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第三章 同居開始で溺愛されてます
三十八話
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「さ!カレー作ろう!」
家に帰り食材をキッチンに並べたあと、麗音は意気込んで言った。
「まずは……そうだ、米炊いてくれ、できるか?」
「分かった!それくらいできるよー」
可愛らしく怒りながら、麗音は米を測りに行った。
俺の方は、じゃがいもやニンジンの下ごしらえ、豚こま肉の下味などを進めていく。
米をセットし終わった麗音が戻って来たので、途中から手伝ってもらう。
具材を炒めながら、麗音がぽつりと言った。
「なんか、こういうの嬉しいね」
「何がだ?」
「しゅん兄ちゃんと一緒にご飯作るの、昔は見てるだけだったからさ」
そうか。
麗音の面倒を見ているときも、俺は時々母親を手伝って料理をしていた。
あの時、一人で絵本を読んでいた麗音が、今は俺と一緒に料理して、暮らしている。
胸の奥が少し温かくなるが、頭を振って誤魔化す。
「しゅん兄ちゃん、そろそろルー入れる?」
「そうだな、箱取ってくれ」
俺は二種類のルーをそれぞれ一パックずつ割り入れ、お玉でかき混ぜて溶かした。
ひと煮立ちさせたら完成だ。
「麗音、ご飯用意してくれ」
「任せて!……あ」
トーンが変わった声に、嫌な予感がする。
「お米……炊けてなかった……」
炊飯器の中には、水を吸って膨らんだ米が鎮座していた。
家に帰り食材をキッチンに並べたあと、麗音は意気込んで言った。
「まずは……そうだ、米炊いてくれ、できるか?」
「分かった!それくらいできるよー」
可愛らしく怒りながら、麗音は米を測りに行った。
俺の方は、じゃがいもやニンジンの下ごしらえ、豚こま肉の下味などを進めていく。
米をセットし終わった麗音が戻って来たので、途中から手伝ってもらう。
具材を炒めながら、麗音がぽつりと言った。
「なんか、こういうの嬉しいね」
「何がだ?」
「しゅん兄ちゃんと一緒にご飯作るの、昔は見てるだけだったからさ」
そうか。
麗音の面倒を見ているときも、俺は時々母親を手伝って料理をしていた。
あの時、一人で絵本を読んでいた麗音が、今は俺と一緒に料理して、暮らしている。
胸の奥が少し温かくなるが、頭を振って誤魔化す。
「しゅん兄ちゃん、そろそろルー入れる?」
「そうだな、箱取ってくれ」
俺は二種類のルーをそれぞれ一パックずつ割り入れ、お玉でかき混ぜて溶かした。
ひと煮立ちさせたら完成だ。
「麗音、ご飯用意してくれ」
「任せて!……あ」
トーンが変わった声に、嫌な予感がする。
「お米……炊けてなかった……」
炊飯器の中には、水を吸って膨らんだ米が鎮座していた。
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