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僕の実家へ③
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玄関へ行くとご近所の人達が何人か集まりお兄さん達を待っていた
「あら あすかちゃんと幸君お出掛けするの?」
「うん 忍と拓巳を案内するの」
「それは偉いねぇ~ 行って来なぁ~」
「うん」
あすかちゃんと幸君は門へと駆け出した
俺と忍さんはご近所の人達に頭を下げた
「気を付けて行くのよ」
お姉さんの大きな声が飛んで来た
「うんママ行って来ま~す」
そう言ってあすかちゃんと幸君が振り返っていた
大きな門の前であすかちゃんと幸君が俺と忍さんを待っていた
あすかちゃんは自然と忍さんと手をつないだ
俺は幸君の前へとしゃがみこんだ
「幸君 俺と手をつないで歩いてくれますか?」
俺は出来るだけ優しくそう言った
忍さんとあすかちゃんも 俺と幸君の方を向いていた
幸君の小さな手が俺の方へと伸びて来た
「幸君ありがとう」
俺は幸君の小さな手をつないだ
(うわー めちゃくちゃあったかくて小さな手だ・・・)
俺と幸君は忍さんとあすかちゃんの後ろを歩いた
人通りも少なく車の通る気配もなく
あすかちゃんは凄くご機嫌で 反対に幸君は黙って歩いていた
(何か幸君に気の利いた事が言えたらいいんだけどなぁ~)
「幸君は食べ物で何が好きなの?」
「幸はね 何でも食べるよ ママの作るご飯は美味しいからあすかママのご飯大好き・・・」
あすかちゃんが答えてくれた
「幸君も好き?」
俺の問に幸君はうなづいた
(うー 幸君の口が開かねぇ~ やっぱ手ごわいなぁ~ 俺が帰るまでに幸君と仲良くなりてぇ~なぁ~)
途中寄り道をして歩いても 幸君はしっかりと俺の手をつないでくれていた
「たくさん歩いたね楽しかった? 疲れちゃったかなぁ~?」
忍さんが優しくそう言った
「あすか楽しかった・・・」
「僕も・・・」
俺は幸君の言葉にしゃがんで目線を合わせた
「幸君 手をつないでくれてありがとう・・・」
幸君は困った様に俺から目線を外した
「幸疲れたんじゃない? 抱っこしてもらえば・・・」
(あすかちゃんナイス・・・)
「幸君 俺が抱っこしてもいいかなぁ~?」
俺は幸君から手を離し幸君を持ち上げた
(うわー めっちゃ軽い・・・)
幸君は嫌がる様子もなく 俺に抱っこをされていた
「それじゃ~そろそろ帰ろうか」
「うん あすかお腹すいた・・・」
「僕も・・・」
そう言って幸君は俺に抱っこされながら笑っていた
(うー めちゃくちゃかわいい・・・)
門へとたどり着くとお姉さんが玄関で待っていてくれた
あすかちゃんは忍さんの手を離し駆け出し俺も幸君をおろした
「まぁ~ずいぶんと遅かったわねぇ~」
「ママお腹すいた・・・」
「ちゃんと手を洗うのよ」
「うん わかった」
吸い込まれる様にあすかちゃんと幸君は駆け出して行った
「ありがとうね忍拓巳 ずいぶんと遠くまで連れまわされたんじゃない?」
お姉さんは笑いながらそう言った
「凄く元気で楽しかったよ」
「拓巳も疲れたでしょう? それにしても幸が良く抱っこをさせたわねぇ~」
「幸君疲れてたみたいで・・・」
「ありがとう・・・ もう外へ出ないから堅苦しいスーツを脱いで来なさいよ」
俺と忍さんはダイニングテーブルへ
真彦さんはラフな洋服に着替えいた
「あなた 拓巳に着る服貸してあげて・・・ 龍は忍に・・・」
「なぁ~俺も着替えて来てもいいよなぁ~」
「龍はダメよ またご近所さんが挨拶に来るかもしれないでしょう? この家の主がみっともない姿で挨拶なんて出来ないでしょう 私だって我慢してるんだから・・・ さぁ~忍に洋服・・・」
「わかったよ マジか・・・ 忍行くぞ・・・」
「うん ありがとう・・・」
「あなたもお願い・・・」
「それじゃ拓巳君行こうか」
「はい」
俺と忍さんはそれぞれ別々に別れた
「兄さんありがとう」
僕は兄さんと真さんの部屋へ
「オヤジに何か言われたのか?」
兄さんは洋服を出しながらそう言った
「拓巳君を連れて来た事が気に入らないかったのかもしれない? でも僕ちゃんと大事な人だって言ったよ」
「忍はスゲーよなぁ~マジで 俺の場合は殴られたけどなぁ~」
「えっそうだったの でも僕と兄さんとでは立場が違うから・・・ お酒がまずくなるとは言われた凄く怖かった・・・ でも僕が拓巳君を守らないととも思ってた・・・」
「オヤジの取り巻きもまだ健在だからなぁ~ 相沢のオヤジもよく付き合ってるよなぁ~」
「兄さんと姉さんは大丈夫なの?」
「俺と渚は大丈夫だ オヤジ達はハナレからこっちへは来ない あすかと幸がスゲー嫌ってるからなぁ~ 逆にあすかと幸に守られてる感じだ・・・」
「忍 忍の家はここでもあるんだ これからはちょくちょく帰って来い あすかと幸も喜ぶ・・・」
「ありがとう兄さん」
「拓巳もいいヤツみたいだしなぁ~」
「うん こんな僕の事を好きだと言ってくれるんだ・・・」
「そうか 良かったなぁ~」
僕は着替えを済ましスーツを持って 兄さんと真さんの部屋を出た
俺は相沢さんと相沢さんとお姉さんの部屋へ
「本当にすいません」
「いや こちらがお願いした事だから・・・」
「ありがとうございます」
「それにしても凄く広いお家ですね 迷子になりそうです」
「そうだね 私がこの家に初めて来たのは小学生の時 父に連れられてね」
「相沢さんのお父さん?」
「そう元ヤクザ でも私は父とは違う」
相沢さんがTシャツとスエットを出してくれた
「ここで着替えるといいよ」
「ありがとうございます」
「しかし驚いただろう・・・ 忍君がまさかのヤクザの息子だなんて・・・」
「はい 普通とは違う家とは聞いていたんですけど・・・」
「それで・・・ 忍君を見る目が変わったかい?」
「いいえ 忍さんは忍さんです 俺が好きな忍さんに変わりはありません」
「それを聞いて安心したよ これからも忍君と仲良く頼むよ」
「はい」
俺は相沢さんから洋服を受け取り着替えをしスーツを持って部屋を出た
(本当に広い・・・ トイレに行くのも迷いそうだ・・・)
「あの~相沢さん」
「ううん何?」
「幸君って忍さんの小さな頃に似ているんですか?」
相沢さんは立ち止まって俺の話を聞いてくれた
「そうだね 幸はあすかとも年が近いしあすかがしっかりと面倒を見ているからね でも忍君の場合は 忍君は龍とママ渚と年が離れ過ぎてる そこが大きな違いだと思うよ 忍君は本当に1人だったんだ」
「俺さっき幸君と手をつないだんです でもあんまり話が出来なく俺もっと幸君と仲良くなりたいです」
「きっかけさえあれば大丈夫だと思うよ 忍君と一緒に来た拓巳君だと知っているんだからねぇ~」
「ありがとうございます 俺頑張ります」
相沢さんは優しく笑っていた
俺と相沢さんがリビングに戻るとテーブルの上がごちそうでいっぱいになっていた
俺は相沢さんの隣に座ると お兄さんと忍さんが戻って来た
リビングからあすかちゃんと幸君が忍さんの隣へ
真彦さんとお姉さんがダイニングテーブルいっぱいに料理を運んでいた
「さぁ~食べて・・・」
「いただきます」
(凄いたくさんの料理だ・・・ あすかちゃんと幸君はワンプレートになってる・・・)
「拓巳君どうしたの?」
俺が箸を持たない事に相沢さんが話かけてくれた
「あっすいません 凄くたくさんのごちそうだと思って・・・」
「えっ何が?」
お姉さんが相沢さんの隣から俺の方へと顔を向いた
(拓巳君が困ってる?)
「姉さん 拓巳君凄く料理が得意なんだよ」
「あら そうだったの そしたら明日の朝ご飯一緒に作ってもらおうかしら・・・」
「いいですよ 作ります」
「あすかも作る」
「僕も・・・」
「おいおい 食べられる物を頼むぞ」
「龍も早起きして作れば?」
「渚 龍に作らせたらそれこそ大変だぞ・・・」
「それもそうね その通りねだわ・・・」
「何だよそれ・・・」
お兄さんの言葉にみんなが笑っていた
「ねぇ~あなたお願いしてみて・・・」
「わかった・・・ 忍君と拓巳君どうだろう・・・ あとであすかと幸と一緒にお風呂に入ってくれないかなぁ~?」
「あすか一緒に入りたい」
「幸はどうかなぁ~?」
幸君はうなづいた
「ありがとう 忍君拓巳君お願い出来るかなぁ~」
「うん 前にも一緒に入った事があるし大丈夫」
「じゃ~よろしく頼むよ」
「やったー」
あすかちゃんはそう言って喜んでいた
(風呂? 忍さんと一緒に・・・ いくらあすかちゃんと幸君が居るとは言え・・・ 忍さんと風呂・・・)
俺は少しドキドキしていた
夕食を食べ終え あすかちゃんと幸君がリビングでテレビを見ていた
「ねぇ~ママ幸が眠そうだよ」
「あら大変」
そう言ってお姉さんが幸君の所へ
「忍拓巳 少し早いんだけど お風呂に入ってくれる?」
「はい」
俺と忍さんは立ち上がった
(風呂だヤベ~)
お姉さんは幸君を抱きかかえ移動した
あすかちゃん忍さん俺とお姉さんのあとへと続いた
「あすかと幸の着替えはあとで持って来るから お風呂入れちゃって・・・」
「うんわかった」
「バスタオルはここに・・・ じゃ~あとお願い・・・」
お姉さんはそう言って出て行った
あすかちゃんは素早く洋服を脱いでバスルームへ
忍さんは幸君の洋服を脱がせていた
(忍さんを見なければ大丈夫だろう・・・ あすかちゃんと幸君をお風呂へ入れないとならないし・・・)
忍さんは腰にタオルを巻き幸君とバスルームへ
「拓巳君先に入るね」
「あっはいすぐに行きます」
俺もタオルを腰に巻いた
「忍大丈夫? 痛いの?」
あすかちゃんの声が聞こえた
俺は忍さんに何かあったのかと慌ててバスルームのドアを開けた
忍さんの身体に無数にあるキスマークを見てそう言っていた
「あすかちゃん大丈夫なんだよ これは痛くないんだそれにすぐ消えるよ」
「そうなの? 大丈夫なの?」
「うん だからあすかちゃんはお風呂に入ろう」
俺は冷静な忍さんに助けられていた
(そうだよなぁ~ 忍さんの白い肌に目立つ物だよなぁ~ しかも昨日付けたんだし薄くもなってないよなぁ~)
忍さんはあすかちゃんと幸君を湯船へ
忍さんが湯船に入ると幸君が忍さんにしがみついていた
俺もシャワーで身体を流した
「拓巳君も入って・・・」
「広いですね」
俺がそう言いながら湯船へ
湯船のお湯が溢れてあすかちゃんが大きな声を出し笑っていた
つられて忍さんにしがみついている幸君も笑っていた
(良かった・・・ 泣かれなくて・・・)
俺はなるべく忍さんを見ない様にあすかちゃんと幸君の相手をしていた
忍さんは慣れた手つきであすかちゃんと幸君の身体や頭を洗っていた
「拓巳君先に出るね」
「はい」
あすかちゃんと幸君と一緒に忍さんはバスルームを出た
(良かった・・・ 何事もなくって・・・)
俺もすぐにバスルームを出て あすかちゃんと幸君の髪の毛を乾かした
忍さんが服を着たタイミングであすかちゃんと幸君は脱衣所から飛び出した
そこへお姉さんがやって来た
俺は急いで服を着ていた
「まぁ~ずいぶんと楽しそうな声が聞こえて来てたけど?」
「ママ お風呂が溢れたの・・・」
「そう楽しかった?」
「凄く楽しかった」
「僕も・・・」
「そう良かったわねぇ~ 忍 部屋なんだけど 客間に布団ひいたからそこへ寝てくれる? 布団は1つでいいんでしょう スーツも置いておいたから・・・」
「ありがとう姉さん」
「拓巳も疲れたでしょう 今日はもうそのまま部屋へ行って休んで・・・」
「はい ありがとうございます」
「あぁ~ 明日あすかと幸に朝起こされるかもしれないけどね それじゃ~おやすみ・・・」
「おやすみなさい」
俺と忍さんは顔を合わせた
「拓巳君髪の毛を乾かしたら一緒に行こうか」
「はい」
俺と忍さんはお姉さんの言っていた客間へ
ふすまを開けると部屋の真ん中に布団がひかれてあった
「忍さん広い部屋ですね」
「何だか落ち着かないね」
そう言って忍さんはかわいい顔を向けていた
「拓巳君今日は・・・」
「はい忍さんわかってます 今日は何もしませんから安心して下さい」
「うんそうだね まさか泊まる事になるとは思わなかったよ」
忍さんは少し笑って電気を消し一緒に布団に横になった
「拓巳君怒ってる?」
「えっ何にですか?」
「僕何も言わなかったから・・・ 怖かったんだ もしこの家の事を話して拓巳君が僕から離れてしまったらって ずっとずっと怖かったんだだから言えなかった ごめんね拓巳君・・・」
「いいえ 初めは正直マジかって思いました だからといって忍さんを嫌いになる理由は俺の中にはなかったです 忍さん俺の方こそすいません」
「えっ何?」
「さっきあすかちゃんに俺が付けたキスマークの事を言われてて 忍さん凄く困っていたので・・・ 確かに忍さんの白い肌に何か所も・・・」
「だってまさか泊まる事になるなんて それに僕も忘れていたんだキスマークの事・・・ あすかちゃんが初め何を言っているのかわからなかったんだ・・・ 拓巳君もう済んだ事だよ それにあすかちゃんも幸君も楽しそうだったし忘れているよきっと・・・」
「だといいんですけど・・・ 忍さん聞いてもいいですか?」
「うん いいよ何?」
「相沢さんの事なんですけど」
「相沢さんがどうかしたの?」
「はい 相沢さんのお父さんもそのスジの人だったと相沢さんから聞きました でも相沢さんはそんな風には見えなくて・・・ あっ忍さんもですけど・・・」
「相沢さんは僕もあまり詳しくは知らないんだ・・・ 去年の夏にここへ来た時僕もびっくりした まさか相沢さんが姉さんの旦那さんだったなんて 僕も連絡を取ってなかったからなんだけどね」
「そうなんですか」
「それにね もっとびっくりしたのは 相沢さんが警察官だって事なんだ・・・」
「えっそうなんですか? あっだからお姉さん尋問する様な聞き方って言ってたのか・・・」
「えっそんな事があったの?」
「はい 忍さんがあすかちゃんと幸君と遊んでいる時に・・・ 忍さんもう一ついいですか? お兄さんと真彦さんって・・・」
「あっうん僕達と一緒・・・ 僕がこの家に居た頃からだって僕ぜんぜん知らなかったよ 覚えていないだけかもしれないんだけどね」
(何かスゲーなぁ~ 忍さんの実家って・・・)
「拓巳君ごめんね巻き込んじゃって でも僕の小さな頃とはぜんぜん違うんだ・・・今は兄さんと姉さんがちゃんとしてるし・・・」
「忍さんわかります大丈夫です それに俺忍さんにならむしろ巻き込まれたいです」
「ありがとう拓巳君 僕本当に拓巳君で良かった」
「忍さんそれ俺のセリフです」
「拓巳君・・・」
忍さんが俺の上に乗って来た
「忍さん今日は・・・」
「うんだからキスだけ・・・」
忍さんはそう言って軽くくちびるを重ねた
「拓巳君おやすみ・・・」
忍さんは俺に寄り添っていた
「忍さんおやすみなさい」
俺はそう言って目を閉じた
(静かだなぁ~ 忍さんのぬくもりが伝わってくる もうこんなゆっくりとした時間 忍さんと過ごせねぇ~かもなぁ~)
俺はそう思いながら眠りについた
(つづく)
「あら あすかちゃんと幸君お出掛けするの?」
「うん 忍と拓巳を案内するの」
「それは偉いねぇ~ 行って来なぁ~」
「うん」
あすかちゃんと幸君は門へと駆け出した
俺と忍さんはご近所の人達に頭を下げた
「気を付けて行くのよ」
お姉さんの大きな声が飛んで来た
「うんママ行って来ま~す」
そう言ってあすかちゃんと幸君が振り返っていた
大きな門の前であすかちゃんと幸君が俺と忍さんを待っていた
あすかちゃんは自然と忍さんと手をつないだ
俺は幸君の前へとしゃがみこんだ
「幸君 俺と手をつないで歩いてくれますか?」
俺は出来るだけ優しくそう言った
忍さんとあすかちゃんも 俺と幸君の方を向いていた
幸君の小さな手が俺の方へと伸びて来た
「幸君ありがとう」
俺は幸君の小さな手をつないだ
(うわー めちゃくちゃあったかくて小さな手だ・・・)
俺と幸君は忍さんとあすかちゃんの後ろを歩いた
人通りも少なく車の通る気配もなく
あすかちゃんは凄くご機嫌で 反対に幸君は黙って歩いていた
(何か幸君に気の利いた事が言えたらいいんだけどなぁ~)
「幸君は食べ物で何が好きなの?」
「幸はね 何でも食べるよ ママの作るご飯は美味しいからあすかママのご飯大好き・・・」
あすかちゃんが答えてくれた
「幸君も好き?」
俺の問に幸君はうなづいた
(うー 幸君の口が開かねぇ~ やっぱ手ごわいなぁ~ 俺が帰るまでに幸君と仲良くなりてぇ~なぁ~)
途中寄り道をして歩いても 幸君はしっかりと俺の手をつないでくれていた
「たくさん歩いたね楽しかった? 疲れちゃったかなぁ~?」
忍さんが優しくそう言った
「あすか楽しかった・・・」
「僕も・・・」
俺は幸君の言葉にしゃがんで目線を合わせた
「幸君 手をつないでくれてありがとう・・・」
幸君は困った様に俺から目線を外した
「幸疲れたんじゃない? 抱っこしてもらえば・・・」
(あすかちゃんナイス・・・)
「幸君 俺が抱っこしてもいいかなぁ~?」
俺は幸君から手を離し幸君を持ち上げた
(うわー めっちゃ軽い・・・)
幸君は嫌がる様子もなく 俺に抱っこをされていた
「それじゃ~そろそろ帰ろうか」
「うん あすかお腹すいた・・・」
「僕も・・・」
そう言って幸君は俺に抱っこされながら笑っていた
(うー めちゃくちゃかわいい・・・)
門へとたどり着くとお姉さんが玄関で待っていてくれた
あすかちゃんは忍さんの手を離し駆け出し俺も幸君をおろした
「まぁ~ずいぶんと遅かったわねぇ~」
「ママお腹すいた・・・」
「ちゃんと手を洗うのよ」
「うん わかった」
吸い込まれる様にあすかちゃんと幸君は駆け出して行った
「ありがとうね忍拓巳 ずいぶんと遠くまで連れまわされたんじゃない?」
お姉さんは笑いながらそう言った
「凄く元気で楽しかったよ」
「拓巳も疲れたでしょう? それにしても幸が良く抱っこをさせたわねぇ~」
「幸君疲れてたみたいで・・・」
「ありがとう・・・ もう外へ出ないから堅苦しいスーツを脱いで来なさいよ」
俺と忍さんはダイニングテーブルへ
真彦さんはラフな洋服に着替えいた
「あなた 拓巳に着る服貸してあげて・・・ 龍は忍に・・・」
「なぁ~俺も着替えて来てもいいよなぁ~」
「龍はダメよ またご近所さんが挨拶に来るかもしれないでしょう? この家の主がみっともない姿で挨拶なんて出来ないでしょう 私だって我慢してるんだから・・・ さぁ~忍に洋服・・・」
「わかったよ マジか・・・ 忍行くぞ・・・」
「うん ありがとう・・・」
「あなたもお願い・・・」
「それじゃ拓巳君行こうか」
「はい」
俺と忍さんはそれぞれ別々に別れた
「兄さんありがとう」
僕は兄さんと真さんの部屋へ
「オヤジに何か言われたのか?」
兄さんは洋服を出しながらそう言った
「拓巳君を連れて来た事が気に入らないかったのかもしれない? でも僕ちゃんと大事な人だって言ったよ」
「忍はスゲーよなぁ~マジで 俺の場合は殴られたけどなぁ~」
「えっそうだったの でも僕と兄さんとでは立場が違うから・・・ お酒がまずくなるとは言われた凄く怖かった・・・ でも僕が拓巳君を守らないととも思ってた・・・」
「オヤジの取り巻きもまだ健在だからなぁ~ 相沢のオヤジもよく付き合ってるよなぁ~」
「兄さんと姉さんは大丈夫なの?」
「俺と渚は大丈夫だ オヤジ達はハナレからこっちへは来ない あすかと幸がスゲー嫌ってるからなぁ~ 逆にあすかと幸に守られてる感じだ・・・」
「忍 忍の家はここでもあるんだ これからはちょくちょく帰って来い あすかと幸も喜ぶ・・・」
「ありがとう兄さん」
「拓巳もいいヤツみたいだしなぁ~」
「うん こんな僕の事を好きだと言ってくれるんだ・・・」
「そうか 良かったなぁ~」
僕は着替えを済ましスーツを持って 兄さんと真さんの部屋を出た
俺は相沢さんと相沢さんとお姉さんの部屋へ
「本当にすいません」
「いや こちらがお願いした事だから・・・」
「ありがとうございます」
「それにしても凄く広いお家ですね 迷子になりそうです」
「そうだね 私がこの家に初めて来たのは小学生の時 父に連れられてね」
「相沢さんのお父さん?」
「そう元ヤクザ でも私は父とは違う」
相沢さんがTシャツとスエットを出してくれた
「ここで着替えるといいよ」
「ありがとうございます」
「しかし驚いただろう・・・ 忍君がまさかのヤクザの息子だなんて・・・」
「はい 普通とは違う家とは聞いていたんですけど・・・」
「それで・・・ 忍君を見る目が変わったかい?」
「いいえ 忍さんは忍さんです 俺が好きな忍さんに変わりはありません」
「それを聞いて安心したよ これからも忍君と仲良く頼むよ」
「はい」
俺は相沢さんから洋服を受け取り着替えをしスーツを持って部屋を出た
(本当に広い・・・ トイレに行くのも迷いそうだ・・・)
「あの~相沢さん」
「ううん何?」
「幸君って忍さんの小さな頃に似ているんですか?」
相沢さんは立ち止まって俺の話を聞いてくれた
「そうだね 幸はあすかとも年が近いしあすかがしっかりと面倒を見ているからね でも忍君の場合は 忍君は龍とママ渚と年が離れ過ぎてる そこが大きな違いだと思うよ 忍君は本当に1人だったんだ」
「俺さっき幸君と手をつないだんです でもあんまり話が出来なく俺もっと幸君と仲良くなりたいです」
「きっかけさえあれば大丈夫だと思うよ 忍君と一緒に来た拓巳君だと知っているんだからねぇ~」
「ありがとうございます 俺頑張ります」
相沢さんは優しく笑っていた
俺と相沢さんがリビングに戻るとテーブルの上がごちそうでいっぱいになっていた
俺は相沢さんの隣に座ると お兄さんと忍さんが戻って来た
リビングからあすかちゃんと幸君が忍さんの隣へ
真彦さんとお姉さんがダイニングテーブルいっぱいに料理を運んでいた
「さぁ~食べて・・・」
「いただきます」
(凄いたくさんの料理だ・・・ あすかちゃんと幸君はワンプレートになってる・・・)
「拓巳君どうしたの?」
俺が箸を持たない事に相沢さんが話かけてくれた
「あっすいません 凄くたくさんのごちそうだと思って・・・」
「えっ何が?」
お姉さんが相沢さんの隣から俺の方へと顔を向いた
(拓巳君が困ってる?)
「姉さん 拓巳君凄く料理が得意なんだよ」
「あら そうだったの そしたら明日の朝ご飯一緒に作ってもらおうかしら・・・」
「いいですよ 作ります」
「あすかも作る」
「僕も・・・」
「おいおい 食べられる物を頼むぞ」
「龍も早起きして作れば?」
「渚 龍に作らせたらそれこそ大変だぞ・・・」
「それもそうね その通りねだわ・・・」
「何だよそれ・・・」
お兄さんの言葉にみんなが笑っていた
「ねぇ~あなたお願いしてみて・・・」
「わかった・・・ 忍君と拓巳君どうだろう・・・ あとであすかと幸と一緒にお風呂に入ってくれないかなぁ~?」
「あすか一緒に入りたい」
「幸はどうかなぁ~?」
幸君はうなづいた
「ありがとう 忍君拓巳君お願い出来るかなぁ~」
「うん 前にも一緒に入った事があるし大丈夫」
「じゃ~よろしく頼むよ」
「やったー」
あすかちゃんはそう言って喜んでいた
(風呂? 忍さんと一緒に・・・ いくらあすかちゃんと幸君が居るとは言え・・・ 忍さんと風呂・・・)
俺は少しドキドキしていた
夕食を食べ終え あすかちゃんと幸君がリビングでテレビを見ていた
「ねぇ~ママ幸が眠そうだよ」
「あら大変」
そう言ってお姉さんが幸君の所へ
「忍拓巳 少し早いんだけど お風呂に入ってくれる?」
「はい」
俺と忍さんは立ち上がった
(風呂だヤベ~)
お姉さんは幸君を抱きかかえ移動した
あすかちゃん忍さん俺とお姉さんのあとへと続いた
「あすかと幸の着替えはあとで持って来るから お風呂入れちゃって・・・」
「うんわかった」
「バスタオルはここに・・・ じゃ~あとお願い・・・」
お姉さんはそう言って出て行った
あすかちゃんは素早く洋服を脱いでバスルームへ
忍さんは幸君の洋服を脱がせていた
(忍さんを見なければ大丈夫だろう・・・ あすかちゃんと幸君をお風呂へ入れないとならないし・・・)
忍さんは腰にタオルを巻き幸君とバスルームへ
「拓巳君先に入るね」
「あっはいすぐに行きます」
俺もタオルを腰に巻いた
「忍大丈夫? 痛いの?」
あすかちゃんの声が聞こえた
俺は忍さんに何かあったのかと慌ててバスルームのドアを開けた
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「あすかちゃん大丈夫なんだよ これは痛くないんだそれにすぐ消えるよ」
「そうなの? 大丈夫なの?」
「うん だからあすかちゃんはお風呂に入ろう」
俺は冷静な忍さんに助けられていた
(そうだよなぁ~ 忍さんの白い肌に目立つ物だよなぁ~ しかも昨日付けたんだし薄くもなってないよなぁ~)
忍さんはあすかちゃんと幸君を湯船へ
忍さんが湯船に入ると幸君が忍さんにしがみついていた
俺もシャワーで身体を流した
「拓巳君も入って・・・」
「広いですね」
俺がそう言いながら湯船へ
湯船のお湯が溢れてあすかちゃんが大きな声を出し笑っていた
つられて忍さんにしがみついている幸君も笑っていた
(良かった・・・ 泣かれなくて・・・)
俺はなるべく忍さんを見ない様にあすかちゃんと幸君の相手をしていた
忍さんは慣れた手つきであすかちゃんと幸君の身体や頭を洗っていた
「拓巳君先に出るね」
「はい」
あすかちゃんと幸君と一緒に忍さんはバスルームを出た
(良かった・・・ 何事もなくって・・・)
俺もすぐにバスルームを出て あすかちゃんと幸君の髪の毛を乾かした
忍さんが服を着たタイミングであすかちゃんと幸君は脱衣所から飛び出した
そこへお姉さんがやって来た
俺は急いで服を着ていた
「まぁ~ずいぶんと楽しそうな声が聞こえて来てたけど?」
「ママ お風呂が溢れたの・・・」
「そう楽しかった?」
「凄く楽しかった」
「僕も・・・」
「そう良かったわねぇ~ 忍 部屋なんだけど 客間に布団ひいたからそこへ寝てくれる? 布団は1つでいいんでしょう スーツも置いておいたから・・・」
「ありがとう姉さん」
「拓巳も疲れたでしょう 今日はもうそのまま部屋へ行って休んで・・・」
「はい ありがとうございます」
「あぁ~ 明日あすかと幸に朝起こされるかもしれないけどね それじゃ~おやすみ・・・」
「おやすみなさい」
俺と忍さんは顔を合わせた
「拓巳君髪の毛を乾かしたら一緒に行こうか」
「はい」
俺と忍さんはお姉さんの言っていた客間へ
ふすまを開けると部屋の真ん中に布団がひかれてあった
「忍さん広い部屋ですね」
「何だか落ち着かないね」
そう言って忍さんはかわいい顔を向けていた
「拓巳君今日は・・・」
「はい忍さんわかってます 今日は何もしませんから安心して下さい」
「うんそうだね まさか泊まる事になるとは思わなかったよ」
忍さんは少し笑って電気を消し一緒に布団に横になった
「拓巳君怒ってる?」
「えっ何にですか?」
「僕何も言わなかったから・・・ 怖かったんだ もしこの家の事を話して拓巳君が僕から離れてしまったらって ずっとずっと怖かったんだだから言えなかった ごめんね拓巳君・・・」
「いいえ 初めは正直マジかって思いました だからといって忍さんを嫌いになる理由は俺の中にはなかったです 忍さん俺の方こそすいません」
「えっ何?」
「さっきあすかちゃんに俺が付けたキスマークの事を言われてて 忍さん凄く困っていたので・・・ 確かに忍さんの白い肌に何か所も・・・」
「だってまさか泊まる事になるなんて それに僕も忘れていたんだキスマークの事・・・ あすかちゃんが初め何を言っているのかわからなかったんだ・・・ 拓巳君もう済んだ事だよ それにあすかちゃんも幸君も楽しそうだったし忘れているよきっと・・・」
「だといいんですけど・・・ 忍さん聞いてもいいですか?」
「うん いいよ何?」
「相沢さんの事なんですけど」
「相沢さんがどうかしたの?」
「はい 相沢さんのお父さんもそのスジの人だったと相沢さんから聞きました でも相沢さんはそんな風には見えなくて・・・ あっ忍さんもですけど・・・」
「相沢さんは僕もあまり詳しくは知らないんだ・・・ 去年の夏にここへ来た時僕もびっくりした まさか相沢さんが姉さんの旦那さんだったなんて 僕も連絡を取ってなかったからなんだけどね」
「そうなんですか」
「それにね もっとびっくりしたのは 相沢さんが警察官だって事なんだ・・・」
「えっそうなんですか? あっだからお姉さん尋問する様な聞き方って言ってたのか・・・」
「えっそんな事があったの?」
「はい 忍さんがあすかちゃんと幸君と遊んでいる時に・・・ 忍さんもう一ついいですか? お兄さんと真彦さんって・・・」
「あっうん僕達と一緒・・・ 僕がこの家に居た頃からだって僕ぜんぜん知らなかったよ 覚えていないだけかもしれないんだけどね」
(何かスゲーなぁ~ 忍さんの実家って・・・)
「拓巳君ごめんね巻き込んじゃって でも僕の小さな頃とはぜんぜん違うんだ・・・今は兄さんと姉さんがちゃんとしてるし・・・」
「忍さんわかります大丈夫です それに俺忍さんにならむしろ巻き込まれたいです」
「ありがとう拓巳君 僕本当に拓巳君で良かった」
「忍さんそれ俺のセリフです」
「拓巳君・・・」
忍さんが俺の上に乗って来た
「忍さん今日は・・・」
「うんだからキスだけ・・・」
忍さんはそう言って軽くくちびるを重ねた
「拓巳君おやすみ・・・」
忍さんは俺に寄り添っていた
「忍さんおやすみなさい」
俺はそう言って目を閉じた
(静かだなぁ~ 忍さんのぬくもりが伝わってくる もうこんなゆっくりとした時間 忍さんと過ごせねぇ~かもなぁ~)
俺はそう思いながら眠りについた
(つづく)
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諦めようとする莉緒に突っかかってくるのはあれ程告白を拒否してきた紘で…。
寺田絋
自分と同じくらいモテる莉緒がムカついたのでちょっかいをかけたら好かれた残念男子
×
三倉莉緒
クールイケメン男子と思われているただの陰キャ
そういうシーンはありませんが一応R15にしておきました。
お気に入り登録ありがとうございます。なんだか嬉しいので載せるか迷った紘視点を追加で投稿します。ただ紘は残念な子過ぎるので莉緒視点と印象が変わると思います。ご注意ください。
お気に入り登録100ありがとうございます。お付き合いに浮かれている二人の小話投稿しました。
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ーーーーーーーーーーー
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義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
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