メトロポリタン

暁エネル

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実家②

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翔はキッチンに立ちご飯を作っていた


俺はソファーに座りご飯が出来るのを待っていた




(あぁ~まだ翔のが俺の中に入っているみたいだ・・・ 腰も少し痛い 最後のバスルームだよなぁ~これ・・・)




俺はスマホのゲームをやりながらそう思っていた




俺は昨夜セットしておいた炊飯器からご飯を取り出し おにぎりを作り玉子焼きを切りテーブルへ


「弘樹出来たぞ」


「あっありがとう」


俺はそう言ってスマホを置きダイニングテーブルへ


テーブルにはおにぎりが3個とお茶と目玉焼きが並んでいた


俺は椅子に座り翔を待っていた


「弘樹どうぞ・・・」


「いただきます」


「いただきます」


俺はおにぎりを一口




(野沢菜かも・・・ 美味しい)




「俺お腹ペコペコ」


「たくさん身体を動かしたからなぁ~」


翔の言葉に吹き出しそうになり俺は慌てて口を押さえた


翔は笑って俺を見ていた




(もうご飯中に変な事言うから・・・)




(弘樹がかわいい)




俺はお茶を飲んでおにぎりを流し込んだ




(それにしても翔はぜんぜんへ~きなのかなぁ~? これから俺の両親に会いに行くのに・・・ 俺が逆の立場だったらめちゃくちゃ緊張するだろうなぁ~ もしかして翔は緊張を紛らわす為に俺にあんな事を?)




「弘樹」


「ううん?」


「弘樹の両親は甘い物は好きな方なのか?」


「うちの両親は何で好きだよ おせんべいだったりまんじゅうだったり 何で?」


「おみやげ何がいいかと思って・・・」


「えっいいよ何も要らないよ」


「そういう訳にはいかないだろう 初めて挨拶に行くんだからなぁ~ 藤岡堂でも大丈夫か?」


「あっ藤岡堂俺も行きたい 藤岡堂なら誰も文句を言う人はいないよ」




(おっ弘樹が元気になった そう言えば前に行きたいって言ってたなぁ~)




(藤岡堂かぁ~ 美味しいんだよなぁ~)




俺はいろいろな甘い物を想像していた





俺と翔は食べ終わり 俺は部屋の掃除を開始していた




(お母さんに言われたからじゃなく 今日は掃除をしようと思ってたんだよ)




そう思いながら手を動かしていた


すると翔が俺の部屋へ


「弘樹のシーツも一緒に洗うからちょうだい」


そう言って翔はベッドシーツをかかえてやって来た


「あっ翔ありがとう」


俺はそう言ってベッドシーツをはがした



翔の洗濯機はドラム式で乾燥までしてくれてとても優秀な洗濯機なのだ



「弘樹洗濯機が回ってる間に ちょっと車の洗車に行って来る」


翔はまた俺の部屋へ


「あっわかったいってらっしゃい」


俺はチラリと翔を見て部屋の掃除の続きをはじめた




(いろんな所が気になる 広い部屋の使い方がイマイチ良くわからない)




俺はベッドに座りフィギュアをながめていた




ゴミを片付けフローリングの床をふき キレイになったタイミングで翔が帰って来た


「弘樹そろそろ出られるか?」


翔は俺の部屋へ


「あっうん今終わったところだよ 翔お母さんに電話をかけるからちょっと待ってて・・・」


俺はスマホを持ちお母さんに電話をかけた


「もしもしお母さん 今からこっちを出るよ」


「わかった気を付けてね」


「うんじゃ~あとで・・・」




俺と翔はエレベーターに乗り地下駐車場へ


「俺 藤岡堂凄く楽しみ」


「混んでるかもしれないなぁ~」


そう言って車に乗り込んで車はゆっくりと走り出した


「ねぇ~翔」


「ううん?」


「翔は俺の両親に会うの大丈夫なの?」


「何がだ?」


「だって初めて俺の両親に会う訳でしょう 緊張とかしないの?」




(俺だったらガチガチだよ)




翔は俺をチラリと見た


「弘樹が一緒だから・・・」


そう言って翔は嬉しそうに笑っていた


「えっ俺?」


「そう 弘樹が俺と一緒に行くから・・・ さすがに俺1人だったら緊張もするかもしれないけど 弘樹が一緒だから・・・」


そう言った翔の笑顔を正面から見たいと思っていた俺だった


「そんなもんなの?」


「あぁ~凄く勇気をもらえる」




(俺が一緒だと心強いって事・・・)




翔の嬉しそうな横顔を俺は見ていた





「弘樹ここだよ」


翔はそう言って藤岡堂の駐車場へ




(うわ~着いた)




たくさんの車が駐車場にあった


駐車場に車がたくさんある割にはお店の中はそれほど人は居なかった


「うわ~凄くたくさんあるんだね」


ショーケースにお団子やおまんじゅうが並び 


お使い物の箱詰めされた品物の多さに俺は驚いていた


「翔こんなにたくさんあると迷っちゃうね」


「そうだなぁ~」


「あっこれ一番人気だって・・・ あっこれだよ黒部部長が買って来てくれたの」


「そっか 俺も大家さんへ持って行った物もこれだよ」


「えっそうだったの?」


「あぁ~」


「そっかぁ~これも美味しいんだよね」


俺はそう言いながら店内を見て回った




(う~どうしよう何にしよう 持って行ったところで俺が食べられるとは限らないんだよなぁ~ それに俺が渡す訳でもない となると俺が食べた事もある無難な一番人気がいいのかも・・・)





「弘樹は何がいいと思うんだ」


「うん持って行ったとしてもさぁ~ 食べられるとは限らないでしょう そしたら食べた事のあるこの一番人気かなぁ~」


「弘樹が食べたいならまたいつでも来ればいい」


「えっ連れて来てくれるの?」


「いいさいつでも・・・」


「ホントありがとう翔」




(弘樹の嬉しそうな顔・・・)




(やった じゃ~次来た時はショーケースのおまんじゅうにしようかなぁ~ それともこっちのかなぁ~)




俺は一番人気の箱詰めされたお菓子を持って会計をする為翔と並んだ




車に乗り込みいよいよ俺の実家へと車は進んで行った




「弘樹は就職するまで実家暮らしだったのか?」


「うんそうだよ 俺がまさかあんな大きな会社に就職が決まるとは 誰も思ってなかったよ」


「不思議だなぁ~ 今はこうして俺と一緒に居る」


「そうだね あの頃はただ就職出来た事が嬉しくて やっと一人暮らしが出来る喜びしかなかったよ」


「弘樹は一人暮らしがしたかったのか?」


「うんそうだね でもいざ一人暮らしをしてみると 大変な事が多くて参ったよ」


「今は俺と暮らしていてどうなんだ?」


「えっ 翔には凄く助けられてるよ 俺が帰って来たらキレイに洗濯物がたたまれてるし 何よりさみしくないよね」


「一週間のほとんどは一緒に居られないけどな」


「それでも俺はいつも朝翔の部屋をのぞいて行ってきますって言ってるよ」


「そうなのか?」


「あっうん 翔の顔が見れたら凄くラッキーぐらいに思っているよ」


「なんだ 起こしてくれたらいいのに・・・」


「そんな事出来ないよ」


「そうかぁ~?」




(俺も弘樹に起こされたら その日一日ラッキーとか思うかも・・・)




(翔を起こしたらそれこそ会社に行かれなくなっちゃうでしょうが)




俺は翔の横顔を見る事が出来なかった




「弘樹この辺か?」


「あっうん何も無いでしょう」


「田んぼが広がっていい所だ・・・」


翔にそう言われると何も無い所でもなぜだか嬉しくなった


「駅まで歩くと1時間以上かかるんだよ だから自転車とかバイク車が必須だよ」


「でも自然豊かだ 景色も凄くいい・・・」


「そうだけど・・・ あっ翔そこの道入って・・・」


田んぼの真ん中に二軒の家


「ここが俺の実家だよ ようこそ竹本家へ・・・」


翔はゆっくりと車を止めた


「翔 車を間に止めて」


「わかった」


翔は車を切り返し後ろを見ながら車を操作した



俺と翔は車をおりた


「大きなお家だなぁ~」


「そんな事ないよ この辺の家はみんなこうだよ・・・」


俺は塀を周り玄関へ行くとお母さんが玄関の前で待っていた


「弘樹」


そう言って手を振っていた


俺と翔は並んでお母さんの前へ


「お母さんただいま」


「お帰り弘樹」


「初めまして久我翔と申します」


翔は深々と頭を下げた


「これ良かったら・・・」


「まぁ~ご丁寧にありがとうございます 何も無い所ですが上がって下さい」


「ありがとうございます お邪魔します」




(弘樹に目元がそっくりだ 弘樹はお母さん似なんだなぁ~)





「いや~実物の方がカッコイイわね 美穂じゃ~ないけど本当に弘樹にはもったいわ・・・」


お母さんはそう言って笑い俺の事をたたいた


「痛いよお母さん」




(何なんだよ いきなり笑ったと思ったらぶたれるし・・・)




庭も広く玄関も広く奥に階段がある 風が通り抜けそうな広い家


「翔 大丈夫?」


「あぁ~」


靴をぬいで奥へと進んだ


「お父さん弘樹と翔が来ましたよ」


広い客間に座っていた


「お父さん弘樹と翔からいただき物です」


翔はお父さんの前に座った


「初めまして久我翔と申します 今日は突然の訪問となりました事をお詫びいたします」


そう言って翔はお父さんに深々と頭を下げた


「いや~こんな田舎に良く来てくれた 堅苦しい挨拶はもういいから 翔も足を崩して座ってくれ・・・」


お母さんがお茶を入れて来てくれた


「弘樹も翔も疲れたでしょう もうお寿司は来てるんだけど 美穂を待たずに初めちゃう? お腹がすいたしねぇ~ 美穂が帰って来ると話が出来なくなるだろうし・・・」


「そうだなぁ~ お母さんもうはじめよう」


「そうねお父さんじゃ~並べちゃうわね」


お母さんはそう言って台所へ


「弘樹手伝って来い」


「わかった」


俺はお父さんにそう言われ立ち上がり台所へ


「あっ弘樹これ全部運んで・・・」


「うんわかった」


俺は台所と客間を行ったり来たり


「そろったわね」


「お父さん翔は車なんだからお酒は出しませんよ」


「わかってますよ それでは翔ようこそわが家へ乾杯」


「乾杯」


コップをそれぞれ持ち上げ乾杯をした


「翔手作りじゃないんだけど 遠慮しないで食べてね」


「はいいただきます」


「それにしても見れば見るほどいい男ねぇ~」


「お母さんしたないでしょう」


「だってお父さん お父さんだってそう思うでしょう」


「まぁ~それはいなめないなぁ~」


「ほらお父さんだって・・・」


お母さんは笑っていた




(何を言ってるんだよお父さんもお母さんも まぁ~そういう話になるのはわかってたけど・・・)




俺はチラリと翔を見た


「冗談はさておき・・・ 翔はバーで仕事をしているんだって・・・」


「はい雇われ店長で好きやらせてもらっています」


「夜は遅くまで?」


「そうですねお客様が帰られるまで」


「絡まれたりとかは?」


「今までそういう経験はないです」


「そうか」


「弘樹は金曜日にバーへ来てくれるので一緒に帰ります」


「えっ弘樹 お酒飲める様になったの?」


お母さんが驚いた様子で俺を見た


「飲めないよ 翔のバーはソフトドリンクもあるんだよ ちゃんとフルーツから作ってくれるんだ」


「そう言えば弘樹翔に迷惑な事してないでしょうね」


「大丈夫だよね翔」


俺は隣に居る翔を見た


「むしろ助けられています 弘樹が家に居ると部屋が凄く明るくなって 居なくなったら困ります」


「まぁ~お父さん聞いた?居なくなったら困るって 翔に私も言われてみたいわ・・・」


「お母さん歳を考えなさい」


「でもお父さんうらやましいわね・・・ ねぇ~翔は何で弘樹だったの?」


「俺が弘樹にひとめ惚れしました」


「もうその話はいいでしょう」


俺は恥ずかしくなり口をはさんだ


「あら一番聞きたいところじゃないの ねぇ~お父さん」




(弘樹に感謝だなぁ~ お父さんもお母さんも弘樹と俺との関係を知っている)





「翔のご両親は?」


「はい 父は長距離トラックの仕事をしていて 母はスナックを経営しています」


「弘樹の事は知っているのかな?」


「もうずいぶんと連絡は取っていません」


「あら それはさみしいわね・・・」


お母さんも俺も翔の顔を見た




(そう言えば翔の両親の事あまり聞いた事がない・・・)




「翔の兄弟は?」


「俺は1人っ子です」


「あらそれじゃ~ますます会いたいんじゃないかしら・・・」


俺もうなづいた


「うちにはもう1人うるさい子が居るから・・・」


「初め弘樹から話を聞いた時は びっくりしたし驚いていたわよね お父さん」


「あぁ~だけど弘樹の人生に私達が口出しをするのは違うと思ってね」


翔が箸を置いた


「全て俺のわがままから始まった事です」


そう言って翔は頭を下げた


「えっちょっと待って違うよ・・・」


俺は翔の身体を支え翔の顔を覗き込んだ


「翔いや 私達は翔を攻めている訳ではないんだ 弘樹も幸せなんだ 私達は2人の幸せになる事が大事だと思っているんだ」


翔は顔を上げまた頭を下げた


「ありがとうございます」


俺も一緒に頭を下げた


すると玄関で物凄い音と美穂が客間を駆け抜けて行った


「美穂 お客様の前ですよ」


お母さんの言葉に美穂が顔を出した


「翔」


そう言って美穂は翔の隣へと座った


美穂は翔の腕を掴んでいた


「美穂翔に会いたかったんだよ」


「美穂 顔が近いぞ」


「お兄ちゃんは関係ないでしょう」




(関係あるだろう 美穂は相変わらずずうずうしいなぁ~)




「美穂自分のコップとお皿は持って来なさいね」


「わかってる ねぇ~お母さん本物だよ・・・」


美穂はそう言って翔の顔をまじまじと見ていた


「美穂いい加減にしろよ 翔に迷惑かけんな・・・」


「何よお兄ちゃんばっか 今日くらい美穂が独占してもいいでしょう 美穂がお兄ちゃんより早く翔と出会っていたら 絶対美穂の翔になっていたはずなんだからね」


翔は美穂の腕をゆっくりとはずし 美穂から俺に視線を向けた


「美穂 それはない」


「どうして 美穂は女の子だよ」


「そういう問題じゃ~ないんだよ たとえ美穂と先に出会ったとしても 俺は弘樹を選ぶ・・・」


翔はそう言って俺を見た




(これ凄くヤバい・・・ 俺どうにかなっちゃいそうだよ・・・)




「美穂残念だけど 美穂はどうあっても弘樹にはかなわない」


「もうお父さんは黙ってて・・・ 美穂コップ持って来る」


そう言って美穂は立ち上がった


「あっすいませんお手洗い貸して下さい」


そう言って翔も立ち上がった


「翔 突き当りを左だよ」


「ありがとう弘樹」


そう言って翔は行ってしまった


美穂はすぐに座りお寿司をつまんでいた


俺も立ち上がり階段に座り翔を待っていた





(翔は堂々と俺の家族に言えるんだ・・・ 何か凄いなぁ~)





翔が俺に気付いて声をかけてくれた


「弘樹」


「あっ翔」


「弘樹の部屋は2階だったのか?」


「うんそうだよ もう物置になってると思うけど行ってみる?」


「いいのか?」


俺と翔は階段を上り俺の部屋へ 灯りを付けると翔に包み込まれた


「弘樹ありがとう」


「えっ何が?」


「弘樹が俺との関係を両親に話をしてくれたおかげだ・・・」


「言ったでしょう 俺の家は隠し事はダメだって・・・」


「あぁ~」


俺が振り返ると翔のくちびるが重なった




俺と翔は階段を下り 帰る事を伝えると美穂はこりもせず 翔の腕を掴んでいた


「翔 弘樹の事お願いね」


「任せて下さい」


「また顔を見せに来なさい」


「ありがとうございます」


「お兄ちゃんになんか絶対に負けないんだからね」


「美穂いい加減翔から離れろ・・・」


俺の言葉に美穂は舌を出した


俺と翔は車に乗り込んで


「弘樹 連絡しなさいよ 気を付けてね」


「じゃ~」


「お邪魔しました」


翔はそう言って車をゆっくりと走らせた




マンションに着いた俺と翔は 翔の嬉しさを俺はまた身体で感じる事となり


翔は昨日よりも激しく俺は何度も気を失いかけていた




(つづく)



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