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意外と知られていない島津貴久

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島津貴久(しまづたかひさ)島津宗家を継ぎ、島津を戦国大名にした名君です。

しかし、父の島津日新斎のイメージが強すぎて、あるいはこの後登場する島津4兄弟のキャラが濃いためにどうしても存在が希薄になってしまう人物です。



しかし、彼の立場は父日新斎の主君であり、島津宗家を継いだ事実上の最高責任者でした。



実は彼は幕府から官位を与えられお墨付きを与えられるとともに、自分の長男である島津忠良(ややこしいですが祖父と同じ名前)の名前を将軍足利義輝から偏諱を授けられて「義辰」(後に「義久」と再改名)と名乗らせることに成功します。



しかし、ここまで持ってくるのはとても大変でした。

時はさかのぼりますが、貴久が宗家を継ぐという約束の後、宗家とその家臣団の間でゴタゴタが起こり、貴久は一時的に不利な状況になりました。



まず、宗家の勝久が元の地位に戻り、その後失政があって家臣から追い出され、その後当時実力のあった島津実久が宗家としておさまることになりました。

この時、多くの国人衆が実久についたため、貴久は少数派に転落したようです。



少数の味方、多数の敵、実力で奪われた宗家の座、このような状態で彼はどのように行動したか、記録ではまず有力な人物に領地を与えると約束することで懐柔し、敵戦力を削ぎ、連携を崩しました。



そのうえで朝廷から国主として認められるように事をすすめ、地味ではありますが少しづつ勢力を拡大して、島津実久を追い詰めていきました。

実久自体は病死するまで抵抗しましたが、その息子の義虎は貴久を守護として認めることになりました。



こうして、薩摩をまとめることができた貴久は今度隣の国大隅で合戦を行い勝利することで東側、(大隅日向)への道を切り開くことになりました。



ちなみに資料には以下のことも書かれています。

島津家は室町時代から明や琉球と交易をしており、貴久も琉球の尚元王と修好を結び、ポルトガル船などから銃や洋馬を輸入し、産業事業を興した。



また、貴久は永禄中インド総督に親書を送るなど外交政策にも積極的に取り組んだ。鉄炮が種子島氏より献上されると数年後には実戦で利用している。天文18年(1549年)に来日したフランシスコ・ザビエルにキリスト教の布教許可を出している。



しかし寺社や国人衆の反対が激しかったことや、期待したほどに南蛮船も訪れなかったことから、後に布教を禁止している。

史料上、鉄砲を実戦に初めて使用した戦国大名は貴久であるとされており、入来院氏との戦いが初見とされている。



こうしてみると鉄砲に深く関わっていたり、外交に積極的な面もあったのが良く分かります。

一方でバランスの取れた判断ができる人物だったとも言えます。



さて、長くなりましたので、次回は日新斎、貴久親子についてまとめたいと思います。
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