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「カリン」事件その6

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皆さん覚えていますか、カリンが誘拐され危険な状態にあった時、そのピンチを助けた6人の男女を、カリンを助けたのがこの人物達だったことが、ひだまりの国の歴史を大きく変えることになりました。



このメンバー達は最後まで表に出ないようにし、またそれを最後まで望んでいたのであえて名前は紹介しません。



とはいえ便宜上名前が必要なのでコードネームを付けます。

最初にカリンを見つけ、仲間に連絡した女性は「サン」二人目の女性は「ムーン」三人目の女性は「マーズ」。



4人目の男性は「ゴカン」5人目の男性は「オーベル」6人目は「バグダ」です。

そうそう、名前を覚える必要はありませんので安心してください。



この6人はそれぞれ面白い趣味や特技を持っていました。

ある女性は狩りと犬が好きでした。



ある女性はクロスワードパズルや暗号に関心がありました。

それと数学と物理が得意で特に不等式の領域を書いた図やベクトルが好きというニッチな変わり者でした。



ある女性はSNSでの拡散のノウハウを持っていてその情報が広がる様は野火のようと噂されていました。

さらにかつて存在した国家のプロパガンダに詳しいという変な趣味もありました。



ある男性は近代戦争ゲームにハマっていて相当な腕前でした。



ある男性は目的のためなら手段を選ばないという信念を持ち、悪・即・滅という言葉を常に頭に抱いていました。



そして最後の一人は変人として扱われていて、柔軟というよりわけが分からない思考回路を持っていました。

ひだまりの国は真面目で法律や決まりを守り組織に従順な駒のような、歯車のような人々が多い中で異色の人物でした。



この6人はふとしたきっかけからカリン事件に関わり、裁判でも証言をしましたが、カリン派としてSNSなどで活動することはなく、この判決とその後のSNSでのカリン派狩りに影響されることはありませんでした。



また、この6人はいわゆる「冷めた若者」であり、裁判の証言もあくまで客観的、あるいは事務的に行いました。



もし、この裁判でひと段落してしまえば、何事もなかったかのようにすごすことだったでしょう。



ところが、SNSの中で彼らを巻き込んんでこの問題を何とかしようとする人々がカリン派にも旧体制派にも表れ、彼らはこの争いに嫌でも巻き込まれることになってしまいました。



そして、旧体制派のなりふり構わない攻勢を見て、自分達の身の危険を強く感じることになりました。



この6人にも多少の正義感はあったでしょうが、それ以上に賢く保身を保ちたいという思いの方が強かったのです。



それが幸いして、このSNSでの訴訟の嵐は交わせましたが、もはやその嵐が自分達に来るのは避けられない。



その認識を与えたのがこのカリン事件最大のポイントとなります。

実の所、彼らにとっては平和な生活は終わり、生存権をかけた戦争になるという認識をこの時持たせたことが旧体制派の最大の敗因となったのです。
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