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422 優、周りに影響され過ぎだぞ。
しおりを挟む「テツ様、ギルドからのお知らせを持って参りました」
ポーネがそう言い、いろいろ説明してくれる。
まずは今の事務処理が終わるまでは何もできないが、その後帝都王宮で、晩餐会が催されるそうだ。
それに俺も出席しなければいけないらしい。
当然フレイアもだが、拒否権はないそうだ。
同時に帝都全体でお祭りみたいなものをするという。
その予定があるので、どこにも行かないようにと、くぎを刺された。
なるほど、そのためにポーネが来たのか。
・・・・
・・
後はいろいろ細かいことを言われたが、覚えられそうにない。
ポーネはそれだけを知らせると帰っていった。
フレイアもカフェの準備があるとかで帰っていく。
後でカフェに行くよと俺も伝える。
ふぅ、朝からヘビィだよな。
時間は8時前。
まぁ、特に用もないのでギルドでも覗いて、カフェに行ったり、散歩したりするかな。
そう思い、家の外に出る。
嫁たちがいた。
優たちもいる。
「おはよう、どうしたんだ?」
俺は声をかけてみる。
「おはよう、おっさん」
「おはよう」
!
優はともかく、嫁が挨拶をした。
ありえねぇ・・。
凛も、パパおはよう~と言ってニコニコしている。
颯も同じ感じだ。
「俺たち、学校へ行くんだよ。 授業はないようだけど、今回の事件などの反省会や、邪神王のところの話をしてくれって言われてて・・」
優が困ったような顔をしていた。
そりゃそうだろう。
ほとんど気絶状態だったからな。
後はゲロ吐いていたくらいじゃないか?
俺はそんなことを思っていた。
すると優が話してくる。
「そういえばおっさん、帰ってきた時に身体光ってただろ。 あれって何?」
「あぁ、あれか。 闘気みたいなものなんだ。 武闘家なんかが稀に武装闘気というスキルを身につけることがあるらしい。 その類だな」
俺が答えると、優は少し悔しそうな顔をして言う。
「やっぱ、チートだよなおっさん。 それより、見せてもらってもいい?」
俺は一瞬迷ったが見せることにした。
「いいよ」
そう返事をして、気合を込める。
「ふぅん!」
パァッと俺の身体が光る。
「どう、これでいいかな?」
!!
みんなが驚いていた。
そりゃ、身体が光るからな。
「おっさん、目が・・金色になってる」
優が驚ろきながら俺を見る。
傍でいたレイアも不思議そうな顔で俺を見る。
凛や颯も俺を覆っている光に触れてみようと、手を出したりひっこめたりしている。
「凛、颯、大丈夫だよ。 この気は俺の意思に反応するんだ。 今は安全だよ」
俺がそう言うとホッとしたような顔で光に触れていた。
当然触感などあるはずもないだろうが。
バーンが颯の頭から降りて地上に着地。
頭を地面につけて、神様、神様とうるさい。
スラちゃんは相変わらずプルプルしている。
やっぱりかわいいな。
俺は神光気を解き、普通の状態に戻った。
それを見て優がつぶやく。
「俺も今度転職できたら、武闘家になろうかな・・」
優・・周りに影響されすぎだぞ。
俺はレイアに優をしっかり頼みますと言った。
レイアは笑っている。
嫁とお義母さんは軽くうなずいて、みんなで学校へ行こうと言ってそのまま行ってしまった。
あまり衝撃を受けなかったようだ。
さて、俺もとりあえずはばあちゃんに挨拶でもしておこう。
ばあちゃんの家の呼び鈴を押す。
「はーい」
ばあちゃんの声だ。
ドアが開かれ、俺を見る。
「おや、テツかい。 おはようさん。 今朝は忙しいんだよ」
ばあちゃんがそう言って後ろを見る。
じいちゃんも出かけるようだ。
「王宮へ行かなきゃいけないからね。 じいさん、そろそろ来る頃でしょう?」
ばあちゃんがそう言うと、家の外に王宮のお迎えの人が来ていた。
美人さんだ。
じいちゃんが何やら嬉しそうな顔で出て行く。
王宮の係の人がこちらに一礼をして、じいちゃんと一緒に歩いて行く。
「ばあちゃん。 じいちゃん行ったよ」
俺がそういうと、ばあちゃんも出てきていた。
「あれ、テツまだ居たのかい? あたしも王宮へ行かなきゃいけないんだよ」
そう言うとばあちゃんも歩いて王宮へ向かって行った。
ばあちゃんも係の人がつくはずだったが、ばあちゃんが断ったそうだ。
そんな恥ずかしいことできないとか。
俺はばあちゃんの背中を見送って、フレイアのカフェに向かう。
向かうと行っても横だからな。
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