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第二章 俺の幼馴染は御曹司でポンコツで
十四話
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「……なんでしょう、部長」
俺は部長のデスクに向かうとそう言った。
嫌な汗が背中を伝う。
「先程の見積書なんだが……」
ああやっぱり。
いくら早く仕上げられても、ミスはたくさんあるよな……
俺はぎゅっと目をつぶった。
「何でいつもこんなにクオリティ高く出せないんだ!」
「……へ?」
「今日は誤字脱字も無いし金額の間違いもない、まあハンコの押し忘れは一箇所あったがな、ここだけ押してから帰ってくれ」
ぺら、と一枚見積書を渡すと、部長は早くやれ、と顎で指し示した。
俺はハンコの押し忘れよりも、他にミスが無かったことのほうが何倍も嬉しかった。
「……ありがとうございます!」
また大きな声を出してしまい、口を覆う。
これは紛れもない、麗音のおかげだ。
麗音がサポートしてくれたから、俺は……
「……ん?よく見たらこれは、黒須の担当分じゃないか?」
部長が見積書をペラペラめくりながら言う。
「どうして黒須の担当を、お前がやってるんだ?」
「っえ、えーと、それは、……」
正直に、押し付けられたから、と言えたらどんなに楽か。
しかし、黒須は俺より仕事ができる上に口も立つ。
もしなんとか切り抜けられても、あいつが戻ってきて何か言おうものなら理不尽に怒られるのは俺の方だ。
俺がなんと返そうと言いあぐねていると、
「あっ、それは別の先輩が兎山先輩に押し付けてきたからです!」
麗音がキラキラした笑顔でそう言った。
俺は部長のデスクに向かうとそう言った。
嫌な汗が背中を伝う。
「先程の見積書なんだが……」
ああやっぱり。
いくら早く仕上げられても、ミスはたくさんあるよな……
俺はぎゅっと目をつぶった。
「何でいつもこんなにクオリティ高く出せないんだ!」
「……へ?」
「今日は誤字脱字も無いし金額の間違いもない、まあハンコの押し忘れは一箇所あったがな、ここだけ押してから帰ってくれ」
ぺら、と一枚見積書を渡すと、部長は早くやれ、と顎で指し示した。
俺はハンコの押し忘れよりも、他にミスが無かったことのほうが何倍も嬉しかった。
「……ありがとうございます!」
また大きな声を出してしまい、口を覆う。
これは紛れもない、麗音のおかげだ。
麗音がサポートしてくれたから、俺は……
「……ん?よく見たらこれは、黒須の担当分じゃないか?」
部長が見積書をペラペラめくりながら言う。
「どうして黒須の担当を、お前がやってるんだ?」
「っえ、えーと、それは、……」
正直に、押し付けられたから、と言えたらどんなに楽か。
しかし、黒須は俺より仕事ができる上に口も立つ。
もしなんとか切り抜けられても、あいつが戻ってきて何か言おうものなら理不尽に怒られるのは俺の方だ。
俺がなんと返そうと言いあぐねていると、
「あっ、それは別の先輩が兎山先輩に押し付けてきたからです!」
麗音がキラキラした笑顔でそう言った。
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