悪役同士の開拓生活

コリモ

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開拓地へ

水場確保1

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翌日、新しく入植する土地へ街道と街を作る場所への整地を兼ねて、昨日出発した一部の人たちと交代をしにモンマルト村を出発した。しばらくは草原が広がっており、その中を馬車がすれ違っても十分な幅をとった道が森の入り口まで続いていた。
「お疲れ様です。交代をしに来ました」そう言ってテンさんい声をかけた。
「おお。お疲れ。ここまでは草原だったから道をつけやすかったんだが、この先は水場を探すチームと道をつけるチーム、そしてベースになる宿泊施設を作るチーム、あと、休暇を取るチーム、など大体6チームに分かれて作業を再開しようと思うのだが、ひとまずカウルチームは後2日ほどかかると連絡が来たので、彼らにはこの近くで生活をしてもらうことになうから、柵を作っておかないといけないのもあるな」
「この近くに川は流れているのですか?」
「いいやその代わり湧き水がある。カイル悪いが、水脈を確認して井戸を掘ってくれるか?」
「了解です。俺一人でやるのは危険なこともあるので誰か付けて欲しいのですが」
「わかった。おい、ミリアいるか?」とテントの中に声をかけたら、
「兄さん何?」といかつい兄に比べて可愛い10代後半の女性が現れた。
「すまんこいつが、井戸を掘ってくれるからそれをサポートしてくれ。お前《クリエイト》使えたよな」
「使えるけど、何をさせるの?」
「手押しポンプを作って欲しいんだ」
「あれがあれば簡単に水汲みができるわよね」
「なんですかのその手押しポンプとは?」とカイルがきくと
「お前本当にいいとこの坊ちゃんなんだな。20年前に開発された物で、魔力や魔石がなくても簡単に水を汲むことができる物だ。お前の鍛冶スキルを使うにはわかっていないとできないからな。ミリアに作ってもらう」
「じゃあ、ひとまず《サーチ》を地面にかけて水脈を探りますね」
「頼む」そう言ってくれたので、俺とミリアさんはまず湧き水おあるところから水位脈を探り出しに移動して行った。

「で、どこの貴族令息?」移動している最中にミリアさんが聞いてきた。
「どうしてそう思うんだい?」と聞くと
「簡単よ。その所作と着ている物、後マジックバッグが半端無く性能が良い。それとあの魔石コンロの数かしら」
わあ、所作は仕方がないけど、子爵!!!マジックバッグ完全にバレていますよ!!!!!!!!!!
「後、あのレイ達3人どう見ても良いところの侍女さんでしょ。たまにカイルのこと坊っちゃまって言うし」
あの人たちは!!!!!!同じ冒険者として扱うって言いながら今だに坊っちゃま呼び直していなかったんだ…だんだん沈んでいく俺を見て
「まあ、動き易い服装と靴、開拓に必要な物を用意しているあたり、この開拓しごとを真剣に考えている証拠なんだよね」
「ありがとう。足手まといにならないように気をつける」
「まあ、あのお嬢に比べれば充分役に立っているわよ」
そう。あの元公爵令嬢は何もしない。動かない。途中馬車から降りて移動しなければならないところでも動かない。服装も街着ではあるが、貴族宛らな服装で料理もしないければ狩りもしない。本当のお嬢様なので、皆からお嬢と呼ばれているのは確かだ。
「仕方がないですよ。箱入り娘だったみたいですから」と良いとこのお嬢様程度に話をして俺から興味を逸らしたが、
「で、なにもの?」と改めて聞かれた。
「子爵家です。家を継ぐことができないので幼い時から冒険者登録をして鍛えていました。独立する際、父よりこのマジックバッグと侍女の3人を付けられました。ちなみに彼女らも冒険者です」と廃嫡については話を濁しておいた。
「そうなんだ。今回の開拓団にこの間騒ぎになった婚約破棄の当事者達が入っているていう噂があったんだけど、片方だけだったんだ」危ない危ない、めんどくさいことになるところだった。
「さて、この湧き水の状態を確認するとともに、水脈の確認をするよ」と現場に到着したところで早速地面に《サーチ》をかけた。
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