上 下
16 / 16

16

しおりを挟む
目の前の不愉快な人物を氷漬けにしたら近くに居た全員の視線が集まる。あれ、ダメだったのかな?正当防衛だよぅっ!

「過剰防衛とも言うの」

はっはっはっ、またまたリズさんってば!……え、まじで?僕逮捕されちゃう!?

「まあ大丈夫だと思うの」

周りの視線に耐えられなくなってきたので受付で報告書を書いていたレオ様の元へ行く。たちけて。

「アレン、大丈夫?」

この状況でどう見ても大丈夫じゃないのはネロとかいう男の方だけど。あ、僕の行く末を心配してるのかも。
受付さんも対人に容赦なく魔法を放った僕を引き気味に見ているし、弁明しないと。弁明…???

なんて言えば良いんだ?何か嫌だったから魔法使いましたとか?

「アレンちゃん、それだと100%有罪なの。セクハラされたとか言っとけば良いの!変なとこ触られたとか、耳が敏感とか言われたとか!」

そう言えばそんな事言われたなぁ。大変遺憾である。

「あの男に耳が敏感なのかとか言われたけど、エルフは他種族より性欲は薄いから、敏感では無いと思う」

自分の尖った耳を引っ張りながら言ってみるとレオ様は咳き込んでるし、受付のお姉さんと周りの人は顔を真っ赤にしてる。何ですか?

「アレンちゃん、言うべき台詞が違うし、あんまり大きな声でそういう話しちゃダメなの」

そうなんだ?そもそもこんな話題が出る事なんて無いから知らなかった。

「性欲無いのか…」

ぽつりと呟くレオ様の疑問に答えようとして、大きい声で話しちゃダメと言っていたリズの言葉を思い出す。

袖を引いて屈んでもらったレオ様の耳に口を寄せて、内緒話とやらをする容量で話す。

「薄いだけ。好きな人とはセックスしたい。」

俺の場合は勿論レオ様限定です。

「セッ…!?」

小さい声で言ったのにまたもや動揺するレオ様。何でだ?顔が真っ赤で可愛い。

「アレンちゃん、お願いだから黙っとくの。」

あれ?

「そうなんだ…、取り敢えずネロをどうにかしないとね」

「ああ」

忘れてた。

振り返れば魔法使いの女の人が3人がかりで氷を溶かしていた。動けないように凍らせただけだから凍傷とかにはしていないと思うけど、一応様子を見る。うん、大丈夫そう。

「酷いなアレン。ふふ、恥ずかしがり屋さんなのかな?それとも触られるのに慣れてない?もしかして処j」

「えっ、」

「あ」

しまった。またイラッとして凍らせてしまった。



しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(3件)

りのあ
2024.04.14 りのあ

更新待ってます!最後の16ページの最後らへん吹いたww

解除
katuo
2023.08.17 katuo

更新待ってます!!

解除
ここなっつ
2023.06.07 ここなっつ

続きがとても気になります!
アレン頑張れ!!!!

解除

あなたにおすすめの小説

兄たちが弟を可愛がりすぎです~こんなに大きくなりました~

クロユキ
BL
ベルスタ王国に第五王子として転生した坂田春人は第五ウィル王子として城での生活をしていた。 いつものようにメイドのマリアに足のマッサージをして貰い、いつものように寝たはずなのに……目が覚めたら大きく成っていた。 本編の兄たちのお話しが違いますが、短編集として読んで下さい。 誤字に脱字が多い作品ですが、読んで貰えたら嬉しいです。

なぜか第三王子と結婚することになりました

鳳来 悠
BL
第三王子が婚約破棄したらしい。そしておれに急に婚約話がやってきた。……そこまではいい。しかし何でその相手が王子なの!?会ったことなんて数えるほどしか───って、え、おれもよく知ってるやつ?身分偽ってたぁ!? こうして結婚せざるを得ない状況になりました…………。 金髪碧眼王子様×黒髪無自覚美人です ハッピーエンドにするつもり 長編とありますが、あまり長くはならないようにする予定です

美形×平凡のBLゲームに転生した平凡騎士の俺?!

元森
BL
 「嘘…俺、平凡受け…?!」 ある日、ソーシード王国の騎士であるアレク・シールド 28歳は、前世の記憶を思い出す。それはここがBLゲーム『ナイトオブナイト』で美形×平凡しか存在しない世界であること―――。そして自分は主人公の友人であるモブであるということを。そしてゲームのマスコットキャラクター:セーブたんが出てきて『キミを最強の受けにする』と言い出して―――?! 隠し攻略キャラ(俺様ヤンデレ美形攻め)×気高い平凡騎士受けのハチャメチャ転生騎士ライフ!

侯爵令息セドリックの憂鬱な日

めちゅう
BL
 第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける——— ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。

気づいて欲しいんだけど、バレたくはない!

甘蜜 蜜華
BL
僕は、平凡で、平穏な学園生活を送って........................居たかった、でも無理だよね。だって昔の仲間が目の前にいるんだよ?そりゃぁ喋りたくて、気づいてほしくてメール送りますよね??突然失踪した族の総長として!! ※作者は豆腐メンタルです。※作者は語彙力皆無なんだなァァ!※1ヶ月は開けないようにします。※R15は保険ですが、もしかしたらR18に変わるかもしれません。

麗しの眠り姫は義兄の腕で惰眠を貪る

黒木  鳴
BL
妖精のように愛らしく、深窓の姫君のように美しいセレナードのあだ名は「眠り姫」。学園祭で主役を演じたことが由来だが……皮肉にもそのあだ名はぴったりだった。公爵家の出と学年一位の学力、そしてなによりその美貌に周囲はいいように勘違いしているが、セレナードの中身はアホの子……もとい睡眠欲求高めの不思議ちゃん系(自由人なお子さま)。惰眠とおかしを貪りたいセレナードと、そんなセレナードが可愛くて仕方がない義兄のギルバート、なんやかんやで振り回される従兄のエリオットたちのお話し。

俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします

椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう! こうして俺は逃亡することに決めた。

炊き出しをしていただけなのに、大公閣下に溺愛されています

ぽんちゃん
BL
 男爵家出身のレーヴェは、婚約者と共に魔物討伐に駆り出されていた。  婚約者のディルクは小隊長となり、同年代の者たちを統率。  元子爵令嬢で幼馴染のエリンは、『医療班の女神』と呼ばれるようになる。  だが、一方のレーヴェは、荒くれ者の集まる炊事班で、いつまでも下っ端の炊事兵のままだった。  先輩たちにしごかれる毎日だが、それでも魔物と戦う騎士たちのために、懸命に鍋を振っていた。  だがその間に、ディルクとエリンは深い関係になっていた――。  ディルクとエリンだけでなく、友人だと思っていたディルクの隊の者たちの裏切りに傷ついたレーヴェは、炊事兵の仕事を放棄し、逃げ出していた。 (……僕ひとりいなくなったところで、誰も困らないよね)  家族に迷惑をかけないためにも、国を出ようとしたレーヴェ。  だが、魔物の被害に遭い、家と仕事を失った人々を放ってはおけず、レーヴェは炊き出しをすることにした。  そこへ、レーヴェを追いかけてきた者がいた。 『な、なんでわざわざ総大将がっ!?』  同性婚が可能な世界です。  女性も登場しますが、恋愛には発展しません。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。