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第一章 悪役王女になりまして
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「本当に馬鹿だったわね」
自分が馬鹿な王女を演じたら、すぐに口を滑らしてしまった。
相手が、アルフォンスのように、もう少し賢かったら、口では勝てなかっただろう。
相手がそこまで賢くないからこそできたことだった。
(でも、そうも言ってられない)
相手がそこまで賢くないからこそ、今回は勝てた。彩花の演技だけで、証言を引き出せた。だが、そんな馬鹿だけが相手になるとは限らない。
もしも、アルフォンスと同じくらいに賢かったら、演技だけでは引き出せなかった。自分の話術では、勝てなかった。
「話術はあまりいらなかったからなぁ」
演技は、台本のセリフを読んでいればいいだけだ。言ってしまえば、相手が次に何を言うのかを知っているから、アドリブもしやすい。
だが、現実は違う。相手がどんな言動を使うかなんて、100%はわからない。予測して、それに返す言葉を、常に考えなくてはならない。
(アルフォンス……は、相手してくれなさそうだし、フランキスカにでも行ってみようかな)
思い立ったが吉日と、彩花は、こっそりとお城を抜け出すために、お城の裏庭に向かう。フランキスカは、学園の領にいるはずなので、学園に向かわなければいけない。
その道中に、彩花はアルフォンスのことを思い浮かべる。
(あいつの話術力を半分でも分けてくれないかなぁ)
彩花は、腹の探り合いはできるほうだ。だからといって、話術が巧みというわけではない。
相手が自分をどう思っているのか。その言葉にはどんな副音声がこめられているのか。それがわかるくらいだ。
なので、それにアルフォンス並みの話術が合わされば、それなりに口で戦うことはできるはずだ。
(まぁ、それは無理だし、鍛えるしかないかなぁ……)
はぁとため息をつきながら、彩花は裏庭に向かった。
裏庭には、侍女が数人と、騎士もいる。侍女はなんとかごまかせるかもしれないが、騎士は視線を掻い潜らないと難しい。それも、気配を消さなければならない。
(私にステルスミッションは高難易度になるんだけどなぁ……)
正攻法でいけばいいだろと思われるかもしれないが、そうなると、さっそく言いつけを破ろうとしたことになるので、叱られるのは明白だ。
どっちにしろ、部屋に長くいなかったらばれるのだが、口では勝てないアルフォンスと国王の目がないうちに、抜け出すしか方法はない。外出を許してくれなかったら、いつぞやの二の舞だ。
(私はどっちかっていえばアウトドア派なのに、インドアみたいな生活を送れるわけがない!)
アルフォンスに軟禁生活されていたときも、我慢の限界を迎えて窓から外に出たくらいだ。
(そのまま外にーーっ!)
彩花は後ろに気配を感じて、咄嗟に魔法を起動して振り向く。
放とうとしたところで、見覚えのある顔だったので、すぐに魔法を破棄した。
「……なんであんたがここにいるのかしら?」
彩花が冷たい視線を向けるのは、なぜか目の前にいるマティアスだった。
「アルフォンス殿下に、あなたが勝手に外出しないか見張っていろと命じられましたので、登城していました」
「チッ……読まれてたのね」
「舌打ちしなくてもいいでしょう。やけにうまかったですけど、普段からやってたんですか?」
子役だったころから、あまり性格が変わっていない彩花は、昔から結構腹黒いところがあった。なので、ムカつくことがあると、よく舌打ちしていた。体は違えど、魂が覚えている。
「それよりも、よくここがわかったわね?気配はそんなに感じなかったから、つけてきてはいなかったんでしょ?」
彩花は、気配……特に、ストーカーのような、尾行などにはかなり敏感だ。後をつけられていたら、大体どこにいるのか勘でわかる。
「あなたは部屋以外なら、よくここに来ていましたから、ここを巡回していただけです」
警備員のような発言をする婚約者に、彩花はちょっと戸惑いながらも、表情には出さずに、冷たく「そう」と返した。
「王女殿下がここにおられるのなら、話は終わったのですか?」
「……ええ、一応ね」
(……?)
エルルーアの含みのある言い方に、マティアスは少しだけ首をかしげる。
「あんたならわかるでしょう?出る杭は打たれる。エルルーアがでしゃばれば、それを潰しに来るのが現れるわ」
王太子がアルフォンスとはいえ、この国は実力主義なので、実力を示せば、エルルーアが王位につく可能性もある。王太子というのは、確定ではない。剥奪される可能性だって、充分にあり得ることだ。
だからこそ、身内が王太子や王太女となったからと言って、黙っていない王族も、決して少なくはない。
そして、それは貴族も同じだ。貴族には、派閥がある。当然、自分の派閥の王族に王位についてもらう方がいい。唯一の側妃の娘であるエルルーアは、王妃派からすれば、唯一、王族でも邪魔な存在だ。
今まで大して狙われなかったのは、エルルーアが馬鹿だったから。王位につく可能性がない王女は、いずれ嫁いで王族から外れる。
「そのままなら、勝手に消えてくれたのに、あなたが変わっては危機感を覚えた者がいるということですか」
「そうね。サティレス侯爵もその一人だわ。私が毒を盛られたのは、ちょうど私がかわったとかいう噂が流れたころだったし……」
「あぁ、そんな馬鹿みたいな噂が流れてましたね」
「どういう意味かしら?」
まるで、その噂は嘘に決まっていると決めつけられたようで、彩花は少し腹を立てる。
「賢くはなったかもしれませんけど、性格が悪いのは大して変わってはーー」
そこまで言われたところで、彩花は真顔でマティアスの足を踏んづける。
自分で言う分にはかまわないが、人にそう言われると、腹が立つのだ。
「……結構、痛かったんですけど……?」
「その割には、声は出さなかったし、あまり表情にも出なかったじゃない」
「そりゃあ、踏まれなれてますし……」
「そうなの?なんで?」
(お前のダンスが下手だからだ!)
声を大にしてそう言いたかったが、本当に心当たりがないという風に言われれば、責めることなどできずに、軽く息を吐く。
「まぁ、いろいろありまして……」
「ふーん……」
つまらなそうに返事をして、もう興味がないと言わんばかりに背を向けるエルルーアに、マティアスは調子を狂わせられる。今までと違いすぎるからだ。まるで、皮を脱いだかのように、人が変わっている。性格はあまり変わってないかもしれないが。
「ところで、一つ聞きたいんだけど……」
背を向けたまま、エルルーアがたずねてくる。
「なんですか?」
「後ろにいるのはお友達かしら?」
えっ?と思いながらマティアスが後ろを向くと、そこには一人の少年がいた。
「後ろ向きでよくお気づきになられましたね~。私は、ソルディア・フォン・アクレミットと申します」
彩花は、その声に聞き覚えがあって、後ろを向いた。
それは、マティアスが妾の子と言っていたときに話していた人物と、容姿が一致していた。
(なんでこいつが……?)
自分が馬鹿な王女を演じたら、すぐに口を滑らしてしまった。
相手が、アルフォンスのように、もう少し賢かったら、口では勝てなかっただろう。
相手がそこまで賢くないからこそできたことだった。
(でも、そうも言ってられない)
相手がそこまで賢くないからこそ、今回は勝てた。彩花の演技だけで、証言を引き出せた。だが、そんな馬鹿だけが相手になるとは限らない。
もしも、アルフォンスと同じくらいに賢かったら、演技だけでは引き出せなかった。自分の話術では、勝てなかった。
「話術はあまりいらなかったからなぁ」
演技は、台本のセリフを読んでいればいいだけだ。言ってしまえば、相手が次に何を言うのかを知っているから、アドリブもしやすい。
だが、現実は違う。相手がどんな言動を使うかなんて、100%はわからない。予測して、それに返す言葉を、常に考えなくてはならない。
(アルフォンス……は、相手してくれなさそうだし、フランキスカにでも行ってみようかな)
思い立ったが吉日と、彩花は、こっそりとお城を抜け出すために、お城の裏庭に向かう。フランキスカは、学園の領にいるはずなので、学園に向かわなければいけない。
その道中に、彩花はアルフォンスのことを思い浮かべる。
(あいつの話術力を半分でも分けてくれないかなぁ)
彩花は、腹の探り合いはできるほうだ。だからといって、話術が巧みというわけではない。
相手が自分をどう思っているのか。その言葉にはどんな副音声がこめられているのか。それがわかるくらいだ。
なので、それにアルフォンス並みの話術が合わされば、それなりに口で戦うことはできるはずだ。
(まぁ、それは無理だし、鍛えるしかないかなぁ……)
はぁとため息をつきながら、彩花は裏庭に向かった。
裏庭には、侍女が数人と、騎士もいる。侍女はなんとかごまかせるかもしれないが、騎士は視線を掻い潜らないと難しい。それも、気配を消さなければならない。
(私にステルスミッションは高難易度になるんだけどなぁ……)
正攻法でいけばいいだろと思われるかもしれないが、そうなると、さっそく言いつけを破ろうとしたことになるので、叱られるのは明白だ。
どっちにしろ、部屋に長くいなかったらばれるのだが、口では勝てないアルフォンスと国王の目がないうちに、抜け出すしか方法はない。外出を許してくれなかったら、いつぞやの二の舞だ。
(私はどっちかっていえばアウトドア派なのに、インドアみたいな生活を送れるわけがない!)
アルフォンスに軟禁生活されていたときも、我慢の限界を迎えて窓から外に出たくらいだ。
(そのまま外にーーっ!)
彩花は後ろに気配を感じて、咄嗟に魔法を起動して振り向く。
放とうとしたところで、見覚えのある顔だったので、すぐに魔法を破棄した。
「……なんであんたがここにいるのかしら?」
彩花が冷たい視線を向けるのは、なぜか目の前にいるマティアスだった。
「アルフォンス殿下に、あなたが勝手に外出しないか見張っていろと命じられましたので、登城していました」
「チッ……読まれてたのね」
「舌打ちしなくてもいいでしょう。やけにうまかったですけど、普段からやってたんですか?」
子役だったころから、あまり性格が変わっていない彩花は、昔から結構腹黒いところがあった。なので、ムカつくことがあると、よく舌打ちしていた。体は違えど、魂が覚えている。
「それよりも、よくここがわかったわね?気配はそんなに感じなかったから、つけてきてはいなかったんでしょ?」
彩花は、気配……特に、ストーカーのような、尾行などにはかなり敏感だ。後をつけられていたら、大体どこにいるのか勘でわかる。
「あなたは部屋以外なら、よくここに来ていましたから、ここを巡回していただけです」
警備員のような発言をする婚約者に、彩花はちょっと戸惑いながらも、表情には出さずに、冷たく「そう」と返した。
「王女殿下がここにおられるのなら、話は終わったのですか?」
「……ええ、一応ね」
(……?)
エルルーアの含みのある言い方に、マティアスは少しだけ首をかしげる。
「あんたならわかるでしょう?出る杭は打たれる。エルルーアがでしゃばれば、それを潰しに来るのが現れるわ」
王太子がアルフォンスとはいえ、この国は実力主義なので、実力を示せば、エルルーアが王位につく可能性もある。王太子というのは、確定ではない。剥奪される可能性だって、充分にあり得ることだ。
だからこそ、身内が王太子や王太女となったからと言って、黙っていない王族も、決して少なくはない。
そして、それは貴族も同じだ。貴族には、派閥がある。当然、自分の派閥の王族に王位についてもらう方がいい。唯一の側妃の娘であるエルルーアは、王妃派からすれば、唯一、王族でも邪魔な存在だ。
今まで大して狙われなかったのは、エルルーアが馬鹿だったから。王位につく可能性がない王女は、いずれ嫁いで王族から外れる。
「そのままなら、勝手に消えてくれたのに、あなたが変わっては危機感を覚えた者がいるということですか」
「そうね。サティレス侯爵もその一人だわ。私が毒を盛られたのは、ちょうど私がかわったとかいう噂が流れたころだったし……」
「あぁ、そんな馬鹿みたいな噂が流れてましたね」
「どういう意味かしら?」
まるで、その噂は嘘に決まっていると決めつけられたようで、彩花は少し腹を立てる。
「賢くはなったかもしれませんけど、性格が悪いのは大して変わってはーー」
そこまで言われたところで、彩花は真顔でマティアスの足を踏んづける。
自分で言う分にはかまわないが、人にそう言われると、腹が立つのだ。
「……結構、痛かったんですけど……?」
「その割には、声は出さなかったし、あまり表情にも出なかったじゃない」
「そりゃあ、踏まれなれてますし……」
「そうなの?なんで?」
(お前のダンスが下手だからだ!)
声を大にしてそう言いたかったが、本当に心当たりがないという風に言われれば、責めることなどできずに、軽く息を吐く。
「まぁ、いろいろありまして……」
「ふーん……」
つまらなそうに返事をして、もう興味がないと言わんばかりに背を向けるエルルーアに、マティアスは調子を狂わせられる。今までと違いすぎるからだ。まるで、皮を脱いだかのように、人が変わっている。性格はあまり変わってないかもしれないが。
「ところで、一つ聞きたいんだけど……」
背を向けたまま、エルルーアがたずねてくる。
「なんですか?」
「後ろにいるのはお友達かしら?」
えっ?と思いながらマティアスが後ろを向くと、そこには一人の少年がいた。
「後ろ向きでよくお気づきになられましたね~。私は、ソルディア・フォン・アクレミットと申します」
彩花は、その声に聞き覚えがあって、後ろを向いた。
それは、マティアスが妾の子と言っていたときに話していた人物と、容姿が一致していた。
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