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短編・番外編2
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それから数日後、オーナーから佳奈多に連絡が入った。
『ごめんね、藤野君…本当にこっちの手前勝手なお願いで申し訳ないんだけど、チビちゃんを引き取りに行ってもいいかしら…』
暗い声のオーナーに話を聞くと、エドワード1世がまったく食事を取らず、ついには水分も取らなくなったそうだ。
チビの姿が見えなくなってからのエドワード1世の憔悴ぶりは凄まじく、猫カフェから連れ出すのも心配、ということだった。
『チビにも負担になるとは思うんだけど、連れ出させてほしいの。もちろん藤野君と、彼氏さんの都合のいい時でいいから…』
「今日は?車、出すよ」
オーナーとの会話を隣で聞いていた大翔からの提案に、佳奈多は大翔に頭を下げながらオーナーに伝えた。何度も礼を言うオーナーと時間を決めて、佳奈多は電話を切る。
「ひろくん、ごめんね、あの、エド様が…」
「大丈夫、話聞いてたから。へこんでる1世見に行こうよ。チビちゃん見せつけてやろう」
「ぷな?」
佳奈多の膝の上でチビは首を傾げた。佳奈多は思わず口が曲がってしまった。
どうして大翔はこうも、エドワード1世に当たりが強いのか。
今日は久しぶりに二人の休みが合った。自宅でチビちゃんとのんびりしようと約束していた。その約束を反故にした上に車を運転してもらえるので、佳奈多は強く言えない。車の運転免許証を、大翔は大学在学中に取得していたが、佳奈多は持っていない。チビを連れての移動となると、大翔を頼らざるを得ない。
佳奈多はむぐむぐと口を動かす。大翔はそんな佳奈多に気づいたようだ。
「かなちゃん、変な顔」
「へ…変じゃ、ないです」
「そうだね。リビングでチビちゃんと寝てるかなちゃん見つけたこの前の俺より全然、変な顔じゃないよ。あの時見せられない顔したもん、俺。ほら、準備して。かなちゃんの推しがモップになっちゃうよ?」
「エド様、モップじゃ、ない、です」
佳奈多は大翔から顔を背けた。大翔は声を上げて笑っている。エドワード1世が心配なのに、楽しげな大翔に口が尖って頬が膨らんでいく。むくれる佳奈多に大翔はスマホを向けていた。
「むかつくなぁ、1世。かなちゃんのこんな顔引き出すきっかけになるとか…はぁ、可愛い」
ため息をつく大翔に、佳奈多は外出の準備を進めた。
「チビぃい!あんた、こんなに毛艶が良くなって!…ありがとうね、藤野君、本当に、ありがとう!」
「あ、いえ、あの、エド様は…」
猫カフェに到着して、キャリーから出したチビを見てオーナーは感激してくれた。チビは預かる前よりも随分毛の艶も毛並みも良くなっている。かさぶたもだいぶ小さく目立たなくなっていた。良く食べ良く眠ってくれていたのも大きいのかもしれない。
佳奈多の問いに、オーナーがガラス戸の向こうを指さした。
「エドね、あそこに横たわっているんだけど…」
「エドさ…」
「モップ!!!」
佳奈多が声を上げる前に、大翔が吹き出した。声を殺して笑っている。佳奈多は大翔の腕を叩いた。
「お医者さんから、病気ではないって言われてるの。精神的なものだろうから、チビちゃんを少し見せて上げたほうがいいって…彼氏さんも突然、ごめんなさいね」
「いえいえ。1世に会いたかったので。清掃会社に回収される前に見ておかないと。ふひっ…写真撮っていいですか?」
「モップ、じゃ、な、ぃ!…チビちゃん、連れて行って、いいですか?」
「な、ぷな、な」
大翔がスマホを向けると、エドワード1世は話し声に気づいたのか頭を上げた。チビもエドワード1世の姿を見て鳴き声を上げている。扉を開けて中に入ると、チビはしゃがんだ佳奈多の腕から抜け出した。
「ちびちゃ!」
「うなぁ!」
チビは転がるように床に落ちる。佳奈多と同時にエドワード1世も声を上げた。
エドワード1世は起き上がろうとしている。しかし力が入らないのか、立ち上がることができない。チビは体勢を整えて、エドワード1世に向かって歩き出した。何度もよろけながら、チビはエドワード1世に近づいていく。エドワード1世も床に体をつけたまま、匍匐前進のようにチビに近づいていった。
他の猫達は何が起きたのかわからず、様子を伺っている。
「ぷな、な」
「うな、な」
二匹は時間をかけて、やっと触れ合うことができた。顔を寄せて鼻をくっつけあってから、お互い体を舐め合っている。
佳奈多は自分の口に手を当てて塞いだ。そうしないと叫んでしまいそうだったからだ。
「と…とぉとぅ、い…」
「尊い、ね」
二匹の仲良しっぷりに、佳奈多はほぅと息を吐いた。
エドワード1世はチビの体を舐めたり体を擦り付けたりしている。チビも大きなエドワード1世に埋まりながら小さな舌でエドワード1世を舐めてあげている。
もっと早くチビを連れてきてあげるべきだっただろうか。そんな不安が胸を過る。
エドワード1世がチビにのしかかるように体を擦り付けていたが、チビはエドワード1世の腕から抜け出てきた。
「ぷな」
チビは一鳴きして、佳奈多と大翔の方へ歩いてきた。
「あっ!」
佳奈多は思わず声を上げてしまった。エドワード1世はぐっと足に力を込めて立ち上がった。痩せたようだが、その顔には力が戻ったように見える。見慣れたエドワード1世の立ち姿だ。
エドワード1世はチビに歩み寄り、首筋に顔を埋める。
「なっ、ぷみゃっ」
チビの鳴き声に、エドワード1世は動きを止めた。チビは体をよじってエドワード1世から離れて再び歩き出す。よろけて転びながら、チビは佳奈多の元へやって来た。
「ぷなぁあ」
佳奈多に体を擦り寄せながら、チビはエドワード1世に顔を向けて鳴いた。しゃがんでいた佳奈多はチビの体を撫でる。
「ちびちゃん、怪我、なかった?」
「ぷな」
さっき腕から飛び出した時に怪我をしてしまったのではないかと思ったが、痛めたところはないようだ。チビは嬉しそうに撫でられてくれている。
佳奈多の隣に大翔はしゃがみ、大翔もチビの顎を撫でる。エドワード1世は背中の毛を逆だてた。
「ナアアァ"ァ"ア"」
「ちょっと待ってろ、1世。チビちゃん、どうする?」
「ぷなっ」
チビは大翔とエドワード1世を見比べて、大翔の手に体を擦り付けてからエドワード1世に向かっていった。よたよたと歩くチビを、エドワード1世は見つめている。不安気で心配しているように見えるが、エドワード1世は歩くチビを待っていた。嬉しそうにチビはエドワード1世に近寄っていく。しかし辿り着く直前、そばの棚から一匹の猫が飛び出してきた。茶トラの猫がチビの前に立ちはだかる。
「ぶなぁ~」
「だめよ、ルイ!」
ルイと呼ばれた少し太めの茶トラは、チビよりも遥かに大きい。エドワード1世は駆け出すが、足がもつれて床にべちゃりと潰れてしまった。
オーナーの声に聞く耳を持たず、茶トラはチビに飛びかかる。
茶トラの横っ腹に黒い何かがぶつかった。茶トラはぼてぼてと音を立てて床を転がる。茶トラに体当たりしたのは大きな長毛種、鬼嶋の推しのクロだった。クロは大きな体に見合わず機敏に、そして華麗に床に着地する。
チビに目を移すと、チビは霧夜の推しのシロに鼻で押されて移動していた。シロはチビをエドワード1世の傍まで連れて行く。シロはエドワード1世の近くに腰を下ろして、チビの体を舐めた。クロもシロの傍に寄る。
「うなぁ~あ」
クロはのんびりとした鳴き声を上げて、尻尾で床をピシリと叩いた。間延びした声とは裏腹に、クロの威圧感は凄まじい。周りにいた猫達が目をそらすほど空気がピリついた。
『ごめんね、藤野君…本当にこっちの手前勝手なお願いで申し訳ないんだけど、チビちゃんを引き取りに行ってもいいかしら…』
暗い声のオーナーに話を聞くと、エドワード1世がまったく食事を取らず、ついには水分も取らなくなったそうだ。
チビの姿が見えなくなってからのエドワード1世の憔悴ぶりは凄まじく、猫カフェから連れ出すのも心配、ということだった。
『チビにも負担になるとは思うんだけど、連れ出させてほしいの。もちろん藤野君と、彼氏さんの都合のいい時でいいから…』
「今日は?車、出すよ」
オーナーとの会話を隣で聞いていた大翔からの提案に、佳奈多は大翔に頭を下げながらオーナーに伝えた。何度も礼を言うオーナーと時間を決めて、佳奈多は電話を切る。
「ひろくん、ごめんね、あの、エド様が…」
「大丈夫、話聞いてたから。へこんでる1世見に行こうよ。チビちゃん見せつけてやろう」
「ぷな?」
佳奈多の膝の上でチビは首を傾げた。佳奈多は思わず口が曲がってしまった。
どうして大翔はこうも、エドワード1世に当たりが強いのか。
今日は久しぶりに二人の休みが合った。自宅でチビちゃんとのんびりしようと約束していた。その約束を反故にした上に車を運転してもらえるので、佳奈多は強く言えない。車の運転免許証を、大翔は大学在学中に取得していたが、佳奈多は持っていない。チビを連れての移動となると、大翔を頼らざるを得ない。
佳奈多はむぐむぐと口を動かす。大翔はそんな佳奈多に気づいたようだ。
「かなちゃん、変な顔」
「へ…変じゃ、ないです」
「そうだね。リビングでチビちゃんと寝てるかなちゃん見つけたこの前の俺より全然、変な顔じゃないよ。あの時見せられない顔したもん、俺。ほら、準備して。かなちゃんの推しがモップになっちゃうよ?」
「エド様、モップじゃ、ない、です」
佳奈多は大翔から顔を背けた。大翔は声を上げて笑っている。エドワード1世が心配なのに、楽しげな大翔に口が尖って頬が膨らんでいく。むくれる佳奈多に大翔はスマホを向けていた。
「むかつくなぁ、1世。かなちゃんのこんな顔引き出すきっかけになるとか…はぁ、可愛い」
ため息をつく大翔に、佳奈多は外出の準備を進めた。
「チビぃい!あんた、こんなに毛艶が良くなって!…ありがとうね、藤野君、本当に、ありがとう!」
「あ、いえ、あの、エド様は…」
猫カフェに到着して、キャリーから出したチビを見てオーナーは感激してくれた。チビは預かる前よりも随分毛の艶も毛並みも良くなっている。かさぶたもだいぶ小さく目立たなくなっていた。良く食べ良く眠ってくれていたのも大きいのかもしれない。
佳奈多の問いに、オーナーがガラス戸の向こうを指さした。
「エドね、あそこに横たわっているんだけど…」
「エドさ…」
「モップ!!!」
佳奈多が声を上げる前に、大翔が吹き出した。声を殺して笑っている。佳奈多は大翔の腕を叩いた。
「お医者さんから、病気ではないって言われてるの。精神的なものだろうから、チビちゃんを少し見せて上げたほうがいいって…彼氏さんも突然、ごめんなさいね」
「いえいえ。1世に会いたかったので。清掃会社に回収される前に見ておかないと。ふひっ…写真撮っていいですか?」
「モップ、じゃ、な、ぃ!…チビちゃん、連れて行って、いいですか?」
「な、ぷな、な」
大翔がスマホを向けると、エドワード1世は話し声に気づいたのか頭を上げた。チビもエドワード1世の姿を見て鳴き声を上げている。扉を開けて中に入ると、チビはしゃがんだ佳奈多の腕から抜け出した。
「ちびちゃ!」
「うなぁ!」
チビは転がるように床に落ちる。佳奈多と同時にエドワード1世も声を上げた。
エドワード1世は起き上がろうとしている。しかし力が入らないのか、立ち上がることができない。チビは体勢を整えて、エドワード1世に向かって歩き出した。何度もよろけながら、チビはエドワード1世に近づいていく。エドワード1世も床に体をつけたまま、匍匐前進のようにチビに近づいていった。
他の猫達は何が起きたのかわからず、様子を伺っている。
「ぷな、な」
「うな、な」
二匹は時間をかけて、やっと触れ合うことができた。顔を寄せて鼻をくっつけあってから、お互い体を舐め合っている。
佳奈多は自分の口に手を当てて塞いだ。そうしないと叫んでしまいそうだったからだ。
「と…とぉとぅ、い…」
「尊い、ね」
二匹の仲良しっぷりに、佳奈多はほぅと息を吐いた。
エドワード1世はチビの体を舐めたり体を擦り付けたりしている。チビも大きなエドワード1世に埋まりながら小さな舌でエドワード1世を舐めてあげている。
もっと早くチビを連れてきてあげるべきだっただろうか。そんな不安が胸を過る。
エドワード1世がチビにのしかかるように体を擦り付けていたが、チビはエドワード1世の腕から抜け出てきた。
「ぷな」
チビは一鳴きして、佳奈多と大翔の方へ歩いてきた。
「あっ!」
佳奈多は思わず声を上げてしまった。エドワード1世はぐっと足に力を込めて立ち上がった。痩せたようだが、その顔には力が戻ったように見える。見慣れたエドワード1世の立ち姿だ。
エドワード1世はチビに歩み寄り、首筋に顔を埋める。
「なっ、ぷみゃっ」
チビの鳴き声に、エドワード1世は動きを止めた。チビは体をよじってエドワード1世から離れて再び歩き出す。よろけて転びながら、チビは佳奈多の元へやって来た。
「ぷなぁあ」
佳奈多に体を擦り寄せながら、チビはエドワード1世に顔を向けて鳴いた。しゃがんでいた佳奈多はチビの体を撫でる。
「ちびちゃん、怪我、なかった?」
「ぷな」
さっき腕から飛び出した時に怪我をしてしまったのではないかと思ったが、痛めたところはないようだ。チビは嬉しそうに撫でられてくれている。
佳奈多の隣に大翔はしゃがみ、大翔もチビの顎を撫でる。エドワード1世は背中の毛を逆だてた。
「ナアアァ"ァ"ア"」
「ちょっと待ってろ、1世。チビちゃん、どうする?」
「ぷなっ」
チビは大翔とエドワード1世を見比べて、大翔の手に体を擦り付けてからエドワード1世に向かっていった。よたよたと歩くチビを、エドワード1世は見つめている。不安気で心配しているように見えるが、エドワード1世は歩くチビを待っていた。嬉しそうにチビはエドワード1世に近寄っていく。しかし辿り着く直前、そばの棚から一匹の猫が飛び出してきた。茶トラの猫がチビの前に立ちはだかる。
「ぶなぁ~」
「だめよ、ルイ!」
ルイと呼ばれた少し太めの茶トラは、チビよりも遥かに大きい。エドワード1世は駆け出すが、足がもつれて床にべちゃりと潰れてしまった。
オーナーの声に聞く耳を持たず、茶トラはチビに飛びかかる。
茶トラの横っ腹に黒い何かがぶつかった。茶トラはぼてぼてと音を立てて床を転がる。茶トラに体当たりしたのは大きな長毛種、鬼嶋の推しのクロだった。クロは大きな体に見合わず機敏に、そして華麗に床に着地する。
チビに目を移すと、チビは霧夜の推しのシロに鼻で押されて移動していた。シロはチビをエドワード1世の傍まで連れて行く。シロはエドワード1世の近くに腰を下ろして、チビの体を舐めた。クロもシロの傍に寄る。
「うなぁ~あ」
クロはのんびりとした鳴き声を上げて、尻尾で床をピシリと叩いた。間延びした声とは裏腹に、クロの威圧感は凄まじい。周りにいた猫達が目をそらすほど空気がピリついた。
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