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ひだまりの民の勝利報告?その6

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ひだまりの状況についての説明はあらかた終わりましたが、デンゲル人テレスは自国のことについて説明したいと考えていました。

それは先に説明したバグダのように、戦功を誇るというような陽気な話ではありません。



むしろ、テレスの本国デンゲルの苦境と恥をさらすことでした。

しかし、現状を理解し受け入れることでしか未来は開けないというデンゲル人とは異なる思考を持つテレスは、その信念から逃げませんでした。



「デンゲルは宰相率いる親ガチス派と反ガチス派で真っ二つに分かれた、そして国内でも国民の間で不満が募り、今までそれを一手に受け止めていたひだまりも手ごわくなったことで、そのエネルギーの行先が変化した」



「それはガチスと宰相派に向けられていた、彼らの恨みつらみのエネルギーは巨大でもはやガチス宰相も手を持て余しているようだ」

「そして、先ほども述べた通りガチス宰相はその不満をひだまりにいる自国の工作員ぶつけることで気を紛らわしていた」



「でもこれは今までの敵国ひだまりの民に対する攻撃とは違い、仲間のデンゲル人に向けられたものだ、彼らには家族も一族もいる、これでデンゲルの国内の混乱と分裂は決定づけられたものだ」



ここまではデンゲルの国内事情が主なので、ひだまりの民である6人組などは黙って聞いていました。

「私たちにとってはつらいことですが・・・」



テレスの説明は大まかに解説すると以下のような感じです。

デンゲル本国がもしさらに混乱した場合、恐らくひだまりの国にいる親デンゲル派もかなりのダメージを受けるはずで、その好機を決して逃すべきではない。



今まで、ガチスに対しての情報戦ということで全力でガチス方面に向けていた戦力をひだまり国内の重要箇所、例えば、政治、メディアなどを中心としたところを奪還するように今から準備が必要ではないか、というものでした。



さらに補足として、デンゲルに対しても警戒は必要で抑えの人員は必要だが、これも先に説明した通り影響力が薄まるので一部を配置転換してもいいのではないか、という提案でした。



この提案についてのひだまりのメンバーの対応は?

それは次の話で紹介します。

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