異世界転移~治癒師の日常

コリモ

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閑話〜里帰り

閑話〜コハクの里帰りその1

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背中がむず痒くて、そこら中の岩や木に体を擦り付けて(どうみても体当たり)を繰り返していたら
《おいおい、いくらかゆいからってその辺に生えているものを破壊するんじゃない》
気がつくと魔の森の主であるグレイブ様が近くにやってきた。
《だってどうやってもむず痒くて仕方がないんです》そう答えると
《お前、脱皮について聞いていないのか?》
《脱皮って何ですか?》
そこから説明しなければならないのか…
《ドラゴンは、3歳までは毎年1回脱皮をして成龍のサイズになるんだ。まさかメリル殿が説明をしていないとは》
《そういえばママがそんなことを言っていたような…》
《もうすぐメリル殿当たりが迎えに来ると思うがな、その前にマコトに言っていかないと探されるぞ》
《そうだった。急いでマコトに伝えなきゃ。でも、この間パパが来たときは大騒ぎになったけど、大丈夫かな》
《あのときは突然大勢できたから皆びっくりしただけだ。前もってジークに伝えておけば大丈夫。おまえの体力じゃ里帰りに3ヶ月はかかるだろ?迎えに来てもらえ》
《わかった。でもどうやって知らせるの?》
《おまえの吐く息に魔力を込めて見ろ》
そう言われてもなかなか込められないし、込めすぎてもダメらしく50回挑戦してようやく出来上がったのは小さなドラゴンの姿をした何かだった。
《そいつはおまえの分身だが、伝言を伝えることができる。ドラゴンの里までなら2日で行ってくれるだろう》
《ホント?》と聞くと小さく頷いてくれたので
《じゃあ、3日後に草原に来てくださいって伝えてくれる?》
キュイーと一声泣くと私のそばから離れて大空へ飛んで行った。
《さてこれでおまえの脱皮については解決だな。後はちゃんとマコトとジークに説明するんだぞ》そういてグレイブ様は森の中に帰っていった。
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