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序章

閑話 国王の憂い

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 ジェームス第3王子を本人の希望とは言え平民にする。本来ならば、臣籍降下か隣国の王配として関係を強化するなどのコマとして残すのが常套手段だというが…
息子を差し出してまで関係強化しなければならない国もなく、今回の失態で新たに公爵位を授けるわけにの行かず、また婿としての貰い手がまず無い。仕方のないこととは言え冒険者達と同じようなことをするという。今まで王子として生きてきた者に平民の暮らしができるのか?いや難しいだろ。どうしたものか…

コンコン
「父上。いま宜しいでしょうか」
マリアーヌ王太子か。いいぞ入れ」そう声をかけるとマリアーヌが入ってきた。
「これまでのジェームスの行動や言動などを護衛の騎士達から聞き取ってまいりました」
「聞こう」
「は。まず、入学から2年間、学園生活はごく普通に公爵家を支えるものとしての教育を受けていたのですが、2年目の夏に友人達と孤児院へ行かれた折、スラム街と孤児達の現状を知り、ご自身も冒険者に登録」
「ちょっと待て、では冒険者としての実績は?」
「話によると4年目。Cクラスとのことです」
「では休日や休暇の度に王宮にいなかったのは」
「共に登録をした護衛騎士と依頼をこなしていたと」
「それならこの度の申し出に納得する」
「なお、登録後は学園以外でも剣術や魔法について研鑽していたと、宮廷魔法師と騎士団長より報告が上がっています」
「あいわかった。で、其方の意見としては」
「懇意にしているギルマスと孤児院を含めたスラム街の者を、北の草原地帯への開拓団へ組み込むことです」
「その理由は」
「これまで冒険者として携わってきた者達をジェームスは見捨てられないと思います。共に同じ開拓団なら無茶もしないでしょう」
「そうだな。ではこの書類を冒険者ギルドに届けてほしい」そう言って”新たな開拓村におけるギルドの創設およびギルマスについて”の書類を渡すと
「では失礼します」そう言ってマリアーヌは出て行った。






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
学園は11歳から6年間通い、18歳で成人
ギルマスはジェームスの立場は知っていたが黙認。比較的無理のない子供達への剣術や魔法を教える依頼をしていた。
子供達の薬草採取などで護衛もしていたので孤児達とは仲がいい。
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