65 / 148
3学期
しおりを挟む
榎本は部活が始まり 会えなくなった日からも 寒い日が続いていた
僕は畳の部屋で コタツに入りながら本を読み ふと外をながめた
こんな寒い中榎本達は 部活をしているんだと思うと 僕は凄いなぁ~と思うばがりだった
今日から 3学期の始まり
僕は久しぶりの制服に 身が引き締まる思いがした
僕が部屋を出ると お母さんが奥から僕のところへ
「悠 いってらっしゃい 忘れ物はない大丈夫」
「お母さん 全部持ったよ大丈夫 いってきます」
僕はマフラーをしっかりと巻いて 玄関を開けた
風は冷たく 息を吸い込むと僕の鼻がツンと痛んだ
生徒はまばらで 僕はグランドに目を向けた
(榎本はここで毎日頑張ってたんだなぁ~)
僕は昇降口で 上履きに履き替え階段を上った
教室に入り席に座ると 副ちゃんの声が聞こえてきた
「高橋君 おはよう」
委員長と副ちゃんが並んで 教室に入って来て 副ちゃんは僕の隣に座った
「委員長 副ちゃん おはよう」
「高橋君はどんな冬休みだった 初詣で行った?」
副ちゃんはそう言って 僕に笑顔を向けてくれた
「えっうん 行ったよ」
「私も委員長と」
そう言いながら副ちゃんは 委員長に視線を向けた
「もう恒例行事みたいな感じだよなぁ~」
「そうだねぇ~ 楽しかったね」
(本当に委員長と副ちゃんは お似合いのカップルだなぁ~)
僕が 委員長と副ちゃんに見とれていると 副ちゃんの笑顔が僕に向けられた
「高橋君は誰と初詣でに行ったの?」
副ちゃんにそう聞かれ 僕は素直に答えてしまった
「僕は榎本に誘われて・・・」
「おはよう」
僕の言葉をさえぎる様に 須藤さんの大きな声が聞こえた
「何の話してたの?」
リーダーと須藤さんが 委員長と副ちゃんのところへ
委員長が振り向き リーダーと須藤さんと話をしていた
副ちゃんは 僕の方へ笑顔を向け 小さな声でこう言った
「榎本君と初詣でに行ったの?」
僕は副ちゃんに首を振った
「2人でじゃ~ないよ・・・ サッカー部の人達と一緒にだよ」
(榎本早く登校して来て・・・ 副ちゃんが怖いよ・・・)
僕は教室のドアをチラチラと見ていた
「高橋君 初詣で楽しかった?」
副ちゃんはまだ 僕の方を向いていた
委員長とリーダーと須藤さんは 楽しそうに話をしている
(どうしよう・・・ 副ちゃんが凄い笑顔だ・・・)
榎本が大塚君と話しながら 教室へと入って来た
「悠 おはよう」
(良かった・・・ 榎本が教室に入って来てくれた)
榎本は自分の席にカバンを置いて 真っ直ぐ僕の方へと歩いて来た
それと同時に大塚君は 委員長の方へ
僕は榎本に救いを求める様に 榎本の事を見ていた
「榎本君 おはよう」
「副ちゃん おはよう」
(何か悠の様子が・・・ 何か副ちゃんに言われたのか~?)
「今ねぇ~ 高橋君と初詣での話してたんだ」
(あぁ~それで・・・ 悠のこの顔・・・)
「サッカー部で毎年行くんだ・・・ だから俺 悠も一緒にって誘ったんだよ テニス部はそういうのねぇ~の?」
僕は榎本の言葉にうなずいていた
「テニス部は そういう話出た事ないよ~ 私は毎年 委員長と一緒に行ってるよ 小さい頃は委員長の家族とうちの家族で ゾロゾロと行ってたんだけどねぇ~」
チャイムが鳴り みんなが教室に入って来た
榎本のおかげで僕は助かった
榊先生が教室に入って来た
「みんな~おはよう」
先生は 教室を見渡した
「今日の欠席者は居ないなぁ~ 今日はグランドじゃ~なく これから体育館へ移動する みんな廊下へ並んでkれ」
先生の言葉でみんなが動き 僕達は廊下へと並んだ
「高橋」
大塚君の声に僕は振り返った
「ちょっと待て」
「えっ 何?」
大塚君が僕の前に立って 僕の頭に手を乗せた
リーダーと須藤さんが 僕と大塚君を見て言った
「何? 背比べてしてるの?」
そこへ榎本も加わった
「やっぱ悠 背伸びた? 初詣での時思ったんだけど」
「でも そんな変わんなくない?」
須藤さんの言葉に 大塚君はクルリと回り 僕と背中を付けた
「どっちが高い?」
「悠じゃ~ねぇ~」
榎本の言葉にリーダーと須藤さんが 僕と大塚君を見比べていた
「そうかも」
「でも少しだよ」
大塚君が僕から離れた
「マジかよ・・・ 高橋それ以上 背伸ばすなよ」
(そんな事言われても・・・)
「隆それは無理じゃねぇ~ 悠はまだこれから伸びると俺は思う」
(まぁ~いい感じに 悠の背は伸びるんじゃねぇ~かなぁ~)
「マジかよ~ 俺 背まで抜かれたら 高橋に何にも勝てねぇ~じゃん」
大塚君の言葉に 僕は黙ってはいられなかった
「大塚君は 僕なんかよりずっと凄いよ・・・ みんなを引っ張っていけるし サッカーもうまいし 優しいし・・・」
僕はただ必死だった
(どうしよう・・・ 言葉がこれ以上続かない)
みんなが体育館へと移動し始め 大塚君は他の人と話をしはじめてしまった
「悠」
「榎本 僕・・・ 大塚君になんて言えば・・・」
「悠は気にし過ぎなんだよ 隆はあぁ~言いたかっただけだ 悠は何も気にしなくていい・・・ 隆は根に持つヤツでもねぇ~し大丈夫だ」
榎本は笑ってそう言ってくれた
(それよりも俺は 外で悠の事を抱きしめた事怒ってないのか スゲー気になってるんだけど・・・ それこそ俺の気にし過ぎなのか 悠と普通に話せてるし大丈夫なのか・・・)
(つづく)
僕は畳の部屋で コタツに入りながら本を読み ふと外をながめた
こんな寒い中榎本達は 部活をしているんだと思うと 僕は凄いなぁ~と思うばがりだった
今日から 3学期の始まり
僕は久しぶりの制服に 身が引き締まる思いがした
僕が部屋を出ると お母さんが奥から僕のところへ
「悠 いってらっしゃい 忘れ物はない大丈夫」
「お母さん 全部持ったよ大丈夫 いってきます」
僕はマフラーをしっかりと巻いて 玄関を開けた
風は冷たく 息を吸い込むと僕の鼻がツンと痛んだ
生徒はまばらで 僕はグランドに目を向けた
(榎本はここで毎日頑張ってたんだなぁ~)
僕は昇降口で 上履きに履き替え階段を上った
教室に入り席に座ると 副ちゃんの声が聞こえてきた
「高橋君 おはよう」
委員長と副ちゃんが並んで 教室に入って来て 副ちゃんは僕の隣に座った
「委員長 副ちゃん おはよう」
「高橋君はどんな冬休みだった 初詣で行った?」
副ちゃんはそう言って 僕に笑顔を向けてくれた
「えっうん 行ったよ」
「私も委員長と」
そう言いながら副ちゃんは 委員長に視線を向けた
「もう恒例行事みたいな感じだよなぁ~」
「そうだねぇ~ 楽しかったね」
(本当に委員長と副ちゃんは お似合いのカップルだなぁ~)
僕が 委員長と副ちゃんに見とれていると 副ちゃんの笑顔が僕に向けられた
「高橋君は誰と初詣でに行ったの?」
副ちゃんにそう聞かれ 僕は素直に答えてしまった
「僕は榎本に誘われて・・・」
「おはよう」
僕の言葉をさえぎる様に 須藤さんの大きな声が聞こえた
「何の話してたの?」
リーダーと須藤さんが 委員長と副ちゃんのところへ
委員長が振り向き リーダーと須藤さんと話をしていた
副ちゃんは 僕の方へ笑顔を向け 小さな声でこう言った
「榎本君と初詣でに行ったの?」
僕は副ちゃんに首を振った
「2人でじゃ~ないよ・・・ サッカー部の人達と一緒にだよ」
(榎本早く登校して来て・・・ 副ちゃんが怖いよ・・・)
僕は教室のドアをチラチラと見ていた
「高橋君 初詣で楽しかった?」
副ちゃんはまだ 僕の方を向いていた
委員長とリーダーと須藤さんは 楽しそうに話をしている
(どうしよう・・・ 副ちゃんが凄い笑顔だ・・・)
榎本が大塚君と話しながら 教室へと入って来た
「悠 おはよう」
(良かった・・・ 榎本が教室に入って来てくれた)
榎本は自分の席にカバンを置いて 真っ直ぐ僕の方へと歩いて来た
それと同時に大塚君は 委員長の方へ
僕は榎本に救いを求める様に 榎本の事を見ていた
「榎本君 おはよう」
「副ちゃん おはよう」
(何か悠の様子が・・・ 何か副ちゃんに言われたのか~?)
「今ねぇ~ 高橋君と初詣での話してたんだ」
(あぁ~それで・・・ 悠のこの顔・・・)
「サッカー部で毎年行くんだ・・・ だから俺 悠も一緒にって誘ったんだよ テニス部はそういうのねぇ~の?」
僕は榎本の言葉にうなずいていた
「テニス部は そういう話出た事ないよ~ 私は毎年 委員長と一緒に行ってるよ 小さい頃は委員長の家族とうちの家族で ゾロゾロと行ってたんだけどねぇ~」
チャイムが鳴り みんなが教室に入って来た
榎本のおかげで僕は助かった
榊先生が教室に入って来た
「みんな~おはよう」
先生は 教室を見渡した
「今日の欠席者は居ないなぁ~ 今日はグランドじゃ~なく これから体育館へ移動する みんな廊下へ並んでkれ」
先生の言葉でみんなが動き 僕達は廊下へと並んだ
「高橋」
大塚君の声に僕は振り返った
「ちょっと待て」
「えっ 何?」
大塚君が僕の前に立って 僕の頭に手を乗せた
リーダーと須藤さんが 僕と大塚君を見て言った
「何? 背比べてしてるの?」
そこへ榎本も加わった
「やっぱ悠 背伸びた? 初詣での時思ったんだけど」
「でも そんな変わんなくない?」
須藤さんの言葉に 大塚君はクルリと回り 僕と背中を付けた
「どっちが高い?」
「悠じゃ~ねぇ~」
榎本の言葉にリーダーと須藤さんが 僕と大塚君を見比べていた
「そうかも」
「でも少しだよ」
大塚君が僕から離れた
「マジかよ・・・ 高橋それ以上 背伸ばすなよ」
(そんな事言われても・・・)
「隆それは無理じゃねぇ~ 悠はまだこれから伸びると俺は思う」
(まぁ~いい感じに 悠の背は伸びるんじゃねぇ~かなぁ~)
「マジかよ~ 俺 背まで抜かれたら 高橋に何にも勝てねぇ~じゃん」
大塚君の言葉に 僕は黙ってはいられなかった
「大塚君は 僕なんかよりずっと凄いよ・・・ みんなを引っ張っていけるし サッカーもうまいし 優しいし・・・」
僕はただ必死だった
(どうしよう・・・ 言葉がこれ以上続かない)
みんなが体育館へと移動し始め 大塚君は他の人と話をしはじめてしまった
「悠」
「榎本 僕・・・ 大塚君になんて言えば・・・」
「悠は気にし過ぎなんだよ 隆はあぁ~言いたかっただけだ 悠は何も気にしなくていい・・・ 隆は根に持つヤツでもねぇ~し大丈夫だ」
榎本は笑ってそう言ってくれた
(それよりも俺は 外で悠の事を抱きしめた事怒ってないのか スゲー気になってるんだけど・・・ それこそ俺の気にし過ぎなのか 悠と普通に話せてるし大丈夫なのか・・・)
(つづく)
0
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる