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ちょうかつになるな!その18

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コウメイの想い、それはガチスやデンゲルの洗脳や信念の為に犠牲になる人間が一人でも少なることでした。

もちろんコウメイにはデンゲルに対する個人的な憎しみがあります。



それはかつて父親がデンゲル人によっておだてられ、だまされた結果家庭が崩壊したという過去です。



コウメイにとって父親が趙括と同じようにおだてられ、父の場合は捨て駒のように捨てられたという事実があるにしても、倒すべきはデンゲル、ガチスであってひだまりの民ではないという強い思いがありました。



コウメイの想いの中ではむしろコウメイと同じようにデンゲルに巻き込まれボロ雑巾のようにされるひだまりの民はむしろかつての自分と同じような立場であり、同情する存在でした。



しかし、現実的にはいまだに洗脳、あるいは利益によって誘導されているひだまりの政治家、メディア、一般人などは多くいました。



とりわけメディアではデンゲル人の芸能人を過度に持ち上げ、ひだまりの民に対する優越性を繰り返し伝えたために若者たちの間で芸能、文化にとどまらず政治の分野にまで強い影響を受けている者たちが多くいました。



とにかく伝えたいのは反ひだまり派の人間を説得すること。

その時、「敵」としてではなく、帰る場所がある同胞として迎え入れる事。

このまま、ガチスやデンゲルについていても未来がないことを彼らの視点、頭の中で考えられるような環境を準備すること。



前回触れたアメリカ軍が撒いたカラーのお寿司のように一工夫が大事であるとコウメイは諭すように仲間に訴えました。

コウメイの言葉を聞いた仲間たちは真意を理解し、それぞれの仕方でアプローチすることに同意しました。



さしあたって話に上ったのはガチスとデンゲルの混乱を過不足なく伝える事、そしてそれを馬鹿にしたりするのではなく、親切にまるで災害がいつ来るかを伝えるかのように表現することなどと言ったアイデアが出ました。



その後も色々とアイデアが出ましたが、それは別の機会に発表します。

ここで、意を決したかのように仲間の中の一人、デンゲル人のテレスが発言をしました。



十分趙括について説明したコウメイも含め、皆が注目します。

続きは次回にお話ししたいと思います。

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