悪役同士の開拓生活

コリモ

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開拓地へ

合流します sideメリア

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本日2話目
タイトルを訂正しました

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漸くモンマルト村に入ると
「君たちが、カウルを連れてきたテイマーだね」と村のリーダーらしき人に声をかけられた。
「はい。私がこのカウルの群れを連れてきた代表マーサです。他にレイとスイ、それにマリーとモルクです」と私の名前を変えて紹介をしてくれた。
(すいません私の名前違うんですが)と小声でマーサさんに話すと
(後で説明するわね。後、向こうではあなたの護衛が本当に有能か試しているからこのままで通してね)と言われて他の3人を見るとうなづいていた。どうやら本当の護衛は彼らだったらしい。

「はじめまして。スイと申します。ひとまずこの村に10頭お渡ししますね」
「連れてきたカウル全てですか?」
「いいえ全部で30頭テイムして途中の村で食料と交換してきました。しばらくはこちらに牧草ロールを置いていきますのでその間に整地をしてください」
「誰かテイマーがついてくれるのでは?」
「いいえそちらに一人おられますので彼との契約をしてもらいます」
「まさか私たちの中にもいるなんて」
「今まで必要とされていなかったのでしょう?だから気がつかなかっただけです。冒険者ギルドではテイマーの把握をしていますので、ケントさんをお願いします」とスイさんが言って渋々リーダーが連れてきてくれた。
「俺がケントだが?」そう不機嫌に言われたが、
「以前冒険者ギルドでテイマーとして仕事をされていましたよね」とマーサさんが尋ねると
「随分前のことだ。この開拓団に入ってからはやてねえ」といいうので
「大丈夫ですよ。今、こちらに残るカウルに聞いたら、契約をしたいそうです」と私がフォローを入れると
「お、お前カウルといや魔獣たちとも意思疎通ができるのか?」と聞かれたので
「仲良くなれなければできませんが大体はできますね」と答えておいた。とにかくこちらの村のテイマーさんであるケントさんに引き渡しが終了したので、ベースに行く前にこの村で1泊することにした。


村の近くに結界を張ってテントを張ると、
「先ほどは失礼いたしました。メアリ様」とマーサさんが言い出した。
「もう貴族ではないのだから敬語はやめてください」そういうと
「そうか。じゃあ言葉を元に戻させてもらう」とモルクさんが言った。
「そもそもなんで名前を変えなければならないの?」と聞くと
「簡単なことだ。お前の名前は滅多につけられない。初代王妃様の名前だからな」と言われた。
「それにどこに真名使いがいてあなたを自分に縛りつけないとも限らないわ」と答えてくれた。
「その為の愛称なのですね」そう言って私はこの名前を受け入れた。
「そういえば、私の護衛として雇われたジョエルは全然仕事をしていないみたいだけど?」と聞くと
「彼はメアリがいるフリをしているの。これができたら他の仕事も任せると言ってね」
「あいつ演技が下手くそだからな。うまくいっていれば良いのだが…」そう言って夕食の支度をしながら明日早く合流するために移動することとなった。





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