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第56話 フウイの感想戦

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さて、前回はコモロウと祭り之介のこころ温まる郷土愛についての読者様との語らいを描きました。
この中で圧倒的に多いのは郷土愛についての感想とありましたがこれは裏を返すとフウイが不人気(涙)ということを表してしまいます。
さて実際はどうだったのでしょうか、コモロウとフウイの会話の概要から調べてみましょう。
まず、感想ですがコモロウによると批判的感想はありませんでした。
フウイはそれを聞いてまずは安心します。
いくらフウイに覚悟があるといってもやはり批判は嬉しくないもので、本音をいえば【ほめて伸びる子】なのです。
ではほめている内容ですが、実にこれが微妙でした。
微妙に難解とか、できなさそうで出来るとか、実現しそうな気がする、といった歯に何か引っかかるような感想が多かったのです。
なぜ、そのようなことになるのか、フウイには分かっていました。
まだ、目に見える成果が実現していないこと、これに尽きるのです。
とはいえ祭り之介たちが活動をはじめてわずか40日小説を始めてから1か月もたっていません。
そのような中で目に見える成果が表れること自体が無理なのでは、フウイはそのように考えました。
もちろんこの場合の成果とは、有名人は活動に賛同を示すこと、役所や商工会が動くことといった大々的なことでした。
現実的に見ればまだ早いのですがフウイは少し焦っていました。
少し前の章で説明しましたが宮崎の人々はシャイで都城の人々は新しいものが好きで飽きっぽいです。
なのではじめのうちにエンジンを飛ばしてその勢いでスタートダッシュするのが理想でした。
それと、これは季節というか時期の問題ですが、今月は12月師走です。
有名な教師も走り出す忙しい季節です。
そのような時期にネットでの拡散された情報やWEB小説の話題を広げるのはとても難しく思えました。
フウイの憂いは続きます。
正月に入れば、人々の頭はリセットされて去年のことは忘れられてしまうのではないか。
そうなるといままで積み上げてきたものが無駄になってしまいます。
フウイはそうならないための方策を考えます。
それは、全力でネット空間に小説の宣伝を拡散することでした。
年末に出来る限り多くの人々に出来るだけ忘れさせないように情報を飽和攻撃の如く拡散する。
不人気のフウイ(涙)にとってこれは最善の策に思えました。
それをその雰囲気から察していたコモロウは不安を抱きました。
フウイは焦っている、何かとんでもないことが起きなければいいけど。
次回、彼女の不安は悪夢となってフウイ、いえ彼だけではなく大河誘致運動そのものに大きな影響を及ぼします。
ではその話は次の章で詳しく説明しましょう。
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