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第七章 最愛の人に求婚されました
百二十二話
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「……は?」
式場全体が騒然とした。
「……れ」
最初に口を開いたのは虎居社長だった。
「麗音!!何を馬鹿げた事を言うか!!お前は私の言う通り、龍野ホールディングスの娘と結婚すべきなのだ!そして龍野を私の傘下に……」
「虎居社長、それは聞き捨てならないですね、我々は共同経営するというお約束ではありませんでしたか?」
社長の向かい側にいた妙齢の男性が口を挟んだ。
確か、龍野ホールディングスの社長だったような……
「龍野さん、それは……」
「菜々香、今回の結婚は破棄だ、帰ろう」
「はーい」
菜々香と呼ばれた花嫁はひょいと壇上から降り、龍野の社長と共に式場を後にした。
式場内は更にざわつく。
「皆さん、落ち着いて……」
あれだけ余裕たっぷりだった社長があたふたしているのを見て、俺はむくむくと笑いがこみ上げてきた。
「……ええい、麗音!この責任をどうするつもりだ!男同士で愛し合うなど言語道断!この親不孝者め!」
「お父様。今の会話、録音させていただきました」
麗音はネクタイピンを取ると周囲に向けてかざす。
「今の発言は同性愛者への差別的発言として訴えさせていただきます」
「ぐ、ぐぬぬ……」
「麗音……!」
桃澤を下したあの夜の麗音だ。
俺は心強く思った。
「そうなると虎居カンパニーの経営が不安ですが……そこは私が担いましょう」
「えっ!?」
「おお麗音!そうだ、麗音が虎居を継いでくれさえすれば私は……」
「ただし、虎居カンパニーは僕の会社、有栖川グループの傘下として入ってもらいます!」
「は?」
本日何度目か分からない式場内のざわつき、正直俺もついていけなくなった。
「あ……有栖川グループだと?」
「はい。僕が経営する企業です。その企業のグループ会社としてなら、虎居の名を残して差し上げましょう」
「……くそ、こんなことが、麗音、麗音んんん!!!」
虎居一重の絶叫が、教会中に響き渡った。
式場全体が騒然とした。
「……れ」
最初に口を開いたのは虎居社長だった。
「麗音!!何を馬鹿げた事を言うか!!お前は私の言う通り、龍野ホールディングスの娘と結婚すべきなのだ!そして龍野を私の傘下に……」
「虎居社長、それは聞き捨てならないですね、我々は共同経営するというお約束ではありませんでしたか?」
社長の向かい側にいた妙齢の男性が口を挟んだ。
確か、龍野ホールディングスの社長だったような……
「龍野さん、それは……」
「菜々香、今回の結婚は破棄だ、帰ろう」
「はーい」
菜々香と呼ばれた花嫁はひょいと壇上から降り、龍野の社長と共に式場を後にした。
式場内は更にざわつく。
「皆さん、落ち着いて……」
あれだけ余裕たっぷりだった社長があたふたしているのを見て、俺はむくむくと笑いがこみ上げてきた。
「……ええい、麗音!この責任をどうするつもりだ!男同士で愛し合うなど言語道断!この親不孝者め!」
「お父様。今の会話、録音させていただきました」
麗音はネクタイピンを取ると周囲に向けてかざす。
「今の発言は同性愛者への差別的発言として訴えさせていただきます」
「ぐ、ぐぬぬ……」
「麗音……!」
桃澤を下したあの夜の麗音だ。
俺は心強く思った。
「そうなると虎居カンパニーの経営が不安ですが……そこは私が担いましょう」
「えっ!?」
「おお麗音!そうだ、麗音が虎居を継いでくれさえすれば私は……」
「ただし、虎居カンパニーは僕の会社、有栖川グループの傘下として入ってもらいます!」
「は?」
本日何度目か分からない式場内のざわつき、正直俺もついていけなくなった。
「あ……有栖川グループだと?」
「はい。僕が経営する企業です。その企業のグループ会社としてなら、虎居の名を残して差し上げましょう」
「……くそ、こんなことが、麗音、麗音んんん!!!」
虎居一重の絶叫が、教会中に響き渡った。
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