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一部

第十話

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「死んだ!?」
陽の大声は、チャイムと重なってもなお響く。
快晴だった空はいつの間にかどんよりとした雲に覆われて、やがて雨が落ち始めた。遠くの方で、地響きのような雷鳴が聞こえる。
惺の父の訃報を平然と告げた織は、淀み無く手元の五線譜に音符を書き付けていた。紙の上を走るペンの音と、いつもよりも上機嫌そうに聞こえる鼻歌が、陽の驚きの声によって掻き消されている。
長らく使われていないらしい黒板の真上の蛍光灯が、二、三度明滅した。
「何かそうらしいよ」
さして興味も無さげな織は、五線譜から目を離して窓の外に目をやる。そして、つまらない映画を観た後のような無表情で事の顛末を話し始めた。
深夜、午前二時を回った頃だったと言う。父方の親戚から惺に着信があった。彼はそれに気付きつつも通話ボタンを押すことは無く、痙攣する携帯をクッションの下に捩じ込んだ。しかし一度切れたと思っても、数分と間を空けずに何度も掛け直してくる。
流石に無視を決め込むことも出来ずに出てみると、父親が死んだから今すぐ病院に来るように、と言う電話だった。握っていた携帯を取り落として硬直してしまった惺に代わって、織がその親戚と話して病院の場所を聞き、タクシーでそこまで連れて行った。要約すると、そういう話だ。
「随分、急でしたね」
ようやっと口を開いた初に、織は気もそぞろに頷いた。
「酷かったらしいよ、死体」
惺の父は昨夜いつものように出勤し、終業後のオフィスビル内を巡回に出掛けた。ところが、いつまで経っても警備室に戻って来ない。そこまで大きなビルではないし、いつもは一時間と経たずに戻ってくる。それが、二時間、三時間経ってもその気配すらない。
同僚が本部に連絡を入れてビル内を探し回ると、三階の女子トイレの洋式便器に顔を突っ込んで息絶えている惺の父を見つけた。彼と彼の周りだけが不自然に焼け焦げて、制服のネームプレートと歯形で身元の確認を取ったらしい。その顔──顔があるはずの場所には大小様々な無数の釘が根元まで打ち込まれていて、通報を受けて駆けつけた警察も目を背けるほどだったと言う。
「ネットニュースに、っ、面白おかしく書かれてたよ。猟奇殺人かっ、て──」
織はそこで何かに気が付いたように言葉を切ると、陽の方を心配そうに見た。
「ごめん、今の話きつかった?」
「聞くだけならギリっす、けどお」
と言ってはみたものの、既に身体は拒絶反応を示し始めている。少し想像しただけでも胃の中身が迫り上がって来るから、リュックに入っていた温い水を一気に飲んで押し戻した。しかし気持ちの悪さは一向に消えず、陽はそろりと立ち上がる。少しふらついたが、初に支えられて事なきを得た。
「ちょっと顔洗ってくる……」
「僕もついてこうか?」
「全然大丈夫だって」
すぐ戻るから、と言いながら初と織の二人に軽く手を振って、陽は第二視聴覚室を出た。
最も手近な窓の鍵を、少し背伸びをして開ける。ざあざあと木々が揺れる音と共に吹き込んできた心地の良い風に、目を閉じて深呼吸した。身体の中で蟠を巻いていた不愉快な靄が、徐々に薄れていく。


「悪いことしちゃったなあ、陽ちゃん」
「大丈夫ですよ、もうちょっとしたらけろっとして帰ってきますから」
陽がふらふらと出て行った扉を見て、織は申し訳なさそうに視線を落とした。それに初が笑って返すと、織は机に肘をついて微笑む。
「慣れてんじゃん」
「そりゃあ、長い付き合いですから」
「ふうん、いつからだっけ?」
「幼稚園からずっとですよ、クラスも離れたことないんです」
他愛の無い会話をしながら、初はさり気無く斜め向かいに座る織を観察する。
惺の父の死体の話をしている時、凄惨な話に不釣り合いなほど上がった口角。しかし表情とは裏腹に、忙しなく動く指先が小刻みに震えていたのを、初は見逃さない。震えで揺れる声を抑えようとしてか、小さな咳払いや、息を詰まらせるように唇を引き結ぶ動作が多かった。まるで心の中でうぞうぞと湧いてくる恐怖を必死に押し込めて無理に笑っているような、そんな様子だった。
陽は気付いていなかったと言うか、そんな余裕も無かったようだが。
「織先輩」
「何?」
話を終えて多少落ち着いたらしい織に、定期公演会前日の夜のことを聞こうとして、一瞬躊躇った。あの時の、一心不乱に位牌に釘を打つ姿を思い出して、滲むように恐怖心が蘇ってくる。惺の父の死とあれを結びつけるのは早計な気もするが、他人に見られて良いもので無いことは火を見るよりも明らかだ。それを見たとここで当人に言ってしまうのは自殺行為が過ぎないかと、初は自問自答した。織の地雷を踏んで、何がしかの危害を加えられないとも限らない。
あの夜、惺が風呂に入っている間に織が漏らした言葉を思い出した。親父の方が死ねばいいと、彼はそう言ったのだ。止め処なく溢れ出してくる思考は、どんどん悪い方へと向かっていく。
しかしそれは、織が発した一言によって容易く霧散した。
「見てたんでしょ、この間」
初は反射的に顔を上げてしまう。それを肯定と受け取ったらしい織はひとつ頷いて、柔らかく微笑んだ。彼はいつものように初の頭を撫でて、怖がらせてごめんな、と言った。
「すいません、……覗くつもりじゃ」
「うんうん、知ってるよ。別に見て悪いもんじゃないし、はーくんには何の障りも無いから」
障り。
怪談と言うものをあまり信じていなかったように見える織からその言葉が発せられたことに、初は強烈な違和感を覚える。至って落ち着いた様子の織に安堵したのと同時に、あれがどんな意味を持つのか気になった。自分の両親の位牌に釘を打ち付けると言う、非道徳が極まったような行為。意味不明な呪文のようなもの。くぎのかみさま、とは、釘の神様、と変換するのだろうか?
惺の父の死体は焼け焦げて、顔には無数の釘が打たれていたと言う。
「何なんですか、あれ」
その妙な符合に、初の背中を嫌な汗が伝う。気の毒ではあるが、悪趣味な人間による殺人と言われた方がまだ安心できるような気がした。その恐怖に完全に呑まれる前にと、初は考えるよりも先に疑問を口にしていた。織は少し考えるように目を伏せた後、小さく息を吐いた。
「はーくんはさあ、陽ちゃんのこと、大事でしょ?」
「え、──はい」
全く予想だにしなかったその返しに初は一瞬固まって、そして頷く。陽とは、幼稚園の頃からずっと一緒だった。

父が正式に祖父の病院を継ぐことになり、香西家は新豊永に引っ越してきた。
転園先の幼稚園で、幼い初は周囲の園児と馴染むことが出来なかった。初日から仲間外れにされたし、足を引っ掛けられて転ばされた。転園から三日ほど経った朝、勇気を振り絞って母親に行きたくないと言った。が、全く聞き入れて貰えない。仕事があるからと言って、車に押し込まれて幼稚園まで連れて行かれてしまった。母は初を幼稚園の門の前に下ろすと、さっさと勤務先の小学校へ向かった。
どうにか玄関に入って靴を履き替え、クラスの部屋の前に立ったが、自分が入った時の他の園児の視線が嫌で、ドアの前で硬直する。
すると、初の肩を後ろから誰かが叩いた。恐る恐る振り返ると、そこには自分よりも小さい子供が立っている。クラスでは見たことがないから、年少の子だろうか、と思った初が戸惑っていると、その子供は周囲が振り返るような大きな声で、お前、誰?と言った。
それが、陽だった。
後から聞いた話だが、陽は初が転園してきた前日から風邪を拗らせて休んでいたのだと言う。初が小さな声で名前を言うと、ふーん、と言った彼はそのまま初の手を引いて部屋のドアを開けた。
それから陽は何かあると初に声を掛けて一緒に遊ぶようになったし、それに感化されてか他の園児の態度も段々と軟化していった。
家が隣だと知ったのは、初めて会ってから一ヶ月ほど経った時のことだった。

それから小中、果ては高校も一緒で、自分の親よりも陽といる時間の方が長いのではと思えるほどだ。喧嘩をすることもあるが、気が付くと横にいて、くだらない話をしている。一緒にいるのが当たり前で、大事だとか、そんなことを考えるのも何だか気恥ずかしい。
空気と同じだ。あって当然のものだから、それが無くなってしまうことなど最初から考えない。
「うん、俺もね、惺のこと、大事なんだよ」
その当たり前が何かによって揺らいで、壊されかけた時、人は、──自分は、どうなってしまうのだろうか。
初のぼんやりとした予想は、恐らく殆ど的中している。織ははっきりとしたことを言わなかったが、それを暗に肯定している様子だった。

──織は、惺の父に呪いを掛けたのだ。
「……先輩」
初の中に、ひとつの心配事が浮かぶ。人を呪わば穴二つ、と言う諺があるように、それには何かしらの弊害と言うか、代償が伴うのではないか。その昔、陽に付き合って観たインターネットの怖い話の動画に出てきたフレーズが、ふっと脳裏を通り過ぎていく。

人の命に見合う代償って、結局、人の命なんですよね。

大丈夫なんですか、と聞いた自分の声は、情けないほど震えていた。握り締めた拳の中で、爪が手のひらに食い込んで鈍く痛む。面倒になったからと最近はずっと裸眼のままの織の目が、今までで一番優しく細められた。
「優しいね、はーくん」
織はそう言うと、再び初の頭を撫でる。
いつの間にか雨は止んでいて、灰色の重たい雲の隙間から太陽が顔を覗かせていた。遠くの方から聞こえていた雷鳴はすっかり鳴りを潜めて、鳥の声に変わっている。
「俺はね、それでも良かったよ」
独り言のように、自分に言い聞かせるようにそう呟いた織に言い返そうと初が口を開いた時、第二視聴覚室の扉が勢いよく開かれた。
それと同時に、陽が室内に飛び込んできて両手を上げる。
「復活!」
「元気すぎじゃん、良かったわ」
織は陽の方を見ながら笑って、もう一度初の頭を優しく撫でる。彼は次いで立ち上がると、奥の部屋へと入っていった。陽もその後を追ったかと思うと、中から楽しげな声が聞こえてくる。
机に残された五線譜に目をやって、次の瞬間には、初はそれを裏返していた。

奥から顔を出した陽が、よく通る声で初を呼ぶ。
「初!苺とバナナどっちがいい?」
「何の話かによる!」
それに極力普通に返事をして、初は滲む涙を抑えようと何度も強く瞬きをした。


惺がいつ復帰するかは、織も分かっていないらしい。遠い親戚ならいざ知らず、直系家族が死んだとなると一週間では足りない気もする。惺は今実家の団地では無く、他県の父方の親戚の家に泊まっているようで、少なくとも暴力を振るわれるような環境でないことは確かだと織は言った。
メッセージが返ってくるなら、携帯を取り上げられていると言うことも無いだろう。暴力を振るうような人間の親戚筋だと言うだけで少し警戒してしまうが、一人がそうだからと親類を全て一纏めにしてしまうのは、些か短絡的だ。
惺の父親も、元はそんな人間では無かったのだから。
織が茫然自失状態の惺を病院に連れて行った時、惺の父の弟──惺からすれば伯父に当たる人間に、大層丁寧に挨拶をされ、礼だと言ってタクシー代にかなり色を付けた額を貰ったと言う。そのことから考えても、恐らく親類の方はまともな感性を持っているのだろう。

それからは少し練習をして、完全下校よりも前に解散することになった。三人が荷物を纏めて第二視聴覚室を出ると、織は職員室に用事があるから先に行くと言う。
「また怒られっすか?」
「ばか、違うよ。普通に呼び出し!」
陽の頭を軽く小突いた織は、手を振って第二視聴覚室横の階段を下りる。その背中にお疲れっした、と叫んだ陽は、すぐに右を向いて廊下を歩き出した。
陽の後を追いかけようと初が動いた時、ふと織が何かを思い出したように振り返って、初を呼んだ。陽もそれに気が付いたのか、後ろ向きのまま戻って来て階段を覗き込む。
「別に今すぐってことじゃないし、──誰にも迷惑かけないから」
だから、安心して良いよ。
それだけを言った織は再びひらひらと手を振って、初が何かを言う前に階段を駆け下りて行った。初は暫く呆然とその言葉を噛み砕いていたが、陽に思い切り背中を平手打ちされて我に返る。
「なあって!何の話?」
「いや、──なんでも、ない」
反射的に、そう答えた。
すると、陽は拗ねたように頬を膨らませて、あっそ、と先を歩き出した。初もその後を追う。怒ったかなとも思ったが、どう話していいのかも分からなかった。
結局校門を出るまで、陽と初は一言も話さない。自分の前を歩く、自分よりも幾分小さい幼馴染の茶色いふわふわとした髪が、ギターのギグバッグからちらちらとこちらを覗いている。

陽の少し後ろを、黙って歩いた。
それでも良かったよ、と言った織の手指は、声は、明らかに震えていた。今にも泣き出しそうなほど潤んだ織の目が、引き攣った微笑みが、さっき見たのではと言うほど鮮明に思い出される。
織が奥の部屋に引っ込んだ隙に覗き見た五線譜、そこには少量の歪な音符が描き殴られていたが、それらには雑な線が何本も引かれていた。

それは、いずれ払わなければならない代償が存在することの証左であるように思えた。だから、陽に見られる前に紙を裏返したのだ。あの場で織を問い詰めて詳細を聞き出しても良かったが、織はうまいことはぐらかして口を割らないだろうし、詳しいことを聞けても、結局彼に対して出来ることなど無いように思えた。
色の濃い絶望が、初の頭の中を覆っていく。昔から何もかもを諦めてきたためにそれに抗う術を知らない自分が、何も出来ないんじゃないかと足踏みを続けている自分が、どうしようも無く腹立たしい。
優しいね、と織は笑っていたけれど、優しいと言うのは、何の美徳にもならない。
惺なら、或いは陽なら、織に対して何か出来ただろうか。
あの話を聞くのが、自分じゃ無ければ。
自分なんかじゃ、無ければ良かった。
「初……?」
気が付けば初はその場に立ち止まっていて、陽がこちらを振り返っている。彼は初の顔を見るなりその大きな目を見開いて、一直線に駆け寄って来た。
「お前、泣いてんの」
「え、な、泣いてな」
「泣いてる!」
それを自覚させられてしまえば、先程堪えたものと色々な感情が綯い交ぜになった涙がぼろぼろと溢れ出してくる。初が顔を覆ってその場に蹲み込むと、陽もその顔を覗き込むように身を屈めた。完全下校前の中途半端な時間帯であるからか、周りには誰もいない。
満足に呼吸すら出来なくなって、数度咳き込む。陽は初が落ち着くまで、ずっと横で涙を拭っていた。

陽に手を引かれて駅に向かう。気を抜くとまた泣いてしまいそうで、初は強く鼻を啜った。目の周りが乾き切って、ぴりぴりと痛む。
「何か、幼稚園の時みたい」
発した声が予想外に掠れていたことに、初は少し驚いた。それに笑いながら頷いた陽と共に改札を抜けて、ホームのベンチに腰掛けて列車を待つ。陽はリュックから水を取り出してその中身を一気に飲み干すと、ペットボトルを潰して真横のゴミ箱に向かって投げ入れた。
「陽」
「はあい」
「陽はさあ、僕が、親に暴力振われてるって言ったら、どうする?」
「は!?何!?ついに手出されたの!?」
「いやもしもの話だから座んなよ」
立ち上がりかけた陽をベンチに押し戻して、初は改めて首を傾げた。言ってしまったものは引っ込められないが、どうやら自分は相当参っているらしいと悟った。内心で苦笑いを浮かべて、陽の答えを待つ。
列車が到着するアナウンスが、駅構内を満たした。
「そんなん、とりあえず俺んちに避難さして、それで、警察、それで──」
順当だと思われる対策を指折り数える陽の声を、入ってきた列車が掻き消す。次いで開いたドアからは誰も下りて来ず、陽と初はがら空きの車両に乗り込んだ。横長の座席に並んで座り、発車時刻を待っている。
「何でそんなこと聞くんだよ、まさか本当に」
「陽」
「?」
「今日さあ、陽んちに泊まってもいい?」
「あ?今日?いいけど」
陽は二つ返事で了承した後、母親に連絡を入れるために携帯を取り出した。それを横目に、初は小さく溜息を吐く。
もしも陽が惺と同じような状況になっていたとしたら、自分はきっと、織と同じことをする。例えその先で、自分の身がどうなったとしても。
その確信めいた思考に蓋をするように、初は強く目を擦って、陽に向けて微笑んで見せた。
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