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短編 とある犬たちの歴史
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ここに、群れをなす犬たちがいる。
彼らは長いこと一定のなわばりを守りそこを生活圏と定め暮らしていた。
彼ら自身も時になわばりのために争い、時に和平を結び、いつしか一つの群れとして比較的平和で安定した生活を送っていた。
そんなある時に鉄砲を持った猟師達が現れた。
猟師達は鉄砲で威嚇しながら、一方では犬達と共存を望んでいた。
いくばくかのやり取りの結果、犬達のなわばりに手を出さないこと。
犬達が戦うときに有利な道具や技術を猟師が有償で提供すること。
そして、必要な時には犬達は猟師のなわばりを守るため番犬になる、といった約束が交わされた。
その後、白と黒の色をした大きくて年を重ねた熊が現れた。
彼らは猟師と争っていた。
そして、番犬であった犬達は猟師の意向をくんでこの大きな熊と戦った。
この戦いに犬達は勝ち、なわばりも広がることとなった。
その少し後、今度は先ほどの熊よりさらに戦慣れした大きな熊が犬達のなわばり近くに出没した。
猟師達はその熊の恐ろしさを知っていたので、今度は全力で犬達に道具や技術を与えた。
その結果、その犬達はかろうじて大熊をなわばりから遠ざけることに成功した。
この勝利の結果、犬達は多くのなわばりを獲得したが、そのなわばりの配分をめぐって猟師達ともめることとなり後の争いの火種となった。
それから犬達も猟師達も世代が変わった。
犬達は多くのなわばりを得たが、その代わり多くの敵を持つことになった。
猟師達は犬の増長に危惧を抱き、世代は変ったが、かつて敵視していた白黒の熊と大きな熊たちと手を結び、犬達とガチの戦闘を行った。
激戦の末、犬達は猟師と2種類の熊たちにさんざんに打ちのめされた。
彼らは猟師達に首を垂れ、許しを乞うた。
犬達は猟師達に初めてあった時と同じ広さのなわばりで生活することになった。
猟師達は犬達が暴れることがないようにいくつかの仕掛けを作った。
まず、なわばりの周りに立派な屋根付きの小屋を作り、犬達が武装して外に出れないようにした。
もし、小屋を壊そうとしたら、電気が流れて二匹の熊たちと共に犬達を倒す仕組みとなっていた。
次に犬達の闘争力を削ぎ、食料を潤沢に与えることで戦闘力と練度と士気をどん底まで下げた。
そして、最後に犬達の群れの中に犬ではないある生き物を入れて犬達が団結しないような仕組みを作った。
こうして犬達は豊かな暮らしとなわばりの中での比較的自由な生活を得ることが出来た。
別の表現で表すなら「平和」である。
彼らはその平和と引き換えになわばりを守る本能と戦うという意思と戦闘での経験を失った。
しかし、多くの犬達はそのことに満足していた。
それも当然で、まず犬達が今まで危険を顧みず熊と対峙していたのが、今は安全なところで熊たちを見下ろしていた。
そして熊たちは猟師達と対峙することになったのだ。
その後、猟師達と熊達は平和な関係に移行したが、この平和によって猟師達もあまり猟をしなくなり、鉄砲や弾薬を買うお金というものが彼らの負担となって重くのしかかつて来たのである。
また、犬達を封じるための小屋も犬達にとっては慣れてくると快適なものであったが猟師達はその修繕のために負担をしていたため、まるで主人と猟犬の立場が逆になっていたのだ。
ある時期には猟師達の間で、犬達はペットのように快適に過ごし、我々はそれに仕える奴隷の様だといった自虐的な冗談もでる始末だった。
しかし、こうした時代も長くは続かなかった。
彼らは長いこと一定のなわばりを守りそこを生活圏と定め暮らしていた。
彼ら自身も時になわばりのために争い、時に和平を結び、いつしか一つの群れとして比較的平和で安定した生活を送っていた。
そんなある時に鉄砲を持った猟師達が現れた。
猟師達は鉄砲で威嚇しながら、一方では犬達と共存を望んでいた。
いくばくかのやり取りの結果、犬達のなわばりに手を出さないこと。
犬達が戦うときに有利な道具や技術を猟師が有償で提供すること。
そして、必要な時には犬達は猟師のなわばりを守るため番犬になる、といった約束が交わされた。
その後、白と黒の色をした大きくて年を重ねた熊が現れた。
彼らは猟師と争っていた。
そして、番犬であった犬達は猟師の意向をくんでこの大きな熊と戦った。
この戦いに犬達は勝ち、なわばりも広がることとなった。
その少し後、今度は先ほどの熊よりさらに戦慣れした大きな熊が犬達のなわばり近くに出没した。
猟師達はその熊の恐ろしさを知っていたので、今度は全力で犬達に道具や技術を与えた。
その結果、その犬達はかろうじて大熊をなわばりから遠ざけることに成功した。
この勝利の結果、犬達は多くのなわばりを獲得したが、そのなわばりの配分をめぐって猟師達ともめることとなり後の争いの火種となった。
それから犬達も猟師達も世代が変わった。
犬達は多くのなわばりを得たが、その代わり多くの敵を持つことになった。
猟師達は犬の増長に危惧を抱き、世代は変ったが、かつて敵視していた白黒の熊と大きな熊たちと手を結び、犬達とガチの戦闘を行った。
激戦の末、犬達は猟師と2種類の熊たちにさんざんに打ちのめされた。
彼らは猟師達に首を垂れ、許しを乞うた。
犬達は猟師達に初めてあった時と同じ広さのなわばりで生活することになった。
猟師達は犬達が暴れることがないようにいくつかの仕掛けを作った。
まず、なわばりの周りに立派な屋根付きの小屋を作り、犬達が武装して外に出れないようにした。
もし、小屋を壊そうとしたら、電気が流れて二匹の熊たちと共に犬達を倒す仕組みとなっていた。
次に犬達の闘争力を削ぎ、食料を潤沢に与えることで戦闘力と練度と士気をどん底まで下げた。
そして、最後に犬達の群れの中に犬ではないある生き物を入れて犬達が団結しないような仕組みを作った。
こうして犬達は豊かな暮らしとなわばりの中での比較的自由な生活を得ることが出来た。
別の表現で表すなら「平和」である。
彼らはその平和と引き換えになわばりを守る本能と戦うという意思と戦闘での経験を失った。
しかし、多くの犬達はそのことに満足していた。
それも当然で、まず犬達が今まで危険を顧みず熊と対峙していたのが、今は安全なところで熊たちを見下ろしていた。
そして熊たちは猟師達と対峙することになったのだ。
その後、猟師達と熊達は平和な関係に移行したが、この平和によって猟師達もあまり猟をしなくなり、鉄砲や弾薬を買うお金というものが彼らの負担となって重くのしかかつて来たのである。
また、犬達を封じるための小屋も犬達にとっては慣れてくると快適なものであったが猟師達はその修繕のために負担をしていたため、まるで主人と猟犬の立場が逆になっていたのだ。
ある時期には猟師達の間で、犬達はペットのように快適に過ごし、我々はそれに仕える奴隷の様だといった自虐的な冗談もでる始末だった。
しかし、こうした時代も長くは続かなかった。
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