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夏祭り②
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屋台がズラズラと並び どこから見ようか迷ってしまうくらい屋台が並んでいた
世話係さんがくるりと回り俺達の方を向いた
「若 真彦さんお好きな物をどうぞ・・・」
「真彦は何がいいんだ?」
(そうだなぁ~)
俺は並んでいる屋台に目を向けた
ふと俺は忍が気になった
俺はしゃがんで忍の目線で屋台を見た
(忍の背丈だとあまり良く見えないなぁ~)
「忍 抱っこしていい?」
俺が忍にそう聞くと忍は俺にうなづいた
俺が忍を持ち上げると忍は声を出して笑った
「良かったなぁ~忍」
忍は龍の方を向いた
「俺 忍の声初めて聞いたよ」
「そうかぁ~? 今日はたくさん聞けるんじゃねぇ~のか?」
「そうだといいなぁ~ なぁ~忍」
俺はそう言って忍の方を向いたけれど
忍は屋台の様子に夢中で 俺の声など届いてはいない様子だった
屋台を歩いているとすぐにいい匂いがして来た
俺はその匂いに誘われイカ焼きの前に立っていた
「へいいらっしゃい 焼き立てだよ」
屋台のおじさんが威勢よくそう言った
「真彦 イカ焼きがいいのか」
後ろから龍の声がした
「あっでも忍はまだ食べられないかぁ~」
「いや 大丈夫だ俺と半分ずつにする」
世話係さんが俺の隣へ
「若ともう一つでいいですか? じゃ~これを2つ頼む」
「あっお世話になっておりやす 焼き立て準備させていただきやす」
「どうだ売れ行きは?」
「へい 順調ですね 雨も降らなさそうで良かったです」
「そうか」
俺は忍を抱っこしたまま
焼き上がるイカ焼きを見ていた
(めちゃくちゃうまそう イカの焼ける匂いって何でこんなにいい匂いなんだろう・・・)
「お待たせしやした 熱いので気を付けてお持ち下さい」
そう言って世話係さんが受け取ってくれた
「ここではお邪魔になるので裏へ参りやしょう」
世話係さんはそう言って屋台の裏側へ
「若 真彦さん熱いうちに召し上がって下さい」
俺は忍をおろした
「真彦 忍は重たかっただろう・・・」
「いや 忍が俺にも抱っこさせてくれた事の方が嬉しかったよ」
「真彦 答えになってねぇ~よ なぁ~忍・・・」
そう言って龍は忍の方を向き忍も龍の方を向いていた
(う~忍がカワイイ・・・ 俺の方もそうやって向いてくれねぇ~かなぁ~)
世話係さんはイカ焼きを俺と龍に渡してくれた
「若 すいやせん あっしはちょっと気になる事があるので行きます あっしが戻るまでここを動かないで下さい」
「あぁ~わかった」
「では行って参りやす」
そう言って世話係さんは屋台の方へと行ってしまった
「冷めるぞ・・・」
「あっうん いただきます」
「忍はこの真ん中の柔らかそうな所を食べろ」
龍は忍の口元へいか焼きを近づけると
小さな忍の口が開いた
「どうだ?」
忍はモグモグと美味しそうに食べていた
俺もいか焼きを食べてみた
「めちゃくちゃうめ~」
(やっぱ出来立ては最高だなぁ~)
俺はいか焼きを夢中で食べていた
「真彦 もう少しゆっくり食べろ・・・」
「いや 腹減ってたからスゲーうまい・・・」
俺は一足早く食べ終わり 龍と忍を見ていた
「世話係さんって・・・」
「あぁ~ 野暮用だろう・・・」
「屋台の人って知り合いなの?」
「まぁ~そんなところだろう・・・」
「もしかして屋台の人みんな?」
龍は小さくうなづいた
「アイツが仕切ってるも同じだからなぁ~ しかしアイツが来ねぇ~と動けねぇ~ なんせ俺達は一文無しだからなぁ~ なぁ~忍・・・」
そう言って龍は忍といか焼きを食べていた
(えっこの屋台の人みんなって事 しかも世話係さんが仕切ってるのか・・・ えっどういう事? もしかして俺って凄い人と今一緒に居るって事・・・ そうだよなぁ~ だって龍の世話係さんだった人だからなぁ~ あれ待って龍って藤堂組の跡取りでそんな龍の世話係をしていた人って めちゃくちゃ藤堂組でもトップなんじゃねぇ~ 俺そんな人と今まで気軽に話かけてた・・・)
「龍 もしかして世話係さんって偉い人?」
「真彦にとってはどうでもいい話なんじゃねぇ~の?」
「そうだけど・・・」
「アイツの前でそんな事を言うなよ アイツは少しもそんな事思ってねぇ~からなぁ~」
(真彦のおかげで思い出した・・・ 俺まだアイツにお礼を言ってなかった・・・)
「忍も良く食べるなぁ~ 美味しいか?」
「美味しい」
龍と忍はそう言いながらいか焼きを食べていた
俺は美味しいと言った忍の言葉にしゃがんで忍を見ていた
「忍と俺の好みが一緒なのかなぁ~?」
俺は忍の方を向いてそう言った
「祭りの雰囲気もあるだろうなぁ~ 屋台の焼きそばも美味しく感じるもんなぁ~」
「何でそこ龍が答える?」
「忍に味の好みとか難しい事聞くからだろう・・・」
「そっか・・・」
(忍も俺に難しい事聞かれて困ってたのか・・・)
「あれそう言えば渚は? 祭りに来てないの?」
「渚は世話係と友達誘って来てる どっかに居るんだろう・・・」
「そうなんだ・・・」
(渚は友達と・・・ 龍と違って渚は友達が多そうだもんなぁ~)
俺は龍と渚の性格の違いを感じていた
龍が忍の事を話始めた
「忍さぁ~ 来年から幼稚園に行くんだ・・・」
「そっか・・・ それじゃ~たくさん友達が出来るんだなぁ~」
「だといいんだけどなぁ~」
「忍はカワイイからすぐに友達が出来るよ 龍は何が心配なのさぁ~」
「いや 俺と渚の前では良く笑うししゃべる様にもなった ただ同じくらいの友達は初めて会う うまくコミュニケーションが取れるのか 渚は幼稚園に馴染めず結局行く事が出来なかったからなぁ~」
「渚だって 幼稚園の時はそうだったのかもしれなかったけど 今は友達と祭りに来られるくらい友達がたくさん居るんだ 龍が心配しなくても 忍はちゃんと友達が出来ると思うよ」
俺は真彦にそう言われ俺達から少し離れた忍に目を向けた
俺も何かにジッと目を向けている忍に目を向けた
(忍は大丈夫なんだろうか イジメられたりして 泣いて帰って来そうで俺にはならない だけど俺がいくら心配しても忍の問題なんだよなぁ~)
真彦は忍の所へと向かった
「忍 何見てんの?」
忍はしゃがんで何かをジッと見ていた
「えっ虫?」
忍が俺を見上げていた
(何の虫だ?)
俺もしゃがんでその虫を見てみた
「えっこれって カブトムシにメスじゃん」
「動かないよ」
「下に降りて来ちゃったのかもね 木に戻してあげよう」
「かまない?」
「大丈夫だよ」
俺はカブトムシのメスを持ち上げ木に乗せた
するとカブトムシのメスは木を登り始めた
「忍 見てごらん」
俺はそう言って忍をまた持ち上げ抱っこした
「動いた」
「木につかまって安心したのかもなぁ~ 忍も知らない所は怖いだろう・・・」
「うん」
「虫もそうだったのかもなぁ~」
「何してんだ?」
龍の声がして振り返った
「龍 忍がカブトムシのメスを見つけてさぁ~」
「そうか この辺りは木が多いからなぁ~ 飛んで来たのかもなぁ~」
「ホント住宅街に森が現れたって感じだよなぁ~ 俺の育った田舎を思い出す」
「そう言えば行ったなぁ~」
「龍覚えてる」
「覚えてるよ 凄い山を真彦がすいすい登って行って驚いた」
「えっ俺そんな風に見えてたの?」
「あれは野生児そのものだ」
「何だよそれ・・・」
俺と龍は笑っていた
「若 すいやせんお待たせ致しやした」
「何かトラブルか?」
「いえ カタギさんに迷惑をかけない様にと伝達と社務所に先に挨拶を・・・」
「そうか 何もないならいい・・・」
「すいやせん 若に心配をかけてしまって・・・」
「いや 大丈夫だ」
「忍さんはいいですねぇ~ 真彦さんに抱っこされやして・・・ 真彦さん大丈夫ですか?」
「あっいやぜんぜん 迷子にならなくていいし 俺も忍の顔が近くで見られていい・・・」
「腕が痛いとか言うなよ」
「言わねぇ~よ 忍を独り占め出来てラッキーだよ」
「そうかよ」
「何だ龍 うらやましいのか? 龍も抱っこしてやろうか?」
「何バカな事言ってんだ 次行くぞ」
そう言って龍は歩き出した
俺は声を出して笑った
「相変わらず若と真彦さんは仲がいいですね」
俺の隣で世話係さんがそう言った
(つづく)
世話係さんがくるりと回り俺達の方を向いた
「若 真彦さんお好きな物をどうぞ・・・」
「真彦は何がいいんだ?」
(そうだなぁ~)
俺は並んでいる屋台に目を向けた
ふと俺は忍が気になった
俺はしゃがんで忍の目線で屋台を見た
(忍の背丈だとあまり良く見えないなぁ~)
「忍 抱っこしていい?」
俺が忍にそう聞くと忍は俺にうなづいた
俺が忍を持ち上げると忍は声を出して笑った
「良かったなぁ~忍」
忍は龍の方を向いた
「俺 忍の声初めて聞いたよ」
「そうかぁ~? 今日はたくさん聞けるんじゃねぇ~のか?」
「そうだといいなぁ~ なぁ~忍」
俺はそう言って忍の方を向いたけれど
忍は屋台の様子に夢中で 俺の声など届いてはいない様子だった
屋台を歩いているとすぐにいい匂いがして来た
俺はその匂いに誘われイカ焼きの前に立っていた
「へいいらっしゃい 焼き立てだよ」
屋台のおじさんが威勢よくそう言った
「真彦 イカ焼きがいいのか」
後ろから龍の声がした
「あっでも忍はまだ食べられないかぁ~」
「いや 大丈夫だ俺と半分ずつにする」
世話係さんが俺の隣へ
「若ともう一つでいいですか? じゃ~これを2つ頼む」
「あっお世話になっておりやす 焼き立て準備させていただきやす」
「どうだ売れ行きは?」
「へい 順調ですね 雨も降らなさそうで良かったです」
「そうか」
俺は忍を抱っこしたまま
焼き上がるイカ焼きを見ていた
(めちゃくちゃうまそう イカの焼ける匂いって何でこんなにいい匂いなんだろう・・・)
「お待たせしやした 熱いので気を付けてお持ち下さい」
そう言って世話係さんが受け取ってくれた
「ここではお邪魔になるので裏へ参りやしょう」
世話係さんはそう言って屋台の裏側へ
「若 真彦さん熱いうちに召し上がって下さい」
俺は忍をおろした
「真彦 忍は重たかっただろう・・・」
「いや 忍が俺にも抱っこさせてくれた事の方が嬉しかったよ」
「真彦 答えになってねぇ~よ なぁ~忍・・・」
そう言って龍は忍の方を向き忍も龍の方を向いていた
(う~忍がカワイイ・・・ 俺の方もそうやって向いてくれねぇ~かなぁ~)
世話係さんはイカ焼きを俺と龍に渡してくれた
「若 すいやせん あっしはちょっと気になる事があるので行きます あっしが戻るまでここを動かないで下さい」
「あぁ~わかった」
「では行って参りやす」
そう言って世話係さんは屋台の方へと行ってしまった
「冷めるぞ・・・」
「あっうん いただきます」
「忍はこの真ん中の柔らかそうな所を食べろ」
龍は忍の口元へいか焼きを近づけると
小さな忍の口が開いた
「どうだ?」
忍はモグモグと美味しそうに食べていた
俺もいか焼きを食べてみた
「めちゃくちゃうめ~」
(やっぱ出来立ては最高だなぁ~)
俺はいか焼きを夢中で食べていた
「真彦 もう少しゆっくり食べろ・・・」
「いや 腹減ってたからスゲーうまい・・・」
俺は一足早く食べ終わり 龍と忍を見ていた
「世話係さんって・・・」
「あぁ~ 野暮用だろう・・・」
「屋台の人って知り合いなの?」
「まぁ~そんなところだろう・・・」
「もしかして屋台の人みんな?」
龍は小さくうなづいた
「アイツが仕切ってるも同じだからなぁ~ しかしアイツが来ねぇ~と動けねぇ~ なんせ俺達は一文無しだからなぁ~ なぁ~忍・・・」
そう言って龍は忍といか焼きを食べていた
(えっこの屋台の人みんなって事 しかも世話係さんが仕切ってるのか・・・ えっどういう事? もしかして俺って凄い人と今一緒に居るって事・・・ そうだよなぁ~ だって龍の世話係さんだった人だからなぁ~ あれ待って龍って藤堂組の跡取りでそんな龍の世話係をしていた人って めちゃくちゃ藤堂組でもトップなんじゃねぇ~ 俺そんな人と今まで気軽に話かけてた・・・)
「龍 もしかして世話係さんって偉い人?」
「真彦にとってはどうでもいい話なんじゃねぇ~の?」
「そうだけど・・・」
「アイツの前でそんな事を言うなよ アイツは少しもそんな事思ってねぇ~からなぁ~」
(真彦のおかげで思い出した・・・ 俺まだアイツにお礼を言ってなかった・・・)
「忍も良く食べるなぁ~ 美味しいか?」
「美味しい」
龍と忍はそう言いながらいか焼きを食べていた
俺は美味しいと言った忍の言葉にしゃがんで忍を見ていた
「忍と俺の好みが一緒なのかなぁ~?」
俺は忍の方を向いてそう言った
「祭りの雰囲気もあるだろうなぁ~ 屋台の焼きそばも美味しく感じるもんなぁ~」
「何でそこ龍が答える?」
「忍に味の好みとか難しい事聞くからだろう・・・」
「そっか・・・」
(忍も俺に難しい事聞かれて困ってたのか・・・)
「あれそう言えば渚は? 祭りに来てないの?」
「渚は世話係と友達誘って来てる どっかに居るんだろう・・・」
「そうなんだ・・・」
(渚は友達と・・・ 龍と違って渚は友達が多そうだもんなぁ~)
俺は龍と渚の性格の違いを感じていた
龍が忍の事を話始めた
「忍さぁ~ 来年から幼稚園に行くんだ・・・」
「そっか・・・ それじゃ~たくさん友達が出来るんだなぁ~」
「だといいんだけどなぁ~」
「忍はカワイイからすぐに友達が出来るよ 龍は何が心配なのさぁ~」
「いや 俺と渚の前では良く笑うししゃべる様にもなった ただ同じくらいの友達は初めて会う うまくコミュニケーションが取れるのか 渚は幼稚園に馴染めず結局行く事が出来なかったからなぁ~」
「渚だって 幼稚園の時はそうだったのかもしれなかったけど 今は友達と祭りに来られるくらい友達がたくさん居るんだ 龍が心配しなくても 忍はちゃんと友達が出来ると思うよ」
俺は真彦にそう言われ俺達から少し離れた忍に目を向けた
俺も何かにジッと目を向けている忍に目を向けた
(忍は大丈夫なんだろうか イジメられたりして 泣いて帰って来そうで俺にはならない だけど俺がいくら心配しても忍の問題なんだよなぁ~)
真彦は忍の所へと向かった
「忍 何見てんの?」
忍はしゃがんで何かをジッと見ていた
「えっ虫?」
忍が俺を見上げていた
(何の虫だ?)
俺もしゃがんでその虫を見てみた
「えっこれって カブトムシにメスじゃん」
「動かないよ」
「下に降りて来ちゃったのかもね 木に戻してあげよう」
「かまない?」
「大丈夫だよ」
俺はカブトムシのメスを持ち上げ木に乗せた
するとカブトムシのメスは木を登り始めた
「忍 見てごらん」
俺はそう言って忍をまた持ち上げ抱っこした
「動いた」
「木につかまって安心したのかもなぁ~ 忍も知らない所は怖いだろう・・・」
「うん」
「虫もそうだったのかもなぁ~」
「何してんだ?」
龍の声がして振り返った
「龍 忍がカブトムシのメスを見つけてさぁ~」
「そうか この辺りは木が多いからなぁ~ 飛んで来たのかもなぁ~」
「ホント住宅街に森が現れたって感じだよなぁ~ 俺の育った田舎を思い出す」
「そう言えば行ったなぁ~」
「龍覚えてる」
「覚えてるよ 凄い山を真彦がすいすい登って行って驚いた」
「えっ俺そんな風に見えてたの?」
「あれは野生児そのものだ」
「何だよそれ・・・」
俺と龍は笑っていた
「若 すいやせんお待たせ致しやした」
「何かトラブルか?」
「いえ カタギさんに迷惑をかけない様にと伝達と社務所に先に挨拶を・・・」
「そうか 何もないならいい・・・」
「すいやせん 若に心配をかけてしまって・・・」
「いや 大丈夫だ」
「忍さんはいいですねぇ~ 真彦さんに抱っこされやして・・・ 真彦さん大丈夫ですか?」
「あっいやぜんぜん 迷子にならなくていいし 俺も忍の顔が近くで見られていい・・・」
「腕が痛いとか言うなよ」
「言わねぇ~よ 忍を独り占め出来てラッキーだよ」
「そうかよ」
「何だ龍 うらやましいのか? 龍も抱っこしてやろうか?」
「何バカな事言ってんだ 次行くぞ」
そう言って龍は歩き出した
俺は声を出して笑った
「相変わらず若と真彦さんは仲がいいですね」
俺の隣で世話係さんがそう言った
(つづく)
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