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第六部 あの二人ってどうなの?編
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しおりを挟む「あ、あぅ、あの、あの………
『魔法のパンチでおしおきよ☆』」
楓は全力のポーズを決めた。これで全てなかったことになーれの精神で全力を出した。
(す…滑ったあぁぁ)
しかし梅寿は固まっている。楓は心のなかで泣いた。笑い飛ばしてもらえたらありがたかったのだが、そううまいこといかなかった。
(彩葉さん、僕を宇宙までぶっ飛ばして下さい)
楓は相方のピンク彩葉にポーズを決めたまま祈った。
その時、梅寿は動いた。梅寿は頭で考えるよりも先に、体が動いていた。
「は?ウメちゃん?…ん、んん?!」
梅寿は楓の唇を貪り食った。楓のあまりの可愛さに、人様の家だとか昼間だとか外に兄弟がいるだとか、そんなことはどうでもよくなった。昔から可愛い可愛いと言われて育った楓は女装させられることも多かったが、最近は嫌がってしていなかった。楓が嫌がることはさせたくない梅寿も本当は可愛い格好の楓を見たかったが、強要はできず妄想に留めるだけだった。それが今現実に目の前にいる。目の前に妄想よりも遥かに愛らしい姿の楓がいる。梅寿の理性が宇宙にぶっ飛ばされていった。
(え?え?ちゅーしてる?されてるの?今?紅葉さんの家で?)
楓は梅寿にされるがままだったが、太ももにあたる固いもので意識を取り戻した。
『初めは指も入んないんだぞ、痛くて』
彩葉の声が楓の脳内に蘇る。
『いきなり入れないで♡』
「ーーーっ…ん、んんぅぅううう!」
梅寿の、楓の腰に回された手がスカートの中に潜り込んでくる。楓は力を込めて梅寿の胸を叩き、押し返した。
「だ、だめだよウメちゃん、やめて、ここ、紅葉さんの家、だから」
「あ、そうか…そうだよな」
胸を喘がせる楓に、梅寿は我に返った。しかし目の前にフリフリ衣装の楓がいる。顔は少し離したものの、密着した体は離さない。梅寿の、楓をまさぐる手は止まらなかった。
「あっ、やだ、ウメちゃん!今日、男の子だし、その、あのっ…いっ、入れないで!!」
男の子でこのクオリティという楓に梅寿のボルテージはマックスだったが、楓の発言に動きが止まってしまった。入れないで、とはどういうことなのか。キスをする時当然のように舌を入れていたが実は嫌だったのだろうか。楓の顔を見ると真っ赤に赤くなっていて、目は涙を溜めて今にも零れ落ちそうになっている。
「ご、ごめんな楓、嫌だったよな。ごめん…」
「ちっ、違うのウメちゃん、嫌じゃなくて…えと…僕、着替えないと、着替えて、くるね」
「あ、楓、足元…」
「んひゃあっ!」
もう少し見ていたかったが、楓は着替えてしまうようだ。着替えは紅葉の部屋にあると使用人が言っていた。部屋を出ようとする楓は慌てて扉に向かうが、途中でソファの足に引っかかってしまった。倒れ込まないように梅寿が楓の腕を取る。
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