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第58話 たちあがれ フウイ

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フウイは絶望感に打ちひしがれていた。
彼のせいで島津義弘大河誘致運動のメインであるネットによる宣伝が出来なくなってしまったのである。
彼はやる気をなくし、すべてを捨てて楽になりたい、そう考えました。
また、ある時はネットの凍結解除の知らせがないかと何度も何度もF5ボタンを押し。そのたびに落胆をしていました。
親しくなった仲間や、いろいろなことを教えてくれた先輩たちに連絡しようにもその手段がありません。
あっちへふらふら、こっちへフラフラ、もはや光武帝の冷静沈着な軍師フウイの面影はどこにもありませんでした。
彼はまず、祭り之介にことの次第を説明しました。
祭り之介も落胆しましたが、かれは陽気な性格で優しい人物です。
決してフウイを攻めませんでした。
うん、全力で挑戦して失敗した結果だ、あまり気を落とすなよ。
そうは、いいましたが祭り之介自身も相当ショックだったらしくそれ以上の言葉は出てきませんでした。
二人はややぎごちない形でやり取りを終了しました。
そして次はコモロウです。
彼女の場合、当然のことながらフウイに優しくはありませんでした。
「どうしてもっと慎重にしなかったのよ、何事もやりすぎは良くないに決まっているでしょ、頭使ってよ頭を!!」。
彼女の苦情はまだ続きます。
「せっかく小説が軌道にのりかけたのにどうしてくれるのよ、この小説無駄になっちゃうの、これからどうするつもりなの、何とか言いなさいよ」
フウイは黙って聞いていました。
かれは(決して変な性癖があるのではなく)コモロウの言葉を心地よくきいていました。
彼はあきらめと絶望の自問を沢山繰り返していたので自分より若いコモロウの言葉をすでに自分自身に石を投げるがごとく当てまくっていました。
むしろ、被害者のコモロウから正当な処罰を受けているような感じで受け入れていたのです。
かれはただ、「すまなかった」とコモロウにあやまりました。
コモロウのほうも言いたいことをいってせいせいしたせいかもしれませんが、「もういい、気が済んだ、むしろこれからよ、これからどうするか、少しは頭使って考えなさいよ、軍師フウイ」と激励しました。
そうです、落ち込んでばかりもいられません、この絶望的な状況下でどのようにこれから進めていくか、軍師にはその責任があります。
コモロウはごくわずかですがやる気を回復していきました。
そうして、少し時間が経過したのちに、祭り之介からメールが届きました。
そのメールの内容は、フウイは立ち上がることが出来るのか、それは次回のお話で。
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