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第5章 天空塔ダンジョン編

169 天空塔ダンジョン攻略・Ⅳ

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 どうも、リビングアーマーの俺です。

 天空塔ダンジョンの最上階に取り付けられた謎の装置。
 そしてそこに居座っているドグラの妹のエンシェントドラゴン、マグラ。

 それをどうにかするため、ダンジョンに挑むことになりました。

 一緒に来るのは五人。
 人犬族のロロコ。
 エルフのクラクラ。
 ドワーフのアルメル。
 ゴブリンのラファ。
 ドラゴンのドグラ。

 塔の前まで案内してくれたオークの皆さんはここまで。
 塔から溢れ出るモンスターの対処に当たることになる。

 今俺とドグラが行った攻撃で、モンスターの流出は一時的に収まっている。

 この隙にダンジョンに突入する。

「それでは、皆様、よろしくお願いします」

 頭を下げてくるロブ(仮)に手を振り、塔の入り口へ。

「館がない」

 ロロコが入り口を見て言ってくる。

〈館? なんの話だ〉

「ダンジョンの入り口には館があるのが普通。天空塔ダンジョンでも例外じゃないはず」

 ああ、そうか。

 俺が転生して最初に目覚めた館があった。

 あそこの階段から転げ落ちて、俺は大洞窟ダンジョンに迷い込んだんだっけ。

〈ここはたまたまないってだけじゃないのか〉

「いや、そういえばそんな建物があったはずじゃぞ。昔通りかかったときに見た記憶がある」

 とドグラ。

 アルメルも続けて言ってくる。

「あの館は、各地のダンジョン入り口の蓋の役目をしているんです。モンスターもそうですが、内部の魔力が流出しないように抑えています」

 魔力を?

「人間は空気中の魔力を吸収することでレベルアップしますが、ほかの生物も例外じゃありません。空気中に魔力が増えれば、多くの生物が魔物化してしまいます。あの館がなければ、この大陸はとっくに魔物の土地になっていたでしょうね」

 なるほど。

 しかしそうなると、その蓋が人工物っていうのが気になるな。

 まるで誰かが、魔力をダンジョンに閉じ込めるために館を作ったみたいだ。

「そういえば最新の論文で、館の製作者がヘルメスだっていう学説が発表されているのを見かけました。噂としては以前からありましたが、正式に関係性が検討されるようになったのは最近です」

 論文!

 え?
 ってことは、ひょっとして大学とかもあるの。

 そう言うと、アルメルは不可解そうな顔で、

「そりゃありますよ。わたしが見かけたのは、ヴォルフォニア帝国大学の歴史学系の論文で、専門外だったので読み流しましたけど」

 なんか不思議な感じがする。

 けど、俺が元いた世界でも、大学はヨーロッパでは中世から存在してたんだよな。

 だったら、剣と魔法の世界に論文があってもおかしくないか。

 しかし、また出てきたな、ヘルメス。

 原初の魔法使い。
 ダンジョンの入り口の館を作ったとか。
 魔王を倒したとか。
 ゴーレムを作ったとか。
 原初魔法(俺が放った白光とかだ)を生み出したとか。
 帝都を築いたとか。

 いろいろやりすぎじゃない?

 ……実は全部なにか関連があったりして。

 いや、まさかね。

「なあ、早く入ろうぜ」

 ラファがせかしてくる。

 彼女の言う通りだ。

 またモンスターたちが溢れてきたら困る。

 俺たちは歩を進め、天空塔ダンジョンに足を踏み入れた。

 その途端、急に身体が浮き上がり始めた。

 え、なにこれ!?

 無重力ダンジョンとか聞いてないぞ!
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