31 / 34
その後
甘く、蕩ける 1*
しおりを挟む
突然の浮遊感に驚いた私は、咄嗟に悠太くんの首にしがみ付いた。
小さかった頃ならまだしもこの年で抱き上げられるとは思っても見なくて、しかもいつも感じないこの感覚に慣れなくて、ほんの少しの距離でも私は落ちるのではないかと不安だった。
悠太くんにしてみれば、私を落とす筈はないと自信があったからこそ抱き上げたのだろうけど、心の準備のない状態で急にされると心臓に悪い。
「重いから下ろして」
暴れたら落ちてしまうのは分かっているので大人しくしていたけれど、やはり成人女性を抱き上げるにはそれなりの重量があるし、第一食後で食べた分の重さも加算されているのだ。誰だって体重は気になるだろう。
そしてようやく下ろして貰えたのは、私のベッドの上だった。
ベッドの上で、私は悠太くんに組み敷かれている。
寝室は電気を点けていなかったので、隣の部屋の明かりが漏れていて悠太くんの顔が逆光になっているから悠太くんの表情は見えないけれど、きっとさっきと同じく私を求めている表情をしているに違いない。
ベッドの上で組み敷かれた状態で私達は見つめ合った。
いよいよだ。これから、悠太くんに抱かれるのだ。
私は思わず生唾を飲み込んでしまったけれど、悠太くんも同じく余裕がないのか私と同じく生唾を飲み込んでいた。
「気持ちの準備は出来てる?」
きっとこれが最終確認だろう。ここで頷いたら、きっともう悠太くんは私がどれだけ泣いても止めないだろう。……いや、悠太くんは何だかんだ言って最終的に私の気持ちを優先してくれるだろう。でも、私だって初めての事とは言え人並みに性欲はあるし、その相手が好きな人だったら、最後までして欲しい。
私は、悠太くんの目を見て頷いた。そして、両手を悠太くんの首に絡み付けると、自分からキスをして意思表示をした。
「うん。私を悠太くんのものにして……」
私の言葉が引き金となり、悠太くんは私に覆いかぶさると、唇にキスをした。
いつもの様な触れるように優しいキスではない。貪る様な激しいキスだ。
初めての事に、私はどう返したらいいのか分からずにいたけれど、悠太くんの舌が私の唇をこじ開けようとしていたので少し唇を開くと、そこから悠太くんの舌がするりと侵入してきた。
温かくて柔らかい舌の感覚に、私はされるがままだった。悠太くんの舌はまるで自分の意思を持っているかのように私の腔内を蹂躙する。歯列をなぞって行ったかと思えば私の舌を捕らえて絡み付ける。まるで粘液までが私と絡み合いたいと言っているかのようだ。
私の口から溢れ出る混ざり合った唾液も、気が付けばその舌が舐め取っている。
私に覆いかぶさっていた悠太くんは、私に体重がかからない様に気を付けてくれている。私の顔の横についた手は、気が付けば私の頬を撫でている。
そして私はキスをされながら気か付けば胸を弄られていた。
でもその手付きは決して不快なものではなく、逆にもっと触って欲しいと思う位に優しくて、気持ちよくて、思わず声が漏れてしまいそうになる。
「……ん……、……あっ……」
悠太くんのキスが、唇から耳元に、息遣いが直で伝わり思わず変な声が出てしまうのを必死で堪えていると、悠太くんは耳元で囁いた。
「声、聞かせて……。結衣の声をずっと聞きたかったんだ。俺の愛撫で感じる声を……」
恥ずかしくて必死に堪えていたのに、それを聞きたいだなんてどんな羞恥プレイだろうと思ったけれど、悠太くんの表情を見ているとどうやら本心からの言葉だと理解した。
「声、我慢しなくていいからね。結衣の可愛い声を聞くのは俺だけだから。
結衣の可愛い姿を見るのも俺だけだから」
再び私の耳元で悠太くんが囁くと、悠太くんは私の首筋にキスをした。
初めての感覚に、私の身体も心臓も跳ねており、きっと行為が終わる頃には気力も体力も消耗してしまっているだろう。
おまけに恋愛初心者の私は、最初から悠太くんに主導権を委ねっ放しだ。このまま身を任せたままでいいのだろうか不安になるけれど、何をどうしていいのか分からない。
「……何も考えられない位に蕩けさせるから、結衣は俺の事だけ考えてて」
私の気持ちを読み取ったのか、悠太くんはそう言うと再び私にキスの雨を降らせながら手で私の胸を弄り始めた。
ニットのワンピースはいつの間にか裾が捲れ上がり、レギンスを穿いていなかったらあられもない格好になっていた。
そんなスカート部分の裾に悠太くんはいつの間にか手をかけていた。そして、私に万歳をさせる様に両手を上にあげさせると、一気にワンピースを脱がせた。
ニットワンピの下は長袖のTシャツを着用していたけれど、それも一緒に脱げてしまい、現在上半身はブラジャーのみだ。
恥ずかしくて思わず私は脱がされたワンピースで胸元を隠そうとするものの、それは悠太くんの手で阻止された。
「結衣の全てを見せて」
悠太くんは囁きながら、私の胸元にキスを落とした。
唇の感覚や、舌が這う感覚が何とも言えない位に気持ちよくて、それまで感じていた羞恥心がいつの間にか何処かに去ってしまっているのが不思議でならない。
小さかった頃ならまだしもこの年で抱き上げられるとは思っても見なくて、しかもいつも感じないこの感覚に慣れなくて、ほんの少しの距離でも私は落ちるのではないかと不安だった。
悠太くんにしてみれば、私を落とす筈はないと自信があったからこそ抱き上げたのだろうけど、心の準備のない状態で急にされると心臓に悪い。
「重いから下ろして」
暴れたら落ちてしまうのは分かっているので大人しくしていたけれど、やはり成人女性を抱き上げるにはそれなりの重量があるし、第一食後で食べた分の重さも加算されているのだ。誰だって体重は気になるだろう。
そしてようやく下ろして貰えたのは、私のベッドの上だった。
ベッドの上で、私は悠太くんに組み敷かれている。
寝室は電気を点けていなかったので、隣の部屋の明かりが漏れていて悠太くんの顔が逆光になっているから悠太くんの表情は見えないけれど、きっとさっきと同じく私を求めている表情をしているに違いない。
ベッドの上で組み敷かれた状態で私達は見つめ合った。
いよいよだ。これから、悠太くんに抱かれるのだ。
私は思わず生唾を飲み込んでしまったけれど、悠太くんも同じく余裕がないのか私と同じく生唾を飲み込んでいた。
「気持ちの準備は出来てる?」
きっとこれが最終確認だろう。ここで頷いたら、きっともう悠太くんは私がどれだけ泣いても止めないだろう。……いや、悠太くんは何だかんだ言って最終的に私の気持ちを優先してくれるだろう。でも、私だって初めての事とは言え人並みに性欲はあるし、その相手が好きな人だったら、最後までして欲しい。
私は、悠太くんの目を見て頷いた。そして、両手を悠太くんの首に絡み付けると、自分からキスをして意思表示をした。
「うん。私を悠太くんのものにして……」
私の言葉が引き金となり、悠太くんは私に覆いかぶさると、唇にキスをした。
いつもの様な触れるように優しいキスではない。貪る様な激しいキスだ。
初めての事に、私はどう返したらいいのか分からずにいたけれど、悠太くんの舌が私の唇をこじ開けようとしていたので少し唇を開くと、そこから悠太くんの舌がするりと侵入してきた。
温かくて柔らかい舌の感覚に、私はされるがままだった。悠太くんの舌はまるで自分の意思を持っているかのように私の腔内を蹂躙する。歯列をなぞって行ったかと思えば私の舌を捕らえて絡み付ける。まるで粘液までが私と絡み合いたいと言っているかのようだ。
私の口から溢れ出る混ざり合った唾液も、気が付けばその舌が舐め取っている。
私に覆いかぶさっていた悠太くんは、私に体重がかからない様に気を付けてくれている。私の顔の横についた手は、気が付けば私の頬を撫でている。
そして私はキスをされながら気か付けば胸を弄られていた。
でもその手付きは決して不快なものではなく、逆にもっと触って欲しいと思う位に優しくて、気持ちよくて、思わず声が漏れてしまいそうになる。
「……ん……、……あっ……」
悠太くんのキスが、唇から耳元に、息遣いが直で伝わり思わず変な声が出てしまうのを必死で堪えていると、悠太くんは耳元で囁いた。
「声、聞かせて……。結衣の声をずっと聞きたかったんだ。俺の愛撫で感じる声を……」
恥ずかしくて必死に堪えていたのに、それを聞きたいだなんてどんな羞恥プレイだろうと思ったけれど、悠太くんの表情を見ているとどうやら本心からの言葉だと理解した。
「声、我慢しなくていいからね。結衣の可愛い声を聞くのは俺だけだから。
結衣の可愛い姿を見るのも俺だけだから」
再び私の耳元で悠太くんが囁くと、悠太くんは私の首筋にキスをした。
初めての感覚に、私の身体も心臓も跳ねており、きっと行為が終わる頃には気力も体力も消耗してしまっているだろう。
おまけに恋愛初心者の私は、最初から悠太くんに主導権を委ねっ放しだ。このまま身を任せたままでいいのだろうか不安になるけれど、何をどうしていいのか分からない。
「……何も考えられない位に蕩けさせるから、結衣は俺の事だけ考えてて」
私の気持ちを読み取ったのか、悠太くんはそう言うと再び私にキスの雨を降らせながら手で私の胸を弄り始めた。
ニットのワンピースはいつの間にか裾が捲れ上がり、レギンスを穿いていなかったらあられもない格好になっていた。
そんなスカート部分の裾に悠太くんはいつの間にか手をかけていた。そして、私に万歳をさせる様に両手を上にあげさせると、一気にワンピースを脱がせた。
ニットワンピの下は長袖のTシャツを着用していたけれど、それも一緒に脱げてしまい、現在上半身はブラジャーのみだ。
恥ずかしくて思わず私は脱がされたワンピースで胸元を隠そうとするものの、それは悠太くんの手で阻止された。
「結衣の全てを見せて」
悠太くんは囁きながら、私の胸元にキスを落とした。
唇の感覚や、舌が這う感覚が何とも言えない位に気持ちよくて、それまで感じていた羞恥心がいつの間にか何処かに去ってしまっているのが不思議でならない。
0
お気に入りに追加
111
あなたにおすすめの小説
【R18・完結】蜜溺愛婚 ~冷徹御曹司は努力家妻を溺愛せずにはいられない〜
花室 芽苳
恋愛
契約結婚しませんか?貴方は確かにそう言ったのに。気付けば貴方の冷たい瞳に炎が宿ってー?ねえ、これは大人の恋なんですか?
どこにいても誰といても冷静沈着。
二階堂 柚瑠木《にかいどう ゆるぎ》は二階堂財閥の御曹司
そんな彼が契約結婚の相手として選んだのは
十条コーポレーションのお嬢様
十条 月菜《じゅうじょう つきな》
真面目で努力家の月菜は、そんな柚瑠木の申し出を受ける。
「契約結婚でも、私は柚瑠木さんの妻として頑張ります!」
「余計な事はしなくていい、貴女はお飾りの妻に過ぎないんですから」
しかし、挫けず頑張る月菜の姿に柚瑠木は徐々に心を動かされて――――?
冷徹御曹司 二階堂 柚瑠木 185㎝ 33歳
努力家妻 十条 月菜 150㎝ 24歳
悪役令嬢の選んだ末路〜嫌われ妻は愛する夫に復讐を果たします〜
ノルジャン
恋愛
モアーナは夫のオセローに嫌われていた。夫には白い結婚を続け、お互いに愛人をつくろうと言われたのだった。それでも彼女はオセローを愛していた。だが自尊心の強いモアーナはやはり結婚生活に耐えられず、愛してくれない夫に復讐を果たす。その復讐とは……?
※残酷な描写あり
⭐︎6話からマリー、9話目からオセロー視点で完結。
ムーンライトノベルズ からの転載です。
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
斑目 ごたく
ファンタジー
「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。
失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。
彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。
彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。
仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
伯爵夫人のお気に入り
つくも茄子
ファンタジー
プライド伯爵令嬢、ユースティティアは僅か二歳で大病を患い入院を余儀なくされた。悲しみにくれる伯爵夫人は、遠縁の少女を娘代わりに可愛がっていた。
数年後、全快した娘が屋敷に戻ってきた時。
喜ぶ伯爵夫人。
伯爵夫人を慕う少女。
静観する伯爵。
三者三様の想いが交差する。
歪な家族の形。
「この家族ごっこはいつまで続けるおつもりですか?お父様」
「お人形遊びはいい加減卒業なさってください、お母様」
「家族?いいえ、貴方は他所の子です」
ユースティティアは、そんな家族の形に呆れていた。
「可愛いあの子は、伯爵夫人のお気に入り」から「伯爵夫人のお気に入り」にタイトルを変更します。
【R18】恋をしないと決めたはずなのに、30歳にして最高の相性の男の子と巡り逢いました
長門美侑
恋愛
空野咲良 三十歳。
逞しくも愛くるしい年下男子・明夜昴と出会い、
一夜限りの関係を結ぶ。
恋愛はしないと心に決めていたはずなのに、
どうやら昴は運命の人みたいで。
障壁を乗り越えて勇気を出して恋に踏み出すも、
昴とその家族が抱える秘密が明らかになり、
二人の関係は揺らぐ。
絶対に離れないと心に誓った二人だが、
絡み合う運命の糸を手繰り寄せることができるのか。
溺愛カップルのラブシーン多めの、恋愛官能ミステリー。
死に役はごめんなので好きにさせてもらいます
橋本彩里(Ayari)
恋愛
フェリシアは幼馴染で婚約者のデュークのことが好きで健気に尽くしてきた。
前世の記憶が蘇り、物語冒頭で死ぬ役目の主人公たちのただの盛り上げ要員であると知ったフェリシアは、死んでたまるかと物語のヒーロー枠であるデュークへの恋心を捨てることを決意する。
愛を返されない、いつか違う人とくっつく予定の婚約者なんてごめんだ。しかも自分は死に役。
フェリシアはデューク中心の生活をやめ、なんなら婚約破棄を目指して自分のために好きなことをしようと決める。
どうせ何をしていても気にしないだろうとデュークと距離を置こうとするが……
まったりいきます。5万~10万文字予定。
お付き合いいただけたら幸いです。
たくさんのいいね、エール、感想、誤字報告をありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる