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第4章 フィオンティアーナ編

157 復活のゴブリン娘

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「ぬわー! 身体かっるー!」

 ゴブリン娘のラファがぴょんぴょん飛び跳ねながら部屋に入ってきた。

「リビタン! ありがとう!」

 そして俺の姿を見るや否や、すごい勢いで飛びついてくる。

「ロロコ! クラクラ! アルメル! それに……誰!?」

 順番にお礼を言おうとして、最後にヒナワを見て目を丸くする。

 テンション高いな……。

 そんな彼女の左腕にこの前までついていた巨大な義手はなくなっていた。
 取り外した部分は包帯でぐるぐる巻きにされている。

 ゴーレムパーツを義手として付けていたせいで魔力過活性症に罹ってしまったラファ。
 治療のためには義手を取り外さなければいけない。
 そのためには、高純度の魔鉱石が必要だった。

 なんやかんやあったが無事にそれを手に入れた。
 そして、取り外し手術も成功したというわけだ。

 よかったよかった。

「普通は義手を外してしばらくは身体のバランスが取りにくいものですが……すごい身体能力ですな」

 後から入ってきたお医者さんが呆れ半分驚き半分の口調で言ってくる。

〈ありがとうございました〉

 俺は頭を下げる。

「いえ、高純度の魔鉱石がなければ、私にはなにもできませんでした。皆さんの尽力の結果ですよ」

 ……そう言われると困ってしまうな。

 確かにいろいろ大変ではあったけど。
 そのほとんどは、魔鉱石を手に入れるのとは関係のない苦労だったし。

「ところで、代わりの義手はどうしますか?」

 と、これは俺たちと一緒に同じ部屋にいたラフィオンさん。

 メディシア家当主はラファを見ながら、

「このフィオンティアーナには優秀な職人が大勢おります。粋を凝らした木製の高級義手から、冒険者向けの頑丈な鋼鉄製まで、どんなものでもご用意いたしますよ」

〈いいんですか? そんなにしてもらって〉

「ドグラ様には、過去にこの都市の繁栄の礎を築いていただきながら、今また多くの不正を正し、街を生まれ変わらせていただきました。その仲間である皆さんへのお礼としてはまだまだ足りないくらいです」

 ドグラはゲロ吐いただけだけどな。

 ちなみにそのドグラには、俺たちはまだ会っていない。

 この屋敷にいるそうなのだが、部屋に引きこもって出てこないのだ。

 オークの皆さんに頼まれてるし、天空塔ダンジョンに連れていきたいんだけどな。

「じゃあラファ。一緒に義手を見にいきましょうか。わたしが最適なのを選んであげる」

 とアルメル。
 ああ、たしかにドワーフの彼女に任せれば安心そうだな。

「あたし今度は大砲撃てるやつがいいな!」

「えー……そういうのはちょっとないんじゃないかな……」

 義手選びは難航しそうだな。

〈ヒナワはこれからどうする?〉

「拙者は一度あるじの元に戻り報告を行う。いろいろ世話になったな」

 世話になったというか、こっちが迷惑をかけただけのような気もするけど。

 ヒナワのあるじというのは、確か帝国の騎士団長だったか。

「これをお渡ししておく」

 とヒナワが渡してきたのは……忍者の巻物だ!

「ヤマトの里で使われる魔道具だ。ここに文字を書き込むと、拙者が持っている巻物にもそれが書き込まれる。なにかあったら連絡してきてほしい」

 すげえ、ラインみたいだな。

「それでは拙者はこれで」

 ドロン、と音がして煙と共に消え去る……ということはない。
 ヒナワは普通にドアから立ち去っていった。

 残ったのは、俺、ロロコ、クラクラである。

 さて、それじゃドグラに会いにいくか。
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