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第六部 あの二人ってどうなの?編

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彩葉はギッと竹彪を睨んだ。紅葉と松寿に続いて声をかけたが、紅葉と松寿にはポーズを取るのに、竹彪には塩対応だった。
「塩どころか、ハバネロ対応…暴君…」
竹彪はあまりの対応の差に大きなショックを受けた。いや、わかってはいたけれどあまりに対応に差がある。
「タケが落ち込んでんぞ~サービスしたれよ」
「やだよ。なんでおれがタケに」
「彩葉!『宇宙まで』~?」
「『ぶっ飛ばしちゃうぞ☆』」
「パブロフの犬www」
「誰が犬だよ!」
松寿の掛け声に、彩葉は言葉を続けてビシッとポーズを決めた。すっかり魔法少女になりきってしまっている。話を終えたのか、楓と梅寿が竹彪のそばにいた。
「おぉ。仲直りしたか?」
「うっす!胸借りてさーせん!あざす、タケさん!」
「け、喧嘩してたわけじゃないんですよ?…心配してくれて、ありがとうございます」
梅寿が満面の笑顔で答えた。どうやら良い方向に向かったようだ。楓も頬を染めて笑っている。イチャイチャ仲良しカップルか、竹彪は死ぬほど羨ましかったが、顔に出ないよう頑張った。
楓は撮影会をしている彩葉達を見て首をかしげる。
「あの、タケさん…彩葉さんていつも、マツ兄ちゃんとあんな感じですか?」
「…まぁ、いつも、あんな感じだな。二人で馬鹿なことばっかしてるぞ。どうかしたか?」
「えっと…彩葉さんとマツ兄ちゃん、距離が近いなーって、思って」
近くにいた紅葉が楓を見た。突然何を言い出したのか。彩葉と松寿はいつもあんな感じで通常運行だ。特別距離が近いわけじゃなく、友達同士の延長線上だ。
「あー、近いっつーか、気を許してるんじゃね?あんなに笑う兄ちゃん、久しぶりだよな。いつももっとキラキラ王子様してんのに。彩葉さんとタケさんといると、気が抜けてる感じしますよ」
梅寿が答えるが、楓はまだ疑問顔だ。先が気になる竹彪は黙って楓の言葉を待つ。紅葉も同じ気持ちのようだ。楓を恐ろしい形相で見ていた。
「それだけ、かなぁ…さっきも彩葉さん、真っ先にマツ兄ちゃんに連絡してたし…彩葉さん、女の子になっちゃうけど、大丈夫ですか?マツ兄ちゃんに、なにかされてませんか?」
「いや、しないだろ。仲いいだけだろ、あれは…」
「そ、そうですよ。松寿さんと彩葉さんが、そんなこと…」
竹彪は否定した。紅葉も首を横に振って否定した。
しかし楓と梅寿は真逆の答えを打ち出してきた。
「うーん…タケさんの恋人だし、さすがの兄ちゃんも手は出さないだろうけど…でも、彩葉さん、女の子だしなぁ」
「ね、そうだよね?…実は二人はとっくに…なーんて」
楓はへへっと笑う。梅寿もまさか~と笑っている。
竹彪と紅葉は彩葉と松寿を見た。今は二人でくっついてツーショットを撮影している。
((あの二人、まさか))
思わぬ楓の爆弾に、竹彪と紅葉の脳は簡単にやられてしまった。その場に不穏な空気が流れたが、彩葉と松寿は気づくことなく、顔を寄せ合って撮影をつづけた。






END


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