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第六部 あの二人ってどうなの?編
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彩葉は暗くなった楓と紅葉に気づいた。思った以上に怖がらせてしまったようだ。彩葉は慌てて言葉をつなぐ。
「とりあえずな、ウメには『いきなり入れないで♡』って言っとけ。紅葉は大丈夫だろ?マツ童貞じゃないし、アナルも経験してっから。知らんけど」
「いきなり入れないで、ですか…」
「よく、慣らすんですね…心得ました」
楓は頭を抱えた。彩葉の話はとても良くわかった。松寿の邪魔が入ったあの日、もし松寿が来なかったら楓の女の子はどうなってしまっていたのだろうか。
紅葉も暗い顔でうつむいた。紅葉の女の子を使う予定はないが、男同士となると受け入れる側は負担が大きいようだ。果たして松寿を傷つけずに事を済ませることができるだろうか。
落ち込む二人に彩葉は余計なことを言ってしまっただろうかと思った。しかし、特に楓には伝えておきたい事実だった。地獄を味わった身としては言わずにはいられなかった。
(…だって、めちゃくちゃ痛かったんだもん!!)
彩葉は『女の子が男よりも気持ちいい説』を実証するために竹彪を誘って後悔したあの日を思い出していた。貫通するまでに痛みのあまり、竹彪に何度も殴る蹴るの暴行を加えた。痛みに反応してつい手足が出てしまっていた。
高校生の清純カップルが憧れの初体験でトラウマを抱えてしまうことはお互いのためにも避けるべきではないだろうか。童貞の梅寿では初の女体、しかも大好きな楓との初体験となっては我慢なんてできないはずだ。先日の食事の席で、楓と梅寿のお互いの好き好きっぷりは十分すぎるほど見た。見せつけられた。
彩葉は再び初めてのあの日を思い出す。彩葉の初体験も最後の最後は半ば無理矢理の挿入だった。数日かけて慣らしても痛がる彩葉に竹彪の我慢は限界を超えてしまった。
『無理無理、もうむり、痛ぇって…』
『…悪ぃ、俺も、無理だ、まじで…もう、我慢できね』
『は?あ、待て、ま、まぁあああ!いーたい、痛い!痛いぃ!』
思い出して彩葉は背中が寒くなった。あの時、押し入ってくる竹彪から逃げようとしたが、腰を掴まれて無理矢理挿入されてしまった。それからまたしたいと言う竹彪を拒絶したりしなかったりで2回目には(あれ?思ったより痛くない?)からの今日だった。
しかし、あれだけの日数と時間を、竹彪はよく我慢できたものだと彩葉は思う。時間をかけたから彩葉は竹彪を受け入れられたのだろう。それでも痛かった。男の時の後ろの方もそうだった。慣らさなければどうなっていたのかと思うとぞっとする。女体を前にして彩葉があれだけ時間をかけられるかと聞かれたら、正直自信はない。まったくない。きっと童貞の梅寿もそうなるだろう。楓はもちろんだが、梅寿にも苦しみを味わってほしくはない。
静かになった彩葉と楓に、紅葉は口を開いた。
「とりあえずな、ウメには『いきなり入れないで♡』って言っとけ。紅葉は大丈夫だろ?マツ童貞じゃないし、アナルも経験してっから。知らんけど」
「いきなり入れないで、ですか…」
「よく、慣らすんですね…心得ました」
楓は頭を抱えた。彩葉の話はとても良くわかった。松寿の邪魔が入ったあの日、もし松寿が来なかったら楓の女の子はどうなってしまっていたのだろうか。
紅葉も暗い顔でうつむいた。紅葉の女の子を使う予定はないが、男同士となると受け入れる側は負担が大きいようだ。果たして松寿を傷つけずに事を済ませることができるだろうか。
落ち込む二人に彩葉は余計なことを言ってしまっただろうかと思った。しかし、特に楓には伝えておきたい事実だった。地獄を味わった身としては言わずにはいられなかった。
(…だって、めちゃくちゃ痛かったんだもん!!)
彩葉は『女の子が男よりも気持ちいい説』を実証するために竹彪を誘って後悔したあの日を思い出していた。貫通するまでに痛みのあまり、竹彪に何度も殴る蹴るの暴行を加えた。痛みに反応してつい手足が出てしまっていた。
高校生の清純カップルが憧れの初体験でトラウマを抱えてしまうことはお互いのためにも避けるべきではないだろうか。童貞の梅寿では初の女体、しかも大好きな楓との初体験となっては我慢なんてできないはずだ。先日の食事の席で、楓と梅寿のお互いの好き好きっぷりは十分すぎるほど見た。見せつけられた。
彩葉は再び初めてのあの日を思い出す。彩葉の初体験も最後の最後は半ば無理矢理の挿入だった。数日かけて慣らしても痛がる彩葉に竹彪の我慢は限界を超えてしまった。
『無理無理、もうむり、痛ぇって…』
『…悪ぃ、俺も、無理だ、まじで…もう、我慢できね』
『は?あ、待て、ま、まぁあああ!いーたい、痛い!痛いぃ!』
思い出して彩葉は背中が寒くなった。あの時、押し入ってくる竹彪から逃げようとしたが、腰を掴まれて無理矢理挿入されてしまった。それからまたしたいと言う竹彪を拒絶したりしなかったりで2回目には(あれ?思ったより痛くない?)からの今日だった。
しかし、あれだけの日数と時間を、竹彪はよく我慢できたものだと彩葉は思う。時間をかけたから彩葉は竹彪を受け入れられたのだろう。それでも痛かった。男の時の後ろの方もそうだった。慣らさなければどうなっていたのかと思うとぞっとする。女体を前にして彩葉があれだけ時間をかけられるかと聞かれたら、正直自信はない。まったくない。きっと童貞の梅寿もそうなるだろう。楓はもちろんだが、梅寿にも苦しみを味わってほしくはない。
静かになった彩葉と楓に、紅葉は口を開いた。
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