の着物ショップに連れて行ったのだという。
「ってことは、茉優ちゃんも?」
「もちろん」
先に着物に着替えていた私は茉優ちゃんの着付けを手伝って、美歌さんが奏歌くんの着付けをすることになった。青い着物の茉優ちゃんはとても似合っていて可愛い。
奏歌くんは雪模様の着物を着ていた。
子ども用の半幅の帯を結ぶと茉優ちゃんの着付けも終わり。青の花柄の着物に鮮やかなミントグリーンに水色の模様の帯がとてもよく似合う。
「やっちゃん、褒めて! ほら、早く」
着物を着ると走ってやっちゃんに見せに行く茉優ちゃんに、私はやっちゃんにサインを送る。やっちゃんも着物を着ていて、大きくなったら奏歌くんもあんな風になるのかとつい見てしまう。
「茉優ちゃん、可愛いよ。よく似合ってる」
「嬉しい……安彦さんもかっこいいです」
草履が不安定なのでやっちゃんが茉優ちゃんの手を引いて神社までの道を連れて行く。神社の狛犬ではなく狐の石像の間を二人は仲睦まじく歩いて行く。私は奏歌くんと手を繋いで歩きながら、それを見つめていた。
「あの二人、何気に良い感じじゃない?」
「やっちゃんと茉優ちゃんのおうえんもしないと!」
奏歌くんと二人で私たちはやっちゃんと茉優ちゃんの仲を応援することにしたのだった。
冬休みの間に遊びに来てもらおうと、私はやっちゃんと茉優ちゃんを誘った。初めは遠慮していた茉優ちゃんだったが、奏歌くんに誘われて来る気になったようだった。
「俺は茉優ちゃんとかなくんの保護者として、みっちゃんの部屋を拝見させてもらおうかな」
小姑のようなことを言うやっちゃんに、何も疚しいことはないと思いつつも、ちょっとだけ奏歌くんの部屋を作ったのは早すぎるとか言われないか心配だった。
「奏歌くんの部屋のことはやっちゃんに内緒にしようね」
「もう知ってるよ?」
「ふぁ!?」
小姑に知られていました。
実際にまだ文句は言われていないけれど、見てみたら文句を言うかもしれない。
警戒しつつお正月の二日にやっちゃんもまだ仕事が休みだったので茉優ちゃんと奏歌くんを連れて私の部屋を見に来てもらうことにした。マンションを見上げて茉優ちゃんは驚いている。
「これ、高級マンション?」
「海瑠さんのへやは、一番上だよ」
「一番上!?」
既に驚いている茉優ちゃん。余所行きのワインレッドのワンピースを着て来てくれているのが可愛い。
奏歌くんに導かれて、茉優ちゃんとやっちゃんはエレベーターに乗った。出迎えに出ていた私も乗り込む。
最上階の玄関を潜ると、階が丸ごと私の部屋になっていることに茉優ちゃんもやっちゃんも驚いていた。
「ケーキを届けたときに、他の部屋がないなとは思っていたけど……この階全部がみっちゃんの部屋なんて」
「すごい……」
驚く二人に奏歌くんがリビングを案内する。
「これが鳥かごのソファ。ここでDVDを見たり、お茶をしたりするんだ」
鳥籠のように横と天井に木の柵のあるソファに、茉優ちゃんは座ってみる。やっちゃんは立ち尽くしていた。
「もしかして、あれ、ハンモック? あっちはテント?」
「そうだよ、海瑠さんとハンモックでよくお昼ねするんだ」
「ハンモックとか普通家に置くか?」
ぽろりと出たやっちゃんの言葉に奏歌くんの視線が鋭くなる。
「やっちゃんのじょうしきでものを考えないで! ハンモックがあるお家だってあるよ!」
恐る恐るだが茉優ちゃんは興味があるようで鳥籠のハンギングチェアにも座って見ていた。ハンモックは気になってもなかなか使えないようだ。
「ハンモック、座るだけでも楽しいよ?」
ソファ代わりに座ることもできると私が座ると、ちょこんと隣りに茉優ちゃんが座って来る。
「安彦さん、楽しい……」
ちらちらとやっちゃんのことを見ているので私は立ち上がって、やっちゃんに茉優ちゃんの隣りを譲った。
「ほら、座ってみなよ」
「あ、あぁ」
ぎこちなくやっちゃんが茉優ちゃんの隣りに座る。茉優ちゃんの白い頬がぽぅと赤くなって、嬉しそうに微笑んだ。
茉優ちゃんも私の部屋を楽しんでくれているようで私はホッとした。
奏歌くんの部屋を見せたときには若干やっちゃんの視線が痛かったような気がするけれど、それも気にしないことにする。
「奏歌くんの机と椅子? ベッドも奏歌くんの?」
「そうだよ。いしょうケースの中身もぼくのだよ」
奏歌くんはいつでも私の部屋に泊まれるようにしているのだと誇らしげに茉優ちゃんに紹介していた。
テーブルも椅子が四脚あって良かった。やっちゃんが作って来てくれたお弁当でみんなでお昼ご飯にする。重箱に詰められたおかずとおにぎりを、奏歌くんが取り箸で私の分も取り分けてくれた。
「かなくんにさせてるの!?」
「やっちゃんも、ひとのこと言えないんじゃない?」
「茉優ちゃんは、まだ子どもだからね?」
しっかりと茉優ちゃんもやっちゃんに取り分けてもらっている。奏歌くんが取り分けられるのだから茉優ちゃんも取り分けられるはずだが、そこはやっちゃんに甘えているのだろう。
茉優ちゃんがやっちゃんに甘えているのに、私が奏歌くんに甘えていけないはずがない。
10歳の女の子と対抗してしまうのも、やっちゃんの態度がちょっと気になるからだった。
「やっちゃんって、私のことなんだと思ってるの?」
単刀直入に聞くと、返事が返って来た。
「金持ちで、かなくんに湯水のように金を注いで、引き留めようとしてる……」
「そんなわけないでしょ! やっちゃん、じょうだんでもそういうこと言わないで! 海瑠さんにあやまって!」
激怒する奏歌くんなんて初めて見る。
「かなくんのために家具を買ったり、部屋を作ったり、まるで囲うみたいなんだよ」
言い訳をするやっちゃんにすっと奏歌くんの表情が消えた。
絶対零度の声で奏歌くんがやっちゃんに言う。
「おじさん、そういうことを言うなら、かえってください」
「えぇ!? ちょっと、かなくん、なんで敬語!? しかも、俺をおじさんって……やっちゃんでしょ?」
「ぼくは海瑠さんのことをひどく言うおじさんとは、お話したくありません。母さんにむかえにきてもらうから、かえってください」
冷たく言う奏歌くんの様子に、茉優ちゃんがしょんぼりとして箸を置いてしまう。
「喧嘩しないで……」
可愛い叔父と甥の喧嘩でも、暴力を受けていた過去のある茉優ちゃんにとってはつらいもののようだった。茉優ちゃんにまで言われて、やっちゃんが渋々私に謝って来る。
「ご、ごめん、みっちゃん」
「私は奏歌くんが大好きで、暮らしやすいように考えてるだけで囲おうなんて、人聞きの悪いこと言わないでよね」
「は、はい。もう言いません」
ちゃんと謝ってくれたのでやっちゃんのことは許すとするが、囲おうというのは魅力的だと少し心が動いたのは内緒にしておく。
ずっと奏歌くんが私の部屋にいてくれて、どこにも行かない。出かけるときはいつも私と一緒で、私しか見ない生活。
そんなことができれば良いのに。
奏歌くんがもう少し大きくなったら、私と暮らして、私の専属マネージャーになってくれないだろうか。
公私ともにずっと一緒にいてくれないだろうか。
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