上 下
405 / 639

テレビ放映戦国大名総選挙その61 織田信長

しおりを挟む
さて、仕方ないなあと言いつつ幕府の政治に参加することになったドラえもん、ではなく織田信長でしたが、彼の参加によってますます調子に乗った人物がいました。



それは他でもない将軍の足利義昭です。

どうも、彼の視点では織田信長という番犬が手に入ったことで自分の好き放題に事が進められると考えたようです。



まるでのび太君て面持ちでまるで成長していないという感じです。

やがて、義昭は自分に都合のいい人物をそばに寄せる一方気に入らない勢力を排除していきました。



それ自体は信長を怒らせることはなかったようですが、その後幕府の処理能力が落ちて訴訟関連に支障をきたすことになりました。



しかも、人が少ないからと思ったのでしょうか、義昭が決裁したのはいいのですが、その内容がとても評判が悪く信長の耳にも入るようになりました。



信長としても、幕府がまともに動いてくれることを望んでいたので、彼なりに真面目に決まりを作ったり政治に参加したりしていましたが、やがて将軍のだらしなさから意見をびしっと言ったようです。



そして、それに対して将軍義昭は嫌気がさしていくというある意味どこでも聞くパターンに陥りました。



さて、こうなると将軍様はどんな動きをするでしょうか。

それは、信長以外の勢力、例えば武田とか毛利といった遠くの力ある大名に信長の悪口を書いた書状を送り、幕府に協力して欲しいと訴えます。



いままでの流れを見てきた皆様はどう思われるでしょうか。

私は信長はよく切れなかったなあと感心しました。



ここまで来てもまだ信長は足利幕府を潰したり、将軍を変えようとはせず何とかうまくまとめようと和睦を目指そうとしています。



これは、足利義昭を尊敬していたとか権威に従属していたのではなく、当時の織田家の周りにあった外敵との力関係を計算に入れたうえでの打算による決断でしたがそれにしてもよく耐えたと思います。



私が思うに、この時期これだけ我慢しても結果が出なかったという苦い経験が晩年の信長をあのようなブラックにしてしまったのかなと思うと歴史の皮肉を感じます。



こうして、信長は将軍との和睦をして一時的に関係を回復しましたがやがて決定的な破局を迎える時が来ます。



それは次の章で扱いますが、やはりあの人物が絡んできます。

歴史は本当のロマンだなあと一瞬感じる瞬間ですが、お楽しみに。
しおりを挟む

処理中です...