40 / 46
俺達の妹②
しおりを挟む
美穂は嬉しそうに藤岡堂の袋を持って車へと乗り込んだ
「美穂 夕飯食べて帰るだろう・・・」
「うん何なら泊まっていってもいいよ 明日は日曜日で何もないから・・・」
「それはダメだろう・・・」
「どうしてよお兄ちゃん」
「それは・・・」
俺が言葉に詰まると翔が変わり話をしてくれた
「美穂はお母さんに心配をかけてる これ以上はダメなんじゃ~ないかなぁ~」
「そうだぞ美穂」
「お兄ちゃんは黙ってて・・・」
「美穂は帰らないとダメ?」
「車で送って行ってやる だからちゃんと帰るんだ」
「えっ翔この車で送ってくれるの?」
「あぁ~ だからちゃんとご飯を食べて帰るんだぞ」
「やった~お兄ちゃん聞いた? 翔が送ってくれるって・・・」
「聞いてますよちゃんと・・・」
「で 美穂は何が食べたいんだ?」
「えっどうしよう・・・ だって帰ったらお団子食べるでしょう そしたら美穂そんなに食べられないかも・・・」
「ウソつけ・・・」
「もうお兄ちゃんは黙って・・・」
車を走らせ翔はスーパーの駐車場へと車を止めた
「とりあえず買い物だなぁ~」
俺達は車をおりてスーパーへ
俺がカートを押し翔と美穂は俺の前を歩いた
「さぁ~美穂何食べる?」
「軽い物がいいなぁ~」
「弘樹は何がいい?」
翔はそう言いながら振り返った
「そうだなぁ~ 蕎麦とかいいかも・・・」
「あっ美穂もそう思った 美穂ね意外とお蕎麦好きなんだよねぇ~」
(おいおい美穂さん俺が言ったんだけど・・・)
美穂と翔が立ち止まった
「それじゃ~ お蕎麦と少し天ぷら揚げるか・・・」
「えっ翔が作ってくれるの?」
美穂は嬉しそうに翔を見ていた
「美穂 翔は料理上手だよ」
「そうね お兄ちゃんは何も出来ないもんね」
(美穂のヤツ言いたい放題だなぁ~)
(美穂が帰ったら弘樹をなぐさめてやるか・・・)
翔が次々と食材をカゴに入れていた
会計を済ませ車へ
車へと乗り込むまで美穂はずっと翔から離れずに居た
(そんなにべったりとくっつかなくても・・・ 翔も何も言わないし・・・)
俺は翔と美穂の後ろ姿を見てそう思い 俺の隣の後部座席は買った荷物でいっぱいになっていた
「それじゃ~行くぞ」
翔はゆっくりと車を走らせた
マンションに着きエレベーターに乗り部屋へ
俺と翔は買った荷物をダイニングテーブルへと置いた
「美穂すぐにおまんじゅう食べるか?」
「うん食べたい」
「わかったすぐに用意する」
翔はそう言って冷蔵庫に食材を入れていた
美穂はソファーに座りくつろうでいた
「翔 何か手伝うよ」
「ありがとう弘樹それじゃ~お湯を沸かしてくれ」
「うんわかった」
俺は細長いヤカンを出して火にかけた
翔は俺の隣へ
「弘樹」
俺が翔の方を向くと翔のくちびるが軽く重なった
俺は慌てて振り返って美穂を見た
美穂はスマホを見ていてこっちの様子は気にしていなかった
俺はふたたび翔を見た
「美穂が帰ったらゆっくりな」
翔は小さな声でそう言った
(ゆっくりって何? 翔は美穂がこっちを気にしてない事を知ってたの?)
翔は大皿に買って来たおまんじゅうやら串団子を乗せていた
お茶が入りダイニングテーブルへと運ばれた
「美穂座って・・・」
翔の声に美穂は顔を上げ翔の隣へと座った
小皿に俺は豆大福を取った
「美穂はどれだ?」
「美穂はね みたらし団子とヨモギあんこ」
そう言って美穂は2つの串団子を小皿へ
翔はヨモギあんこを取った
俺が豆大福を口へ おもちが伸びてなかなか切れてはくれなかった
「お兄ちゃん凄い・・・」
俺はうなづいた
「お豆もたくさんだね」
美穂はそう言ってみたらし団子を口へ
翔もヨモギあんこを食べた
「これは・・・」
「翔どうしたの?」
「弘樹も食べてみな・・・」
そう言って翔は立ち上がり キッチンからフォークを持って来た
俺の小皿にヨモギあんこがのせられた
美穂も自分ヨモギあんこを食べた
「うわ何これ超うま」
美穂の声に俺もヨモギあんこを口へ
(ヨモギが濃い色もいい色をしていた あんこもちょうどいい)
「弘樹どうだ?」
「凄く美味しね バランスが凄くいい・・・」
「もう一つぐらい余計に買って来れば良かったね 美穂これならいくらでもいける」
美穂は嬉しそうにヨモギあんこを食べていた
「あっそうだお兄ちゃんあとで部屋見せて」
美穂はお茶を飲みながらそう言った
「何でだよ」
「だってこんなにキレイなのよ翔の家は お兄ちゃんの部屋が汚いとお兄ちゃんの嫌いなGが出るんだからね」
(何もお母さんと同じ事を言わなくても・・・)
俺は何も言えずダイニングテーブルをキレイに片付け 美穂を先頭に玄関を通り廊下へ
「ねぇ~ここは何?」
美穂は引き戸を開けた
「うわ~ここも広い・・・」
美穂はずかずかと中へ
「えっお風呂?」
さらに奥へと進んだ
「もういいだろう美穂」
「お風呂も広いんだね」
(そう言えば弘樹はバスタブに入りたいと言っていたなぁ~ 帰って来たらお湯をはってみるか・・・)
美穂はやっと出て来た
「次ここは?」
「そこはトイレだよ」
「あっ美穂トイレ入る」
そう言って美穂はトイレへ
「翔ごめんうるさくて・・・」
「いいさ それにそんなにうるさいとは思わない」
そう言って翔はまた俺に近づいて来た
そこへトイレのドアが開き美穂が出て来た
「お待たせ ねぇ~お兄ちゃんの部屋ってどこなの?」
(初めっからそう言ってくれよ)
俺はそう思いながら俺の部屋を開けた
「へ~結構キレイじゃん」
そう言いながら美穂は俺の部屋を見渡し俺のベッドに座った
「想像してたのと違うもっと散らかってると思ってた」
(美穂の勘は鋭い 少し前に掃除をしておいて良かった)
俺は心からそう思っていた
「お兄ちゃんの部屋も凄く広いね これだけ広かったら散らかりようがないか・・・」
美穂は1人で納得をしていた
「ねぇ~翔の部屋もあるんでしょう?」
美穂は俺の部屋にあきたのか今度は翔の所へ
「俺の部屋は弘樹の向かいだ」
「行ってもいい?」
「あぁ~構わない」
美穂は翔の言葉を聞くとすぐに俺の部屋を出て行った
「うわ~何これ・・・」
美穂の声に俺と翔は急いで翔の部屋へ
「ねぇ~翔このベッド何人寝られるの?」
美穂は翔のベッドには座らなかった
「お兄ちゃんの部屋も広いと思ったけど 翔の部屋は別格ね物がないから余計に広く感じる 凄い素敵・・・」
最後に美穂の心の声が聞こえた
「あっ翔俺クリーニング屋へ行ってワイシャツとスーツ取って来るよ」
「そうか そしたら美穂天ぷら時間がかかるからもう作るか?」
「あっ美穂も手伝う」
そう言って美穂は嬉しそうまた翔の腕にしがみついた
俺は引取書を持ってクリーニング屋へ
(別に明日でも良かったんだけどなぁ~ 何かこれ以上美穂が翔にベタベタするの見たくない・・・)
俺はそう思いながらぶらぶらと歩いていた
「ねぇ~翔お兄ちゃんってホントに何も作らないでしょう」
「あぁ~」
「美穂ねぇ~実は心配してたんだ」
美穂はそう言いながら 天ぷらにする野菜を切っていた
「外食やお弁当ばっかじゃ~いつか身体を壊しちゃう だから美穂ホント言うと翔がお兄ちゃんの傍に居てくれて良かったって思ってる」
「美穂は優しいんだなぁ~」
「お兄ちゃんに翔はもったいないけどね」
美穂は笑ってそう言った
俺が帰るとかつおだしのいいニオイがしていた
「あっお兄ちゃんお帰り」
美穂が箸を並べていた
「ねぇ~お兄ちゃん翔って凄く料理が上手ね」
美穂は小さな声でそう言った
「美穂びっくりしちゃった」
そう言って美穂は笑った
翔がお蕎麦と天ぷらをダイニングテーブルへ
「弘樹お帰り食べよう」
「うん」
翔と美穂が作ってくれたお蕎麦と天ぷらを食べた
「天ぷらがサクサクね」
「揚げたてだからなぁ~」
「ホント翔の作ってくれる料理はどれも上手い」
「お兄ちゃん少しは翔を見習って何か作って見れば・・・」
「俺が?」
「翔とご飯を一緒に作ったら楽しいんじゃない」
「そうだなぁ~弘樹今度俺が手取り足取り教えるよ」
「えっいいよ遠慮しておくよ 人には得手不得手があるでしょう それに俺には向いてない」
(それにしても凄くつゆが美味しい蕎麦が進む 美穂じゃないけど天ぷらもサクサクだし 凄く美味しい・・・)
「美穂もうお腹いっぱい・・・」
美穂はそう言って天ぷらを少し残し箸を置いた
「美穂じゃ~天ぷら貰う」
俺は美穂のお皿から天ぷらを取った
「お兄ちゃん太るよ」
「大丈夫美穂と違って外回りで歩いてるから・・・」
俺は天ぷらをそばつゆに浸し食べた
(やっぱり翔の作る料理は美味しい・・・)
美穂は動く事が出来ず俺と翔でテーブルを片付けた
美穂はソファーに移動していた
「美穂大丈夫か?」
「翔美穂なら心配要らないよ 甘い物見せると飛びつくから大丈夫」
「だって甘い物は別でしょう」
美穂はいつもの調子でそう言った
「それじゃ~美穂が落ち着いた送って行く」
「ありがとう翔」
美穂は藤岡堂のおみやげを持ってエレベーターに乗った
「美穂忘れ物は無いな」
「うん大丈夫」
俺はまた後部座席に乗っていた
暗い夜道を車で走るのは久しぶりでヘッドライトがまぶしかった
「翔って一度通った道って覚えてたりするの?」
「そうだなぁ~ 何となく覚えているものだよ」
「へ~ 美穂まだ車の免許取ってないんだけど 道とか覚えられるのかなぁ~」
「大丈夫だろう美穂なら・・・」
「翔にそう言ってもらえると嬉しい・・・」
だんだんと実家へと近づいていた
「あっ家が見えた」
翔はゆっくりと実家の前に車を止めた
するとお父さんとお母さんが門まで出て来た
美穂と俺は車からおりた
「美穂お帰り 翔今日一日ありがとう」
「いいえ 美穂またおいで 今度はちゃんと連絡してからな」
「うん 翔またね」
俺はお父さんとお母さんに軽く手を上げ車に乗り込んだ
「本当に今日はありがとう 気を付けて帰ってね」
そう言って3人は手を振っていた
翔はゆっくりと車を走らせた
いつもの様に翔は地下駐車場へと車を止め エレベーターに乗り翔が玄関の鍵を開けてくれた
「翔ありがとう」
俺はそう言って玄関へ灯りがついた
「弘樹ちょっとここで待ってて」
そう言って翔は引き戸を開け中へ
「弘樹お待たせ」
俺の手を取りカーテンを少し開けると夜景が広がっていた
「翔キレイだね 今日はいろいろとありがとう 美穂がいきなり来る事になっちゃって・・・」
翔は俺の耳元にくちびるを付けていた
「弘樹これからは2人の時間・・・」
(耳元でささやかないで・・・)
俺は声が出てしまいそうになっていた
翔はズボンの上から触り俺が翔の方を見るとくちびるが重なり
翔の舌が俺の舌を絡ませていた
「弘樹ガラス見て・・・」
俺はガラスに映った自分の顔を見た
(えっ俺なのこれ・・・)
「弘樹のその顔に俺はいつも刺激される 弘樹を愛おしく思うしもっといい顔を見たいと思う」
「翔 もう触らないで・・・」
翔に触り続けられた俺はもうズボンがはち切れそうになっていた
「弘樹もう少し我慢して・・・」
翔の手が離れカーテンを閉め 俺と翔はバスマットの上へ
翔は丁寧に俺の洋服を脱がせ バスタブにお湯が溢れていた
「弘樹おいで」
翔がバスタブに入り 俺は翔に背を向け一緒にしゃがむとお湯が溢れた
俺の後ろに翔の硬い物が当たっていた
お湯はさほど熱くは無く俺は翔に抱きしめられていた
翔の手が伸びて来て俺はすぐに声を出した
(翔ダメ触ったら・・・)
翔は俺の腰を浮かし翔の膝が俺の間に現れ
翔のが俺の中へとゆっくりと入って来た
(翔ダメお願い・・・)
俺が動くとお湯が流れ俺の声がバスルームに響き渡った
(嫌だ俺はどうしたらいいの・・・ 身体が勝手に動く・・・)
俺は翔の膝に手をつき勝手に動く身体に驚いていた
(弘樹が自分の気持ちいい場所を探しているのか そんなに動かれるとこっちが我慢出来なくなる・・・)
俺は弘樹の動きに合わせて腰を動かした
(翔そんなに動かないで・・・)
お湯がみるみる減りそれでも翔の動きが止まらず 俺の声がやむ事もなかった
(弘樹もう少し・・・)
翔は俺の腰を掴み俺は翔から離れた
俺はそのまま翔に抱きついた
(凄い凄かった・・・ だんだん過激になってない?)
俺と翔は息を切らし湯船の中で抱き合っていた
「弘樹 美穂が俺にべったりでヤキモチやいて欲しかったんだ でも弘樹はぜんぜんへ~きみたいだった・・・」
「へ~きじゃなかったよ 俺は翔の言う通りヤキモチをやいていたんだ 美穂の事を憎らしいと・・・ でも今日だけしかも美穂は翔に会いに来た 会いたい気持ちは俺凄く良くわかるから・・・」
「やっぱり似ているなぁ~」
「えっ何が?」
「美穂も弘樹の事を心配してた」
「美穂が?」
「あぁ~ 弘樹は自炊しないからいつか身体を壊すって 俺と一緒に住んで良かったって・・・」
「美穂がねぇ~」
翔は俺を持ち上げ顔を合わせた
「弘樹 俺も弘樹と一緒に住んで良かった」
そう言って翔は俺とくちびるを重ねた
(つづく)
「美穂 夕飯食べて帰るだろう・・・」
「うん何なら泊まっていってもいいよ 明日は日曜日で何もないから・・・」
「それはダメだろう・・・」
「どうしてよお兄ちゃん」
「それは・・・」
俺が言葉に詰まると翔が変わり話をしてくれた
「美穂はお母さんに心配をかけてる これ以上はダメなんじゃ~ないかなぁ~」
「そうだぞ美穂」
「お兄ちゃんは黙ってて・・・」
「美穂は帰らないとダメ?」
「車で送って行ってやる だからちゃんと帰るんだ」
「えっ翔この車で送ってくれるの?」
「あぁ~ だからちゃんとご飯を食べて帰るんだぞ」
「やった~お兄ちゃん聞いた? 翔が送ってくれるって・・・」
「聞いてますよちゃんと・・・」
「で 美穂は何が食べたいんだ?」
「えっどうしよう・・・ だって帰ったらお団子食べるでしょう そしたら美穂そんなに食べられないかも・・・」
「ウソつけ・・・」
「もうお兄ちゃんは黙って・・・」
車を走らせ翔はスーパーの駐車場へと車を止めた
「とりあえず買い物だなぁ~」
俺達は車をおりてスーパーへ
俺がカートを押し翔と美穂は俺の前を歩いた
「さぁ~美穂何食べる?」
「軽い物がいいなぁ~」
「弘樹は何がいい?」
翔はそう言いながら振り返った
「そうだなぁ~ 蕎麦とかいいかも・・・」
「あっ美穂もそう思った 美穂ね意外とお蕎麦好きなんだよねぇ~」
(おいおい美穂さん俺が言ったんだけど・・・)
美穂と翔が立ち止まった
「それじゃ~ お蕎麦と少し天ぷら揚げるか・・・」
「えっ翔が作ってくれるの?」
美穂は嬉しそうに翔を見ていた
「美穂 翔は料理上手だよ」
「そうね お兄ちゃんは何も出来ないもんね」
(美穂のヤツ言いたい放題だなぁ~)
(美穂が帰ったら弘樹をなぐさめてやるか・・・)
翔が次々と食材をカゴに入れていた
会計を済ませ車へ
車へと乗り込むまで美穂はずっと翔から離れずに居た
(そんなにべったりとくっつかなくても・・・ 翔も何も言わないし・・・)
俺は翔と美穂の後ろ姿を見てそう思い 俺の隣の後部座席は買った荷物でいっぱいになっていた
「それじゃ~行くぞ」
翔はゆっくりと車を走らせた
マンションに着きエレベーターに乗り部屋へ
俺と翔は買った荷物をダイニングテーブルへと置いた
「美穂すぐにおまんじゅう食べるか?」
「うん食べたい」
「わかったすぐに用意する」
翔はそう言って冷蔵庫に食材を入れていた
美穂はソファーに座りくつろうでいた
「翔 何か手伝うよ」
「ありがとう弘樹それじゃ~お湯を沸かしてくれ」
「うんわかった」
俺は細長いヤカンを出して火にかけた
翔は俺の隣へ
「弘樹」
俺が翔の方を向くと翔のくちびるが軽く重なった
俺は慌てて振り返って美穂を見た
美穂はスマホを見ていてこっちの様子は気にしていなかった
俺はふたたび翔を見た
「美穂が帰ったらゆっくりな」
翔は小さな声でそう言った
(ゆっくりって何? 翔は美穂がこっちを気にしてない事を知ってたの?)
翔は大皿に買って来たおまんじゅうやら串団子を乗せていた
お茶が入りダイニングテーブルへと運ばれた
「美穂座って・・・」
翔の声に美穂は顔を上げ翔の隣へと座った
小皿に俺は豆大福を取った
「美穂はどれだ?」
「美穂はね みたらし団子とヨモギあんこ」
そう言って美穂は2つの串団子を小皿へ
翔はヨモギあんこを取った
俺が豆大福を口へ おもちが伸びてなかなか切れてはくれなかった
「お兄ちゃん凄い・・・」
俺はうなづいた
「お豆もたくさんだね」
美穂はそう言ってみたらし団子を口へ
翔もヨモギあんこを食べた
「これは・・・」
「翔どうしたの?」
「弘樹も食べてみな・・・」
そう言って翔は立ち上がり キッチンからフォークを持って来た
俺の小皿にヨモギあんこがのせられた
美穂も自分ヨモギあんこを食べた
「うわ何これ超うま」
美穂の声に俺もヨモギあんこを口へ
(ヨモギが濃い色もいい色をしていた あんこもちょうどいい)
「弘樹どうだ?」
「凄く美味しね バランスが凄くいい・・・」
「もう一つぐらい余計に買って来れば良かったね 美穂これならいくらでもいける」
美穂は嬉しそうにヨモギあんこを食べていた
「あっそうだお兄ちゃんあとで部屋見せて」
美穂はお茶を飲みながらそう言った
「何でだよ」
「だってこんなにキレイなのよ翔の家は お兄ちゃんの部屋が汚いとお兄ちゃんの嫌いなGが出るんだからね」
(何もお母さんと同じ事を言わなくても・・・)
俺は何も言えずダイニングテーブルをキレイに片付け 美穂を先頭に玄関を通り廊下へ
「ねぇ~ここは何?」
美穂は引き戸を開けた
「うわ~ここも広い・・・」
美穂はずかずかと中へ
「えっお風呂?」
さらに奥へと進んだ
「もういいだろう美穂」
「お風呂も広いんだね」
(そう言えば弘樹はバスタブに入りたいと言っていたなぁ~ 帰って来たらお湯をはってみるか・・・)
美穂はやっと出て来た
「次ここは?」
「そこはトイレだよ」
「あっ美穂トイレ入る」
そう言って美穂はトイレへ
「翔ごめんうるさくて・・・」
「いいさ それにそんなにうるさいとは思わない」
そう言って翔はまた俺に近づいて来た
そこへトイレのドアが開き美穂が出て来た
「お待たせ ねぇ~お兄ちゃんの部屋ってどこなの?」
(初めっからそう言ってくれよ)
俺はそう思いながら俺の部屋を開けた
「へ~結構キレイじゃん」
そう言いながら美穂は俺の部屋を見渡し俺のベッドに座った
「想像してたのと違うもっと散らかってると思ってた」
(美穂の勘は鋭い 少し前に掃除をしておいて良かった)
俺は心からそう思っていた
「お兄ちゃんの部屋も凄く広いね これだけ広かったら散らかりようがないか・・・」
美穂は1人で納得をしていた
「ねぇ~翔の部屋もあるんでしょう?」
美穂は俺の部屋にあきたのか今度は翔の所へ
「俺の部屋は弘樹の向かいだ」
「行ってもいい?」
「あぁ~構わない」
美穂は翔の言葉を聞くとすぐに俺の部屋を出て行った
「うわ~何これ・・・」
美穂の声に俺と翔は急いで翔の部屋へ
「ねぇ~翔このベッド何人寝られるの?」
美穂は翔のベッドには座らなかった
「お兄ちゃんの部屋も広いと思ったけど 翔の部屋は別格ね物がないから余計に広く感じる 凄い素敵・・・」
最後に美穂の心の声が聞こえた
「あっ翔俺クリーニング屋へ行ってワイシャツとスーツ取って来るよ」
「そうか そしたら美穂天ぷら時間がかかるからもう作るか?」
「あっ美穂も手伝う」
そう言って美穂は嬉しそうまた翔の腕にしがみついた
俺は引取書を持ってクリーニング屋へ
(別に明日でも良かったんだけどなぁ~ 何かこれ以上美穂が翔にベタベタするの見たくない・・・)
俺はそう思いながらぶらぶらと歩いていた
「ねぇ~翔お兄ちゃんってホントに何も作らないでしょう」
「あぁ~」
「美穂ねぇ~実は心配してたんだ」
美穂はそう言いながら 天ぷらにする野菜を切っていた
「外食やお弁当ばっかじゃ~いつか身体を壊しちゃう だから美穂ホント言うと翔がお兄ちゃんの傍に居てくれて良かったって思ってる」
「美穂は優しいんだなぁ~」
「お兄ちゃんに翔はもったいないけどね」
美穂は笑ってそう言った
俺が帰るとかつおだしのいいニオイがしていた
「あっお兄ちゃんお帰り」
美穂が箸を並べていた
「ねぇ~お兄ちゃん翔って凄く料理が上手ね」
美穂は小さな声でそう言った
「美穂びっくりしちゃった」
そう言って美穂は笑った
翔がお蕎麦と天ぷらをダイニングテーブルへ
「弘樹お帰り食べよう」
「うん」
翔と美穂が作ってくれたお蕎麦と天ぷらを食べた
「天ぷらがサクサクね」
「揚げたてだからなぁ~」
「ホント翔の作ってくれる料理はどれも上手い」
「お兄ちゃん少しは翔を見習って何か作って見れば・・・」
「俺が?」
「翔とご飯を一緒に作ったら楽しいんじゃない」
「そうだなぁ~弘樹今度俺が手取り足取り教えるよ」
「えっいいよ遠慮しておくよ 人には得手不得手があるでしょう それに俺には向いてない」
(それにしても凄くつゆが美味しい蕎麦が進む 美穂じゃないけど天ぷらもサクサクだし 凄く美味しい・・・)
「美穂もうお腹いっぱい・・・」
美穂はそう言って天ぷらを少し残し箸を置いた
「美穂じゃ~天ぷら貰う」
俺は美穂のお皿から天ぷらを取った
「お兄ちゃん太るよ」
「大丈夫美穂と違って外回りで歩いてるから・・・」
俺は天ぷらをそばつゆに浸し食べた
(やっぱり翔の作る料理は美味しい・・・)
美穂は動く事が出来ず俺と翔でテーブルを片付けた
美穂はソファーに移動していた
「美穂大丈夫か?」
「翔美穂なら心配要らないよ 甘い物見せると飛びつくから大丈夫」
「だって甘い物は別でしょう」
美穂はいつもの調子でそう言った
「それじゃ~美穂が落ち着いた送って行く」
「ありがとう翔」
美穂は藤岡堂のおみやげを持ってエレベーターに乗った
「美穂忘れ物は無いな」
「うん大丈夫」
俺はまた後部座席に乗っていた
暗い夜道を車で走るのは久しぶりでヘッドライトがまぶしかった
「翔って一度通った道って覚えてたりするの?」
「そうだなぁ~ 何となく覚えているものだよ」
「へ~ 美穂まだ車の免許取ってないんだけど 道とか覚えられるのかなぁ~」
「大丈夫だろう美穂なら・・・」
「翔にそう言ってもらえると嬉しい・・・」
だんだんと実家へと近づいていた
「あっ家が見えた」
翔はゆっくりと実家の前に車を止めた
するとお父さんとお母さんが門まで出て来た
美穂と俺は車からおりた
「美穂お帰り 翔今日一日ありがとう」
「いいえ 美穂またおいで 今度はちゃんと連絡してからな」
「うん 翔またね」
俺はお父さんとお母さんに軽く手を上げ車に乗り込んだ
「本当に今日はありがとう 気を付けて帰ってね」
そう言って3人は手を振っていた
翔はゆっくりと車を走らせた
いつもの様に翔は地下駐車場へと車を止め エレベーターに乗り翔が玄関の鍵を開けてくれた
「翔ありがとう」
俺はそう言って玄関へ灯りがついた
「弘樹ちょっとここで待ってて」
そう言って翔は引き戸を開け中へ
「弘樹お待たせ」
俺の手を取りカーテンを少し開けると夜景が広がっていた
「翔キレイだね 今日はいろいろとありがとう 美穂がいきなり来る事になっちゃって・・・」
翔は俺の耳元にくちびるを付けていた
「弘樹これからは2人の時間・・・」
(耳元でささやかないで・・・)
俺は声が出てしまいそうになっていた
翔はズボンの上から触り俺が翔の方を見るとくちびるが重なり
翔の舌が俺の舌を絡ませていた
「弘樹ガラス見て・・・」
俺はガラスに映った自分の顔を見た
(えっ俺なのこれ・・・)
「弘樹のその顔に俺はいつも刺激される 弘樹を愛おしく思うしもっといい顔を見たいと思う」
「翔 もう触らないで・・・」
翔に触り続けられた俺はもうズボンがはち切れそうになっていた
「弘樹もう少し我慢して・・・」
翔の手が離れカーテンを閉め 俺と翔はバスマットの上へ
翔は丁寧に俺の洋服を脱がせ バスタブにお湯が溢れていた
「弘樹おいで」
翔がバスタブに入り 俺は翔に背を向け一緒にしゃがむとお湯が溢れた
俺の後ろに翔の硬い物が当たっていた
お湯はさほど熱くは無く俺は翔に抱きしめられていた
翔の手が伸びて来て俺はすぐに声を出した
(翔ダメ触ったら・・・)
翔は俺の腰を浮かし翔の膝が俺の間に現れ
翔のが俺の中へとゆっくりと入って来た
(翔ダメお願い・・・)
俺が動くとお湯が流れ俺の声がバスルームに響き渡った
(嫌だ俺はどうしたらいいの・・・ 身体が勝手に動く・・・)
俺は翔の膝に手をつき勝手に動く身体に驚いていた
(弘樹が自分の気持ちいい場所を探しているのか そんなに動かれるとこっちが我慢出来なくなる・・・)
俺は弘樹の動きに合わせて腰を動かした
(翔そんなに動かないで・・・)
お湯がみるみる減りそれでも翔の動きが止まらず 俺の声がやむ事もなかった
(弘樹もう少し・・・)
翔は俺の腰を掴み俺は翔から離れた
俺はそのまま翔に抱きついた
(凄い凄かった・・・ だんだん過激になってない?)
俺と翔は息を切らし湯船の中で抱き合っていた
「弘樹 美穂が俺にべったりでヤキモチやいて欲しかったんだ でも弘樹はぜんぜんへ~きみたいだった・・・」
「へ~きじゃなかったよ 俺は翔の言う通りヤキモチをやいていたんだ 美穂の事を憎らしいと・・・ でも今日だけしかも美穂は翔に会いに来た 会いたい気持ちは俺凄く良くわかるから・・・」
「やっぱり似ているなぁ~」
「えっ何が?」
「美穂も弘樹の事を心配してた」
「美穂が?」
「あぁ~ 弘樹は自炊しないからいつか身体を壊すって 俺と一緒に住んで良かったって・・・」
「美穂がねぇ~」
翔は俺を持ち上げ顔を合わせた
「弘樹 俺も弘樹と一緒に住んで良かった」
そう言って翔は俺とくちびるを重ねた
(つづく)
1
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!
灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。
何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。
仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。
思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。
みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。
※完結しました!ありがとうございました!
キンモクセイは夏の記憶とともに
広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。
小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。
田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。
そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。
純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。
しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。
「俺になんてもったいない!」
素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。
性描写のある話は【※】をつけていきます。
初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます
夏ノ宮萄玄
BL
オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。
――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。
懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。
義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる