上 下
99 / 639

大河誘致成功その後

しおりを挟む
河ドラマ誘致成功でひだまりの国はどのように変わったのでしょうか。
その後の変化について語っていきましょう。
わっしょいざえもんの住むしろのしろ市は大河ドラマの影響で観光客が前年比10倍になりました。
ホテル、旅館といった観光業に加え、飲食業、畜産業、木刀、弓、などと言った特産物なども軒並み前年比3~20倍に売り上げが上がりました。
しろのしろ市以外の南の辺境地域も大河ドラマ様様で景気はうなぎのぼり、特筆すべきなのは、今まで人口が減少傾向だったのが、増加、あるいは横ばいになったことです。
個人にも好影響がありました、全国で一番時給が低かった地域がついにその地位を脱して中の下の水準まで格差がちぢまりました。
そして、かねみだけ酒造は日本酒の生産が全国一位、そのシェアを20%まで増やすことに成功しました。
かねみだけの会長はその利益を元に私学の高等学校と大学をしろのしろ市周辺に建て、教育の分野でしろのしろ市を盛り立てることにしました。
わっしょいざえもんの夢はこの上もない現実となって彼のもとに舞い降りてきたのです。
ヒキコモリーヌはメディアの改革という目標をとりあえず達成しました。
とりあえず、というのはデンゲル人の影響の残滓(ざんし)もありますが、それよりもひだまりの民出身者のメディアでの増長が目に付いていました。
彼女はコウメイやテレスと協力して、非政府、非メディアの中立的メディア管理組織の設立に尽力しました。
こうして彼女は、【メディアの不公正及び不正に関する審査委員会】の初代委員長となりネットや世論を見回しながらメディアの傲慢さを監視し、不正と戦うことを人生の目標としていきました。
コウメイはその後、政治の戦場からは遠ざかり、ごく普通の社会人として静かに暮らすことを決めていたのですが、ヒキコモリーヌからのたっての懇願で審査委員会の委員を引き受けることになりました。
さて、最後にこの物語の重要な役回りを演じたテレスとデンゲル国について述べることで物語を閉じたいと思います。
しおりを挟む

処理中です...