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分岐点
3.
しおりを挟む思えばその時が、僕にとって人生の分岐点だったのだろう。
僕は回想から意識を戻して、そんなことを考える。
「舞葉、金魚持って帰るか?」
僕は取り終えた金魚を見て、後ろの舞葉に問いかけた。
「ううん。景太君がすくってるところを見たかっただけなんだ」
「そっか」
器の中にいる金魚を、僕は水槽の中にはなしてやる。
自由になった金魚達は、散り散りになって僕の前から離れていった。
「あの時私にくれた金魚、まだウチで飼ってるしね」
「それ、すごい長生きだね…」
彼女の言葉に、僕は驚きを口から漏らした。
僕と舞葉はそんな何気ない会話をしながら、金魚すくいの屋台を離れる。
背を向けた僕達を見て、店のおじさんは安心したように胸を撫で下ろすのだった。
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