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狡兎死して走狗烹らる その2

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「役立たずの犬め」もしかしたらこう罵られた方がまだ障碍を持つインフルエンサーたちにはマシだったかもしれません。



罵倒というのは確かにマイナスですが、多くの場合それ以上の話の進展はありません。

しかし、使えない、つまり用済みと言われた場合、それははるかに残酷な未来につながります。



まず始まったのは、SNSでの援軍の撤収でした。

理由はいくら人員を投入しても、ひだまりの民の気持ちを燃え上がらせ、さらなる闘志を与え結束と共感の輪を広げるだけという判断がありました。



その次には今まで、メディアでの出演や雑誌などのインタビューなどで供与していたギャラの停止です。

もはや使えないと判断した以上無駄な餌は与えないということです。



ちなみにこれらの資金や協力者たちの一部は別のひだまりの民の協力者たちの元に使用されることになりました。

こうしてインフルエンサーたちは梯子を外されました。



もはや世論の大半はインフルエンサーたちの憎悪とわずかばかりの交通関連の人々に対する同情に支配されました。



このような空気でタクシーや鉄道を使うのはさすがの彼らもはばかられていたようで、この時期にはなるべくそうした交通機関は使わないようになっていました。



でも彼らはあまり危機感を感じていませんでした。

実は彼らの多くがひだまりの穏かな環境が日常だったために、危機感を持つ、という発想そのものが希薄だったのです。



分かりやすく一言でいうなら、なんとかなる!

傍から観察して見るに誰かが何とかしてくれる。

そんな感じでしばらく生活していました。



もちろん、いままで欲求や不満のすべてをSNSやメディアで発散していた彼らにとって精神的には決して幸福な状態ではありませんでした。



なので、今度は仲間内でもめ事が起こり、数が激減した取り巻きの中でもさらに少しづつ脱落して離れていくものが増えていったのです。



諦めとバカ騒ぎと憎悪とさらなる諦めが混在する雰囲気の中、もはや引きこもるのは限界と感じた彼らはバスという交通手段を使って気分転換の旅行に行こう、そう考え実行しました。



皮肉なことにこの日の彼らは童心に返っていて邪心が希薄な朝を迎えていました。

そして・・・
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