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一章 奏歌くんとの出会い
25.不審者撃退
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年齢差はあるし、奏歌くんが大人になるまでは待たなければいけないのも確かだけれど、私は奏歌くんと真剣に付き合っているつもりだった。
奏歌くんと出会ってから私は変わった。寂しくなくなった。ご飯が美味しいと思えるようになった。できなかった家事が少しずつできるようになった。仕事も順調で褒められるようになった。
「何か用ですか? 私が男役の二番手になったから近付こうとしてるだけなんでしょう?」
以前だったらそんなことにも気付かなかっただろう。今ならば見えていなかったことが見えてくる。我妻は私のお金目当てでしかなくて、他の不倫相手に貢いで作った借金を背負わせたかっただけなのだ。
今回だって借金もあるし、離婚した妻に払う慰謝料と子どもの養育費で借金まみれだとネットで書かれていた。事前に調べていたからこそ分かるのだが、奏歌くんと出会う前の私ならば何も考えず、何も準備せずに我妻と対峙していたに違いない。
「結婚を誓い合った仲じゃないか。そんな子どもは放っておいて、俺と来いよ」
道の脇に停めた車に我妻が私を乗せようとする。押されて引き離された奏歌くんに私の怒りが爆発した。
「あなた、自分の子どもがいるんじゃないですか? 保育園に行っているような子どもを一人で放り出すのがどれだけ危険かも想像できないような頭しかそのデカい図体には乗ってないんですか? 子育てにも無関心で、奥さんにも捨てられるわけですよね」
「お前になにが分かる」
乱暴に私の腕を掴んで車に押し込もうとする我妻に私が抵抗する。奏歌くんが我妻の手に飛び付いて噛み付いた。
「みちるさんにらんぼうするな!」
「いたっ! こいつ、何をする!」
我妻が奏歌くんの身体を振り払う。軽い体は吹っ飛んでアスファルトの上に倒れた。駆け寄ると奏歌くんは手の平を擦り剝いて、リュックサックから水筒が転がって落ちてへこんでいた。
「奏歌くんによくも怪我をさせてくれたわね!」
「劇団スターが小児性愛者だという噂を流されたくなければ、俺の言うことを聞くんだ!」
奏歌くんを抱き上げて怪我の様子をみようとする私の写真を撮ろうと、我妻が構えた携帯電話。三つのカメラレンズが付いたかなりお高いそれを、私は無造作に掴んだ。
力を入れると、べきべきと手の中で携帯電話が壊れて鉄くずになっていく。
「ご、ゴリラ……!?」
「奏歌くんに手を出すと、あなたもこうなるわよ?」
もう片方の手で拾った奏歌くんのステンレスの水筒を突き出す。ステンレスの水筒は手の中でめきめきと音を立てて潰されて行った。
「ひぇ……」
これだけでは足りないと私は我妻の開けてある車のドアに近付く。ドアに手をかけて、力を込めるとばこっと音を立てて車のドアがもげた。
「ぎゃー!? 車ー!? ローンが残ってるのにー!?」
我妻の叫びを無視して私はさっさとタクシーを呼んで奏歌くんを美歌さんの務める病院に連れて行ったのだった。美歌さんを呼んで顔を見ると、私は涙が出てきそうになる。
ぼーっとして抱っこされたまま私の顔を見上げている奏歌くんのハニーブラウンのお目目に、私の凶行がどう映ったか心配でもあったが、何よりも奏歌くんが怪我をしてしまったのがショックだった。
「すみません……私と婚約してたと勘違いしてる男が奏歌くんを突き飛ばしてしまって……奏歌くんが、け、怪我を……」
涙が零れる私の背中を美歌さんは優しく撫でてくれた。
「奏歌、どこが痛い?」
「おててと、あしがちょっと」
「水で綺麗に砂利を落としたら平気そうね。それより、怖かったでしょう、海瑠さん」
怖かった。
怖くはなかったが、小さな奏歌くんがマスコミの餌食となって、私が小児性愛者だとして噂が広がってしまったら。奏歌くんにまで迷惑がかかってしまう。最悪奏歌くんと気軽に会えなくなってしまったかもしれない。
「かあさん、みちるさん、すごいんだよ。ぼくをたすけるために、けいたいでんわをめきめきってにぎりつぶして、すいとうをぐしゃってにぎりつぶして、くるまのドアをべきってもいじゃったの!」
「あ……奏歌くんの水筒! いけない、私ったらカッとなって。あれは奏歌くんの大事な水筒だったのに!」
なんてことだろう。
手に持っていたから握り潰してしまったが、あれは奏歌くんが保育園で使っていた思い出のある大事な水筒だった。私も何度もあの水筒から麦茶を飲ませてもらった。初めて会ったときにもあの水筒で奏歌くんは麦茶を飲ませてくれた。
自分のしてしまったことに後悔で沈み込んでいると、美歌さんが奏歌くんの手を消毒しながら言ってくれる。
「あれも印刷が剥げて来てたし、小学校で使うには小さかったから、そろそろ大きいのに買い替えようと思っていたところですよ。それにしても、すごいですね」
我妻の携帯電話を握り潰して、水筒を握り潰して、車のドアをもいだ。私はどれだけの暴れん坊なんだろう。暴力的な奴だと思われたら困ると言い訳をする前に、奏歌くんがお目目をきらきらと煌めかせた。
「みちるさん、ぼくのことまもってくれて、かっこよかったー!」
暴力ゴリラではなく、私は奏歌くんの目には格好良く映っていたようだ。
安堵したところで私の涙も止まって奏歌くんにお願いをさせてもらった。
「私に水筒を買わせてくれる?」
「しょうがっこうのにゅうがくいわいだね!」
手当の終わった奏歌くんを、美歌さんの許可を取ってタクシーでデパートに連れて行く。奏歌くんは水筒売り場で大きめの水筒を見て嬉しそうにしていた。
「えのついてるすいとうは、ちょっとこどもっぽいかなっておもってたんだ」
「無地の水筒にするの?」
「このみずいろのすいとう、ちゅうもんしたランドセルにあうとおもわない?」
新品のピカピカの水筒を手に取って奏歌くんが私に見せる。カタログで見たランドセルより少し緑がかった水色だったが、色味が似ているのでよく合いそうだ。
「すごく可愛いと思うよ」
「かわいいよね! これがいいな」
私は喜んでその水筒を買わせてもらった。色はターコイズブルーと書かれている。プレゼント用に包んでもらおうかと思ったが、「すぐつかうからいいよ」と奏歌くんに言われてしまった。
水筒の入った箱を抱き締めて奏歌くんは私の部屋に返って来た。帰るとすぐに水筒を洗って、麦茶を注ぐ。
部屋の中に設置されたテントに入って奏歌くんが私を招いてくれる。
「おちゃにしませんか?」
「一杯頂いてもいいですか?」
「どうぞ」
奏歌くんが水筒のコップに注いで麦茶を渡してくれた。飲むと冷蔵庫で冷やしてあったので冷たくて美味しい。
「新しい水筒だと尚更美味しいね」
「たのしいね」
お茶屋さんごっこをして遊んでから、奏歌くんをお風呂に入れる。手を怪我しているので濡らさないように気を付けて入ろうとしたのに、奏歌くんは全く気にしないでボディソープを使っていた。
「沁みない?」
「いつもころんだりしてるから、なれてるよ」
「お膝もちょっと擦り剝いてたね」
「これくらいはいつもだよ」
可愛いつるつるすべすべの奏歌くんのお膝が傷付いてしまったことが悲しくて、ますます我妻が許せなくなってくる。お風呂を出ると晩ご飯のお惣菜を温めて、ご飯を炊いている間に海香と津島さんに連絡をしておいた。
津島さんには我妻から車の修理代の請求が来ているらしいが、当然突っぱねるつもりでいたらしい。
『海香さんと話していたんですが、逆に利用してやりましょう』
「どういうことか分からないけど、よろしくお願いします」
数日後、我妻が保育園児を攫おうとして、それを通りがかった私が助けたという記事が雑誌に載った。私を「小児性愛者」に仕立て上げようとした我妻は自分の方が「小児性愛者」として雑誌に書きたてられて、警察も動いているという噂を知るのはもっと後になってから。
「みちるさん、ごはんがたけたよ!」
「奏歌くん、おにぎり握ってくれる?」
冷凍のお惣菜を温めて、フリーズドライのお味噌汁をお湯で溶かして、奏歌くんにおにぎりを握ってもらって、私たちは平和に晩御飯を食べるのだった。晩ご飯のときも奏歌くんは水筒を使って麦茶を飲んでいた。
すぐに使ってくれるくらい喜んでくれたことが嬉しくて、私は水筒を壊してしまったけれど、新しい水筒をプレゼントできて良かったと思ったのだった。
奏歌くんと出会ってから私は変わった。寂しくなくなった。ご飯が美味しいと思えるようになった。できなかった家事が少しずつできるようになった。仕事も順調で褒められるようになった。
「何か用ですか? 私が男役の二番手になったから近付こうとしてるだけなんでしょう?」
以前だったらそんなことにも気付かなかっただろう。今ならば見えていなかったことが見えてくる。我妻は私のお金目当てでしかなくて、他の不倫相手に貢いで作った借金を背負わせたかっただけなのだ。
今回だって借金もあるし、離婚した妻に払う慰謝料と子どもの養育費で借金まみれだとネットで書かれていた。事前に調べていたからこそ分かるのだが、奏歌くんと出会う前の私ならば何も考えず、何も準備せずに我妻と対峙していたに違いない。
「結婚を誓い合った仲じゃないか。そんな子どもは放っておいて、俺と来いよ」
道の脇に停めた車に我妻が私を乗せようとする。押されて引き離された奏歌くんに私の怒りが爆発した。
「あなた、自分の子どもがいるんじゃないですか? 保育園に行っているような子どもを一人で放り出すのがどれだけ危険かも想像できないような頭しかそのデカい図体には乗ってないんですか? 子育てにも無関心で、奥さんにも捨てられるわけですよね」
「お前になにが分かる」
乱暴に私の腕を掴んで車に押し込もうとする我妻に私が抵抗する。奏歌くんが我妻の手に飛び付いて噛み付いた。
「みちるさんにらんぼうするな!」
「いたっ! こいつ、何をする!」
我妻が奏歌くんの身体を振り払う。軽い体は吹っ飛んでアスファルトの上に倒れた。駆け寄ると奏歌くんは手の平を擦り剝いて、リュックサックから水筒が転がって落ちてへこんでいた。
「奏歌くんによくも怪我をさせてくれたわね!」
「劇団スターが小児性愛者だという噂を流されたくなければ、俺の言うことを聞くんだ!」
奏歌くんを抱き上げて怪我の様子をみようとする私の写真を撮ろうと、我妻が構えた携帯電話。三つのカメラレンズが付いたかなりお高いそれを、私は無造作に掴んだ。
力を入れると、べきべきと手の中で携帯電話が壊れて鉄くずになっていく。
「ご、ゴリラ……!?」
「奏歌くんに手を出すと、あなたもこうなるわよ?」
もう片方の手で拾った奏歌くんのステンレスの水筒を突き出す。ステンレスの水筒は手の中でめきめきと音を立てて潰されて行った。
「ひぇ……」
これだけでは足りないと私は我妻の開けてある車のドアに近付く。ドアに手をかけて、力を込めるとばこっと音を立てて車のドアがもげた。
「ぎゃー!? 車ー!? ローンが残ってるのにー!?」
我妻の叫びを無視して私はさっさとタクシーを呼んで奏歌くんを美歌さんの務める病院に連れて行ったのだった。美歌さんを呼んで顔を見ると、私は涙が出てきそうになる。
ぼーっとして抱っこされたまま私の顔を見上げている奏歌くんのハニーブラウンのお目目に、私の凶行がどう映ったか心配でもあったが、何よりも奏歌くんが怪我をしてしまったのがショックだった。
「すみません……私と婚約してたと勘違いしてる男が奏歌くんを突き飛ばしてしまって……奏歌くんが、け、怪我を……」
涙が零れる私の背中を美歌さんは優しく撫でてくれた。
「奏歌、どこが痛い?」
「おててと、あしがちょっと」
「水で綺麗に砂利を落としたら平気そうね。それより、怖かったでしょう、海瑠さん」
怖かった。
怖くはなかったが、小さな奏歌くんがマスコミの餌食となって、私が小児性愛者だとして噂が広がってしまったら。奏歌くんにまで迷惑がかかってしまう。最悪奏歌くんと気軽に会えなくなってしまったかもしれない。
「かあさん、みちるさん、すごいんだよ。ぼくをたすけるために、けいたいでんわをめきめきってにぎりつぶして、すいとうをぐしゃってにぎりつぶして、くるまのドアをべきってもいじゃったの!」
「あ……奏歌くんの水筒! いけない、私ったらカッとなって。あれは奏歌くんの大事な水筒だったのに!」
なんてことだろう。
手に持っていたから握り潰してしまったが、あれは奏歌くんが保育園で使っていた思い出のある大事な水筒だった。私も何度もあの水筒から麦茶を飲ませてもらった。初めて会ったときにもあの水筒で奏歌くんは麦茶を飲ませてくれた。
自分のしてしまったことに後悔で沈み込んでいると、美歌さんが奏歌くんの手を消毒しながら言ってくれる。
「あれも印刷が剥げて来てたし、小学校で使うには小さかったから、そろそろ大きいのに買い替えようと思っていたところですよ。それにしても、すごいですね」
我妻の携帯電話を握り潰して、水筒を握り潰して、車のドアをもいだ。私はどれだけの暴れん坊なんだろう。暴力的な奴だと思われたら困ると言い訳をする前に、奏歌くんがお目目をきらきらと煌めかせた。
「みちるさん、ぼくのことまもってくれて、かっこよかったー!」
暴力ゴリラではなく、私は奏歌くんの目には格好良く映っていたようだ。
安堵したところで私の涙も止まって奏歌くんにお願いをさせてもらった。
「私に水筒を買わせてくれる?」
「しょうがっこうのにゅうがくいわいだね!」
手当の終わった奏歌くんを、美歌さんの許可を取ってタクシーでデパートに連れて行く。奏歌くんは水筒売り場で大きめの水筒を見て嬉しそうにしていた。
「えのついてるすいとうは、ちょっとこどもっぽいかなっておもってたんだ」
「無地の水筒にするの?」
「このみずいろのすいとう、ちゅうもんしたランドセルにあうとおもわない?」
新品のピカピカの水筒を手に取って奏歌くんが私に見せる。カタログで見たランドセルより少し緑がかった水色だったが、色味が似ているのでよく合いそうだ。
「すごく可愛いと思うよ」
「かわいいよね! これがいいな」
私は喜んでその水筒を買わせてもらった。色はターコイズブルーと書かれている。プレゼント用に包んでもらおうかと思ったが、「すぐつかうからいいよ」と奏歌くんに言われてしまった。
水筒の入った箱を抱き締めて奏歌くんは私の部屋に返って来た。帰るとすぐに水筒を洗って、麦茶を注ぐ。
部屋の中に設置されたテントに入って奏歌くんが私を招いてくれる。
「おちゃにしませんか?」
「一杯頂いてもいいですか?」
「どうぞ」
奏歌くんが水筒のコップに注いで麦茶を渡してくれた。飲むと冷蔵庫で冷やしてあったので冷たくて美味しい。
「新しい水筒だと尚更美味しいね」
「たのしいね」
お茶屋さんごっこをして遊んでから、奏歌くんをお風呂に入れる。手を怪我しているので濡らさないように気を付けて入ろうとしたのに、奏歌くんは全く気にしないでボディソープを使っていた。
「沁みない?」
「いつもころんだりしてるから、なれてるよ」
「お膝もちょっと擦り剝いてたね」
「これくらいはいつもだよ」
可愛いつるつるすべすべの奏歌くんのお膝が傷付いてしまったことが悲しくて、ますます我妻が許せなくなってくる。お風呂を出ると晩ご飯のお惣菜を温めて、ご飯を炊いている間に海香と津島さんに連絡をしておいた。
津島さんには我妻から車の修理代の請求が来ているらしいが、当然突っぱねるつもりでいたらしい。
『海香さんと話していたんですが、逆に利用してやりましょう』
「どういうことか分からないけど、よろしくお願いします」
数日後、我妻が保育園児を攫おうとして、それを通りがかった私が助けたという記事が雑誌に載った。私を「小児性愛者」に仕立て上げようとした我妻は自分の方が「小児性愛者」として雑誌に書きたてられて、警察も動いているという噂を知るのはもっと後になってから。
「みちるさん、ごはんがたけたよ!」
「奏歌くん、おにぎり握ってくれる?」
冷凍のお惣菜を温めて、フリーズドライのお味噌汁をお湯で溶かして、奏歌くんにおにぎりを握ってもらって、私たちは平和に晩御飯を食べるのだった。晩ご飯のときも奏歌くんは水筒を使って麦茶を飲んでいた。
すぐに使ってくれるくらい喜んでくれたことが嬉しくて、私は水筒を壊してしまったけれど、新しい水筒をプレゼントできて良かったと思ったのだった。
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