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第6章 ガルアシラ・ヴォルフォンシアガルド編

216 言ってる本人はフラグに気づかない

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 エドが潜んでいる洞窟の中を進む俺とロロコ。

〈洞窟の中は案外普通だな〉

 霊力の密度は濃い気がするけど。
 クーネアさんが言ってた意識の途切れが発生する様子はない――

「――リビたん。リビたん!」

 ――ん?

〈どうした、ロロコ。そんな大きな声出して〉

「リビたん、今急に動かなくなってた」

〈え、マジで?〉

 全然気づかなかった……。
 意識が途切れるのってこんな感じなのか。
 あっけなさすぎてむしろ怖い。

 これはロロコについてきてもらって正解だわ。

〈それにしても、なんか懐かしいな〉

 そんな場合ではないのだが、そんなことを思ってしまう。

 俺がこの世界に転生して、最初に出会ったのがロロコだった。
 いや、正確には盗賊さんだけどね。
 あの人たちとは会話とかしたわけじゃないから。

 ロロコはバカ領主の部下から逃げ回っていて。
 成り行きで一緒に行動することになった。

「うん。リビたんがいなかったら私は生き延びれなかった。感謝してる」

〈それは俺も同じだ。ありがとう〉

 照れくさいな。
 なんだかもうすぐ最終回を迎える漫画かアニメみたいじゃないか。

 でも、ノリとしてはそういう感じなのかもな。
 エドを倒して、ヴォルフォニア帝国をなんとかする。
 そうすれば、この世界の魔王と魔族の問題が片付く。
 世界が平和になる。

 そうなったらちょっと落ち着いて、改めて冒険したりしたいよな。
 成り行きでダンジョンに潜るんじゃなくて。
 装備とかをちゃんと整えてさ。

「私も連れてってね」

〈ああ、もちろんだ〉

 ロロコがいいなら大歓迎だ。

 なんて考えてると。

 ――グルルルルル……。

 洞窟の奥から唸り声が聞こえてきた。

 やがて姿を表したのは犬のような狼のような外見のモンスター。
 洞窟の外にもたくさん出現しているやつだ。
 それが、10体はいるか?

〈ロロコ?〉

「大丈夫。これくらい、私一人でも倒せる」

 頼もしい限りだな。
 よし、それじゃ久しぶりに二人で洞窟攻略と行こうか――

 ――ドスッ。

 不吉な音に横のロロコを見る。

 どこからともなく現れた、槍のような形の触手がロロコの腹を貫いていた。
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