上 下
21 / 29
農村開発?

現着(改定)

しおりを挟む
転移の魔法陣によって僕らはエムル村の近くに移動した。
「かなり荒れているんだな」とぼくが言うと
「ああ。ほどんど村にいるのは年寄りだけだからな。これと言った産業があるわけじゃ無いから、ほとんどの若者は仕事を探しに王都に移ってしまう。典型的な農村だ」とエドが言った。
「じゃあ、ここでぼくらがやろうとしていることはこの村を救うことになるのかな?」と聞くと
「そうなるな。とにかく俺たちが生活する場所は確保させてもらってある。と言っても家を建てるところから始まるけれどな」とガイアスが言い、
《我々はこの辺りでしばらく生活していればいいのか?》とビッグホーンのリーダーが声をかけて来たので、
「しばらくはこの辺りにいていただきたいです。ただ、皆さんの紹介をしたいので、ひとまず村に近くまで一緒に来ていただけますか?」というと
《わかった。それでは移動しよう》と言って村の入り口まで移動した。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

村の入り口に近づくとエドが村長を連れて出て来てくれた。

「これは立派なビッグホーンの群れでは無いか。本当にこの村の近くに住み、我々の生活の手助けをしてくれるのか?」と聞いて来た。
「初めまして私はジーク、冒険者です。彼らの1頭の力は人の仕事量の数100倍です。人手が足りない地域の方達のためにモデルケースとしてお手伝いさせて欲しいとお伝えさせてもらったと思うのですが、何か不安でもございましたでしょうか?」と聞くと
「ここには何もない。あるのは荒れ果てた農地と乾いた土地だけだ。最近川を引いてもらったが、まだまだ難しい。それに、まだ村の者にも話をしていないんだ。むやみに恐怖を与えたくもない」
「わかりました。住居や牧草などの手配はこちらでいたします。近くで牧畜をいたしますので、気が向いたら顔を出してください。」そういってぼくらはビッグホーンの群れとともに村から離れていった。

「さて、これであの村には一応気を使わなくていいわけだ。場所は村長と話しておいたが、村の西側の川の下流を試験的に利用させてもらう事になった。その代わり、この辺りの水源や治安はきちんと守らないとな」とエドが言うと
《どうしてだ我々を拒んだのだから気にすることはないだろ》と言われたので、
「そんな事はない。みんなで利用するものだからこそ水源は大事だし、治安が良ければ色々な世代が安心してこちらに移住し易い。人が集まるところにはモノが動いて仕事ができる。だから治安と水場を確保しよう」そういってエルム村と街道の中間点より川下に我々の拠点となる場所を結界石を用いて作った。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界で生きていく。

モネ
ファンタジー
目が覚めたら異世界。 素敵な女神様と出会い、魔力があったから選ばれた主人公。 魔法と調合スキルを使って成長していく。 小さな可愛い生き物と旅をしながら新しい世界で生きていく。 旅の中で出会う人々、訪れる土地で色々な経験をしていく。 3/8申し訳ありません。 章の編集をしました。

「聖女に丸投げ、いい加減やめません?」というと、それが発動条件でした。※シファルルート

ハル*
ファンタジー
コミュ障気味で、中学校では友達なんか出来なくて。 胸が苦しくなるようなこともあったけれど、今度こそ友達を作りたい! って思ってた。 いよいよ明日は高校の入学式だ! と校則がゆるめの高校ということで、思いきって金髪にカラコンデビューを果たしたばかりだったのに。 ――――気づけば異世界?  金髪&淡いピンクの瞳が、聖女の色だなんて知らないよ……。 自前じゃない髪の色に、カラコンゆえの瞳の色。 本当は聖女の色じゃないってバレたら、どうなるの? 勝手に聖女だからって持ち上げておいて、聖女のあたしを護ってくれる誰かはいないの? どこにも誰にも甘えられない環境で、くじけてしまいそうだよ。 まだ、たった15才なんだから。 ここに来てから支えてくれようとしているのか、困らせようとしているのかわかりにくい男の子もいるけれど、ひとまず聖女としてやれることやりつつ、髪色とカラコンについては後で……(ごにょごにょ)。 ――なんて思っていたら、頭頂部の髪が黒くなってきたのは、脱色後の髪が伸びたから…が理由じゃなくて、問題は別にあったなんて。 浄化の瞬間は、そう遠くはない。その時あたしは、どんな表情でどんな気持ちで浄化が出来るだろう。 召喚から浄化までの約3か月のこと。 見た目はニセモノな聖女と5人の(彼女に王子だと伝えられない)王子や王子じゃない彼らのお話です。 ※残酷と思われるシーンには、タイトルに※をつけてあります。 29話以降が、シファルルートの分岐になります。 29話までは、本編・ジークムントと同じ内容になりますことをご了承ください。 本編・ジークムントルートも連載中です。

異世界帰りのダメ英雄

智恵 理侘
ファンタジー
 二年前、異世界で魔王を討伐した楠野浩介(くすのこうすけ)は自分の住む世界に戻ってきた。しかし二年という歳月は彼の人生にとっても大きな亀裂を招いてしまう。  英雄と呼ばれるも今ではニート、剣を振っていたのに今では掃除用具を振っている。次第に堕落してそんな日々に慣れてしまった浩介。  元英雄、今はニートである彼だが、少しずつその日常に変化が起きはじめる。  ※小説家になろうにて2016/12/19から掲載させていただいた「異世界帰りの駄目英雄」の書き直し版となっております。あちらとは内容が少々違う感じと、あちらでは完結しておりますが続きも書く予定です。

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

プロミネンス~~獣人だらけの世界にいるけどやっぱり炎が最強です~~

笹原うずら
ファンタジー
獣人ばかりの世界の主人公は、炎を使う人間の姿をした少年だった。 鳥人族の国、スカイルの孤児の施設で育てられた主人公、サン。彼は陽天流という剣術の師範であるハヤブサの獣人ファルに預けられ、剣術の修行に明け暮れていた。しかしある日、ライバルであるツバメの獣人スアロと手合わせをした際、獣の力を持たないサンは、敗北してしまう。 自信の才能のなさに落ち込みながらも、様々な人の励ましを経て、立ち直るサン。しかしそんなサンが施設に戻ったとき、獣人の獣の部位を売買するパーツ商人に、サンは施設の仲間を奪われてしまう。さらに、サンの事を待ち構えていたパーツ商人の一人、ハイエナのイエナに死にかけの重傷を負わされる。 傷だらけの身体を抱えながらも、みんなを守るために立ち上がり、母の形見のペンダントを握り締めるサン。するとその時、死んだはずの母がサンの前に現れ、彼の炎の力を呼び覚ますのだった。 炎の力で獣人だらけの世界を切り開く、痛快大長編異世界ファンタジーが、今ここに開幕する!!!

やさしい魔法と君のための物語。

雨色銀水
ファンタジー
これは森の魔法使いと子供の出会いから始まる、出会いと別れと再会の長い物語――。 ※第一部「君と過ごしたなもなき季節に」編あらすじ※ かつて罪を犯し、森に幽閉されていた魔法使いはある日、ひとりの子供を拾う。 ぼろぼろで小さな子供は、名前さえも持たず、ずっと長い間孤独に生きてきた。 孤独な魔法使いと幼い子供。二人は不器用ながらも少しずつ心の距離を縮めながら、絆を深めていく。 失ったものを埋めあうように、二人はいつしか家族のようなものになっていき――。 「ただ、抱きしめる。それだけのことができなかったんだ」 雪が溶けて、春が来たら。 また、出会えると信じている。 ※第二部「あなたに贈るシフソフィラ」編あらすじ※ 王国に仕える『魔法使い』は、ある日、宰相から一つの依頼を受ける。 魔法石の盗難事件――その事件の解決に向け、調査を始める魔法使いと騎士と弟子たち。 調査を続けていた魔法使いは、一つの結末にたどり着くのだが――。 「あなたが大好きですよ、誰よりもね」 結末の先に訪れる破滅と失われた絆。魔法使いはすべてを失い、物語はゼロに戻る。 ※第三部「魔法使いの掟とソフィラの願い」編あらすじ※ 魔法使いであった少年は罪を犯し、大切な人たちから離れて一つの村へとたどり着いていた。 そこで根を下ろし、時を過ごした少年は青年となり、ひとりの子供と出会う。 獣の耳としっぽを持つ、人ならざる姿の少女――幼い彼女を救うため、青年はかつての師と罪に向き合い、立ち向かっていく。 青年は自分の罪を乗り越え、先の未来をつかみ取れるのか――? 「生きる限り、忘れることなんかできない」 最後に訪れた再会は、奇跡のように涙を降らせる。 第四部「さよならを告げる風の彼方に」編 ヴィルヘルムと魔法使い、そしてかつての英雄『ギルベルト』に捧ぐ物語。 ※他サイトにも同時投稿しています。

クリスの物語

daichoro
ファンタジー
 地底世界や海底世界、空中都市や風光都市など世界中を駆け巡る壮大なスケールで描かれる冒険物語全4部作。剣と魔法の王道ファンタジーにスピリチュアル的視点を交えた、新しいカタチの長編ファンタジーストーリー。  小学校6年生のクリスは、学校でいじめに遭い人生に何も楽しいことが見出せなかった。唯一の生きる糧は愛犬ベベの存在だった。しかし、そんなベベがある日突然死んでしまう。悲しみに暮れるクリスだったが、ベベの死をきっかけに前世の人生を垣間見ることになる。  時代は紀元前。愛する人を救うべく、薬売りの老婆から指示されるまま地底世界へと誘われた前世の自分。運命に導かれるまま守護ドラゴンや地底人との出会いを果たし、地底図書館で真実を追い求める。  しかし、情報に翻弄された挙げ句、望む結果を得られずに悲しい結末を迎えてしまう。そんな前世の記憶を思い出したのは決して偶然ではなかった。  現代に戻ったクリスは自分の置かれた運命を知り、生まれ変わったかのように元の明るい性格を取り戻した。そして周囲の対応もまったく違った対応となっていた。  そんなクリスのもとへ、地底世界で出会ったドラゴンのエランドラや地底人のクレアたちがやってくる。その目的は、闇の勢力から地球を救うため。  現在、地球は次元上昇【アセンション】の時期を迎えていて、光の惑星へと目覚めつつある。ところが、闇の勢力が何としてもそれを阻止して、消滅させてしまおうと躍起になっているという。  アセンションを成功させるには、伝説のドラゴン【超竜】のパワーを秘めるドラゴンの石【クリスタルエレメント】を入手する必要がある。そして、クリスはそのクリスタルエレメントを手に入れる資格のある『選ばれし者』だということだった。  クリスは、守護ドラゴンや仲間たちと共に海底都市や風光都市へといざなわれ、各地にちらばるクリスタルエレメントを探し求める冒険へと旅立つ。  やがて、すべてのクリスタルエレメントを手に入れたクリスたちだったが、ひょんなことから闇の勢力にそれらすべてを奪われてしまう。  そして遂に闇の勢力の本拠地へ乗り込み、最終決戦に臨むことに─────  ぜひ、お楽しみください♪

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

処理中です...