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対スパイ対策

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スパイ戦にはとても詳しいデンゲル人テレスが発言します。

「ひだまりの民はスパイ戦が苦手のようです、少しの行き違いや情報の不備で混乱をきたし組織が動かなくなります」



「ハッキリいってスパイ戦は不向きで正面からやりあったらガチスにもデンゲルにもいいようにやられるでしょう」



先ほどの会議と違い激戦を潜り抜けた仲間たちに対してテレスは修辞の言葉を入れず率直に話します。

ゴカンもオーベルも同意を示しました。



これに対して意外な所から反論が出ます。

例のバグダです。



「イヤイヤ、これはひだまりの範囲の話で元々スパイ天国だったのがここまで来たのだから上出来でしょう」

「それに、期待はやたら高いですが、ガチスに対してはかなり効くみたいですし、この際細かいことは無視して勢いで突っ走ったらどうですか~」



言ってることは大雑把ですが、あながち間違ったことを言ってるわけではない。

ここにいる全員が抱いた感想でした。

真面目なオーベルがさらに反論します。



「とはいえ、敵に情報が筒抜けというのもまずいのでは、細かい所も詰めておけるならその方がいいのでは」



天才肌のバグダを除く全員がその考えに賛成でした。

ただし、女性陣は正直眠くなってきたようで少し意識が怪しくなっていたようですが・・・



それならとバグダは提案します。

「僕とテレスの部隊にこの件を任せてもらえるかな、なんか面白くできそうな気がするから」



今度こそバグダの悪い所が出たのかと、周りの空気が不穏な雰囲気をただよわせていました。

しかし、これと言って対スパイ対策があるわけでもないので、バグダとテレスにまかせるということでこの場はお開きになりました。



正直、ヒキコモリーヌを除く女性陣にとってこの日は凄くストレスのたまる日でした。

なにしろ、まわりはギャーギャーしゃべっているのに、自分たちは発言出来ないまま一日が過ぎたのです。



同じく女性のヒキコモリーヌはその様子を一日中見ていました。

彼女もいろいろな所に目を向け、発言したりと忙しかったのですが、それでも6人組の面倒をきちんと見るという決意の元、この日も彼女なりの気遣いを見せるのでした。



「今日も疲れたでしょうから今から食事に行きましょう、折角だからホテルのレストランで、今日は私がおごるから」

サン、ムーン、マーズの三人は今までの疲れを忘れたかのような軽い足取りでヒキコモリーヌの後についていくのでした。
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