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第12話 オダカンパニー総帥ノブナガとみつひで

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「オダカンパニー」日ノ本の中心部を抑え、お菓子業界の中で覇権に一番近いとされる超大型企業群の名称です。
独立軍団長制を取っており、日ノ本の四方にそれぞれ軍団長を配置してお菓子業界の天下統一を目指していました。

そのトップは「総帥」という尊称を与えられていて強力な指導力を発揮していました。
総帥の名は「ノブナガ」別名魔王とも言われる恐るべき人物です。

 ノブナガの恐ろしさはその判断力の速さにありました。
新しいもので役に立ちそうなものはすぐに自分の元に情報を集め試します。

オダカンパニーの商品である、「ごんぺいとう」や「ガステーラ」も彼の新しい物好きがもたらした新製品でした。
この西洋のお菓子を取り入れることで、饅頭が主力であった日ノ本のお菓子業界の勢力図が一気にオダ有利に進んでいきました。

普段のノブナガは陽気なキャラで、相撲をとったり、雑談に花を咲かせたりと社交的な一面がありました。
ノブナガの噂を聞いて、会う時に緊張する者もいましたが、会ってみると意外と話しやすい人物だと拍子抜けする者もいるようです。

しかし、彼は短気で声も甲高く、機嫌を損ねるととても狂暴になるそうです。
あと、怒った時に悪口を吐くのですが、これもまた例の甲高い声で独特の表現を使います。

ある軍団長は「猿」だの「禿ネズミ」だのとののしられながら蹴飛ばされました。
また、ある者は「キンカン頭」とののしられながら蹴りを何発も食らいました。
この「キンカン頭」とののしられたのがオダカンパニーの懐刀と言われる「みつひで」です。

みつひでは南蛮渡来のごんぺいとうやガステーラをうまく営業で用い、各地で売り上げを伸ばしていきました。

また、彼は茶の湯にも造詣が深く、ごんぺいとうやガステーラとお茶の組み合わせで新たなブランドを立ち上げることで、諸国に対して圧倒的優位を築くことに成功したのです。

こうして、オダカンパニーは東は岐阜から西は岡山近辺まで勢力を広げていきました。
日ノ本の端っこのしまづからは考えられないような勢力範囲を広げていったのです。

そして、しまづ四兄弟の末っ子である「いえひさ」とその子「とよひさ」は都会の知識がほとんどない状態でこの怖いノブナガに会いに行こうとしていたのです。
さて、このままで果たしていえひさたちの旅は上手くいくのでしょうか。

そんな心配をものともせずいえひさたちは旅を楽しんでいました。
しかし、心配性の長男、よしひさは策を巡らしていました。
しまづ必殺の戦法がこの時さく裂します。
皆さんも予想してみて下さいネ。

次回に続く。

※ お菓子の名前について。
万が一、大人の事情のお世話にならないために、お菓子の名前を変えています。
例えばカステラ→ガステーラ、かるかん→がるかん、金平糖→ごんぺいとう等です。

大人の皆さんが見て問題がないようでしたら、表記を変えたいと考えています。
でも、万が一本作でやらかしがある場合に備え、とりあえずは架空のお菓子で、現代あるお菓子と似たもんだと思って想像していただけたら幸いです。
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