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妖精の森編

3.さて、ここはどこでしょう?

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『ここは…どこ…?天国なのか地獄なのか……』

「この場所は天界ヘヴンズですよ」
「だ、だれ!?」

 急に後ろから女性の声で話しかけられ、俺は思わず振り向いていた。

「あはは…ちょっと驚かせちゃったかな?」
「こんな所に……美少女!!?」

 目の前には緑色の奇抜な色合いなのに似合っているのが、印象的で目の色は紫色の瞳をしていた。

「じっと見られると恥ずかしいな…」
「あっ、すみません。」

 少女の姿をしているのに俺は何故か上司みたいな立派な人のように感じられてつい、敬語で話をしていた。

「冗談だったけど…真面目な人なんだね!」
「真面目とはよく言われます。一つ質問ですが、あなたはどちら様ですか?」

「私は女神アルテマです。」
「め…が…み……様!?」

 俺は全身全霊を込めた土下座をしてみせた。

「あぁ~かしこまらないで良いよ。正直、私はそういうノリは苦手なの。」
「そうなんですか…」

「それより…君……死んでるよ?」
「知ってますよ…崖から落ちた記憶があります。」
「あれは…不注意でした。」

「それなら……話は早いかもね」
「えっと……話が早い?」
 
「君はいくつかの岐路に立たされている。」
「岐路ですか?」
「そう……」
 
「天国へ向かうパターンと地獄に行くパターン」
「それは…両極端ですね……」

 悩むには難しいレベルの二択で選ぶなら間違いなく天国一択だった。

「実は君にはもう一つ特別なパターンを用意しているんだけど……聞く?」
「気になりはしますけど……」

「なら、話を進めるよ!」
「お願いします?」

「私のお願い…というよりは命令に必ず応える必要があるのだけど、それは…異世界に行って好きなように暮らしてもらう。
 困っている事や不便な事やおかしな点があったら教会で祈りを捧げると私と念話ができるの。
 そこで近況報告するのが、あなたの使命よ。」
「それだけで良いんですか?」

「もちろん!了承してくれたら褒美としてスキルを三つ授けますよ?」
「その…記憶は消去されますか?」

「どちらが良いかな?」
「できれば……そのままでお願いします。」

「OK!
 スキルを教える前にもう一度聞いても良い?」
「僕は了承します!」

「では、早速。」
[鑑定スキル]…全ての対象を見ると詳しい情報が開示され、見ることができる。

[言語・文字の言語化]…あちらの世界での全ての言葉や文字の言語化し、話せるようになる。

「限定の錬金術師」…これは職業ジョブと言われているもので、習得すると錬金術が使用可能になる。
 しかも、これは限定ワードのみの錬金術師と言われ、鉱石類、土類、草類の中から好きなワードを選ぶとそれが限定になるから気をつけて。
 ちなみに錬金術師の固有スキルで収納インベントリが使えるから便利だよ!

「この錬金術師の限定が決まれば向こうに行けるからじっくりと選んでみてね♪」
「そうですね…考える必要は無いです!」

「へぇ~何にするのかな?」
「草一択でしょう!」

「理由を聞いても良いかな?」
「理由は簡単です。興味は【草】にしか無いからです……ずっと草に囲まれた人生を送りたいと願っていたのがようやく叶います!」

「草…ラブなんだね…ちょっと分からない領域ね」
「まぁ…よく言われます。」

「さて、決まったなら付与していくからちょっとそこでストップしてて!」
「分かりました!」

「我…女神アルテマの承認コード……受理。」

 女神アルテマは急に光に包まれるとその光は俺の元にまで届いた。

「スキルを解放し、山神慎太郎に付与する。」
「うわぁーッ?!」

 光の柱の中で頭にスキルについての内容が流れ込むように吸収されていくのが伝わった。
 光の柱が消えると全てが終了していた。

「はい、お疲れ様でした!無事にスキル付与も終わり、今から異世界に転送するね!」
「は、はい。」
「まぁ、楽しんできな!バイバーイ♪」
 
 
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