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第三部
夜
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―――俺が目を覚ましたのは夜だったようで。行くなら明日以降だと、狗神に言わ
れる。
明日は学校に休みの連絡入れなきゃいけないな・・・なんて考えながら、誠さんが
持ってきてくれたお粥を口に運んでいた。
「胃もやられてるってお祖父ちゃんが言ってたから、お腹の穴がまた開いちゃう前に
頑張って食べてね」
そう言った誠さんは、糸繰のことが気になるようで。チラチラと様子を伺うように
見ている誠さんに気付いた糸繰が、きょとんとした顔で首を傾げる。
「鬼って珍しいんですか?」
そんな俺の問いに、誠さんは首を横に振る。
「鬼自体は珍しいって程珍しくもないよ。まあ、人間に近い姿の鬼は少ないし、
更に人間と仲良くしてる鬼なんて殆どいないだろうけど。・・・うう、ごめんね。
ボク、鬼には嫌な思い出が・・・」
〈オレ、居ない方が良いなら出て行くけど。〉
糸繰が誠さんにメモを渡す。慌てた顔で首をブンブンと横に振った誠さんは、
糸繰から視線を逸らしながら言った。
「君、静くんが仲良くなった!って話してた鬼でしょ?だから居ない方が、なんて
ことはないんだけど。こう、本能とトラウマで怖いというか何というか・・・
ごめん、仲良くなりたい気持ちはあるんだよー・・・」
犬耳を垂れ下げ糸繰を頑張って見ようとしている誠さんの姿は、悪い事をして
叱られそうになっている犬を思い起こさせた。
大丈夫ですよーなんて声を掛けたかったが、糸繰は何処か悲しげな様子で。
〈弱いから捨てられたのに、鬼だからって避けられるのは・・・何か、嫌だ。〉
そう書いたメモを俺に渡してきた糸繰の頭を、優しく撫でる。
「糸繰は強いよ。強いし、優しい鬼だ。サザリだっけ?あの化け物を殺してくれた
のも糸繰だし、俺に血を飲ませて生かしてくれたのも糸繰だ。お前は良い子だよ。
ありがとう、いと」
頭を撫で続けながらそう言うと、糸繰は俯きメモにペンを走らせた。
〈いとって呼ばれるのは恥ずかしいんだって、言っただろ。〉
顔を赤らめてメモを渡してきた糸繰に、やっぱりこいつ可愛いんだよな・・・
なんて思う。俺達の様子を見ていた誠さんは恐る恐るといった感じで糸繰に手を
伸ばし、背中をポンポンと優しく叩いて言った。
「ごめんね、糸繰は何も悪い事してないよ。君が守ったのは、蒼汰くんだけじゃ
ない。天春の命も、霧ヶ山の妖達も守ったんだ。天春も、ボクの友達でさ。
友達の命を守ってくれてありがとう。その・・・今更だけど、仲良く、して
くれるかな」
苦手なのは鬼であって糸繰じゃなくて・・・えっと・・・。そう言って、誠さんは
苦笑いを浮かべる。
〈天春の命を守ったのは蒼汰だ。あの神様を殺せたのも、蒼汰が名前を聞き出して
くれたから。だから、お礼を言うのはオレにじゃない。〉
誠さんにメモを差し出した糸繰は、〈でも。〉と書いたメモを見せる。
〈でも。仲良くなるのは、別に構わない。よろしく。〉
メモを見た誠さんは顔を輝かせ、よろしく!と笑う。嬉しそうにぴょこぴょこと
犬耳を動かす彼は、小動物を思い浮かばせた。
・・・お粥を食べ終わった俺の腹に、誠さんが手を当てる。どうやら彼も狗神と
同じ神通力が使えるようで、お祖父ちゃん程の力はないけどねなんて笑いながら
開きかけた腹の傷を治してくれた。
おやすみなさい。そう言って、手を振りながら部屋を出て行く誠さんに手を振り
返す。俺の隣に布団を敷いた糸繰と共に寝転がると、すぐに眠気がやってきた。
〈おやすみ、蒼汰。〉
糸繰が優しい笑みを浮かべてメモを渡してくる。
「おやすみ、糸繰」
俺はそう言って、目を閉じた。
―――真夜中。ぐっすりと眠っていたはずなのに、突然目が覚めた。隣を見ると、
御鈴が眠っていて。いつの間に入ってきたんだろうと思っていた。
ふと気になって反対側を見ると、そこに糸繰の姿はなく。何処に行ったんだろうと
起き上がろうとして、気付いた。
「・・・寒い」
寒い、体の芯から冷えていく感じがする。ああ、これまずいやつだ。
「御鈴。御鈴、なあ、御鈴」
指先の感覚が無くなり始めている手で御鈴を揺する。起きてくれ、早く。
そう思っている間にも、体に力が入らなくなってきた。
寒い、寒い、助けて、御鈴。口が上手く動かなくなり、心の中で呼びかける。
「んう・・・」
御鈴が目を覚ました。どうしたのじゃ?と俺を見る御鈴は、寝ぼけているようで。
「み、すず。どう、しよ・・・寒い」
俺の声を聞いてしっかりと目が覚めたのか、御鈴は慌てた様子で布団を退けて俺の
服を捲る。息をのんだ彼女は立ち上がると、扉に手を掛けて言った。
「狗神を呼んでくる!!それまで頑張ってくれ、蒼汰!」
勢いよく扉を開けて飛び出そうとした御鈴は、丁度部屋に入ってこようとした
糸繰とぶつかる。
フラリと揺れて尻餅をついた糸繰にすまぬ!!と謝りつつも、御鈴は急いで部屋を
出て行った。
「いと、くり・・・」
ヨロリと立ち上がりフラフラとした足取りで部屋に入ってきた糸繰は、ストンと
俺の隣に座る。虚ろな目で俺を見ている糸繰に、吐いてきたのかな・・・なんて
思っていた。
「・・・・・・」
横になった糸繰が、小さく口を動かして甘えるように擦り寄ってくる。虚ろな目の
ままの彼はどうやら意識が朦朧としているようで、服が捲られたまま動けずにいる
俺の状況には気付いていないようだ。
「いと・・・ごめ、んな。今、ギュッて・・・して、やれ・・・なく、て」
甘えてくれているのに、応えられない。朦朧とし始めた意識の中で、無力感が
頭の中をグルグルと回る。
ふと、糸繰の体が強張る。彼の視線は俺の腹に釘付けになっており、今の状況に
気付いたらしいことが伺えた。
〈あげる。好きなだけ、飲んで良い。〉
乱れた文字で書かれたメモを俺に見せた糸繰は、ガリッと自身の手首を噛む。
俺がおかわりを要求した時よりもボタボタと血を流している手首を、横になった
まま俺の口へ付ける。俺はあの味を思い出し、唾を飲み込む。糸繰は、力なく
笑みを浮かべた。
糸繰の血が、小さく開けた口の中へ流れ込んでくる。・・・ああ、美味しい。
「おい、し・・・」
そう呟きながら、血を飲み込む。もっと、もっと欲しい。美味しいのを、もっと。
ごめん、糸繰。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
頭の中がグチャグチャになる。飲み込む度に罪悪感と幸福感が同時に押し寄せて
くる。涙が零れる。でも、歯で傷口を抉ってまで血を得ようとする口が止まら
ない。
・・・糸繰の、荒い息遣いが聞こえた。血を飲み込み、糸繰を見る。
「い、と・・・?」
酷く苦しそうな顔で目を瞑ったまま荒い呼吸を繰り返す糸繰の顔は、先程よりも
青白くなっていて。鮮明になり始めた意識が理由を導き出す。
当たり前だろう。糸繰は、さっきまで血を吐いていたのだ。糸繰が今までに教えて
くれた話から推測するに、今回の吐血量は糸繰が仲間になったあの日の夜と同じ
くらい・・・または、それ以上。
神を呪いで殺すということは、それだけのリスクを背負うことになる。それで、
その上で糸繰は俺に血を与えた。傷を抉ってまで血を出したのだ、ただでさえ
致死量に近い量の血を吐いているのに、そこから更にかなりの量を絞り出して
しまっている。
これは自死に入るのだろうか。いや、もし入っていたとしても、糸繰に死と同じ
感覚を・・・。
「や、だ・・・糸繰・・・!」
手首から口を離し、少しだけ動くようになった体で必死に糸繰を抱きしめる。
「ごめっ、なさ・・・いと、嫌だ、死なないで・・・!!」
糸繰は目を開けない。部屋の外からバタバタと足音が聞こえる。
「蒼汰!!」
御鈴の声が聞こえる。・・・あ、狗神の声もした。
「・・・いと、狗神、来たよ。もう、大丈夫、だからな」
糸繰を抱きしめる腕に力が籠る。視界が揺れ、目の前が真っ暗になる。
そしてそのまま、俺は意識を手放した。
れる。
明日は学校に休みの連絡入れなきゃいけないな・・・なんて考えながら、誠さんが
持ってきてくれたお粥を口に運んでいた。
「胃もやられてるってお祖父ちゃんが言ってたから、お腹の穴がまた開いちゃう前に
頑張って食べてね」
そう言った誠さんは、糸繰のことが気になるようで。チラチラと様子を伺うように
見ている誠さんに気付いた糸繰が、きょとんとした顔で首を傾げる。
「鬼って珍しいんですか?」
そんな俺の問いに、誠さんは首を横に振る。
「鬼自体は珍しいって程珍しくもないよ。まあ、人間に近い姿の鬼は少ないし、
更に人間と仲良くしてる鬼なんて殆どいないだろうけど。・・・うう、ごめんね。
ボク、鬼には嫌な思い出が・・・」
〈オレ、居ない方が良いなら出て行くけど。〉
糸繰が誠さんにメモを渡す。慌てた顔で首をブンブンと横に振った誠さんは、
糸繰から視線を逸らしながら言った。
「君、静くんが仲良くなった!って話してた鬼でしょ?だから居ない方が、なんて
ことはないんだけど。こう、本能とトラウマで怖いというか何というか・・・
ごめん、仲良くなりたい気持ちはあるんだよー・・・」
犬耳を垂れ下げ糸繰を頑張って見ようとしている誠さんの姿は、悪い事をして
叱られそうになっている犬を思い起こさせた。
大丈夫ですよーなんて声を掛けたかったが、糸繰は何処か悲しげな様子で。
〈弱いから捨てられたのに、鬼だからって避けられるのは・・・何か、嫌だ。〉
そう書いたメモを俺に渡してきた糸繰の頭を、優しく撫でる。
「糸繰は強いよ。強いし、優しい鬼だ。サザリだっけ?あの化け物を殺してくれた
のも糸繰だし、俺に血を飲ませて生かしてくれたのも糸繰だ。お前は良い子だよ。
ありがとう、いと」
頭を撫で続けながらそう言うと、糸繰は俯きメモにペンを走らせた。
〈いとって呼ばれるのは恥ずかしいんだって、言っただろ。〉
顔を赤らめてメモを渡してきた糸繰に、やっぱりこいつ可愛いんだよな・・・
なんて思う。俺達の様子を見ていた誠さんは恐る恐るといった感じで糸繰に手を
伸ばし、背中をポンポンと優しく叩いて言った。
「ごめんね、糸繰は何も悪い事してないよ。君が守ったのは、蒼汰くんだけじゃ
ない。天春の命も、霧ヶ山の妖達も守ったんだ。天春も、ボクの友達でさ。
友達の命を守ってくれてありがとう。その・・・今更だけど、仲良く、して
くれるかな」
苦手なのは鬼であって糸繰じゃなくて・・・えっと・・・。そう言って、誠さんは
苦笑いを浮かべる。
〈天春の命を守ったのは蒼汰だ。あの神様を殺せたのも、蒼汰が名前を聞き出して
くれたから。だから、お礼を言うのはオレにじゃない。〉
誠さんにメモを差し出した糸繰は、〈でも。〉と書いたメモを見せる。
〈でも。仲良くなるのは、別に構わない。よろしく。〉
メモを見た誠さんは顔を輝かせ、よろしく!と笑う。嬉しそうにぴょこぴょこと
犬耳を動かす彼は、小動物を思い浮かばせた。
・・・お粥を食べ終わった俺の腹に、誠さんが手を当てる。どうやら彼も狗神と
同じ神通力が使えるようで、お祖父ちゃん程の力はないけどねなんて笑いながら
開きかけた腹の傷を治してくれた。
おやすみなさい。そう言って、手を振りながら部屋を出て行く誠さんに手を振り
返す。俺の隣に布団を敷いた糸繰と共に寝転がると、すぐに眠気がやってきた。
〈おやすみ、蒼汰。〉
糸繰が優しい笑みを浮かべてメモを渡してくる。
「おやすみ、糸繰」
俺はそう言って、目を閉じた。
―――真夜中。ぐっすりと眠っていたはずなのに、突然目が覚めた。隣を見ると、
御鈴が眠っていて。いつの間に入ってきたんだろうと思っていた。
ふと気になって反対側を見ると、そこに糸繰の姿はなく。何処に行ったんだろうと
起き上がろうとして、気付いた。
「・・・寒い」
寒い、体の芯から冷えていく感じがする。ああ、これまずいやつだ。
「御鈴。御鈴、なあ、御鈴」
指先の感覚が無くなり始めている手で御鈴を揺する。起きてくれ、早く。
そう思っている間にも、体に力が入らなくなってきた。
寒い、寒い、助けて、御鈴。口が上手く動かなくなり、心の中で呼びかける。
「んう・・・」
御鈴が目を覚ました。どうしたのじゃ?と俺を見る御鈴は、寝ぼけているようで。
「み、すず。どう、しよ・・・寒い」
俺の声を聞いてしっかりと目が覚めたのか、御鈴は慌てた様子で布団を退けて俺の
服を捲る。息をのんだ彼女は立ち上がると、扉に手を掛けて言った。
「狗神を呼んでくる!!それまで頑張ってくれ、蒼汰!」
勢いよく扉を開けて飛び出そうとした御鈴は、丁度部屋に入ってこようとした
糸繰とぶつかる。
フラリと揺れて尻餅をついた糸繰にすまぬ!!と謝りつつも、御鈴は急いで部屋を
出て行った。
「いと、くり・・・」
ヨロリと立ち上がりフラフラとした足取りで部屋に入ってきた糸繰は、ストンと
俺の隣に座る。虚ろな目で俺を見ている糸繰に、吐いてきたのかな・・・なんて
思っていた。
「・・・・・・」
横になった糸繰が、小さく口を動かして甘えるように擦り寄ってくる。虚ろな目の
ままの彼はどうやら意識が朦朧としているようで、服が捲られたまま動けずにいる
俺の状況には気付いていないようだ。
「いと・・・ごめ、んな。今、ギュッて・・・して、やれ・・・なく、て」
甘えてくれているのに、応えられない。朦朧とし始めた意識の中で、無力感が
頭の中をグルグルと回る。
ふと、糸繰の体が強張る。彼の視線は俺の腹に釘付けになっており、今の状況に
気付いたらしいことが伺えた。
〈あげる。好きなだけ、飲んで良い。〉
乱れた文字で書かれたメモを俺に見せた糸繰は、ガリッと自身の手首を噛む。
俺がおかわりを要求した時よりもボタボタと血を流している手首を、横になった
まま俺の口へ付ける。俺はあの味を思い出し、唾を飲み込む。糸繰は、力なく
笑みを浮かべた。
糸繰の血が、小さく開けた口の中へ流れ込んでくる。・・・ああ、美味しい。
「おい、し・・・」
そう呟きながら、血を飲み込む。もっと、もっと欲しい。美味しいのを、もっと。
ごめん、糸繰。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
頭の中がグチャグチャになる。飲み込む度に罪悪感と幸福感が同時に押し寄せて
くる。涙が零れる。でも、歯で傷口を抉ってまで血を得ようとする口が止まら
ない。
・・・糸繰の、荒い息遣いが聞こえた。血を飲み込み、糸繰を見る。
「い、と・・・?」
酷く苦しそうな顔で目を瞑ったまま荒い呼吸を繰り返す糸繰の顔は、先程よりも
青白くなっていて。鮮明になり始めた意識が理由を導き出す。
当たり前だろう。糸繰は、さっきまで血を吐いていたのだ。糸繰が今までに教えて
くれた話から推測するに、今回の吐血量は糸繰が仲間になったあの日の夜と同じ
くらい・・・または、それ以上。
神を呪いで殺すということは、それだけのリスクを背負うことになる。それで、
その上で糸繰は俺に血を与えた。傷を抉ってまで血を出したのだ、ただでさえ
致死量に近い量の血を吐いているのに、そこから更にかなりの量を絞り出して
しまっている。
これは自死に入るのだろうか。いや、もし入っていたとしても、糸繰に死と同じ
感覚を・・・。
「や、だ・・・糸繰・・・!」
手首から口を離し、少しだけ動くようになった体で必死に糸繰を抱きしめる。
「ごめっ、なさ・・・いと、嫌だ、死なないで・・・!!」
糸繰は目を開けない。部屋の外からバタバタと足音が聞こえる。
「蒼汰!!」
御鈴の声が聞こえる。・・・あ、狗神の声もした。
「・・・いと、狗神、来たよ。もう、大丈夫、だからな」
糸繰を抱きしめる腕に力が籠る。視界が揺れ、目の前が真っ暗になる。
そしてそのまま、俺は意識を手放した。
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