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彼の合図
①
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私には付き合っている彼氏がいる。
とてもかっこよくて、大好きな彼。
いつも学校帰りに違う学校なのにも関わらず、迎えに来て、一緒に帰ってくれる。
その時、彼はいつも嬉しそうに手を振ってくれる。
今日もその彼が待っていてくれた。
「お待たせ~ごめんね、いつも。」
いつも帰りの準備が遅くて待たせてしまっているのが申し訳ない…。
「いや、全然大丈夫だよ。それに、僕が好きでやってるんだから、気にしないで。」
彼はニコッと微笑みながら、手を握ってくれる。
少し照れるけど、とても嬉しい。
「いつもありがとう。毎日一緒に帰れてとても嬉しい…!」
素直に言うと、彼は照れたように、
「いいえ…こちらこそ。いつもありがとう。」
って返してくれた。
私はルンルン気分で帰り道を彼と一緒に歩く。
でも彼は、少し迷っているような表情を見せる。
「どうしたの?」
「あのな…明日は…迎えにいけないんだ。毎日一緒に帰ってたのに…さっきも嬉しいって言ってくれてたのにごめんな…。」
この時、私はとてもびっくりした。
彼は忙しくても毎日ここに来てくれたからだ。
でも彼にはきっと何かがあるんだろう。
「そっかぁ。わかった。きっと何かあるんでしょう?明日は友達と帰るから大丈夫だよ。」
「ありがとう、明後日はまた一緒に帰ろうね。」
「うん、楽しみにしてる!」
友達と帰るのも久しぶりだから、少し楽しみかも。
彼と帰るのは楽しいけど、たまには友達と帰るのもいいよね!
そうして今日も、2人で帰路についた。
次の日…
学校が終わり、帰りの準備をしようと立ち上がる。
「あれ?さえ、今日は彼氏と帰らないの?」
今日は急いでいないのが不思議に思ったのか、友達のみきが話しかけてくる。
「えっと…なんか今日は一緒に帰れないらしくて、今日はみきと一緒に帰っていい?」
嘘をつく必要もなかったので、正直に言った。
「え!?さえの彼氏が…?一緒に帰るのは全然いいよ。けど、あんなに過保護そうだったのに、珍しいね。」
みきが盛大に驚くので、ぷっと吹き出してしまう。
「過保護って!(笑)そこまではいかないよ。彼にもきっと色々あるんだよ。」
「そうなのかな。でも毎日一緒に帰るって…まぁいっか!とりあえず帰ろ!今日はクレープ屋さんでも寄っていかない?」
みきはすごく優しい。
いつも友達想いで、可愛くて。
大好きな友達だ。
「いいね!行きたい!」
クレープは大好きなのですごく楽しみだ。
ルンルン気分で教室から校門まで歩いていると…
急にみきが叫ぶ。
「あ、あれ!さえの、彼氏じゃない!?気が変わって迎えに来てくれたのかもね!」
「えっっ!?」
彼は以外ときちっとしていて気分屋ではない。
彼に限ってそんなことはあるのだろうか。
もっと良く見ようと近づいていく。
確かに彼だった。
でも、いつもみたいに私に手を振ってくれない。
「早く行ってきなよ。クレープはまた休日とかでいいからさ!」
今日はみきと一緒に帰るよ…と口を開こうとしたが、声が出なかった。
彼は私にでは無く、違う人に手を振っていたからだ。
表情はこの角度から見えなかった。
…まぁでも、友達とかかな?
「私じゃないよ、待ってるの。さ、クレープ屋さんに行こっ!」
あまり気にしない方がいいと思い、また歩きだそうとすると、みきがそれを止めた。
「まって!…さえの彼氏が手を振っている相手…神咲先輩じゃない…?」
え…??
確かに、神咲先輩に振っているように見える。
神咲先輩は、私の憧れである部活の先輩だ。
誰が見ても美人な顔つき。
黒い髪が印象的な美しい先輩だ。
いつも優しく笑いかけてくれて、時には厳しく叱ってくれる先輩なのだ。
「やっぱり、神咲先輩だよ!」
「そ、そうだね。なんで一緒にいるんだろう?」
その時私の脳にはひとつの最悪な考えが浮かんだ…。
…考えたくないけど…浮気…?
そんなはずないよ…あんなに優しい彼が。
でも、飽きられたのかもしれない。
「さえ??…違うよ?さえの彼氏がそんな事しないよ。あんなに毎日一緒に帰ってたのにそんなはずない…。」
みきが私の表情を察したらしい。
「でも…でも…それじゃなかったら、なんなの…!?」
「友達とか…じゃないかな?」
そんなわけ…ない!
「友達だったら、彼女いるのに!2人きりで遊びに行かないよ…!」
「そ…それは…」
みきが困った顔をする。
「…ごめん、みきに怒るつもりじゃなかったの…彼が…信じられなくて…」
不安で彼が急に信じられなくて、泣きそうになる…。
「…落ち着いて。さえの彼氏に今から聞いてみる?」
八つ当たりした私にもみきは優しい。
少し救われた気がした…けど。
「嫌だ。怖いの…。もし彼が浮気してたら…って。明日は…会う予定だから…それまでに気持ちの整理する…。」
「…そっか。じゃあ、とりあえずクレープ…食べて帰ろ?」
みきは、気を使ってくれたのだろう。
やっぱりみきは、本当にいい友達だ。
友達の気遣いに救われた気がした。
みきと別れて帰宅する。
今日のことを考えてみた。
でもやっぱり…悲しくて。
黒い気持ちが消えなくて、しんどくて。
私の事が好きじゃないなら飽きたなら、付き合わないでさっさと別れてよ……。
…そんなことを思っていたら、いつの間にか眠ってしまった。
とてもかっこよくて、大好きな彼。
いつも学校帰りに違う学校なのにも関わらず、迎えに来て、一緒に帰ってくれる。
その時、彼はいつも嬉しそうに手を振ってくれる。
今日もその彼が待っていてくれた。
「お待たせ~ごめんね、いつも。」
いつも帰りの準備が遅くて待たせてしまっているのが申し訳ない…。
「いや、全然大丈夫だよ。それに、僕が好きでやってるんだから、気にしないで。」
彼はニコッと微笑みながら、手を握ってくれる。
少し照れるけど、とても嬉しい。
「いつもありがとう。毎日一緒に帰れてとても嬉しい…!」
素直に言うと、彼は照れたように、
「いいえ…こちらこそ。いつもありがとう。」
って返してくれた。
私はルンルン気分で帰り道を彼と一緒に歩く。
でも彼は、少し迷っているような表情を見せる。
「どうしたの?」
「あのな…明日は…迎えにいけないんだ。毎日一緒に帰ってたのに…さっきも嬉しいって言ってくれてたのにごめんな…。」
この時、私はとてもびっくりした。
彼は忙しくても毎日ここに来てくれたからだ。
でも彼にはきっと何かがあるんだろう。
「そっかぁ。わかった。きっと何かあるんでしょう?明日は友達と帰るから大丈夫だよ。」
「ありがとう、明後日はまた一緒に帰ろうね。」
「うん、楽しみにしてる!」
友達と帰るのも久しぶりだから、少し楽しみかも。
彼と帰るのは楽しいけど、たまには友達と帰るのもいいよね!
そうして今日も、2人で帰路についた。
次の日…
学校が終わり、帰りの準備をしようと立ち上がる。
「あれ?さえ、今日は彼氏と帰らないの?」
今日は急いでいないのが不思議に思ったのか、友達のみきが話しかけてくる。
「えっと…なんか今日は一緒に帰れないらしくて、今日はみきと一緒に帰っていい?」
嘘をつく必要もなかったので、正直に言った。
「え!?さえの彼氏が…?一緒に帰るのは全然いいよ。けど、あんなに過保護そうだったのに、珍しいね。」
みきが盛大に驚くので、ぷっと吹き出してしまう。
「過保護って!(笑)そこまではいかないよ。彼にもきっと色々あるんだよ。」
「そうなのかな。でも毎日一緒に帰るって…まぁいっか!とりあえず帰ろ!今日はクレープ屋さんでも寄っていかない?」
みきはすごく優しい。
いつも友達想いで、可愛くて。
大好きな友達だ。
「いいね!行きたい!」
クレープは大好きなのですごく楽しみだ。
ルンルン気分で教室から校門まで歩いていると…
急にみきが叫ぶ。
「あ、あれ!さえの、彼氏じゃない!?気が変わって迎えに来てくれたのかもね!」
「えっっ!?」
彼は以外ときちっとしていて気分屋ではない。
彼に限ってそんなことはあるのだろうか。
もっと良く見ようと近づいていく。
確かに彼だった。
でも、いつもみたいに私に手を振ってくれない。
「早く行ってきなよ。クレープはまた休日とかでいいからさ!」
今日はみきと一緒に帰るよ…と口を開こうとしたが、声が出なかった。
彼は私にでは無く、違う人に手を振っていたからだ。
表情はこの角度から見えなかった。
…まぁでも、友達とかかな?
「私じゃないよ、待ってるの。さ、クレープ屋さんに行こっ!」
あまり気にしない方がいいと思い、また歩きだそうとすると、みきがそれを止めた。
「まって!…さえの彼氏が手を振っている相手…神咲先輩じゃない…?」
え…??
確かに、神咲先輩に振っているように見える。
神咲先輩は、私の憧れである部活の先輩だ。
誰が見ても美人な顔つき。
黒い髪が印象的な美しい先輩だ。
いつも優しく笑いかけてくれて、時には厳しく叱ってくれる先輩なのだ。
「やっぱり、神咲先輩だよ!」
「そ、そうだね。なんで一緒にいるんだろう?」
その時私の脳にはひとつの最悪な考えが浮かんだ…。
…考えたくないけど…浮気…?
そんなはずないよ…あんなに優しい彼が。
でも、飽きられたのかもしれない。
「さえ??…違うよ?さえの彼氏がそんな事しないよ。あんなに毎日一緒に帰ってたのにそんなはずない…。」
みきが私の表情を察したらしい。
「でも…でも…それじゃなかったら、なんなの…!?」
「友達とか…じゃないかな?」
そんなわけ…ない!
「友達だったら、彼女いるのに!2人きりで遊びに行かないよ…!」
「そ…それは…」
みきが困った顔をする。
「…ごめん、みきに怒るつもりじゃなかったの…彼が…信じられなくて…」
不安で彼が急に信じられなくて、泣きそうになる…。
「…落ち着いて。さえの彼氏に今から聞いてみる?」
八つ当たりした私にもみきは優しい。
少し救われた気がした…けど。
「嫌だ。怖いの…。もし彼が浮気してたら…って。明日は…会う予定だから…それまでに気持ちの整理する…。」
「…そっか。じゃあ、とりあえずクレープ…食べて帰ろ?」
みきは、気を使ってくれたのだろう。
やっぱりみきは、本当にいい友達だ。
友達の気遣いに救われた気がした。
みきと別れて帰宅する。
今日のことを考えてみた。
でもやっぱり…悲しくて。
黒い気持ちが消えなくて、しんどくて。
私の事が好きじゃないなら飽きたなら、付き合わないでさっさと別れてよ……。
…そんなことを思っていたら、いつの間にか眠ってしまった。
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